働きアリ

勉強をしている子どもたちが、悩み、知りたい、理解したいと思いながら、今までは調べる方法がなかった事柄を、必要かつ十分な説明でわかりやすく記述したサイトです

化学変化

science アンモニアの噴水実験

アンモニアは窒素水素が結びついてできた気体です(化学式はNH3、窒素原子1個と水素原子3個でできている)。

濃いアンモニア水を加熱するか、水酸化カルシウム塩化アンモニウムを混ぜたものを加熱して、気体のアンモニアを発生させることができます。

アンモニアの性質としては、空気より軽い(空気の重さの0.6倍)、水に非常に溶けやすい(0°C、1気圧で水1cm3に1176cm3のアンモニアが溶ける)、刺激臭がある、有毒である、などがあります。

また、アンモニアが水にとけたものをアンモニア水(NH4OH)といい、アルカリ性を示します。


アンモニアの噴水実験

アンモニアの性質を確かめる興味深い実験があります。

濃いアンモニア水を加熱するか、塩化アンモニウムと水酸化カルシウムの混合物を加熱して発生させたアンモニアを、上方置換乾いた丸底フラスコに集めてゴム栓でフタをしておきます。

丸底フラスコの口を下にして、フタにしていたゴム栓をとり、水を入れたスポイトとガラス管をさしたゴム栓に交換して、スタンドに立てます。
アンモニアの噴水実験ガラス管の先は、水槽のフェノールフタレインを加えた水に入れておきます。

*乾いた丸底フラスコを使うのは、フラスコ内に水分があるとアンモニアが水に溶けてしまうからです。

*丸底フラスコの口を下に向けるのは、アンモニアは空気より軽いので口を下にしているとフラスコから外には逃げないからです。

*水にフェノールフタレインを加えておくのは、アンモニアが水に溶けてアンモニア水になったときの水溶液の性質を調べるためです(フェノールフタレイン溶液は、酸性中性のとき無色アルカリ性のとき赤色になります)。


スポイトをおしてフラスコ内にを入れます。
噴水実験の2アンモニアは非常に水に溶けやすいので、フラスコ内にあったアンモニアは、スポイトからおし出された水に溶けてしまいます(水がフラスコ内のアンモニアを吸いとってしまった状態になります)。

そうすると、それまでアンモニアで満たされていたフラスコ内は、何もなくなった状態、つまり、ほぼ真空に近い状態となります。

これは、ストローで飲み物を吸うときと同じ状態になったということです。


フラスコ内の気圧はほぼゼロで、水槽のフェノールフタレインを加えた水には気圧が加わっていますから、フェノールフタレインを加えた水は、噴水のようになって、勢いよく丸底フラスコの中に吸い込まれていきます。
噴水実験の3
ところで、気体のアンモニアは水に溶けると(アンモニア水になると)アルカリ性です。
それまで無色であったフェノールフタレイン溶液は、丸底フラスコの中で瞬時に気体のアンモニアを吸い込んでアルカリ性に変わるので、赤色の噴水になって吸い込まれていきます。

このとき、赤色に変わったフェノールフタレイン溶液が丸底フラスコ内を完全に満たすことはありません。
アンモニアを発生させて上方置換で集めたときやゴム栓を取りかえたとき、どうしても空気がフラスコ内にまぎれこんでしまいますし、水があると表面から水蒸気も発生しています。
それらがフラスコの上部に残って、噴水は止まります。


この実験で確かめられること

1、アンモニアは空気より軽い
2、アンモニアは水に非常によく溶ける
3、アンモニアは水に溶けるとアルカリ性である



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science 化学変化 中和点を電流で見つける

酸とアルカリを混ぜたとき、にふくまれている水素イオンアルカリにふくまれている水酸化物イオンが結びついてになります。

水素イオンと水酸化物イオンが過不足なく反応して水になったとき(溶液中に水素イオンも水酸化物イオンも存在しないとき)を中和点といいます。

中和点は、BTB溶液の色の変化をみたらわかります。

酸性の塩酸に、少しずつアルカリ性の水酸化ナトリウムを加えていきます。
最初は塩酸のほうが多いのでBTB溶液は黄色です。
水酸化ナトリウムを加えていくと、あるところで中性になり、BTB溶液は緑色になります。
さらに水酸化ナトリウムを加え続けると、BTB溶液は青色になります。

しかし、BTB溶液では色の変化を観察するだけなので、どこが中和点なのかを正確に見つけることは困難です(どこまでが黄色でどこで緑色に変わったのか判別が難しい)。

そこで、正確に中和点を見つける方法として、溶液中を流れる電流を測定する方法が使われます。


硫酸と水酸化バリウムで中和点を見つける

ビーカーに硫酸をいれたものを用意します。
ステンレス板を電極として直流電流を流し、水酸化バリウム水溶液を加えていきながら、溶液中を流れる電流を測定します。

最初は、硫酸だけがビーカーに入っています。
1
ビーカーの中では硫酸が電離して、+の水素イオンと-の硫酸イオンが存在しています。
硫酸

このとき、モデルの図のビーカーの中に存在しているイオンの個数は6個です。












水酸化バリウムを加えます。
2
水酸化バリウムは、+のバリウムイオンと-の水酸化物イオンに電離しています。
水酸化バリウム












加えた水酸化バリウムにふくまれる水酸化物イオンは、硫酸にふくまれていた水素イオンと結びついて水になります。
水

3
加えた水酸化バリウムにふくまれるバリウムイオンは、硫酸にふくまれていた硫酸イオンと結びついて硫酸バリウムになります。
硫酸バリウム


硫酸バリウムは非電解質なので、水には溶けないで、ビーカーの底に沈殿します。

このとき、モデルの図のビーカーの中に存在しているイオンの個数は、イオンが水と硫酸バリウムになったために、3個に減少しています。



さらに、水酸化バリウムを加えます。
4水素イオンと水酸化物イオンは完全に反応して水になりました。
硫酸イオンとバリウムイオンも完全に反応して硫酸バリウムになって沈殿しました。

この段階が中和点です。

溶液中に存在するイオンの数は0個です。









さらに、水酸化バリウムを加えます。
5
加えた水酸化バリウム中の、バリウムイオンは反応する陰イオンが溶液中に存在しないのでバリウムイオンのままです。
水酸化物イオンも、結びつく陽イオンが存在しないので水酸化物イオンのままです。

モデルの図では、この段階で存在するイオンの数は3個です。

以上のモデルでは、溶液中に存在するイオンの個数は、6個→3個→0個→3個→と変化しました。

このとき、溶液中を流れる電流の大きさはどのように変化するでしょうか。



電流の変化

溶液中に存在するイオンの数が多いほど、溶液中を大きい電流が流れます。
モデルの図で、溶液中のイオンの個数は、6個→3個→0個→3個→と変化しました。

横軸に加えた水酸化バリウムの量、縦軸に溶液中を流れる電流の大きさをとってグラフをかくと、次の図のようになります。
6
このように、溶液中にイオンの数が多いほど溶液中を流れる電流が大きいことを利用して、中和点を正確に求めることができます。









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science 化学変化 酸・アルカリ・中和とイオン (中2の学習事項)

中1の『物質』水溶液の性質で学んだ酸性・アルカリ性・中性ですが、中2の『化学変化』では、酸・アルカリ・中和をイオンの見地から学習します。

この稿では、中2の学習事項である酸・アルカリ・中和とイオンについてまとめます。




水に溶けると、電離して水素イオンを生じる物質を酸といいます。

酸性の水溶液が示すいろいろな性質は、水溶液中の水素イオンが原因で生じます(青色リトマス紙を赤色にし、BTB溶液を黄色にするのは水素イオンです)。

酸の電離を表わす式

酸は、水溶液中で以下のように電離しています。

酸










酸は、水に溶けると、プラスの電気を帯びた陽イオンである水素イオンと、マイナスの電気を帯びた陰イオンに分かれます。


アルカリ

水に溶けると、電離して水酸化物イオンを生じる物質をアルカリといいます。

アルカリ性の水溶液が示すいろいろな性質は、水溶液中の水酸化物イオンが原因で生じます(赤色リトマス紙を青色にし、BTB溶液を青色にし、フェノールフタレイン溶液を赤色にするのは水酸化物イオンです)。

アルカリの電離を表わす式

アルカリは、水溶液中で以下のように電離しています。

アルカリ








アルカリは、水に溶けると、プラスの電気を帯びた陽イオンと、マイナスの電気を帯びた陰イオン水酸化物イオンに分かれます。


強酸と弱酸、強アルカリと弱アルカリ

塩酸硫酸硝酸は、水溶液中でほとんどが水素イオンと陰イオンに電離しており、強い酸性の水溶液となっています。これらの酸を強酸といいます。
酢酸炭酸は、水溶液中でわずかな分子しか電離しません。弱い酸なので弱酸といいます。

水酸化ナトリウム水酸化バリウムは、ほとんどが電離して陽イオンと水酸化物イオンに分かれている強アルカリです。
アンモニア水は、水溶液中であまり電離していない弱アルカリです。


中和とイオン

酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を混ぜたとき、酸性の水溶液にふくまれていた水素イオンとアルカリの水溶液にふくまれていた水酸化物イオンが結びついてができます。

このことを中和といいます。

中和がおこなわれるとき、酸の陰イオン(水素イオンでないほう)とアルカリの陽イオン(水酸化物イオンでないほう)とで、塩(えん)ができます。

塩酸水酸化ナトリウムを混ぜたときを考えてみましょう。
中和










塩酸に少しずつ水酸化ナトリウムを加えていきます。
中和2
プラスの電気を帯びた水素イオンと、マイナスの電気を帯びた水酸化物イオンは、結びついて水になります。

塩酸にふくまれていた塩化物イオンと、加えた水酸化ナトリウムにふくまれていたナトリウムイオンとでできる塩化ナトリウムは電解質なので、イオンのまま水に溶けています。




中和3以上のことを、変化したイオンだけに着目すると次の式になります。
中和の式

これが中和を表わす式です。







中和点

酸の水溶液とアルカリの水溶液を混ぜたとき、酸にふくまれていた水素イオンとアルカリにふくまれていた水酸化物イオンが過不足なく反応したときを中和点といいます。

中和点は、水溶液中を流れる電流を測定することで見つけることができます。
中和点で電流は最小になります。




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science 化学変化 水の電気分解のしくみ

授業中、N君が質問をしてきました。
「水の電気分解の問題で、なぜこうなるのか理解できないんですが。」

彼のことですから、
・水酸化ナトリウムをくわえる理由は何か?→純粋な水は電流を通しにくいから、電流を通すため。
・どちらの極に何が出てくるか?→+極に酸素、-極に水素。
・酸素と水素の体積比はどうなるか?→水素:酸素=2:1。
などという陳腐な質問ではありません。

なぜ+極に酸素、-極に水素が出てくるのか、その原理を知りたいという質問です。

以下は問題文です。

問題:図は水酸化ナトリウムを加えた水の電気分解のようすを表わした模式図である。

水の電気分解
-極側で水分子が電極から(1)を受けとるときに(2)が発生し、残ったものが水酸化物イオンとして逆の電極に移動する。+極側では水酸化物イオンが(1)を電極にわたし、(3)が発生する。(1)~(3)にあてはまる語を書け。

答えは(1)電子、(2)水素、(3)酸素です。

答えはわかっているのですが、図を見ても水の電気分解の仕組みがわからないという質問です。


水酸化ナトリウムはどうなっているのか

加えた水酸化ナトリウムは、+の電気をおびたナトリウムイオンと-の電気をおびた水酸化物イオンに分かれています。

このナトリウムイオンと水酸化物イオンは電流を流れやすくするはたらきをするだけで、電子のやりとりからははずします(そうではないという説明もありますが、ここでは一応はずしておきます)。


水の分子の電離と電気分解の仕組み

水の分子は、ごく少量、水素分子と水酸化物イオンに電離しています。
1


この水素イオンと水酸化物イオンで水の電気分解がおこなわれると考えます。
水の電気分解2






















-極で起こっていること

-極では、-極の近くにある水分子のうち、水素イオンと水酸化物イオンに分かれて+の電気をおびた水素イオンが、電子をうけとって水素原子になります。

そして2つの水素原子が結びついて1つの水素分子になり、気体となって出てきます。

3




+極で起こっていること

+極では、マイナスの電気をおびた水酸化物イオンが+極に電子をわたします。

水酸化物イオンは水素1個と酸素1個が結びついてできたイオンです。

1個の水酸化物イオンが電子を+極にわたすと、1個の酸素と1個の水素が存在します。
4個の水酸化物イオンだと、4個の酸素と4個の水素が存在することになります。

4個の酸素のうちの1個の酸素が、2個の水素と結びついて水の分子になります。
もう1個の酸素も2個の水素と結びついて水の分子になります。

あとに、2個の酸素が残りました(4個の水素は水の分子をつくるのに使われて、残りはありません)。
この2個の酸素原子が結びついて、1個の酸素分子になって出てきます。

4






図は、以上の仕組みを表わしているわけです。
水の電気分解


















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science イオン化傾向と酸化・還元、電池

なぜ鉄はさびやすく金はさびないのか、なぜ亜鉛板と銅板を電解質の水溶液に入れると亜鉛板が陰極で銅板が陽極の電池になるのか、中学理科の範囲だとその理由までは習いません。

「なぜ」を習わないままに結果を暗記してもよいのですが、「なぜ」が気になる人もいるでしょう。

この稿では、『イオン化傾向』についてまとめることで、その「なぜ」を解明したいと思います。


イオン化傾向とは

金属は、−の電気を帯びた電子を手ばなして、+の電気を帯びた陽イオンになります(イオンについてはこちらを参照)。
金属には陽イオンになりやすい金属と陽イオンになりにくい金属があり、陽イオンへのなりやすさのことをイオン化傾向といいます。

イオン化傾向を、陽イオンになりやすい順に並べると次のようになります。

K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>(H)>Cu>Hg>Ag>Pt>Au

Kカリウム>Caカルシウム>Naナトリウム>Mgマグネシウム>Alアルミニウム>Zn亜鉛>Fe鉄>Niニッケル>Snスズ>Pb鉛>(H)水素>Cu銅>Hg水銀>Ag銀>Pt白金>Au金

重要なのでいろいろ覚え方が考案されてきたのですが、私は次の覚え方を気にいっています。

貸そうかな、まあ、あてにするな、ひどすぎる借金

Kそう>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Snる>Pb>(H)>Cu>Hg>Agる>しゃっPt>きんAu

水素は英語でhydrogenハイドロジェンなので「ひ」です。
水素は金属ではありませんが、陽イオンになる代表的な元素のひとつであり、イオン化傾向がからんでくる分野で重要なので、イオン化傾向の暗記の列に加えます。


イオン化傾向を調べる実験

銀イオンをふくんでいる硝酸銀水溶液の中に、銅を入れます。
イオン化傾向
しばらくすると、銅のまわりに銀色の物質が付着し、水溶液は青色に変化します。

銅のまわりに付着した銀色の物質は銀です。

水溶液が青色に変わるのは、銅が青色の銅イオンにかわり、水溶液に溶けたためです。

銅は電子を放出して銅イオンになります。
銅→銅イオン+電子
銅の電離


銀イオンは銅が放出した電子と結びついて銀になります。
銀イオン+電子→銀
銀の析出


銅が電子を手ばなして銅イオンにかわり、銀イオンが電子を受け取って銀にかわったのは、銅のほうが銀より陽イオンになりやすいからです。
つまり、イオン化傾向が銅>銀だからです。

同様に、銅イオンをふくむ青色の硫酸銅水溶液に鉄を入れると、鉄の表面に銅が付着し、青色であった硫酸銅水溶液は鉄イオンが溶けたために鉄イオンの色である緑色にかわります。
鉄のほうが銅より陽イオンになりやすいのです。
イオン化傾向は鉄>銅ということになります。

イオン化傾向の小さい金属のイオンをふくむ水溶液に、イオン化傾向の大きい金属を入れると、イオン化傾向の小さい金属のイオンはイオンであることをやめて金属になって付着します。イオン化傾向の大きい金属はイオンになって水溶液に溶けます。


イオン化傾向と酸化や還元などの化学反応

イオン化傾向が大きい金属ほど空気や酸や水と反応しやすいといえます。


金属と空気の反応

イオン化傾向のきわめて大きいカリウム〜ナトリウムは、加熱しなくてもすぐに空気中の酸素と結びつき酸化されます。

次にイオン化傾向の大きいマグネシウム・アルミニウムは、加熱すると酸化されます。

亜鉛〜水銀は、高い温度で加熱すると酸化されます。

イオン化傾向の小さい銀〜金は酸化されません。

K>Ca>Na・・・加熱しなくても酸化
Mg>Al
・・・加熱すると酸化
Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>(H)>Cu>Hg
・・・高温で加熱すると酸化
Ag>Pt>Au
・・・酸化しない



イオン化傾向が大きい=酸化されやすいということは、イオン化傾向が大きい=還元されにくいということです。


さらに、空気との反応以外の例として、イオン化傾向の大きいマグネシウムやアルミニウムなどの金属は、酸化物にふくまれている酸素と結びつき容易に酸化されます(酸化と同時に還元がおこるので、酸化物のほうは酸素をうばわれて還元されます)。

例えば、二酸化炭素に火をつけたマグネシウムを入れると、イオン化傾向の大きいマグネシウムは二酸化炭素にふくまれる酸素と結びついて酸化マグネシウムにかわり、二酸化炭素は酸素をうばわれて炭素にかわります。


金属と酸との反応

とは水素イオンをふくむ化合物であり、イオン化傾向が水素より大きい金属であるカリウム〜鉛を酸に入れると金属は陽イオンに変わり、酸の水素イオンは陽イオンであることをやめて気体の水素になって出てきます。

K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb・・・酸に入れると水素を発生
>(H)>
Cu>Hg>Ag>Pt>Au
・・・酸に入れても水素を発生しない



中学生は以上の原則を知っていたらそれで充分ですが、実際に酸に金属を入れたときの反応は次のようになります。

イオン化傾向の大きいカリウム〜鉄は、うすい塩酸や硫酸と反応して水素を発生します。

ニッケル〜鉛は、うすい酸とはほとんど反応しません。

銅〜銀は、硝酸や熱した濃い硫酸とだけは反応して溶けます。

白金と金は、濃い硝酸と濃い塩酸を1:3の割合で混合した王水とよばれる混合液とだけ反応して溶けます。

K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe・・・うすい塩酸や硫酸と反応し水素を発生
Ni>Sn>Pb
・・・うすい塩酸や硫酸とは反応しにくい
Cu>Hg>Ag
・・・硝酸と熱した濃い硫酸とだけに反応
Pt>Au
・・・王水とのみ反応



金属と水との反応

イオン化傾向の大きいカリウム〜ナトリウムは、水と激しく反応して水素を発生します。


イオン化傾向と電池

うすい塩酸や硫酸に、導線で結ばれた2種類の金属板を入れたものが化学電池です。

うすい塩酸に導線でつないだ亜鉛と銅を入れたときを考えてみましょう。

イオン化傾向が大きい亜鉛は電子を手ばなして亜鉛の陽イオンにかわり、塩酸に溶け出します。
電子は導線を通ってイオン化傾向が小さい銅のほうへ移動します。
塩酸にふくまれている陽イオンの水素イオンは銅から電子を受け取って気体の水素になって銅の表面に付着します。
亜鉛と銅の化学電池


















亜鉛から導線を通って銅に移動する電子の流れが電流です。
「電子が−極(陰極)である亜鉛から+極(陽極)である銅に移動する」ことを、「電流は+極(陽極)の銅から−極(陰極)の亜鉛へ流れる」といっているのです。


最初に電池をつくったのはボルタです(電圧の単位ボルトはボルタに由来)。
ボルタのつくった電池は、うすい硫酸に亜鉛板と銅板を入れたものでした。


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science 還元

還元

中学理科の範囲では、酸化物酸素をうばわれることを還元といいます(高校範囲では還元の意味が広がりますが、この稿ではふれません)。

自然にある鉱石から金属を取り出す過程で還元を利用します。

鉄は鉄鉱石から取り出します。
赤鉄鉱や磁鉄鉱などの鉄鉱石は酸化鉄のかたまりです。
製鉄所は、酸化鉄である鉄鉱石を炭素のかたまりであるコークス(石炭を蒸し焼きにしたもの)で還元して鉄を取り出す工場です(理科と社会に関係する興味深い記事『鉄鋼製造について』がこちらにあります)。

銅は銅鉱石(黄銅鉱や赤銅鉱)から取り出しますが、鉄より複雑な工程を経てつくられます(黄銅鉱の場合、溶錬炉で硫化銅を取り出し、硫化銅の硫黄分を酸素で取り除き、最後に電解精錬で純度の高い銅になります)。


中学範囲の理科では、化学反応式の簡単な銅を中心に還元を学びます。

酸化銅の還元

酸化銅の炭素による還元

酸化物酸素をうばわれるのが還元です。

酸化銅から酸素をうばうには、銅より酸素と結びつきやすい物質をもちいます。

炭素は、銅より酸素と結びつきやすい物質です。

酸化銅炭素の混合物を試験管に入れて加熱します。

還元の実験
同じ量の酸化銅と木炭(炭素)を乳鉢(にゅうばち)でよく混ぜたものの試験管に入れて加熱します。

試験管の口のほうを下げて(混合物のあるほうを上げて)加熱します。
発生した水で試験管が割れるのを防ぐためです。(この実験の場合、木炭に含まれていた水分が出てくるおそれがあるからと説明されますが、試験管が割れるほどの水が発生するのか、疑問が残ります。)

気体の発生がとまると、ガスバーナーの火を止めますが、必ず石灰水の入っている試験管をガラス管からはずした後、火を止めないといけません。
そうしないと、石灰水がガラス管を逆流して加熱していたほうの試験管内に入ってしまい、試験管が割れるおそれがあるからです。

また、火を消したら、ガラス管をつないでいたゴム管をピンチコックで閉じます。
還元された銅が、空気中の酸素と結びついて再び酸化銅になるのを防ぐためです。

黒色酸化銅は、赤かっ色に変わります。

発生する気体を石灰水に通すと石灰水が白くにごるので、二酸化炭素ができたことがわかります。

酸化銅+炭素→銅+二酸化炭素

酸化銅は酸素をうばわれてに変わります(還元)。

炭素は酸素と結びついて二酸化炭素になります(酸化)。

酸化銅の還元
酸化と還元は逆の反応(酸素と結びつくか、酸素をうばわれるか)ですが、還元がおこなわれているときには必ず同時に酸化がおこっています(酸化還元反応といわれる)。



化学反応式とモデル

酸化銅+炭素→銅+二酸化炭素を化学反応式で書くと次のようになります。

化学反応式炭素原子1個と酸素原子2個が結びついて二酸化炭素ができるので、1個の炭素原子に対して2個の酸化銅が必要です。

原子のモデルをもちいて書くと次のようになります。

モデル化学反応式2CuOの、前の2は酸化銅CuOが2個あることを表しているので、モデル図を書くときは酸化銅2個を上下に離して書きます。
銅原子が2個あることを表している2Cuも、モデル図では銅2個を上下に離して書きます。


酸化銅の水素による還元

水素も銅より酸素と結びつきやすい物質なので、水素をもちいて酸化銅を還元することもできます。

酸化銅を太いガラス管に入れて、ガラス管の左側から乾燥剤(塩化カルシウムなど)を通した水素を送り込みながら加熱すると、黒色の酸化銅が赤かっ色のに変わることを確かめることができます。
このとき、ガラス管内に液体がつき、塩化コバルト紙をあてると青色から赤色に変わるのでができたこともわかります。

酸化銅+水素→銅+水

酸化銅は酸素をうばわれてに変わります(還元)。

水素は酸素と結びついてになります(酸化)。
水素による還元








化学反応式2水素分子は2個の水素原子が結びついており、水素原子2個と酸素原子1個で水ができるので、酸化銅1個と水素分子1個で銅原子1個と水分子1個ができることになります。

モデル2科学反応式のH2の後ろの2は、水素原子2個が結びついて1個の水素分子ができていることを表しているので、モデル図では2個の水素原子をくっつけて書かないといけません。


炭素水素のように、酸素と結びつきやすく、酸化物から酸素をうばうのに使われる物質を還元剤といいます。


酸化鉄の炭素による還元

製鉄所では、高炉酸化鉄(赤鉄鉱、磁鉄鉱)をコークス(石炭を蒸し焼きにしたもの、おもな成分は炭素)と混ぜたものに熱風を送り込んで加熱し、鉄(銑鉄せんてつ)を取り出します。
不純物を取り除くために石灰岩も加えて加熱します。
その後、転炉でさらに不純物を取り除いて鉄鋼にします。

酸化鉄+炭素→鉄+二酸化炭素

酸化鉄の還元








酸化鉄には何種類かあり、このときの化学反応式も複雑なので、中学理科の範囲では酸化鉄の還元の化学反応式やモデル図は出題されません。


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science 酸化・燃焼・さび

酸化

中学理科の範囲では、物質が酸素化合して別の化合物になることを酸化といいます(高校範囲になると酸化の意味が広がります)。

身近な例で観察される酸化には次の3つのものがあります。

燃焼・・・物質が燃えるとき、光と熱を出して別の物質にかわります。物質が「燃える」とは酸素と結びつくことです。燃焼は代表的な酸化の例です。

さび・・・鉄や銅は、放置しておくと表面から色がかわりもろくなっていきます。これは鉄や銅が空気中の酸素と化合して酸化鉄、酸化銅にかわるからです。

その他・・・りんごの皮をむいてしばらくするとりんごの表面の色がかわります。これも酸化の一種です。


酸化物

酸化によってできた物質を酸化物といいます。

が酸化されると酸化銅マグネシウムが酸化されると酸化マグネシウムというように、「酸化+もとの物質名」でよばれることが多いのですが、炭素の酸化物は二酸化炭素、水素の酸化物はです。

また、鉄が酸化されると酸化鉄になりますが、実は酸化鉄にはいくつかのものがあります。
スチールウール(鉄を細い線状にしたもの)を燃焼させたとき、完全燃焼すると鉄原子2個と酸素原子3個が結びつき、三酸化二鉄とよばれる酸化鉄ができます(赤さびと同じもの、酸化鉄(III)と表記する)。酸素が充分でないと鉄原子3個と酸素原子4個が結びついた四酸化三鉄とよばれる酸化鉄ができます(黒さびと同じもの、酸化鉄(II,III)と表記する)。他に、1個の鉄原子と1個の酸素原子が結びついた酸化鉄(酸化鉄(II)と表記する)もあります。


燃焼

いわゆる「物質が燃える」反応が燃焼です。発熱反応の一つです。

理科では、「物質がを出しながら激しく酸素と結びつくこと」を燃焼と定義します。

燃焼は、3種類に分類できます。

金属の燃焼・・・「酸化+もとの物質名」ができます。銅が燃焼すると酸化銅、マグネシウムが燃焼すると酸化マグネシウムができます。

炭素水素の燃焼・・・炭素が燃焼すると二酸化炭素、水素が燃焼すると水ができます。

有機物の燃焼・・・有機物は炭素と水素を含んでいるので燃焼すると二酸化炭素と水ができます。


金属の燃焼

銅+酸素→酸化銅

赤かっ色(「せっかっしょく」と読み、赤茶色のこと)の銅を空気中で加熱すると黒色の酸化銅ができます。

酸化銅は、もとの銅とはまったく別の物質です。

銅の酸化

酸化銅は結びついた酸素の質量の分だけもとの銅より質量が増えます(質量保存の法則)。

銅と、結びつく酸素の質量の比は決まっており、銅4:酸素1の割合で結びついて5の割合の酸化銅ができます(定比例の法則)。


マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム

銀色のマグネシウムを空気中で加熱すると白色の酸化マグネシウムができます。

酸化マグネシウムは、もとのマグネシウムとはまったく別の物質です。

マグネシウムの酸化

酸化マグネシウムは結びついた酸素の質量の分だけもとのマグネシウムより質量が増えます(質量保存の法則)。

マグネシウムと、結びつく酸素の質量の比は決まっており、マグネシウム3:酸素2の割合で結びついて5の割合の酸化マグネシウムができます(定比例の法則)。

マグネシウムは、燃焼を始めると加熱をやめても燃焼し続けます。


炭素の燃焼

炭素+酸素→二酸化炭素

木炭(炭素)を燃焼させると二酸化炭素になります。

炭素の燃焼

二酸化炭素ができたことは石灰水が白くにごることで確かめることができます。

木炭はほとんど炭素でできていますが、木炭に含まれていた炭素以外のものが灰として残ります。


水素の燃焼

水素+酸素→水

空気の混ざっていない水素を燃焼すると青い炎を出して燃えてになります。空気が混ざっていると爆発してになります。

水素の燃焼

水ができたことは、水素を入れていた容器の内側が水で白くくもることや、塩化コバルト紙の色が青色から赤色にかわることで確かめることができます。


有機物の燃焼

ろうエタノール、天然ガス(おもな成分はメタン)、石油、プラスチック、紙などの有機物を燃焼させると、二酸化炭素ができます。

エタノールを燃焼させたときの化学反応式
エタノールの燃焼


有機物は炭素水素を含んでいるので、含まれていた炭素は酸化されて二酸化炭素に、含まれていた水素は酸化されて水にかわります。


さび

さびは、物質がおだやかに酸素と結びつく反応です。

物質がさびるとき、光は出ませんがを発生します。

物質がさびるときに熱が出ることを利用したものが使い捨てカイロです。

使い捨てカイロは鉄の酸化の速度を速くして、そのときに発生する熱を活用するものです。
使い捨てカイロの中には、酸化される鉄粉と、酸化の速度を早めるための水(バーミキュライトとよばれる土の中に含まれている)や食塩、酸素の供給をうながすための活性炭などが含まれています。
カイロを使用する前に酸化が始まらないように、空気を遮断する特殊なフィルムで包装されており、包装を破ることで空気が供給されて酸化が始まり、熱を発生します。


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science 化学変化とグラフ(2) 発展・入試レベル

グラフを読み取って計算をする問題、昨日の基礎・基本の続きです。
今日は入試レベルの発展問題を取り上げます。


例題1:グラフは、塩酸10立方cmにいろいろ質量を変えて石灰石を入れ石灰石と塩酸たときに発生する気体の質量と石灰石の質量との関係を表したものである。次の各問いに答えよ。

(1)石灰石2.0gに塩酸10立方cmを加えたとき、反応しないで残った石灰石の質量は何gか。

(2)問い(1)で反応しないで残った石灰石をすべて反応させるには、同じ濃度の塩酸を少なくともあと何立方cm加えればよいか。小数第2位を四捨五入して答えよ。

(3)グラフで、同じ濃度の塩酸20立方cmに石灰石2.5gに加えたときに発生する気体の質量は何gか。

(4)塩酸の量を5立法cmにして石灰石を入れていくと、石灰石の質量と発生する気体の質量の関係を表すグラフはどうなるか。グラフに書き入れなさい。



(解法のポイント)
単純な比例ではなくて、途中からグラフが横軸に平行になる問題です。

この種類の問題だと、なぜそうなったのか、その理由を先に理解しておかないとあとの問題を解けません。

この問題だと、途中で発生する気体の質量が増えなくなったのは、塩酸が10立方cmしかないことが原因です。
石灰石の量がある値を超えると、石灰石をいくら増やしても石灰石と反応する塩酸がもはや存在しないので気体が発生しなくなったわけです。

次に、注目しないといけないのはグラフが折れたところ、増えなくなった点の座標です。

この問題では、石灰石1.5g気体の質量が0.6gのときが目をつける場所です。このとき、石灰石と塩酸が過不足なく完全に反応しています。

それ以前は塩酸は充分なのに石灰石が足らない場合(つまり、塩酸はまだ残っている)、それ以後は塩酸が足らなくなって余った石灰石が残っている場合です。

この、「塩酸10立方cmのとき、石灰石1.5gで発生する気体の質量が0.6g」を使って、すべての問題を解いていきます。


(1)石灰石2.0gに塩酸10立方cmを加えたとき、反応しないで残った石灰石の質量は何gか。

石灰石1.5g気体の質量が0.6gのとき」、石灰石と塩酸はどちらも余すところなく完全に反応したわけだから、残った石灰石は2.0-1.5=0.5g。


(2)問い(1)で反応しないで残った石灰石をすべて反応させるには、同じ濃度の塩酸を少なくともあと何立方cm加えればよいか。小数第2位を四捨五入して答えよ。

石灰石1.5g塩酸10立方cmのとき」完全に反応することをここでは使います。

残った石灰石は0.5g、その石灰石と反応する塩酸の体積をx立方cmとして比例式をつくります。
0.5:x=1.5:10
1.5x=5
15x=50
x=3.33・・・

よって、3.3立法cm。


(3)グラフで、同じ濃度の塩酸20立方cmに石灰石2.5gに加えたときに発生する気体の質量は何gか。

石灰石1.5g塩酸10立方cmのとき」完全に反応するわけですから、塩酸が20立方cmだと石灰石は3.0gまで反応して気体を発生させることができます。

石灰石が2.5gだと塩酸は充分足りているので石灰石は完全に反応して気体を発生します。

そして次に、「石灰石1.5g気体0.6g発生する」を利用して比例式をたてます。

発生する気体の体積をxgとすると、2.5:x=1.5:0.6
1.5x=1.5
x=1.0

答えは1.0gです。


(4)塩酸の量を5立法cmにして石灰石を入れていくと、石灰石の質量と発生する気体の質量の関係を表すグラフはどうなるか。グラフに書き入れなさい。

再び、「石灰石1.5g塩酸10立方cmのとき」完全に反応することを利用します。

5立方cmの塩酸と反応する石灰石の質量をxgとすると、x:5=1.5:10
10x=7.5
x=0.75

石灰石が0.75gまでは石灰石の質量に比例して発生する気体の質量も増加しますが、石灰石が0.75gを超えるともはや反応する塩酸が残っていないので発生する気体の量は増えません。

また、このとき発生する気体の質量をxとすると、0.75:x=1.5:0.6
1.5x=0.45
x=0.3

石灰石が0.75gのとき、発生する気体の質量は0.3gだとわかります。

以上より、次のようなグラフになります。
石灰石と塩酸(2)














では、実際の入試問題に挑戦してみましょう。

例題2:5本の試験管にn%の塩酸を10gずつとり、それぞれに0.2g、0.4g、0.6g、0.8g、1.0gのマグネシウムを加えて完全に反応させた。Mgと塩酸グラフは、そのとき発生した水素の体積をはかり、グラフにしたものである。

(1)この実験で、マグネシウムが過不足なく完全に反応したのはマグネシウムを何g加えたときか。

(2)3.0gのマグネシウムを完全に反応させるには、塩酸を何g入れる必要があるか。

(3)この塩酸の濃度を2倍にしたとき、マグネシウム0.4gから発生する水素の体積は何立方cmか。

(4)2n%の塩酸15gにマグネシウムを2.0g加えて完全に反応させると、水素は何立方cm発生するか。



(解法のポイント)
まず、途中からグラフが折れて横軸に平行になったのはなぜか、その理由をわかること。
マグネシウムが0.6gを超えると、塩酸が足らなくなったからです。

次に、n%塩酸10gとき、マグネシウム0.6gで発生する水素600立方cmであることを使って問題を解くことを徹底すること。


(1)この実験で、マグネシウムが過不足なく完全に反応したのはマグネシウムを何g加えたときか。

「マグネシウム0.6gで発生する水素600立方cmのとき過不足なく反応しているわけだから、答えは0.6g。


(2)3.0gのマグネシウムを完全に反応させるには、塩酸を何g入れる必要があるか。

塩酸10gとき、マグネシウム0.6g」を使って比例式をたてます。

塩酸の質量をxgとすると、x:3.0=10:0.6
0.6x=30
6x=300
x=50

答えは50g。


(3)この塩酸の濃度を2倍にしたとき、マグネシウム0.4gから発生する水素の体積は何立方cmか。

n%塩酸10gとき、マグネシウム0.6gまでは、マグネシウムは完全に反応しています。言い換えると、塩酸は充分足りています。
マグネシウムが0.4gだと、n%の塩酸でも足りているので、濃度を2倍にしても影響はありません。

マグネシウム0.6gで発生する水素600立方cmである」ことから、水素の体積をxにして方程式をたて、0.4:x=0.6:600
0.6x=240
6x=2400
x=400

答えは400立方cmです。


(4)2n%の塩酸15gにマグネシウムを2.0g加えて完全に反応させると、水素は何立方cm発生するか。

n%塩酸10gとき、マグネシウム0.6gで発生する水素600立方cmであること」のすべてを使って考えていきます。

塩酸の濃度が2倍になったら、半分の量でもとの濃度の塩酸と同じ働きをします。逆にいうと、2n%の塩酸15gは、n%の塩酸30gと同じ働きをするということです。
(わかっているのはn%の塩酸のときなので、このようにn%の塩酸に換算して考えるのがコツです。)

次に、2n%の塩酸15g(=n%の塩酸30g)と反応するマグネシウムの質量を、「n%塩酸10gとき、マグネシウム0.6gを使って比例式をたてて求めます。
反応するマグネシウムの質量をxgとすると、n%の塩酸30gと反応するマグネシウムの量は30:x=10:0.6
10x=18
x=1.8g

つまり、マグネシウムを2.0g加えても1.8gしか反応しない、塩酸が足りなくなって0.2gのマグネシウムは反応しないで残ったままだということがわかります。

最後に、1.8gのマグネシウムで発生する水素の体積をxとし、「マグネシウム0.6gで発生する水素600立方cm」を使い比例式をつくります。
1.8:x=0.6:600
0.6x=1080
6x=10800
x=1800

1800立方cmが答えです。




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science 化学変化とグラフ(1) 基礎・基本

高校入試によく出る理科の問題の一つに、グラフを読みとってから計算をして解く問題があります。
苦手な受験生が多く、よく質問を受けます。


例題1:グラフは、銅を酸素と化合させたときの銅の質量とできた酸化銅の質量の関係を表わしたものである。これについて、次の問いに答えなさい。
銅と酸素の化合(1)
(1)2.8gの銅がすべて酸化銅になったとき、できた酸化銅の質量は何gか。

(2)銅と酸素が化合して酸化銅ができるとき、銅と酸化銅の質量の割合を最も簡単な整数の比で表せ。

(3)2.4gの銅と化合する酸素の質量を求めよ。

(4)銅の質量と化合した酸素の質量の関係を表すグラフを左のグラフに書き加えよ。




(解き方のポイント)

(1)2.8gの銅がすべて酸化銅になったとき、できた酸化銅の質量は何gか。

グラフの問題では、まず、グラフのマス目の交点を通っている、きりのよい数字を見つけます。
このグラフでは、銅が0.4gで酸化銅が0.5gのときか、銅が0.8gで酸化銅が1.0gのときです。この問題の場合、どちらでもかまわないので、数字の小さい(計算が楽なので)、銅0.4gで酸化銅0.5gを見つけておくのがよいと思います。

次に、グラフは原点を通る直線、つまり比例のグラフです。
中学生の理科では、できるだけ比例式を用いて解くべきです。

(化学変化では、銅と、反応する酸素、できる酸化銅の質量の比は、つねに一定です(定比例の法則)。その意味でも、比例式で解くべきです。)

求めたい酸化銅の質量をxとして、銅と酸化銅の比は0.4:0.5だから、
2.8:x=0.4:0.5・・・比例式をたてる
0.4x=1.4・・・比例式なので、内項(内側の項)の積=外項(外側の項)の積
4x=14・・・方程式として解く
x=3.5

答えは3.5gです。


(2)銅と酸素が化合して酸化銅ができるとき、銅と酸化銅の質量の割合を最も簡単な整数の比で表せ。

つねに同じ比になるので、0.4:0.5=4:5


(3)2.4gの銅と化合する酸素の質量を求めよ。

今度は、酸化銅ではなくて、銅と結びついた酸素の質量を求める問題です。

やはり、グラフで見つけておいた、銅0.4gのとき酸化銅0.5gを利用します。

銅+酸素→酸化銅であり、他から加わったり、他に逃げたりするものはありませんから、銅が0.4gで酸化銅が0.5gできたということは、銅と結びついた酸素の質量は0.5−0.4=0.1gだということです。

銅0.4gと反応した酸素は0.1gだから、求める酸素の質量をxとして比例式をつくって、
2.4:x=0.4:0.1
0.4x=0.24
40x=24
x=0.6

答えは0.6gです。

(小数の続くのが煩雑だと感じる人は、0.4:0.5を先に10倍して4:5にしてから式をたててもかまいません。)


(4)銅の質量と化合した酸素の質量の関係を表すグラフを左のグラフに書き加えよ。

銅と酸素の化合(3)銅0.4gと結びついた酸素の質量は0.1gでしたから、横軸の銅の目盛りが0.4のとき、縦軸の酸素の目盛り0.1gの場所に点を打ち、両者が比例するので、原点を通る直線を書き入れます。













ここまでの要点をまとめておきます。

・グラフの問題では、グラフのマス目の交点にあたるキリのよい数字を見つけておく

・直線のグラフであれば比例式をたてて解く

・グラフの横軸、縦軸が何を表しているのかを確認してから解く



では、ややむずかしくした問題で練習です。

例題2:
グラフは、銅を酸素と化合させたときと、マグネシウムを酸素と化合させたときの質量の関係を表わしたものである。これについて、次の問いに答えなさい。
銅・マグネシウムの化合
(1)2.4gの銅と、2.4gのマグネシウムをそれぞれ酸素と化合させると、何gの酸化銅、酸化マグネシウムが得られるか。

(2)1.0gの酸化銅、1.0gの酸化マグネシウムと化合している酸素はそれぞれ何gか。

(3)0.4gの酸素と化合する銅とマグネシウムの質量はそれぞれ何gか。

(4)3.0gの酸化銅、3.0gの酸化マグネシウムを得るためには、銅とマグネシウムをそれぞれ何gの酸素と化合させればよいか。


(解き方のポイント)

やはり最初に、キリのよい数字を見つけておきます。
銅は0.4gで酸化銅が0.5gできているところ、マグネシウムはマグネシウム0.6gで酸化マグネシウムが1.0gのところを使います。

(1)2.4gの銅と、2.4gのマグネシウムをそれぞれ酸素と化合させると、何gの酸化銅、酸化マグネシウムが得られるか。

酸化銅をxとすると、2.4:x=0.4:0.5
0.4x=1.2
4x=12
x=3.0・・・他の数値と同じ、小数第1位まで必要です。

できる酸化銅は3.0g。

酸化マグネシウムをxとして、2.4:x=0.6:1.0
0.6x=2.4
6x=24
x=4.0

できる酸化マグネシウムは4.0g。


(2)1.0gの酸化銅、1.0gの酸化マグネシウムと化合している酸素はそれぞれ何gか。

0.4gの銅で0.5gの酸化銅ができるとき、銅と結びついた酸素は0.1g。
0.6gのマグネシウムで1.0gの酸化マグネシウムができるとき、マグネシウムと結びついた酸素は0.4g。
この数値を使います。

酸化銅0.5gのとき化合した酸素は0.1gだから、銅と化合した酸素をxとすると、1.0:x=0.5:0.1
0.5x=0.1
5x=1
x=0.2
0.2g

酸化マグネシウム1.0gのとき化合した酸素は0.4gだから、マグネシウムと化合した酸素をxとすると、1.0:x=1.0:0.4
0.4g


(3)0.4gの酸素と化合する銅とマグネシウムの質量はそれぞれ何gか。

銅の質量をxとすると、0.4:x=0.1:0.4
0.1x=0.16
10x=16
x=1.6
銅は1.6g

マグネシウムの質量をxとすると、0.4:x=0.4:0.6
x=0.6g
マグネシウムは0.6g


(4)3.0gの酸化銅、3.0gの酸化マグネシウムを得るためには、銅とマグネシウムをそれぞれ何gの酸素と化合させればよいか。

酸素と酸化銅の比は0.1:0.5、酸素と酸化マグネシウムの比は0.4:1.0でした。

酸化銅のとき、酸素をxとすると、x:3.0=0.1:0.5
0.5x=0.3
5x=3
x=0.6
銅は0.6g

酸化マグネシウムのとき、酸素をxとすると、x:3.0=0.4:1.0
x=1.2
マグネシウムは1.2g



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