高校入試レベルの、やや難しい因数分解の解き方をまとめてみました。


タイプ1:共通因数→乗法公式(共通因数でくくったあと乗法公式を使う)

因数分解をするとき、共通因数があれば先に共通因数でくくってしまうのが鉄則です。
最初の2乗の項に係数がついていたら、まず共通因数でくくれという目印です。

因数分解(1)


共通因数でくくる→乗法公式を使う」で答えを求めます。

因数分解(1)の2







タイプ2:置き換え(同じ部分を見つけたら他の文字に置き換える)

因数分解は「( )の積の形にしなさい」という問題ですから、( )があるとき、( )を開いてはいけません。逆に、( )をそのまま残すことがヒントになります。

そして、共通な部分があれば別の文字1字に置き換えてしまうということも数学ではよく使う手です。

因数分解(2)



こことここが同じだ、と見つけ、同じ部分を大文字のXやAで置き換えて解いていきます。

因数分解(2)の2












因数分解(2)の3











次の問題は、共通部分があるわけではありませんが、「因数分解では( )は開かないでそのまま活用する」の鉄則から( )の部分を大文字で置き換えます。

因数分解(2)’


2乗−2乗」のタイプです。

因数分解(2)の4













タイプ3:( )でくくってから置き換え(自分で同じ部分をつくって置き換える)

因数分解では、( )があるとき( )を開いてはいけません。( )と( )の積の形にするのが因数分解だからです。
( )を残したままで、なんとかできないかと発想します。

因数分解(3)


(a-b)を残したら、他のところで(a-b)ができることに気づきます。(a-b)をもう1つつくった後、置き換えます。

因数分解(3)の2








さらに、( )が最初にまったくなくても同じ( )を2つつくって置き換えることができます。因数分解の問題で2乗の項がない問題が出たらこの種類の問題です。

因数分解(3)の3


前の2つの項と、後ろの2つの項をそれぞれ共通因数でくくってみます。

因数分解(3)の4








2乗−2乗の形であることに気づいて解く問題も、「( )をつくって置き換え」の問題です。

因数分解(3)の5


前の3つの項で2乗ができることに気づくことです。


因数分解(3)の6














タイプ4:1つの文字に着目して( )でくくる

「共通因数→乗法公式」タイプでもない、「置き換え」タイプでもない因数分解の発展問題は、1つの文字に着目して( )でくくると必ず因数分解できます。


因数分解(4)


aでもbでもよいのですが、1つの文字でくくり、( )をつくってみます。

因数分解(4)の2


























最後に知っておかないといけない因数分解の鉄則として、「次数の小さい文字でくくる」があります。

因数分解(4)の3



文字xは2次の項がありますが、yは1次の項しかありません。このときは、「次数の小さい文字yでくくる」です。

因数分解(4)の4