地震とゆれの伝わり方
地下の実際に地震が起こった場所を震源、その真上の地表の点を震央といいます。
震源では2つの性質の違う波が発生し、まわりに伝わっていきます。
伝わる速さの速いほうの波をP波といい、P波によって起こる小さなゆれを初期微動といいます。
伝わる速さの遅いほうの波をS波といい、S波によって起こる大きなゆれが主要動です。
ゆれの伝わる速さ
地震のゆれを起こすP波とS波の速さは、速さですから、距離/時間(距離(km)÷時間(秒))で求めることができます。
初期微動継続時間
速いP波がきてから遅いS波がくるまでの時間(初期微動が始まってから主要動が始まるまでの時間)を初期微動継続時間といい、初期微動継続時間は震源からの距離に比例します。
以上が、今日の問題を解く際の予備知識です。
では、塾生から質問を受けた問題を取り上げて考えてみましょう。
例題1:表は、ある地震の初期微動と主要動の観測結果である。

次の問いに答えよ。
(1)この地震のP波の速さを求めよ。
(2)この地震のS波の速さを求めよ。
(3)この地震が発生した時刻はいつか。
ヒント:速さ=距離÷時間の式がヒント。速さ=距離÷時間の式にあてはまる数値を探せばよい
解答
(1)この地震のP波の速さを求めよ。
初期微動を起こした波がP波です。
表の2地点間の距離は200−80=120km、また、2地点間の初期微動の始まった時刻の差は5:23:35−5:23:20=15秒です。
120kmの距離を進むのに15秒かかったわけですから、速さ=距離÷時間の公式より、
120÷15=8km/秒
(2)この地震のS波の速さを求めよ。
主要動を起こした波がS波ですから、主要動の始まった時刻から(1)と同じように求められます。
距離の違いは120km。
主要動の始まった時刻の差は5:24:00−5:23:30=30秒。
よって120÷30=4km/秒
(3)この地震が発生した時刻はいつか。
今度は時間を求めたらよいので、時間=距離÷速さの式を使います。
80km離れた地点ですと、P波の速さ8km/秒より、P波が届くまでの時間は80÷8=10秒。
初期微動が始まった時刻(=P波が到着した時刻)は、5:23:20。
地震が発生してから10秒たって届いたのが5:23:20だから、地震の発生時刻は5:23:20の10秒前の5時23分10秒。
80kmの地点の主要動の時刻を使って問題を解くと、S波の速さが4km/秒だから80÷4=20秒。
5:23:30の20秒前だから、5時23分10秒。
200kmの地点でも、同じように求めることができます。
例題2:図は、地震波の到着時刻と震源までの距離との関係を示したものである。

(1)初期微動を起こす波のグラフはA、Bのどちらか。
(2)主要動を起こす波の伝わる速さを求めよ。
(3)この地震の発生時刻は何時何分何秒か。
解答
(1)初期微動を起こす波のグラフはA、Bのどちらか。
先に到着するほう、速いほうが初期微動を起こすP波ですから、AがP波、BがS波のグラフです。
(2)主要動を起こす波の伝わる速さを求めよ。
グラフの問題なので、きりのよい罫線の交点の数値を使います。
例題1と同様、速さ=距離÷時間がヒントです。
S波のグラフで、きりのよい交点2ヶ所を探すと、13:31:20に200km、13:32:10に400kmの地点を通っています。
距離400km−200km=200kmを、時間の差13:32:10−13:31:20=50秒でわればよいことがわかります。
200÷50=4km/秒です。
(3)この地震の発生時刻は何時何分何秒か。
例題1のように、きちんと計算で求めることもできます。
S波のグラフを見ると、200kmのところを13:31:20に通っています。
S波の速さは4km/秒でした。
時間=距離÷速さより、200÷4=50秒。
地震の発生時刻は13:31:20より50秒前、つまり13:30:30です。
もっと簡便な方法もあります。
グラフを延長してみればよいのです。

左図を見たらわかるように、P波のグラフとS波のグラフは距離0のところで交わります。
その時刻を読みとれば、そこが地震の発生時刻です。
地震の発生時刻が13時30分30秒であることがグラフからもわかります。
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地下の実際に地震が起こった場所を震源、その真上の地表の点を震央といいます。
震源では2つの性質の違う波が発生し、まわりに伝わっていきます。
伝わる速さの速いほうの波をP波といい、P波によって起こる小さなゆれを初期微動といいます。
伝わる速さの遅いほうの波をS波といい、S波によって起こる大きなゆれが主要動です。
ゆれの伝わる速さ
地震のゆれを起こすP波とS波の速さは、速さですから、距離/時間(距離(km)÷時間(秒))で求めることができます。
初期微動継続時間
速いP波がきてから遅いS波がくるまでの時間(初期微動が始まってから主要動が始まるまでの時間)を初期微動継続時間といい、初期微動継続時間は震源からの距離に比例します。
以上が、今日の問題を解く際の予備知識です。
では、塾生から質問を受けた問題を取り上げて考えてみましょう。
例題1:表は、ある地震の初期微動と主要動の観測結果である。

次の問いに答えよ。
(1)この地震のP波の速さを求めよ。
(2)この地震のS波の速さを求めよ。
(3)この地震が発生した時刻はいつか。
ヒント:速さ=距離÷時間の式がヒント。速さ=距離÷時間の式にあてはまる数値を探せばよい
解答
(1)この地震のP波の速さを求めよ。
初期微動を起こした波がP波です。
表の2地点間の距離は200−80=120km、また、2地点間の初期微動の始まった時刻の差は5:23:35−5:23:20=15秒です。
120kmの距離を進むのに15秒かかったわけですから、速さ=距離÷時間の公式より、
120÷15=8km/秒
(2)この地震のS波の速さを求めよ。
主要動を起こした波がS波ですから、主要動の始まった時刻から(1)と同じように求められます。
距離の違いは120km。
主要動の始まった時刻の差は5:24:00−5:23:30=30秒。
よって120÷30=4km/秒
(3)この地震が発生した時刻はいつか。
今度は時間を求めたらよいので、時間=距離÷速さの式を使います。
80km離れた地点ですと、P波の速さ8km/秒より、P波が届くまでの時間は80÷8=10秒。
初期微動が始まった時刻(=P波が到着した時刻)は、5:23:20。
地震が発生してから10秒たって届いたのが5:23:20だから、地震の発生時刻は5:23:20の10秒前の5時23分10秒。
80kmの地点の主要動の時刻を使って問題を解くと、S波の速さが4km/秒だから80÷4=20秒。
5:23:30の20秒前だから、5時23分10秒。
200kmの地点でも、同じように求めることができます。
例題2:図は、地震波の到着時刻と震源までの距離との関係を示したものである。

(1)初期微動を起こす波のグラフはA、Bのどちらか。
(2)主要動を起こす波の伝わる速さを求めよ。
(3)この地震の発生時刻は何時何分何秒か。
解答
(1)初期微動を起こす波のグラフはA、Bのどちらか。
先に到着するほう、速いほうが初期微動を起こすP波ですから、AがP波、BがS波のグラフです。
(2)主要動を起こす波の伝わる速さを求めよ。
グラフの問題なので、きりのよい罫線の交点の数値を使います。
例題1と同様、速さ=距離÷時間がヒントです。
S波のグラフで、きりのよい交点2ヶ所を探すと、13:31:20に200km、13:32:10に400kmの地点を通っています。
距離400km−200km=200kmを、時間の差13:32:10−13:31:20=50秒でわればよいことがわかります。
200÷50=4km/秒です。
(3)この地震の発生時刻は何時何分何秒か。
例題1のように、きちんと計算で求めることもできます。
S波のグラフを見ると、200kmのところを13:31:20に通っています。
S波の速さは4km/秒でした。
時間=距離÷速さより、200÷4=50秒。
地震の発生時刻は13:31:20より50秒前、つまり13:30:30です。
もっと簡便な方法もあります。
グラフを延長してみればよいのです。

左図を見たらわかるように、P波のグラフとS波のグラフは距離0のところで交わります。
その時刻を読みとれば、そこが地震の発生時刻です。
地震の発生時刻が13時30分30秒であることがグラフからもわかります。
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