半径の異なる2つの輪を組み合わせ、同じ軸(中心)のまわりを回転するようにした道具を輪軸(りんじく)といいます。

滑車とてこのはたらきの両方を備えた道具です。
(1)滑車と同じはたらき
大きい輪に下向きに力を加えると、小さい輪につるされたものを逆の向きに持ち上げることができます。
(2)てこと同じはたらき
半径(中心からの距離)の小さい輪につりさげたおもりを、大きい輪を小さい力で引くことで持ち上げることができます。
輪軸は、滑車とてこの両方の性質をもった道具なので、滑車の原理とてこの原理のどちらかを使って問題を解くことができます(滑車の原理についてはこちら、てこの原理についてはこちらを参照)。
例題1:図1でひもをひく力Aの大きさ、図2で輪軸の半径Bの長さはそれぞれいくらですか。
(図1の解き方)
軸(中心)が支点ですから、てこの原理の、おもり×支点までの距離=おもり×支点までの距離を使って解きます。
輪軸を反時計まわりにまわそうとする60×10と、輪軸を時計まわりにまわそうとするA×30が同じになればよいわけです。
60×10÷30=20
答えは20gの力です。
おもり×半径(支点までの距離)=おもり×半径(支点までの距離)で、積が一定だから、反比例と考えて解くこともできます。
半径が10:30=1:3で、おもりの比は逆の3:1になるから、3:1=60:A
A=20gです。
(図2の解き方)
同じように考えて、25×20=10×Bだから、25×20÷10=50、答えは50cmです。
または、25:10=5:2の逆の比になるから、2:5=20:Bより、B=50cmでもかまいません。
輪軸と仕事の原理
輪軸でも、仕事の原理(力×動いた距離は一定で変わらない)が成り立ちます。
例題2:図1、図2で、おもりを10cm引き上げるには、ひもを何cm引かないといけませんか。
(図1の解き方)
小さい輪で、60gのおもりが10cm動いたので、仕事の量は60×10=600。
仕事の原理より、大きい輪で20×ひもを引いた距離が600になればよい。
60×10=20×□
60×10÷20=30cmが答えです。
おもりの大きさが60:20=3:1だから、ひもの動く距離は逆比の1:3と考えて、30cmと考えてもかまいません。
別の考え方として、回転する角度が同じだから、おもりが移動する距離は半径に比例すると考えることもできます。
半径が1:3だから、おもりが移動する距離(=糸を引く距離)も1:3。
10:□=1:3だから、30cm。
(図2の解き方)
25×10=10×ひもを引く距離だから、25×10÷10より、答えは25cm。
または、おもりの大きさ25:10=5:2の逆の比になるから、10:□=2:5より、25cm。
または、同じ角度で回転するから半径の比=ひもを引く距離。10:□=2:5より、25cm。
複雑な問題の解き方
例題3:半径が5cmの小さい輪、半径が10cmの中くらいの輪、半径が
20cmの大きい輪の、3つの輪をもった輪軸があります。図のように、小さい輪に18gのおもり、中くらいの輪に29gのおもりをつけて、大きい輪をAの力で引いたところ、輪軸はつり合いました。
(1)大きい輪を引く力Aの大きさはいくらですか。
(2)大きい輪のひもを40cm上に引いたとき、18gのおもり、29gのおもりはそれぞれどちらの向きに何cm動きますか。
(3)輪軸を支えている支柱がてんじょうを引く力はいくらですか。ただし、輪軸の重さは考えないものとします。
(解き方)
(1)大きい輪を引く力Aの大きさはいくらですか。
やや複雑な問題では、てこの問題と同じで、どちらにまわそうとする力なのかを確認しておく必要があります。
18gのおもりは、反時計まわりに輪軸をまわそうとする力です。
29gのおもりは、時計まわりにまわそうとする力です。
大きい輪に加えた力Aは、反時計まわりにまわそうとする力です。
この3つの力の間に、おもり×支点までの距離=おもり×支点までの距離
の関係が成り立ちます。
だから、18×5+A×20=29×10。
90+A×20=290
A×20=200
A=10gです。
(2)大きい輪のひもを40cm上に引いたとき、18gのおもり、29gのおもりはそれぞれどちらの向きに何cm動きますか。
大きい輪を上に引くと、輪軸は反時計まわりに回転します。すると、18gのおもりは下に、29gのおもりは上に、動きます。
次に、おもりが動く距離ですが、この問題の場合、「回転する角度が同じだから移動する距離は半径に比例する」を使うのが一番簡単でしょう。
輪の半径は、5:10:20=1:2:4でした。
18gのおもりの動く距離は、□:40=1:4より10cm。
29gのおもりの動く距離は、□:40=2:4より20cm。
(3)輪軸を支えている支柱がてんじょうを引く力はいくらですか。ただし、輪軸の重さは考えないものとします。
滑車の問題と同じで、上へ引く力と下に引く力がつりあえばよいと考えます。
この問題では、輪軸全体を下に引く力は18gと29gです。
輪軸全体を上に引く力は10gでした。
10+□=18+29より、輪軸を支えている支柱がてんじょうを引く力は37gです。
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滑車とてこのはたらきの両方を備えた道具です。
(1)滑車と同じはたらき
大きい輪に下向きに力を加えると、小さい輪につるされたものを逆の向きに持ち上げることができます。
(2)てこと同じはたらき
半径(中心からの距離)の小さい輪につりさげたおもりを、大きい輪を小さい力で引くことで持ち上げることができます。
輪軸は、滑車とてこの両方の性質をもった道具なので、滑車の原理とてこの原理のどちらかを使って問題を解くことができます(滑車の原理についてはこちら、てこの原理についてはこちらを参照)。
例題1:図1でひもをひく力Aの大きさ、図2で輪軸の半径Bの長さはそれぞれいくらですか。

軸(中心)が支点ですから、てこの原理の、おもり×支点までの距離=おもり×支点までの距離を使って解きます。
輪軸を反時計まわりにまわそうとする60×10と、輪軸を時計まわりにまわそうとするA×30が同じになればよいわけです。
60×10÷30=20
答えは20gの力です。
おもり×半径(支点までの距離)=おもり×半径(支点までの距離)で、積が一定だから、反比例と考えて解くこともできます。
半径が10:30=1:3で、おもりの比は逆の3:1になるから、3:1=60:A
A=20gです。
(図2の解き方)
同じように考えて、25×20=10×Bだから、25×20÷10=50、答えは50cmです。
または、25:10=5:2の逆の比になるから、2:5=20:Bより、B=50cmでもかまいません。
輪軸と仕事の原理
輪軸でも、仕事の原理(力×動いた距離は一定で変わらない)が成り立ちます。
例題2:図1、図2で、おもりを10cm引き上げるには、ひもを何cm引かないといけませんか。

小さい輪で、60gのおもりが10cm動いたので、仕事の量は60×10=600。
仕事の原理より、大きい輪で20×ひもを引いた距離が600になればよい。
60×10=20×□
60×10÷20=30cmが答えです。
おもりの大きさが60:20=3:1だから、ひもの動く距離は逆比の1:3と考えて、30cmと考えてもかまいません。
別の考え方として、回転する角度が同じだから、おもりが移動する距離は半径に比例すると考えることもできます。
半径が1:3だから、おもりが移動する距離(=糸を引く距離)も1:3。
10:□=1:3だから、30cm。
(図2の解き方)
25×10=10×ひもを引く距離だから、25×10÷10より、答えは25cm。
または、おもりの大きさ25:10=5:2の逆の比になるから、10:□=2:5より、25cm。
または、同じ角度で回転するから半径の比=ひもを引く距離。10:□=2:5より、25cm。
複雑な問題の解き方
例題3:半径が5cmの小さい輪、半径が10cmの中くらいの輪、半径が

(1)大きい輪を引く力Aの大きさはいくらですか。
(2)大きい輪のひもを40cm上に引いたとき、18gのおもり、29gのおもりはそれぞれどちらの向きに何cm動きますか。
(3)輪軸を支えている支柱がてんじょうを引く力はいくらですか。ただし、輪軸の重さは考えないものとします。
(解き方)
(1)大きい輪を引く力Aの大きさはいくらですか。
やや複雑な問題では、てこの問題と同じで、どちらにまわそうとする力なのかを確認しておく必要があります。
18gのおもりは、反時計まわりに輪軸をまわそうとする力です。
29gのおもりは、時計まわりにまわそうとする力です。
大きい輪に加えた力Aは、反時計まわりにまわそうとする力です。
この3つの力の間に、おもり×支点までの距離=おもり×支点までの距離
の関係が成り立ちます。
だから、18×5+A×20=29×10。
90+A×20=290
A×20=200
A=10gです。
(2)大きい輪のひもを40cm上に引いたとき、18gのおもり、29gのおもりはそれぞれどちらの向きに何cm動きますか。
大きい輪を上に引くと、輪軸は反時計まわりに回転します。すると、18gのおもりは下に、29gのおもりは上に、動きます。
次に、おもりが動く距離ですが、この問題の場合、「回転する角度が同じだから移動する距離は半径に比例する」を使うのが一番簡単でしょう。
輪の半径は、5:10:20=1:2:4でした。
18gのおもりの動く距離は、□:40=1:4より10cm。
29gのおもりの動く距離は、□:40=2:4より20cm。
(3)輪軸を支えている支柱がてんじょうを引く力はいくらですか。ただし、輪軸の重さは考えないものとします。
滑車の問題と同じで、上へ引く力と下に引く力がつりあえばよいと考えます。
この問題では、輪軸全体を下に引く力は18gと29gです。
輪軸全体を上に引く力は10gでした。
10+□=18+29より、輪軸を支えている支柱がてんじょうを引く力は37gです。
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