あなたが、今までなかった五角形の鉛筆を発明し、評判がよいので会社を設立してその鉛筆の生産と販売を始めたとします。
資本主義社会と自由競争
現在、私たちが生きていいる社会は、企業が人を雇い、ものを生産し、販売して利潤(利益)を追求する資本主義社会です。
資本主義社会の経済原理は、自由競争です。
商品が流通する社会のことを市場(しじょう、マーケット)といいます。市場で、各企業が自由な競争をして利潤を追求することが社会の発展の原動力となるとみなされています。
ベンチャー企業
あなたが五角鉛筆を生産・販売するために設立したような企業のことを、ベンチャー企業といいます。
会社を設立して間もない、新しい技術やアイディアで伸びようとする企業がベンチャー企業です。
大企業と中小企業
あなたが設立したばかりの企業は、規模が小さいので中小企業とよばれます。
中小企業基本法は、鉱工業や運送業などでは資本金1億円以下または従業員数が300人以下、小売り業やサービス業では資本金1000万円以下または従業員数50人以下の企業を中小企業と定義しています。
それ以上の規模のものが大企業です。
中小企業は、大企業から注文を受けて大企業に納める製品を作ることがあります。下請企業(したうけきぎょう)とよばれます。
あなたの考案した五角鉛筆は評判がよくて販売も伸び、あなたの設立した会社が大企業に成長したとしましょう。
企業集団と企業系列
あなたは、友人が運営しているチェーンの習字教室に五角鉛筆を使わせたり、文房具専門の通信販売の会社と協力したり、五角鉛筆を作らせていた下請企業に新しいノートを注文したりして、さらに売上げを伸ばしました。
このような、お互いが生産や販売で協力する企業グループのことを企業集団(コングロマリット)といいます。企業集団は、別の企業との、横のつながりです。
さらに、あなたが資本を出して販売会社を設立したり、下請企業の経営者として部下を送り込んで子会社にしたりして、あなたの企業が他の企業を支配する関係が成立すると、企業系列(ファミリー)となります。
役員を派遣したり、資金を融資したりして、大企業が支配し、傘下の企業が従属する、縦のつながりで結ばれた企業グループが企業系列です。
企業集中
あなたの会社が五角鉛筆で急激に成長したのを見て、多くの同業者も五角鉛筆の生産を始めたとします。
当然、あなたの会社の売上げは影響を受けます。値段を下げないと売れなくなって、利益も減少していきます。
困ったあなたはどういう方法を考えるでしょうか?
自分と同じくらいの規模の会社に声をかけて、お互い利益が出ないので1本100円以下では売らないようにしようと談合をして協定(カルテル)を結ぶかもしれません。
五角鉛筆を作る会社が多すぎるのが儲からない理由だから、他の会社と合併(トラスト)して利益を確保しようとするかもしれません。
自分で他の会社を支配できれば生産量も値段も自由に決定できるので、他の会社の株式を買い取って子会社にし、自分は持株(もちかぶ)会社(コンツェルン)を通して子会社を支配しようとするかもしれません。
このように、2つ以上の個別企業が結合して独占的大企業を形成することを企業集中(企業結合)といいます。
企業集中の形態は、3つに分類されます。
カルテル(協定)・・・お互い独立した企業が価格や生産量について協定を結ぶと。
トラスト(合併)・・・同じ業種の企業が独立性を失って1つの企業に合併すること。
コンツェルン(持株会社による支配)・・・持株会社が独立した各企業の株式を持ち、資本を支配することで各企業を子会社として支配すること。
寡占と独占
企業集中が進み、ごく少数の企業が市場をコントロール(価格を決定するなど)できるようになった状態を寡占といいます。
さらに寡占が進み、1つだけの企業が市場を完全に支配できるようになった状態が独占です。
企業集中・寡占・独占の弊害と対策
一般の消費者にとって、企業集中が進み、寡占、独占になることは、「よい商品を安く」手に入れることができなくなるので、弊害が大きいといえます。
また、企業間の公正な競争を阻害することで、結局、社会全体の健全な進歩を止めてしまうことになります。
そこで、国は独占禁止法を制定し、国民の不利益になる企業集中を取り締まっています。
独占禁止法(正式名は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」)
企業間の公正で自由な競争を確保することで、資本主義の市場経済の健全な発達を促進することを目的とする法律です。
(1)私的独占、(2)不当な取引、(3)不公正な取引方法の、3つが禁止されています。
内閣から独立した公正取引委員会が、独占禁止法に違反する行為を認定し、違反行為の排除を命令し、違反した企業に対して制裁をくわえます。
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資本主義社会と自由競争
現在、私たちが生きていいる社会は、企業が人を雇い、ものを生産し、販売して利潤(利益)を追求する資本主義社会です。
資本主義社会の経済原理は、自由競争です。
商品が流通する社会のことを市場(しじょう、マーケット)といいます。市場で、各企業が自由な競争をして利潤を追求することが社会の発展の原動力となるとみなされています。
ベンチャー企業
あなたが五角鉛筆を生産・販売するために設立したような企業のことを、ベンチャー企業といいます。
会社を設立して間もない、新しい技術やアイディアで伸びようとする企業がベンチャー企業です。
大企業と中小企業
あなたが設立したばかりの企業は、規模が小さいので中小企業とよばれます。
中小企業基本法は、鉱工業や運送業などでは資本金1億円以下または従業員数が300人以下、小売り業やサービス業では資本金1000万円以下または従業員数50人以下の企業を中小企業と定義しています。
それ以上の規模のものが大企業です。
中小企業は、大企業から注文を受けて大企業に納める製品を作ることがあります。下請企業(したうけきぎょう)とよばれます。
あなたの考案した五角鉛筆は評判がよくて販売も伸び、あなたの設立した会社が大企業に成長したとしましょう。
企業集団と企業系列
あなたは、友人が運営しているチェーンの習字教室に五角鉛筆を使わせたり、文房具専門の通信販売の会社と協力したり、五角鉛筆を作らせていた下請企業に新しいノートを注文したりして、さらに売上げを伸ばしました。
このような、お互いが生産や販売で協力する企業グループのことを企業集団(コングロマリット)といいます。企業集団は、別の企業との、横のつながりです。
さらに、あなたが資本を出して販売会社を設立したり、下請企業の経営者として部下を送り込んで子会社にしたりして、あなたの企業が他の企業を支配する関係が成立すると、企業系列(ファミリー)となります。
役員を派遣したり、資金を融資したりして、大企業が支配し、傘下の企業が従属する、縦のつながりで結ばれた企業グループが企業系列です。
企業集中
あなたの会社が五角鉛筆で急激に成長したのを見て、多くの同業者も五角鉛筆の生産を始めたとします。
当然、あなたの会社の売上げは影響を受けます。値段を下げないと売れなくなって、利益も減少していきます。
困ったあなたはどういう方法を考えるでしょうか?
自分と同じくらいの規模の会社に声をかけて、お互い利益が出ないので1本100円以下では売らないようにしようと談合をして協定(カルテル)を結ぶかもしれません。
五角鉛筆を作る会社が多すぎるのが儲からない理由だから、他の会社と合併(トラスト)して利益を確保しようとするかもしれません。
自分で他の会社を支配できれば生産量も値段も自由に決定できるので、他の会社の株式を買い取って子会社にし、自分は持株(もちかぶ)会社(コンツェルン)を通して子会社を支配しようとするかもしれません。
このように、2つ以上の個別企業が結合して独占的大企業を形成することを企業集中(企業結合)といいます。
企業集中の形態は、3つに分類されます。
カルテル(協定)・・・お互い独立した企業が価格や生産量について協定を結ぶと。
トラスト(合併)・・・同じ業種の企業が独立性を失って1つの企業に合併すること。
コンツェルン(持株会社による支配)・・・持株会社が独立した各企業の株式を持ち、資本を支配することで各企業を子会社として支配すること。
寡占と独占
企業集中が進み、ごく少数の企業が市場をコントロール(価格を決定するなど)できるようになった状態を寡占といいます。
さらに寡占が進み、1つだけの企業が市場を完全に支配できるようになった状態が独占です。
企業集中・寡占・独占の弊害と対策
一般の消費者にとって、企業集中が進み、寡占、独占になることは、「よい商品を安く」手に入れることができなくなるので、弊害が大きいといえます。
また、企業間の公正な競争を阻害することで、結局、社会全体の健全な進歩を止めてしまうことになります。
そこで、国は独占禁止法を制定し、国民の不利益になる企業集中を取り締まっています。
独占禁止法(正式名は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」)
企業間の公正で自由な競争を確保することで、資本主義の市場経済の健全な発達を促進することを目的とする法律です。
(1)私的独占、(2)不当な取引、(3)不公正な取引方法の、3つが禁止されています。
内閣から独立した公正取引委員会が、独占禁止法に違反する行為を認定し、違反行為の排除を命令し、違反した企業に対して制裁をくわえます。
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