
(根拠)
△PABと△QABにおいて、
2つの三角形の底辺はともにABで共通であり、
2つの三角形の高さは平行線mとnの距離で等しくなる。
三角形の面積は、底辺×高さ×1/2で求められるから、
底辺が共通で高さが等しい2つの三角形の面積は等しい。
式で表わすと、
PQ//ABならば、△PAB=△QAB
逆も成り立つので、
△PAB=△QABならば、PQ//AB
(注:図形では、△PAB=△QABの「=」は、面積が等しいことを表わします。合同を表わす「≡」と区別すること。)
重要事項:左の図で、PQ//ABのとき、△PAO=△QOBであることを証明せよ。

まず、底辺が共通で、高さが等しいので、
△PAB=△QAB
ところで、△PAO=△PAB−△OAB
また、△QOB=△QAB−△OAB
面積の等しい三角形どうしから、ともに△OABの面積をひいたものだから、
△PAO=△QOB
以上をまとめると、「平行なら三角形の面積は等しい」、「三角形の面積を等しくするには平行線をかけ」ということになります。
そして、頭に思いうかべたらよい図は、次の2種類です。

誰でも知っておかないといけないのは次の問題です。
例題2:長方形ABCDの土地が折れ線PQRで2つの部分に分けられてい

この種類の問題のことを、面積が等しいままに形を変えるので、「等積変形」の問題といいます。
等積変形の問題を解くときのコツは、問題を解く前に、問題の条件に合った状況がどうなった状態かを先におおざっぱにかいてみて、その図を見て考えることです。
この問題では、「面積を変えないままPを通る1本の線分で区切りなおす」わけ

このとき、「面積がもとと変わらない」といえるのは、どんなときでしょうか?

左図のように、△PTQと△TRSの面積が等しければ、区切りなおす前と面積は変わらないままだといえます。
では、どうやって△PTQ=△TRSを見つけたらよいのか?
ここで、等積変形の図を思いうかべます。
平行線2本にはさまれた三角形の面積はつねに等しい。
よし、平行線をひいてみよう、ということになります。

では、実際に解くときの手順をまとめておきましょう。

(1)点Pと点Rを結ぶ。

(2)点Qを通る、PRに平行な線をかく。

(3)辺BCと、点Qを通る直線の交点をSとし、点Pと点Sを結ぶ。
これで正解です。
等積変形の問題を解くときの手順をまとめておきます。
(1)面積が等しいといえる状況はどんな状態であればよいのか、略図をかいて考える。
(2)略図上の、どこに平行線をひけばよいのかを見つける。
(3)平行線をひく場所が見つかったら、正式に平行線をかきこんで問題の答えを求める。
等積変形のやや発展的な問題には次のものがあります。
例題3:図の五角形ABCDEと面積の等しい△APQをつくれ。ただし、点P、Qは直線CD上にあるものとする。

(1)面積が等しいといえる状況はどんな状態であればよいのか、略図をかいて考える。
(2)略図上の、どこに平行線をひけばよいのかを見つける。
(3)平行線をひく場所が見つかったら、正式に平行線をかきこんで問題の答えを求める。
(手順)

(1)面積が等しいといえる状況はどんな状態であればよいのか、略図をかいて考える。

(2)略図上の、どこに平行線をひけばよいのかを見つける。

(3)平行線をひく場所が見つかったら、正式に平行線をかきこんで問題の答えを求める。
作図の問題以外では、次の問題ができないといけません。
例題4:図の平行四辺形ABCDで、BD//EFである。このとき、△ABEと面積の等しい三角形をすべて書きなさい。

「平行なら面積は等しい」、「面積が等しいときは平行」がこの単元のポイントですから、面積が等しい三角形を見つけるときは、平行線を目印に見つけていきます。

このとき、最初の△ABEと面積が同じだと見つかるのは△DBEだけですから、ここで△ABEを捨てて、次は、今見つけた△DBEと面積の等しい三角形をさがすのがコツです。

ここで、△DBEから、目を△DBFに移します。
次は、△DBFと面積の等しい三角形をさがします。

△DAFと面積が等しいものは△DBFしかないので、ここで探索は終了です。
答えは、△DBE、△DBF、△DAFの3つです。
等積変形の問題は、関数の問題としてもよく出題されます。
2乗に比例(2次関数)を習ったら、こちらやこちらを参考にしてください。