働きアリ

勉強をしている子どもたちが、悩み、知りたい、理解したいと思いながら、今までは調べる方法がなかった事柄を、必要かつ十分な説明でわかりやすく記述したサイトです

計算

math わる数は分数の下(分母)に(「なぜ、そうなるのか」の大切さ)

中1の一次方程式、次の計算の、どこがまちがいかすぐに指摘できますか?

分数の計算ミス








方程式の計算ミスで最も多いのがこのまちがいです。

2÷3は?と聞くと、2/3と答えます。
ところが方程式だと、同じ人が3/2とやってしまう。


まちがえる人の思考回路


5x+2=2x+4・・・xは左辺に、数字は右辺に
5x-2x=4-2・・・両辺をそれぞれ計算して
3x=2・・・最後はわり算
x=3/2・・・わりきれないときは分数


「文字の項は左辺に、数字だけの項は右辺に」、「それぞれの辺を計算して」、「最後はわる」、「わりきれないときは分数に」の、『しなければならないこと』、『このときはこうするという指示』だけは身についているわけです。

不足しているのは、『なぜ、そうなるのか』です。

3x=2だと、最後は2÷3だから2/3になる、その「2÷3だから」が、意識できていないのです。


指導の仕方で悩む

方程式の計算問題だけではありません。

勉強はしているのにテストの点数が伸びない人の共通点は、『このときはこうするという指示』は覚えているのに、『なぜ、そうなるのか』を意識できていない、に尽きます。

この、『なぜ、そうなるのか』を常に意識できる段階にまで成長してもらうのが一番むずかしい。

『なぜ、そうなるのか』にこだわる授業は、面白くないし、すぐに効果が出てくるようなものではありません。

「2÷3だから2/3」と教えるより、「最後、分数になるときは左の数字が右に移って分数の下!」と指示するほうが、子どもたちは聞く耳を持ちますし、まずは「有効」なのです。


「成長する」、「大人になる」ということ

中1の一次方程式の解き方は1つです。
中2の連立方程式になると加減法・代入法と解き方が2種類になって、どちらを選ぶかを選択する必要がでてきます。
中3の二次方程式だと、因数分解・平方完成・解の公式とさらに解き方が複雑に増えて、解く人は問題に応じて最適な解き方を選ばないといけません。

成長する、大人になるということは、複雑な現実を分析できて、その複雑な現実から最適な解を選べるようになるということです。

『このときはこうするという指示』を覚えるのが勉強だと思っている人、『なぜそうなるのか』を考えることをウザイと感じてしまう人は、成長できません。

そこを子どもたちにわかってもらうのがむずかしい。



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math マイナス(−)は大きくはっきりと(計算まちがいをなくすコツ)

中学生の計算まちがいのほとんどは符号のミスです。

そして、符号まちがいをする人のほぼ共通する特徴は、−(マイナス)を薄く、小さく書くことです。


まず、ミスをする原因を知る

自分の欠点を知った人、ミスをする理由がわかった人だけが、欠点をなおすことができます。

まず、−(マイナス)を薄く小さく書く人は、自分がよくミスをする原因が何かをわかっていません。
だから、同じような符号まちがいを何度もしてしまいます。

教える者は、ミスの多い人の失敗の原因が符号まちがいであることを指摘してあげることが必要です。


次に、ミスをなおす具体策を徹底する

ミスをするな、符号まちがいをしないように注意しなさい、というだけではミスはなくなりません。
誰も、ミスをしたくてしているわけではないのです。

符号まちがいをなくそうと思えば、マイナスを大きく、濃く書く癖をつけることです。

−(マイナス)を薄く小さく書く人は、薄く小さく書くから、符号を意識できません(いわゆる、「考えないで計算をしている」状態です)。

マイナスを濃く大きく書く癖さえつけば、マイナスを濃く大きく書くたびに符号を(符号が正しいかどうかを)意識できますから、必然的に計算まちがいは激減します。


実際には、すぐに符号を濃く、大きく書けるようにはなりません。
一度ついた悪い癖はなかなか治りません。

教える者は、正しい癖がつくまで、あきらめないで辛抱強く指摘してあげることが必要です。

私の経験では、−(マイナス)を濃く大きく書くようになった人は、1人の例外なく符号まちがいをしないようになります。




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math 超簡単 2次方程式を平方完成で解く

2次方程式の解き方は2種類に分類できます。

1つは、平方根を見つけて解く方法。

もう1つは、かけて0になる2つの数のどちらかは0であることを利用する方法(因数分解を利用する解き方はこちらに入ります)。

ここでとりあげるのは、前者の、平方根を見つけて解く解き方のほうです。


2次方程式が解けるわけ


ある数の2乗がaであれば、その数自身はaの平方根の+√aか−√aです。

1



この考え方を使って、すべての2次方程式を解くことができます。

例題1:
次の方程式を解け。
x^2−20=0

3
…ある数の2乗=aの形をつくりたいので20を右辺に移項する

…ある数の2乗が20だから、ある数は20の平方根の±√20

…√20を2√5にして、解は±2√5


例題2:
次の方程式を解け。
(x−10)^2−20=0


4
…(ある数)の2乗=aの形をつくりたいので20を右辺に移項する

…(ある数)の2乗が20だから、(ある数)は20の平方根の±√20
…√20 を2√5にする
…10を右辺に移項して、解は10±2√5



この問題のように、左辺に(ある数)の2乗があれば、(ある数)の平方根を求めることで2次方程式を解くことができます。

上の2問は、あらかじめ(ある数)の2乗が左辺にあるので、わりと簡単に解くことができました。

さらに、自分で2乗を左辺につくることができたら、すべての2次方程式を平方根を求めることで解くことができます。

この解き方のことを、左辺に2乗(=平方)をつくって(=完成させて)解くので、『平方完成』といいます。

平方完成の仕方は、ちょっとだけコツがいるので苦手な人が多いようです。


平方完成のやり方


平方完成の目標は、左辺に2乗(平方)つくる(完成)ことです。

そして、2乗をつくるための公式は、

原理




だから、左辺にx^2+2ax+a^2をつくることができたら、(a+a)^2の形にすることができるということになります。

そして、目をつける場所は、x^2+2ax+a^2の2番目の項である、2axのところです。
2aの半分の、aを見つけ、そのaの2乗をうしろにつける、これで(x+a)^2の形にすることができます。



例題3:
次の方程式を解け。
x^2+6x=−8


左辺の2番目の項は6xです。
これが、2axにあたります。

2a の半分の、aを見つけ、そのaの2乗をうしろにつける

2aが6ですから、半分のaは3。
その2乗は9ですから、左辺に9をたしたら2乗をつくることができます。

くりかえすと、2番目の項、2axに目をつけて、2aの半分のaを見つける、次にそのaの2乗をたす、という順番です。

5



















このやり方で、すべての2次方程式を、平方完成の方法で解くことができます。

例題4:
次の方程式を解け。
x^2−6x−55=0


例題3との違いは、数字の項である−55が左辺にあることです。

左辺に2乗をつくるときに考慮するものは2番目の項の−6xです。
定数項の−55は、2乗をつくることには直接関係しません。
だから、考えるじゃまにならないように、最初に右辺に移しておきます。

この点だけが、例題3の解き方に加わります。

6























教科書には、2番目の項2axの2aが偶数であるものしかのっていませんが、奇数であっても、やり方はまったく同じです。

例題5:
次の方程式を解け。
x^2−5x−2=0


7



































最後に、2乗の項に1以外の係数があるときでも、平方完成の方法で解くことができます。

例題6:
次の方程式を解け。
3x^2+2x−6=0


xの2乗の項に係数3があるので、これがじゃまです。
等式は、両辺を同じ数でわることができるので、最初に両辺を3でわって、じゃまな3を消しておくと、あとは、これまでと同じ方法で解くことができます。

8








































ここまで理解できたら、すべての2次方程式を平方完成の方法で解けるだけでなく、解の公式を自分で導くこともできます(こちらでチャレンジ)。


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math 1次式の計算 分数式の計算の指導法を考える

中1の文字式の単元で、1次式の計算はそんなに難しくありません。

子どもたちが少しだけ苦労するのは、分数の式の加法・減法です。

例題1:
1
を計算せよ。



この計算問題の解き方として、通常、テキストには次の2つの方法が載っています。

(解き方1)

分数の加法だから、通分しないといけないということから出発します。

分母の3と4の最小公倍数は12ですから、分母を12にします。

手元の教科書では、そのあとの途中式の書き方は次のように記載されています。

1−2
全然問題はないし、私も以前はこの方法で解くように指導していました。

しかし、どうも子どもたちの「覚えがわるい」。

やり方を思い出せなくて、じいっと手が止まってしまう子が続出でした。

このやり方の長所は、カッコを使うので符号間違いが減ることです。

逆に欠点は、文字式でないとき、つまり数字だけの分数の加法のときには、こんなやり方をしないということです。
1−3










上に書いたような解き方は、誰もしません。

だから、(解き方1)が、すっと自然には子どもたちの頭には浮かんできません。
言い換えれば、1次式である分数の加法に限った、特殊なやり方を覚えないといけないのが欠点だということです。


(解き方2)

2つ目の解き方は、式を変形して分配法則を使う解き方です。

1−4
この解き方も理屈には合っていますが、おそらくほとんどの子はこの解き方を採用しません。

分母の3を分数の1/3にして前に出したあと、分子をカッコに入れるなどということは、(解き方1)以上に技巧的です。
自然に頭に浮かぶようなものではない。
この問題のためだけに特別に覚えないといけないという意味では、(解き方1)と同じ欠点があります。

さらに、もう1つの欠点として、最後まで分数を分数として計算しないといけないから、途中の計算が煩雑になることがあげられます。
(解き方1)だと、式全体は分数の形ですが、実際にしている分子の計算は整数の計算だけです。
計算がわずらわしいという点では、(解き方1)にも劣ります。


(解き方3)

私は、次のようにして解くように指導しています。

1−5
(解き方1)と同じと言えないこともありませんが、子どもたちの過去の知識を活用する方法です。

「分数の加法だから通分したらよい」から出発して、分母を最小公倍数の12にします。

次に、前の分数は、分母を4倍したから分子も4倍し、後ろの分数は分母を3倍したから分子も3倍します。

最後に計算をして、終わりです。

子どもたちは、小学生のときに、分数の加法を、
1−6







と、解いているわけです。

この解き方と、そっくり同じ解き方で解かせたらよい。

(解き方3)が、子どもたちの頭に一番無理なくすっと浮かんでくる解き方です。
1次式の分数の加法の解き方として、何も特別なことを教える必要がありません。

さらに、途中式は簡単ですむし、計算も楽です。

(解き方1)と(解き方2)の、両方の欠点からのがれることができます。


子どもたちから教えられる

私が(解き方3)がすぐれているとわかったのは、(解き方1)で教えていて、苦労したからです。
いくら教えても、実際の子どもたちは(解き方3)で解こうとする。

初めは矯正しようと試みたのですが、ある時点で「待てよ、これは子どもたちの方が正しいのかもしれない。」と思うようになりました。

その一番の理由は、(解き方3)で解こうとする子が多いということは、この解き方が実際の子どもたちの頭の使い方に一番合致していることを証明していると思ったからです。

さらに、(解き方3)で解いても、何の不都合もない。
かえって、(解き方1)や(解き方2)よりも簡便だし、計算間違いも少ない。

子どもたちから教わりました。


符号間違いに注意する

(解き方1)と(解き方2)は、結局、カッコを使って、そのカッコをあけて解いていくので、カッコの存在が符号に注意するきっかけにはなります。

(解き方3)はカッコを使わないので、符号間違いをしないようにするには別の原理を持ち出さないといけません。

例題2:
2
を計算せよ。



(解き方3)で解いていきます。

2−2
通分をして、すぐに計算して、終わりです。

注意しないといけないのは、後ろの分数の分子の符号です。





2−3
分数は、カッコで囲まれたものと同じで、1つのまとまり、かたまりです。

そのまとまりの前に−がついているので、カッコと同様、−は3aと−1のそれぞれにかかっていきます。
だから、後ろの分数の分子の−1は、計算をするときは−(−1)=+1です。

「分数は、カッコと同じで1つのかたまりと考えないといけないから、前がマイナスだと符号が変わる。」と注意しておけば、符号間違いはなくなります。



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math 「簡単にする」のが算数・数学

書かれていない大原則

あまりにも重要すぎて、かえって誰も教えてくれないということが、この世の中には結構あります。

(1)分数は、なぜ約分して答えないといけないのでしょうか?
(2)比は、なぜ整数で答えないといけないのでしょうか?
(3)「式の値」の問題では、なぜ先に式を整理してから代入しないといけないのでしょうか?
・・・・・

すべて、答えは1つ、算数・数学の目的が、「ものごとをできるだけ簡単にする」ことにあるから、です。

だから、答えはもちろん一番簡単な形で書かないといけませんし、途中の式であってもできるだけ簡単にしてから計算しないといけません。

これは算数・数学で守らなければならない大原則です。


「簡単にする」のが算数・数学

数学とは、世の中にある混沌とした現実からある秩序を発見し、それを簡単な式にしてわれわれに示してくれる学問です。
数学者の夢は「世界を1つの式で表す」こと。
Simple is best.です。

数学の目的が複雑な現実を簡単に秩序立てることにあるのですから、「簡単にすること」が常に要求されるのです。


答えは簡単に

5年生では、例えば、5/6+7/6だと、答えは12/6で終わりです。

今の教科書の配列だと、約分を習うのはやっと小学6年生生になってからなので、7/6−5/6=2/6で終わるのはしょうがないとしても、12/6は2として答えるべきです。
なぜなら、そのほうが「簡単な」数字だから、です。
算数・数学の目的に合致するからです。

ところが解答を見たら12/6で、かっこして(2)と書いてある。
かっこを使って2と書くくらいなら、2を模範解答とするべきです。
私はしつこく2に書き直させます。

小学生のときに習わないものだから、中学生になっても12/6xなどと書く人が続出します。中学生になったら、これはさすがにペケです。
「なぜですか?」と聞く子まで出てきます。
「簡単にするのが算数・数学だから」、私はこの説明で押し通します。


途中の式も簡単に

式の値の問題、例えば、「x=2のとき、2(x−1)−3(x+2)の式の値を求めよ。」という問題が出たときに、式はそのままで、すぐにxに2を代入する人が続出します。

これも間違いです。

先に式を整頓して2(x−1)−3(x+2)=2x−2−3x−6=−x−8にしてから代入しないといけません。

私は、式を整頓しないでいきなり代入しているのを見つけたら、必ず書き直させます。

答えは同じなのにうるさいことを言うなァと思われているのは重々承知していますが、算数・数学の大原則を枉(ま)げるわけにはいきません。

そうしないといけない理由の一つは、先に式を整頓してから代入したほうが計算間違いが減るから、ですが(テキストの解説にもそう書いてあります)、もっと本質的な理由は、「簡単にする」のが算数・数学の大原則だからです。

順序が逆です。
「簡単」で「美しい」から、その副次的効果として、計算間違いも減るのです。

小さな「得」をえさに強制すると、本当の大きな「得」を見失わせることになります。


連立方程式と平方根で「簡単にする」を考える

例題1:
十の位の数字が8である3けたの自然数がある。各位の数の和は、百の位の数の6倍で、また百の位の数字と一の位の数字を入れかえた数は、もとの数より396大きいという。もとの自然数を求めよ。


もとの数を100x+80+yとすると、「各位の数の和は、百の位の数の6倍」から、x+8+y=6x
この式を整頓して、−5x+y=−8・・・(1)

「百の位の数字と一の位の数字を入れかえた数は、もとの数より396大きい」から、100y+80+x=100x+80+y+396
この式を整頓して、−99x+99y=396・・・(2)

普通、このあと(1)を99倍してから(2)の式をひき、加減法で解きます。
しかし、それはだめ。

いつも、なんとか簡単にできないかと目を光らせておかないといけない。

(2)の式で、99が2つも現れていることから気がつかないといけません。
(2)の式は、両辺を99でわって、−x+y=4と変形できます。

−5x+y=−8・・・(1)と、−x+y=4・・・(2)で解くべきです。

例題2:
√3×√18÷√6を計算せよ。


3×18=54、54÷6=9だから、√9=3とやってはいけません。

√18を先に「簡単に」して、3√2。
√3×3√2÷√6.
√3×√2÷√6=√1=1だから、答えは3が正しい。

平方根の計算でも、できるだけ先に簡単にしておくべきだから、a√bの形になおせるものは先になおしておくのが原則です。

ところが、「a√bの形になおせるものは先になおす」が平方根の計算の最優先事項なのに、その例外に見える問題が出てきます。

例題3:
√72÷√6を計算せよ。

「a√bの形になおせるものは先になおす」の原則に従うと、√72=6√2。
6√2÷√6=6√2/√6、約分して6/√3、これを有理化して6√3/3、さらに約分して2√3。

間違いではないが、ちょっと遠回りです。

√72÷√6=√12=2√3としたほうが速い。

では、原則の例外か?

いいえ、この場合も「簡単にする」という数学の大原則からすると、√72÷√6=√12で正しいのです。

「a√bの形になおせるものは先になおす」のは、普通はそのほうが「簡単な数」になるからです。
ところが、わり算もその答えは「簡単な数」になる。

どちらか、その問題にふさわしい方法を選べばよい。

問題を眺めて、先にわったほうが簡単になると思ったらわったらよい、ということになります。


「何事もできるだけ簡単にする」のが数学の裏に隠れている大原則です。

計算であろうが、関数の応用問題であろうが、図形の問題であろうが、よい解き方は一番簡単な解き方です。
例えば、自分の解き方と模範解答を比べてみて解き方が違っているとき、なぜ模範解答がそうなっているかというと、そのほうがシンプル、簡単な解き方だからです。

算数・数学では「簡単であるほどよい解き方」であるということを知っておくと、各単元でばらばらに見える解き方に実は統一性があることがわかってきます。


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math 算数のコツ(17) 未知数(□やx)を求める計算問題(還元算)

中学入試の計算問題で、必ず出題されるのが式の中の未知数を求める問題(中学生以上だと文字のxで表しますが、小学生の場合、四角のカッコが多い)です。
還元算と呼ぶこともあります。

(この稿でも、実際の問題と同じように未知数を四角のカッコを使って書き表していますが、小さく表示されたり、機種依存文字で「?」に文字化けしてしまうかもしれません。)

普通の計算問題と違って、やっているうちに解けるということはありえません。
解く前にしっかりと方針を立てないと解けません。

例題1:
(4×□−12)÷3=4


入試問題としてはもっともやさしいレベルの問題を使って、解き方の基本を考えてみましょう。

還元算は、出てきた答えから逆にたどっていって、もとの数を求める問題ですから、どういう順番でその答えが出てきたのかを最初に見つけておかないといけません。

1、どういう順序で答えの4が出てきたかを考えて、それを逆にもどって解く

この問題の場合、4に□をかけて、その答えから12をひき、それを3でわって答えの4が求められたわけです。

それを逆にたどればよいので、4に3をかけて、その答えに12をたして、最後に4でわったら□を求めることができるということになります。

2、目に見える形にできないか

計算の順序を目に見える形にして、誰でも簡単に解けるようにできないかとずっと考えてきました。
ただ、そうそう画期的なアイディアは出てきません。
誰が考えても、次のような解き方になってしまうと思います。

まず、普通の計算だったらどういう順に解くか、解く順番に下線を引きます。
1−1




先に計算するはずの場所に短い下線を、次に計算するはずの場所に長い線をひきます。番号の1や2は目印につけただけで、実際に書く必要はありません。

1を計算して、次に2を計算して、それを3でわって答えの4が出てきたはずなので、これを逆にたどって四角の未知数を求めていきます。
1−2






逆算ですから、わり算をもとにもどすにはかけ算、ひき算をもとにもどすにはたし算、かけ算をもとにもどすにはわり算をすればよい。
1−3
4に3をかけて12、この12を下線の上に書いておきます。

次に12をたして24、この24を短い下線の上に書きます。

最後に、4×□が24なので、24÷4=6。

このやり方で何年か教えてみたのですが、どうも上手くいきません。
できる人はできるし、できない人はやっぱりできません。
それに、ちょっと複雑な問題になると、線がごちゃごちゃしてさらにわかりにくくなってしまいます。

1−4左図のように、先に計算するべき場所から囲んでいき、外から逆算で求めていくほうが、まだわかりやすい。

箱を外からあけていく感じで、イメージ的にも線より理解しやすくなります。
慣れるまでは、このやり方がベストかもしれません。

しかし、そろばんの上級者が慣れてきたら頭の中のそろばんで暗算ができるように、わかってきたら、何も書かないで解いたほうがいいのではないかと最近は思っています。


例題2:
(4.63−□)÷0.4+1.5×4.2=17.8


1、普通の計算だったらどういう順序で計算するかを考える


4.63−□をして、その答えを0.4でわって、それに1.5×4.2の答えをたして17.8です。

2、未知数に関係なく計算できるものは先にしておく

1.5×4.2の部分は、□の場所とは関係なく計算できるところです。当然、先に計算しておかないといけません。
・・1.5
×4.2
・・30
60
6.30

3、逆算の順番を考えて計算をする

17.8から1.5×4.2の答えの6.3をひいて、それに0.4をかけて、最後に4.63からひいたらよいとわかります。

17.8−6.3は11.5。

11.5
×0.4
4.60

最後に4.63−4.6で0.03。

4.ひき算とわり算の逆算は単純ではない。

普通、もとにもどす計算は、たし算→ひき算、ひき算→たし算、かけ算→わり算、わり算→かけ算の、いわゆる「反対の計算」をしたらよい。

ところが、いつもそうだとはいえないのが、ひき算とわり算です。

□−2=5のときは□は5+2の7です。ひき算の反対のたし算で求められます。
ところが、7−□=5であれば、□は7+5の12ではありません。7−5の2です。
つまり、未知数□の前がひくであれば、もとにもどす計算もひき算です。

同様に、□÷2=5のときは□=5×2=10ですが、10÷□=5であれば□=10÷5=2です。

未知数□の前が−のときと、未知数□の前が÷のとき、この2つの場合は、もとにもどす計算は前−後ろ、前÷後ろとなります。

以上、還元算の要点をまとめると、

(1)未知数□のない普通の計算だとどういう順番で計算するか、計算の順序を最初に確認する(慣れるまでは、計算するはずの部分を順序にそって鉛筆で囲んでいけばよい)。

(2)確認した順序の逆から
、逆算してもとにもどしていく

(3)未知数□の部分に関係なく計算できる部分は先に計算しておく。

(4)a−□=bのときは□=ab、a÷□=bのときは□=a÷bであり、「反対の計算」ではないので注意が必要。


となります。


例題3:
3−1



一見難しそうにみえますが、もう、たいしたことはありません。

1、普通の計算問題だったらどう解くはずか、計算の順序を確認する

5/8×4/25の計算をして、1/12÷□の計算の答えをたして、4/3からひいたら73/120になった、という順番です。

2、普通の計算の順番とは逆に、もとにもどしていく

4/3から( )の部分をひいたら73/120になったはずだから、まず4/3から73/120をひきます。
4/3−73/120=160/120−73/120=87/120=29/40。

次に、□の部分に関係なく計算できる部分、5/8×4/25を求めておきます。
1/10です。

次に、その1/10に1/12÷□の答えをたしたものが29/40だったので、29/40から1/10をひきます。
29/40−1/10=29/40−4/40=25/40=5/8。

最後に1/12÷□=5/8とわかったので、□=1/12÷5/8。
1/12÷5/8=1/12×8/5=2/15。


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math 算数のコツ(16) くふうをしてから解く計算問題

入試の計算問題には、たいてい1問、くふうをしてから解く計算問題がふくまれています。

その「くふう」の仕方を類型化すると、(1)分数にすると簡単になるもの、(2)交換法則と結合法則を活用するもの、(3)分配法則を活用するもの、(4)知っておかないといけない問題、この4種類になります。


1、分数にすると簡単になるもの

小数ばかりの問題には、すべてを分数になおすと簡単に解けるものがあります。

例題1:
0.05÷0.008×0.4÷0.02×0.03


(問題の特徴)
0.05を0.008でわって、その答えに0.4をかけて・・・・、そんな複雑な計算問題は、入試では絶対に出ません。
何か、くふうをするべきです。

すべての小数を分数になおすと、100や1000がいくつも出てきて、約分でほとんど消えてしまうのではないかと見当をつけます。

つまり、0.01や0.001のような小数がいくつか並んでいる問題は、小数のままではなくて分数にしてから計算すると一気に簡単になります。

(解き方)
すべての小数を分数にかえてみます。
そのとき、先に約分しないで、10分のや100分のをそのまま残しておいたほうが後が楽です。

1













予想通り、約分でほとんどの数が消えてくれました。


2、交換法則と結合法則を活用するもの

数字の順番を入れかえて、ある数字どうしを先にかけておくと簡単になる問題があります。

例題2:
12.5×536×4×0.8×0.25


(問題の特徴)
何もくふうしないでただ前から計算したら、とてつもない労力がかかりそうです。そんな入試問題は出題されません。
何かくふうができないか、問題をしっかりと眺めます。

この問題では、25と4、125と8などの、かけると100(=25×4)や1000(=125×8)になる数字の組があることに気がつかないといけません。

(解き方)
12.5×536×4×0.8×0.25
=(12.5×0.8)×(4×025)×536
=10×1×536
=5360

順番を入れかえて、2つの数をかけて10や1をつくることで簡単に解くことができました。

数字の順番を入れかえても答えがかわらないことを、(順番を交換してもよいことから)交換法則といいます。
また、特定の数字同士だけを先に計算してもよいことを、(あるものだけを先に結合してもよいことから)結合法則といいます。

この問題は、4×25=100、8×125=1000になることに着目して、交換法則と結合法則を活用する問題です。


分配法則を活用するもの

同じ数字が複数回現れるときは、必ず分配法則を使います。

例題3:
3.14×6.28+3.14×3.72


(問題の特徴)
同じ数である3.14が前にも後ろにもあることに気づかないといけません。
それに気づいたら、分配法則ab+ac=a×(b+c)を活用します。

(解き方)
3.14×6.28+3.14×3.72
=(6.28+3.72)×3.14
=10×3.14
=31.4

例題4:
4.38×3.14+6.28×0.81+31.4×0.4


(問題の特徴)
同じ数がないと判断してはいけません。

314の数字の組が顔を出していることに着目して(6.28も3.14×2です)、どうにかして分配法則が使えないかを考えてみます。

さらに、かけ算の特徴として、31.4×0.4の、前の31.4を0.1倍の3.14にしても後ろの0.4を10倍したら、0.1×10で相殺されて、答えはかわりません。
このことも利用します。

(解き方)

4.38×3.14+6.28×0.81+31.4×0.4
=4.38×3.14+3.14×2×0.81+3.14×4
=4.38×3.14+3.14×1.62+3.14×4
=(4.38+1.62+4)×3.14
=10×3.14
=31.4


知っておかないといけない問題


1/2=1/1−1/2、1/6=1/2−1/3、・・・・を利用する問題は、中学入試独特の頻出問題です。
知っていないと解けないという意味では良問とはいえませんが、出る以上は知っておかないといけません。

例題5:
2



(問題の特徴)
分子が1で、分母が2つの連続する数の積のとき、それぞれの連続する数を分母とする分数の、差の形に変形することができます。
3



なぜそうなるのかは、逆の計算をどうやってするかを考えたら納得できます。
4










一般化すると、

5















これを知っておいたらよい利点は、この形の分数がいくつか並んでいるとき、ほとんどの部分を消してしまえることです。

6








一番左端の分数と、一番右端の分数以外はすべて消えます。

(解き方)
7








結局、1−1/10だけが残るので、答えは9/10です。


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math 算数のコツ(15) 計算問題を正確に速く解く

長年受験生を指導しているとわかってきますが、入試の合格・不合格は計算問題を確実に解けるかどうかで決まります。
ほとんどの算数の入試問題は、1番が計算問題で、2番が基本問題、3番から後が大問(図形やグラフや文章題)です。
どうしても配点の大きい大問に目がいきますが、本当は1番、2番を落とさない人が最も得点率が高い。
大問は、運と、そのときの体調や心理状態に大きく左右されて、解けることもあれば解けないこともあって、まったくあてにはなりません。

今日は、中学入試によく出る問題にまとをしぼって、絶対に間違えない計算問題の解き方を追及してみましょう。

整数の計算問題

例題1:
108−8×13+(216−129)÷3


(解き方)
(1)出題のねらいを見つける


問題にはすべて「出題者の意図」といわれるものがあります。すべての問題は、算数の「ある重要事項」を受験生がわかっているどうか知るために出題されるのです。
最初にそれを見つけておきます。
この問題で聞かれているのは、「計算の順序」です。

(2)先に計算する部分に下線を引く


わかっているかどうかを試されているのは計算の順序ですから、どこから先に計算するかを見つけます。
ところで、「わかった」を、「絶対間違えない」に変えるには、可視化(目に見える形に)することが必須です。
計算問題の場合、先に計算する場所に下線を引くのがよいでしょう。

108−8×13(216−129)÷3

(3)線を引いた部分ごとに計算をする

このとき大事なのは、1、筆算よりはできるだけ暗算で、2、筆算はきれいに書いてきれいに並べておく、この2つです。

暗算でできれば暗算でするべきです。すぐに筆算をすると、いつまでたっても計算のカンが鈍いままで上達しません。

8×13程度だと、8×10+8×3=104でもよいし、筆算を頭の中でやって8×3=24、繰り上げた2と8×1=8で10、だから104でもよいと思います。

次に、私なら、216−129は筆算でします。
実は、一番計算ミスが多いのはひき算なんです。ひき算は慎重にするべきです。

筆算ですが、計算ミスの多い人は筆算の書き方の雑な人が多い。

実際の入試問題だと問題の余白を使って計算をしないといけませんが、普段の勉強では罫線のひいてあるノートを用意し、罫線にそって縦、横をきちんとそろえて筆算する癖をつけてください。

筆算を書き込む場所も、問題の出題順にきれいに整頓して書き込み、後で見直すときに、どこに何が書いてあるかが一目でわかるようにしておいてください。

後で見直すかどうかが重要ではないのです。
見直すとしたら瞬時に見つかるほど筆算が整理整頓されて残されていることが大事なのです。身のまわりの整理整頓ができない人は頭の整理整頓もできない人です。頭を整理整頓するために、筆算のメモも整理整頓しておくのです。

こうして筆算をして、216−129の答え87を見つけ、次にその答えを3でわり(この程度だと暗算で)、答えの29を求めます。

(4)部分ごとの答えを問題の下線の下に記入

108−8×13(216−129)÷3
・・・・・・・104・・・・・・・・・29

(5)問題の答えを求める

108−104+29ですから、4+29=33です。

結局、解いた後、この問題の場所には以下のような痕跡が残っているはずです。

108−8×13(216−129)÷3・・・・・・・・・・216  
・・・・・・・104・・・・・・・・・29・・・・・・・・・・・・・・−129
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・87


小数の計算問題

例題2:
(4−0.02)×0.5−(0.7×0.7+0.27)


(解き方)

(1)出題のねらいを見つける

この問題で試されているのは、計算の順序+小数計算(特に位取り)が正確にできるかどうかです。

(2)先に計算する部分に下線を引く
(4−0.02)×0.5(0.7×0.7+0.27)

(3)線を引いた部分ごとに計算をする
4−0.02は暗算で3.98、3.98×0.5=1.99は筆算のほうが確実でしょうか(暗算でするか筆算でするか、瞬間的に判断する癖をつけておきましょう)。

小数の計算ですから、小数点の位置に特に注意します。
計算をした後、必ず見直して確認をするくらい慎重に。

後半の0.7×0.7は暗算で0.49(暗算のほうが小数点の位置を間違えにくい)、0.49+0.27も暗算で0.76。

(4)部分ごとの答えを問題の下線の下に記入
(4−0.02)×0.5(0.7×0.7+0.27)・・・・・・・・・・3.98
・・・・・・1.99・・・・・・・・・・・・・0.76・・・・・・・・・・・・・・×0.5
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.990

(5)問題の答えを求める
1.99−0.76を計算して1.23です。


分数の計算問題

例題3:

1




(解き方)

(1)出題のねらいを見つける

この問題で試されているのは、計算の順序+分数計算が正確にできるかどうかです。

(2)先に計算する部分に下線を引く
あまり下線を引きすぎると汚くなってかえって混乱します。

分数計算では、ほとんど暗算は無理で、きちんと、計算する部分を書き出しては解いていかないといけません。
その式が残りますので、それを見れば確認できますから、下線を多く引く必要はありません。

2




(3)線を引いた部分ごとに計算をする
分数の計算は、別の場所にきちんと計算をしてその証拠を残しておきます。

(計算間違いの多い人に限って、例えば3/8に斜線をひいて9/24などと書き込んだりします。このような、問題を汚して自分自身を混乱させるようなこと は絶対にしてはいけません。もとの問題自体はできるだけきれいなままで残しておきます。)

3



4






5




(4)部分ごとの答えを問題の下線の下に記入

6






(5)問題の答えを求める
ここでも、分数どうしを計算したあとを、整理整頓してきれいに残しておきます。

7



8


答えは44/15です。


混合計算

例題4:
9



(解き方)

(1)出題のねらいを見つける

この問題で試されているのは、計算の順序+分数計算+小数から分数への転換ができるかどうかです。

(2)先に計算する部分に下線を引く
10



(3) 線を引いた部分ごとに計算をする
小数と分数の混合計算では、小数は分数になおして、分数で計算するのが普通です(分数を小数になおそうとすると、割りきれないことがあるから)。

ところが、このとき、例えば0.25が出てくると、25/100にして、それをゆっくりと約分しようとする人がいます。
間違いではありませんが、今まで何回か0.25を分数にする機会はあったはずで、0.25=1/4くらいは覚えておいてほしい。

0.25=1/4
0.75=3/4

さらに、まだ知らない子に本人が見つける前に教えることはよくないことではありますが、分母が8の分数になおせる小数も知っておくべきです。

0.125=1/8
0.375=3/8
0.625=5/8
0.875=7/8

このことを知っていたら、この問題は簡単です。
11












(4)部分ごとの答えを問題の下線の下に記入

12






(5) 問題の答えを求める
13










答 えは5/12です。


このようにして、整数、小数、分数、混合、すべての計算問題を、同じ方法で、速く、正確に解くことができます。


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math 計算は速く、文章題は時間をかけて(算数・数学上達のコツ)

数学が苦手な人にもいろいろなタイプがありますが、類型化すると、計算力のない人は「計算が遅い」、文章題を解けない人は「じっくり考えられない」。

だから、同じ算数・数学でも、初歩の段階では、上達しようと思ったら分野によってやり方をがらっと変えないといけません。

計算問題は速く解く訓練をするほど力がつきます。

文章題(関数や図形の応用問題をふくむ)は逆に、時間をかけて解く人ほど着実に力をつけることができます。


計算問題

計算は速くすればするほど集中力が増してミスが減ります。
人間の脳はそうなるようにできている。

また、速くしようと思えば、正しい計算のやり方をしないと速くはできませんから、速くしようとすればするほど自然に正しいやり方が身につきます。

百ます計算などが(計算力のアップに関しては)効果的なのは、この原理にのっとっているからです。

だから、家庭や塾で計算練習をするときは、「とにかく速く」を心がけなければいけません。
とりかかったら、中断したり休んだりしてはいけない。
おしゃべりなどはもってのほか、最後の問題をやり終わるまでは、とにかく速く、一気に突っ走る。

そして、ちょっと上達したら、速く計算をするためのテクニックを少しずつ身につけていく。

一番使えるのは「等式の性質」です。

例えば分数をふくむ計算。
計算力のない人ほど後生大事に分数を最後までかかえていく。
計算が速くて正確な人は、分数と見たらさっさと等式の性質を利用して両辺に公倍数をかけて、分数でなくしてから計算をします。


文章題・応用問題

文章題・応用問題は計算問題とはまったく逆です。

できない人ほど速くしたがる。
どんな問題であっても、計算問題のようにさっさとするのが算数・数学だと思っているから、あるいは賢い人とはなんでもさっさとできる人だと思っているから、ぱっと見てすぐに解き方が思いうかばなかったらキイーッとなってしまう。

賢い人というのは、じっくりと時間をかけて問題を解決できる人のことです。
問題文を解きほぐして、問題を解くのに必要な部分を抽出して、それを式にすることができる人です。

ところで、『下手(へた)の考え、休むに似たり』ということわざがあります。
「下手(へた)な人(=アホな人)が考えている(と思っている)のは、実は考えているのではない、休んでいるのと一緒だ」という意味です。

「時間をかける」というのは、「じいっと考える」ということではありません。
考えるには「道具」が必要です。
何も道具を持たないで「じいっと考える」のは猿でもできる。
人間であれば道具を使って考えないといけません。

まず、問題文中の数値は鉛筆で囲んでおく。
これだけで、応用問題を解けるようになる率は飛躍的に向上します。
人間の脳はそうなるようにできている。

何でも「可視化(目に見える形に)」しないといけません。

関数のグラフの問題であれば、式と座標を必ず記入しておく。
図形の問題であれば、問題文に書いてある長さや角度は必ず図に転記しておく。書き込んだことからわかる長さや角度も図に記入する。

「時間をかける」というのは「じいっと考える」のではない、準備(考える道具を手に入れること)に時間をかけろという意味です。


脳の回路をつなぐという観点から

イチローは、体の反応速度が他の人よりは格段に速いのだそうです。

目で見て、それを感覚神経が大脳に情報として伝えて、大脳が判断を下して、脊髄を経て、運動神経がその判断を筋肉に伝えて、筋肉が動いて体が動きます。
この過程は、情報が、次々と神経細胞のシナプス(神経細胞の結節点)を経て伝達される過程です。

普通の人がA→B→C→D→Eと情報を伝達しているとすると、イチローはA→BCD→Eであって、反応までに要する時間が他の人よりも相当短いのだそうです。
だから、他の人よりはボールがだいぶ自分のほうに近づくまで見極めて反応を始めても間に合うことができるらしい。
イチローがバットをボールにあてる能力に関してずば抜けている理由は、この反応速度の速さにあるのだそうです。

イチローの練習熱心なことは有名です。
人より練習をすることで、イチローはB→C→DをBCDに変えたわけです。

計算問題を解く練習をするときは、とにかく速くやらないといけない、速くやって量をこなさないといけないのは、B→C→DをBCDに変えるためです。

計算問題のA→B→C→D→Eは、簡単で、誰にでも共通です。だから後は、練習してどれだけ反応時間を短くするかが大事なわけです。

また、イチローが自分のバッティングに関して独自の哲学を持っていることは有名です。

「哲学をもっている」とは、最も有効なA→B→C→D→Eを、自分自身がこうすればできるという筋道を、自分の中に確立しているという意味です。

算数・数学の文章問題・応用問題を解くときのA→B→C→D→Eは、計算問題に比べるとずっと複雑で、必要なものが個人個人によって皆違います。

そして、回路A→B→C→D→Eができないうちは、どう頑張ろうと絶対に文章題・応用問題は解けません。

だから、まず最初に自分なりのA→B→C→D→Eを発見し、自分の中に自分のA→B→C→D→Eを確立しておかないといけないのです。

そのためには、あせらずに準備をした上で、じっくりと時間をかけて試行錯誤をしながら、文章題・応用問題を解くためのA→B→C→D→Eを自分の中に作り上げるしか方法はありません。


最初に述べた、一見矛盾しているように思える「計算問題は速く解く訓練をするほど力がつきます。」と、「文章題(関数や図形の応用問題をふくむ)は逆に、時間をかけて解く人ほど着実に力をつけることができます。」とは、決して矛盾してはいないのです。


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math 超簡単 有理化(分母に根号がない形にする)

数学の約束事として、「分母に√(ルート)を残してはいけない」というきまりがあります。
分母にルートがあるときはルートのない形にしないといけないのです(分母を、無理数の√から有理数の整数にかえるので、『有理化』といいます)。


なぜ有理化をしないといけないのか?

わかりやすい説明は、次のようなものです。

「1/√2という分数があるとき、小数になおしたらおよそどれくらいの値になるのかを調べようと思ったとき、このままだと計算がややこしい。
√2=1.414として、1÷√2=1÷1.414の筆算はわずらわしい。
有理化して√2/2にしておくと、√2/2=√2÷2=1.414÷2=0.707と簡単に求めることができる。」


なぜ有理化ができるのか

分母に根号がない形にするときは、自明の数学の原理2つをもちいます。

1つは、「√aに√aをかけるとaになる」(√a×√a=a、√aとは2乗するとaになる数という意味だから、2乗するとaになる)という平方根の性質を使います。

もう1つは、2/3=(2×2)/(3×2)=4/6であるように、「分数は、分母と分子に同じ数をかけても大きさがかわらない」という性質を使います。


有理化の仕方

分母に根号がない形にする(有理化をする)ときは、(1)「√aに√aをかけるとaになる」と、(2)「分数は、分母と分子に同じ数をかけても大きさがかわらない」の、2つを使います。

例題1:
1/√3を有理化せよ。

(1)分母の√3に√3をかけたら3になる、(2)分母と分子に同じ√3をかけても分数の大きさは変わらない、この2つを利用して、分母と分子に、分母の√3と同じ数の√3をかけます。

1


例題2:
3/√8を有理化せよ。


分母の√と同じ数を、分数の上と下にかけるのが有理化だと思って、すぐに分母と分子に√8をかけてはいけません。

間違いではありません(後で修正できるから)が、してはいけないことです。

数学の大事なルール、「できるだけ小さい数字にしてから計算しないといけない」の原則に反するからです(分数を約分しないとペケになるのも、比を簡単な整数の比にしておかないとバツになるのも、すべてこの原則に違反するからです)。

先に、√8を2√2にしておきます。

その後、分母にも分子にも、分母にある√2と同じ数の√2をかけます。
2


例題3:
5√27/3√80を有理化せよ。

3
・・・・まず、√27を3√3、√80を4√5にしておく


・・・・分母の√5と同じ√5を分母にも分子にもかける




・・・・約分をする


わかりやすいように上のような解き方をしましたが、「できるだけ小さい数字にしてから計算しないといけない」の原則に忠実に従うと、次のように解いたほうがよいかもしれません。

4



・・・・先に分母と分子の3を約分しておく




・・・・分母で4×5をする前に、分母の5と分子の5を約分する





中学校では習わない有理化(私立高校の入試では出題されることがある)

例題4:
1/(√5+1)を有理化せよ。


この問題の場合、分母に√5があるからといって、分母と分子に√5をかけても分母からルートをなくせません。
分母の1に√5をかけたものが√5として残ってしまうからです。

では、どうするか?

ルートは、同じものを2乗したら、ルートでなくなるわけです。
かけ算をして、2乗だけが出てくるような式がないかを考えます。

習ったばかりの乗法公式、(x+y)(x−y)=x^2−y^2を思いうかべられたら大成功。
この公式を使えば、2乗だけの式をつくることができます。

(√5+1)に、(√5−1)をかければ、(√5+1)(√5−1)=5−1=4となって、ルートが消えてくれます。

つまり、この問題では、分母の(√5+1)と真ん中の符号だけが違う(√5−1)を、分母と分子にかけます。
5









例題5:
4/(√5−√3)を有理化せよ。


例題4と同じ考え方で解きます。

6












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