今、日本は10月6日午前10時です。
イギリスのロンドンは6日の午前1時、アメリカのニューヨークは5日の午後8時です。
なぜ場所によって時刻が異なるのか、日本とロンドンで9時間の違い(時差)が生じるのはどうしてなのか、日本が10月6日なのになぜアメリカは10月5日なのか(日付変更線)、についてまとめました。
時刻はどう決まるのか
1日が24時間であることは世界共通です。
そして、時刻はどう決まるかというと、(素朴に言うと)太陽の南中する時刻(太陽が頭の真上、一番高いところにくる時刻)が昼の12時(正午)です。
南中時刻と南中時刻の間を24等分したものを1時間として、それぞれの時刻が決まります。
太陽が南中する1時間前であれば午前11時、南中したあと1時間が経過したら午後1時ということになります。
左図の1、太陽が日本を通る経線の真上にあるとき、日本は正午です。
図の2、地球が自転して太陽がインドの真上にきたとき、日本は太陽が通り過ぎて4時間たっているので午後4時です。
図の3、太陽がイギリスのロンドンを通る経線の真上にあるとき、日本は午後9時です。
図の4、太陽が、日本の真反対、ブラジルの真上にきたとき、日本は真夜中の0時です。
地球は、1日24時間で、1周360度自転するので、
360度÷24=15度
地球が15度回転すると1時間経過することがわかります。
時差
1884(明治17年)、アメリカのワシントンで開かれた国際子午線(しごせん)会議で、イギリスのロンドンにあった旧グリニッジ天文台を通る子午線(経線の基点になる子午線だから本初子午線といいます)を経度の基準線とすることに決めました。
本初子午線が経度0度であり、ロンドンより東に180度までが東経、西に180度までが西経です。
世界の時刻も、この本初子午線を基準とすることに決めました。
ロンドンを通る経度0度の経線を、時刻の基準の0時とします(国際標準時、グリニッジ標準時)。
ロンドンより東まわりに東経180度までは、経度15度ごとに1時間、ロンドンより進んだ時間(+)になります。
ロンドンより西まわりに西経180度までは、経度15度ごとに1時間、ロンドンより遅れた時間(-)になります。
地球は西から東に向かって自転しているので、ロンドンより東では(ロンドンより先に太陽が通り過ぎるので)経度15度ごとに1時間ずつロンドンよりは進んだ時間になり、逆に、ロンドンより西では(ロンドンより後に太陽がくるので)経度15度ごとにロンドンより1時間ずつ遅れた時間になるということです。
また、経度の15度分が時刻の1時間に相当するので、各地の時刻を決める際には経度の15度きざみで決めないと不便です。
日本を通る15度きざみの経線は、東経135度です。
だから、日本の時刻は、135度÷15度=9
ロンドンを基準にすると+9時間です。
この+9が、イギリスと日本の「時差」です。
インドの西部を通る15度きざみの経線は東経75度です。
イギリスとの時差は75÷15=5、+5時間です。
だから、日本とインドとの時差は9-5=4、4時間です。
アメリカの東部を通る15度きざみの経線は、イギリスより西で西経75度です。
イギリスとの時差は-5時間です。
アメリカのニューヨークと日本との時差は、イギリスをはさんで-5と+9のちがいだから14時間だということになります。
地球上の2地点間の時差を求めようとするときは、必ず、それぞれのイギリスとの時差を先に考え、それから求めないといけません。
つまり、数直線を頭に思いうかべて、ロンドンを通る経線が0、15度きざみで、それより東が+1、+2、・・・、+12、それより西が-1、-2、・・・、-12、と考えればよいのです。
日付変更線
時差についてはわかりました。
次は日付です。
今日は10月6日ですが、地球の10月6日はどこから始まるのか、その基点を決めておかないといけません。
1884(明治17年)の国際子午線会議で、東経180度と西経180度の重なる経線を日付変更線とすることに決めました。
東経180度(西経180度)が0時のとき、地球の新しい1日が始まると決めたのです。
地球をリンゴとして、東経180度の線にナイフをあてて、リンゴの皮を左にむいていくとします。
リンゴの皮がむけて、白い部分が露出していきます。
その露出した部分が新しい1日、まだ皮をむいていない、ナイフより左の部分が1日前の日です。
東経180度の経線上(イギリスとは+12の時差)で新しい10月6日が始まったとき、東経135度にある日本(イギリスとは+9の時差)は午後9時です(12-9=3時間で0時よりは3時間前だから)。
3時間たつと、日本は0時になり、そこから24時間が日本の10月6日です。
その時、日本より西の国は、まだリンゴの皮が向けていないので10月5日です。
実際の日付変更線は、東経180度(西経180度)の経線とはぴったり一致しません。
左の図で、左の赤色の縦の線が本初子午線(経度0度)、右の赤色の線が日付変更線です。
陸地を日付変更線が通ると、その線より東へ行くと前の日、西へ行くと新しい日ということになって混乱します。
その混乱を避けるために、日付変更線は、基本的には東経180度の線と一致しますが、島などの陸地を通るときは陸地を避けるように変更を加えてあります(また、同じ国で日付が異なると不便なので、同じ国は同じ日になるように変更を加えています)。
日付変更線には、そこから新しい1日が始まるという意味の他に、飛行機などでその線をまたぐときは日付を変更しないといけないという意味もあります。
日本からアメリカへ飛行機で移動するとき、日付変更線の西側(日本側)は新しい日、日付変更線の東側(アメリカ側)は前の日ですから、1日、日付を遅らせないといけません。
逆に、アメリカから日本へ飛行するときは、前の日から、日付変更線をまたぐことで新しい日に入るので、日付を1日進ませます。
日本の標準時とタイムゾーン
15度ごとに区切った経線にそった、同じ時刻を使っている地域のことをタイムゾーンといいます。
日本は、運のよいことにほぼ中央部を東経135度の経線が通っており(兵庫県明石市を東経135度が通っています)、東西にそれほど広い国ではないので、東経135度の地点を太陽が南中する時刻を正午と決めておけば日本全体がそのとき同じ正午であってもほとんど不都合はありません(これを、日本の標準時といい、東経135度を日本の標準時子午線といいます)。
つまり、日本のタイムゾーンは1つです。
ところが、アメリカやロシアのように、東西に広い国では、1つの国に1つの標準時だけでは不都合です。
こうした国は、1つの国の中に複数のタイムゾーンがあります(アメリカの場合、4つのタイムゾーンがあります)。
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イギリスのロンドンは6日の午前1時、アメリカのニューヨークは5日の午後8時です。
なぜ場所によって時刻が異なるのか、日本とロンドンで9時間の違い(時差)が生じるのはどうしてなのか、日本が10月6日なのになぜアメリカは10月5日なのか(日付変更線)、についてまとめました。
時刻はどう決まるのか
1日が24時間であることは世界共通です。
そして、時刻はどう決まるかというと、(素朴に言うと)太陽の南中する時刻(太陽が頭の真上、一番高いところにくる時刻)が昼の12時(正午)です。
南中時刻と南中時刻の間を24等分したものを1時間として、それぞれの時刻が決まります。
太陽が南中する1時間前であれば午前11時、南中したあと1時間が経過したら午後1時ということになります。

図の2、地球が自転して太陽がインドの真上にきたとき、日本は太陽が通り過ぎて4時間たっているので午後4時です。
図の3、太陽がイギリスのロンドンを通る経線の真上にあるとき、日本は午後9時です。
図の4、太陽が、日本の真反対、ブラジルの真上にきたとき、日本は真夜中の0時です。
地球は、1日24時間で、1周360度自転するので、
360度÷24=15度
地球が15度回転すると1時間経過することがわかります。
時差
1884(明治17年)、アメリカのワシントンで開かれた国際子午線(しごせん)会議で、イギリスのロンドンにあった旧グリニッジ天文台を通る子午線(経線の基点になる子午線だから本初子午線といいます)を経度の基準線とすることに決めました。
本初子午線が経度0度であり、ロンドンより東に180度までが東経、西に180度までが西経です。
世界の時刻も、この本初子午線を基準とすることに決めました。
ロンドンを通る経度0度の経線を、時刻の基準の0時とします(国際標準時、グリニッジ標準時)。
ロンドンより東まわりに東経180度までは、経度15度ごとに1時間、ロンドンより進んだ時間(+)になります。
ロンドンより西まわりに西経180度までは、経度15度ごとに1時間、ロンドンより遅れた時間(-)になります。
地球は西から東に向かって自転しているので、ロンドンより東では(ロンドンより先に太陽が通り過ぎるので)経度15度ごとに1時間ずつロンドンよりは進んだ時間になり、逆に、ロンドンより西では(ロンドンより後に太陽がくるので)経度15度ごとにロンドンより1時間ずつ遅れた時間になるということです。
また、経度の15度分が時刻の1時間に相当するので、各地の時刻を決める際には経度の15度きざみで決めないと不便です。
日本を通る15度きざみの経線は、東経135度です。
だから、日本の時刻は、135度÷15度=9
ロンドンを基準にすると+9時間です。
この+9が、イギリスと日本の「時差」です。
インドの西部を通る15度きざみの経線は東経75度です。
イギリスとの時差は75÷15=5、+5時間です。
だから、日本とインドとの時差は9-5=4、4時間です。
アメリカの東部を通る15度きざみの経線は、イギリスより西で西経75度です。
イギリスとの時差は-5時間です。
アメリカのニューヨークと日本との時差は、イギリスをはさんで-5と+9のちがいだから14時間だということになります。
地球上の2地点間の時差を求めようとするときは、必ず、それぞれのイギリスとの時差を先に考え、それから求めないといけません。
つまり、数直線を頭に思いうかべて、ロンドンを通る経線が0、15度きざみで、それより東が+1、+2、・・・、+12、それより西が-1、-2、・・・、-12、と考えればよいのです。
日付変更線
時差についてはわかりました。
次は日付です。
今日は10月6日ですが、地球の10月6日はどこから始まるのか、その基点を決めておかないといけません。
1884(明治17年)の国際子午線会議で、東経180度と西経180度の重なる経線を日付変更線とすることに決めました。
東経180度(西経180度)が0時のとき、地球の新しい1日が始まると決めたのです。
地球をリンゴとして、東経180度の線にナイフをあてて、リンゴの皮を左にむいていくとします。
リンゴの皮がむけて、白い部分が露出していきます。
その露出した部分が新しい1日、まだ皮をむいていない、ナイフより左の部分が1日前の日です。
東経180度の経線上(イギリスとは+12の時差)で新しい10月6日が始まったとき、東経135度にある日本(イギリスとは+9の時差)は午後9時です(12-9=3時間で0時よりは3時間前だから)。
3時間たつと、日本は0時になり、そこから24時間が日本の10月6日です。
その時、日本より西の国は、まだリンゴの皮が向けていないので10月5日です。

左の図で、左の赤色の縦の線が本初子午線(経度0度)、右の赤色の線が日付変更線です。
陸地を日付変更線が通ると、その線より東へ行くと前の日、西へ行くと新しい日ということになって混乱します。
その混乱を避けるために、日付変更線は、基本的には東経180度の線と一致しますが、島などの陸地を通るときは陸地を避けるように変更を加えてあります(また、同じ国で日付が異なると不便なので、同じ国は同じ日になるように変更を加えています)。
日付変更線には、そこから新しい1日が始まるという意味の他に、飛行機などでその線をまたぐときは日付を変更しないといけないという意味もあります。
日本からアメリカへ飛行機で移動するとき、日付変更線の西側(日本側)は新しい日、日付変更線の東側(アメリカ側)は前の日ですから、1日、日付を遅らせないといけません。
逆に、アメリカから日本へ飛行するときは、前の日から、日付変更線をまたぐことで新しい日に入るので、日付を1日進ませます。
日本の標準時とタイムゾーン
15度ごとに区切った経線にそった、同じ時刻を使っている地域のことをタイムゾーンといいます。

つまり、日本のタイムゾーンは1つです。
ところが、アメリカやロシアのように、東西に広い国では、1つの国に1つの標準時だけでは不都合です。
こうした国は、1つの国の中に複数のタイムゾーンがあります(アメリカの場合、4つのタイムゾーンがあります)。
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