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超簡単

social studies 超簡単 時刻・時差・日付変更線

今、日本は10月6日午前10時です。
イギリスのロンドンは6日の午前1時、アメリカのニューヨークは5日の午後8時です。

なぜ場所によって時刻が異なるのか、日本とロンドンで9時間の違い(時差)が生じるのはどうしてなのか、日本が10月6日なのになぜアメリカは10月5日なのか(日付変更線)、についてまとめました。


時刻はどう決まるのか

1日が24時間であることは世界共通です。

そして、時刻はどう決まるかというと、(素朴に言うと)太陽の南中する時刻(太陽が頭の真上、一番高いところにくる時刻)が昼の12時(正午)です。

南中時刻と南中時刻の間を24等分したものを1時間として、それぞれの時刻が決まります。
太陽が南中する1時間前であれば午前11時、南中したあと1時間が経過したら午後1時ということになります。

地球と太陽左図の1、太陽が日本を通る経線の真上にあるとき、日本は正午です。
図の2、地球が自転して太陽がインドの真上にきたとき、日本は太陽が通り過ぎて4時間たっているので午後4時です。
図の3、太陽がイギリスのロンドンを通る経線の真上にあるとき、日本は午後9時です。
図の4、太陽が、日本の真反対、ブラジルの真上にきたとき、日本は真夜中の0時です。

地球は、1日24時間で、1周360度自転するので、
360度÷24=15度
地球が15度回転すると1時間経過することがわかります。


時差

1884(明治17年)、アメリカのワシントンで開かれた国際子午線(しごせん)会議で、イギリスロンドンにあった旧グリニッジ天文台を通る子午線(経線の基点になる子午線だから本初子午線といいます)を経度の基準線とすることに決めました。
本初子午線が経度0度であり、ロンドンより東に180度までが東経、西に180度までが西経です。

世界の時刻も、この本初子午線を基準とすることに決めました。

ロンドンを通る経度0度の経線を、時刻の基準の0時とします(国際標準時、グリニッジ標準時)。

ロンドンより東まわりに東経180度までは、経度15度ごとに1時間、ロンドンより進んだ時間(+)になります。
ロンドンより西まわりに西経180度までは、経度15度ごとに1時間、ロンドンより遅れた時間(-)になります。

地球は西から東に向かって自転しているので、ロンドンより東では(ロンドンより先に太陽が通り過ぎるので)経度15度ごとに1時間ずつロンドンよりは進んだ時間になり、逆に、ロンドンより西では(ロンドンより後に太陽がくるので)経度15度ごとにロンドンより1時間ずつ遅れた時間になるということです。

また、経度15度分が時刻の1時間に相当するので、各地の時刻を決める際には経度の15度きざみで決めないと不便です。

日本を通る15度きざみの経線は、東経135度です。
だから、日本の時刻は、135度÷15度=9
ロンドンを基準にすると+9時間です。

この+9が、イギリス日本の「時差」です。

インドの西部を通る15度きざみの経線は東経75度です。
イギリスとの時差は75÷15=5、+5時間です。
だから、日本とインドとの時差は9-5=4、4時間です。

アメリカの東部を通る15度きざみの経線は、イギリスより西で西経75度です。
イギリスとの時差は-5時間です。
アメリカのニューヨークと日本との時差は、イギリスをはさんで-5と+9のちがいだから14時間だということになります。

地球上の2地点間の時差を求めようとするときは、必ず、それぞれのイギリスとの時差を先に考え、それから求めないといけません。

つまり、数直線を頭に思いうかべて、ロンドンを通る経線が0、15度きざみで、それより東が+1、+2、・・・、+12、それより西が-1、-2、・・・、-12、と考えればよいのです。


日付変更線

時差についてはわかりました。
次は日付です。

今日は10月6日ですが、地球の10月6日はどこから始まるのか、その基点を決めておかないといけません。

1884(明治17年)の国際子午線会議で、東経180度と西経180度の重なる経線を日付変更線とすることに決めました。

東経180度(西経180度)0時のとき、地球の新しい1日が始まると決めたのです。

地球をリンゴとして、東経180度の線にナイフをあてて、リンゴの皮を左にむいていくとします。
リンゴの皮がむけて、白い部分が露出していきます。
その露出した部分が新しい1日、まだ皮をむいていない、ナイフより左の部分が1日前の日です。

東経180度の経線上(イギリスとは+12の時差)で新しい10月6日が始まったとき、東経135度にある日本(イギリスとは+9の時差)は午後9時です(12-9=3時間で0時よりは3時間前だから)。
3時間たつと、日本は0時になり、そこから24時間が日本の10月6日です。
その時、日本より西の国は、まだリンゴの皮が向けていないので10月5日です。

日付変更線実際の日付変更線は、東経180度(西経180度)の経線とはぴったり一致しません。

左の図で、左の赤色の縦の線が本初子午線(経度0度)、右の赤色の線が日付変更線です。

陸地を日付変更線が通ると、その線より東へ行くと前の日、西へ行くと新しい日ということになって混乱します。
その混乱を避けるために、日付変更線は、基本的には東経180度の線と一致しますが、島などの陸地を通るときは陸地を避けるように変更を加えてあります(また、同じ国で日付が異なると不便なので、同じ国は同じ日になるように変更を加えています)。


日付変更線には、そこから新しい1日が始まるという意味の他に、飛行機などでその線をまたぐときは日付を変更しないといけないという意味もあります。

日本からアメリカへ飛行機で移動するとき、日付変更線の西側(日本側)は新しい日、日付変更線の東側(アメリカ側)は前の日ですから、1日、日付を遅らせないといけません。
逆に、アメリカから日本へ飛行するときは、前の日から、日付変更線をまたぐことで新しい日に入るので、日付を1日進ませます。


日本の標準時とタイムゾーン

15度ごとに区切った経線にそった、同じ時刻を使っている地域のことをタイムゾーンといいます。

タイムゾーン日本は、運のよいことにほぼ中央部を東経135度の経線が通っており(兵庫県明石市を東経135度が通っています)、東西にそれほど広い国ではないので、東経135度の地点を太陽が南中する時刻を正午と決めておけば日本全体がそのとき同じ正午であってもほとんど不都合はありません(これを、日本の標準時といい、東経135度を日本の標準時子午線といいます)。

つまり、日本のタイムゾーンは1つです。

ところが、アメリカやロシアのように、東西に広い国では、1つの国に1つの標準時だけでは不都合です。
こうした国は、1つの国の中に複数のタイムゾーンがあります(アメリカの場合、4つのタイムゾーンがあります)。



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math 超簡単 有理化(分母に根号がない形にする)

数学の約束事として、「分母に√(ルート)を残してはいけない」というきまりがあります。
分母にルートがあるときはルートのない形にしないといけないのです(分母を、無理数の√から有理数の整数にかえるので、『有理化』といいます)。


なぜ有理化をしないといけないのか?

わかりやすい説明は、次のようなものです。

「1/√2という分数があるとき、小数になおしたらおよそどれくらいの値になるのかを調べようと思ったとき、このままだと計算がややこしい。
√2=1.414として、1÷√2=1÷1.414の筆算はわずらわしい。
有理化して√2/2にしておくと、√2/2=√2÷2=1.414÷2=0.707と簡単に求めることができる。」


なぜ有理化ができるのか

分母に根号がない形にするときは、自明の数学の原理2つをもちいます。

1つは、「√aに√aをかけるとaになる」(√a×√a=a、√aとは2乗するとaになる数という意味だから、2乗するとaになる)という平方根の性質を使います。

もう1つは、2/3=(2×2)/(3×2)=4/6であるように、「分数は、分母と分子に同じ数をかけても大きさがかわらない」という性質を使います。


有理化の仕方

分母に根号がない形にする(有理化をする)ときは、(1)「√aに√aをかけるとaになる」と、(2)「分数は、分母と分子に同じ数をかけても大きさがかわらない」の、2つを使います。

例題1:
1/√3を有理化せよ。

(1)分母の√3に√3をかけたら3になる、(2)分母と分子に同じ√3をかけても分数の大きさは変わらない、この2つを利用して、分母と分子に、分母の√3と同じ数の√3をかけます。

1


例題2:
3/√8を有理化せよ。


分母の√と同じ数を、分数の上と下にかけるのが有理化だと思って、すぐに分母と分子に√8をかけてはいけません。

間違いではありません(後で修正できるから)が、してはいけないことです。

数学の大事なルール、「できるだけ小さい数字にしてから計算しないといけない」の原則に反するからです(分数を約分しないとペケになるのも、比を簡単な整数の比にしておかないとバツになるのも、すべてこの原則に違反するからです)。

先に、√8を2√2にしておきます。

その後、分母にも分子にも、分母にある√2と同じ数の√2をかけます。
2


例題3:
5√27/3√80を有理化せよ。

3
・・・・まず、√27を3√3、√80を4√5にしておく


・・・・分母の√5と同じ√5を分母にも分子にもかける




・・・・約分をする


わかりやすいように上のような解き方をしましたが、「できるだけ小さい数字にしてから計算しないといけない」の原則に忠実に従うと、次のように解いたほうがよいかもしれません。

4



・・・・先に分母と分子の3を約分しておく




・・・・分母で4×5をする前に、分母の5と分子の5を約分する





中学校では習わない有理化(私立高校の入試では出題されることがある)

例題4:
1/(√5+1)を有理化せよ。


この問題の場合、分母に√5があるからといって、分母と分子に√5をかけても分母からルートをなくせません。
分母の1に√5をかけたものが√5として残ってしまうからです。

では、どうするか?

ルートは、同じものを2乗したら、ルートでなくなるわけです。
かけ算をして、2乗だけが出てくるような式がないかを考えます。

習ったばかりの乗法公式、(x+y)(x−y)=x^2−y^2を思いうかべられたら大成功。
この公式を使えば、2乗だけの式をつくることができます。

(√5+1)に、(√5−1)をかければ、(√5+1)(√5−1)=5−1=4となって、ルートが消えてくれます。

つまり、この問題では、分母の(√5+1)と真ん中の符号だけが違う(√5−1)を、分母と分子にかけます。
5









例題5:
4/(√5−√3)を有理化せよ。


例題4と同じ考え方で解きます。

6












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math 超簡単 循環小数を分数で表す

分数を循環小数で表す

例題1:
分数5/9を循環小数で表せ。


小学校で学んだように、分数5/9は5÷9を計算して小数で表すことができます。
5÷9=0.5555・・・・

約束事として、中学校では循環する数字の上に黒丸をつけて書き表します。
1

循環する数字が2けたのときは、2つの数字の上に黒丸をつけます。
(例)4/33=0.121212・・・・
2

循環する数字が3けた以上のときは、すべての数字の上に黒丸はつけないで、循環する部分の左端と右端だけに黒丸をつけます。
(例)31/27=1.148148・・・・
3


次に、この単元でもっとも重要な、循環小数の0.1111・・・・が分数の1/9であることを証明してみましょう。

0.1111・・・・=1/9

1が循環する小数、0.111・・・・を考えます。
計算したらわかりますが、1/9=1÷9=0.111・・・・です。

「計算したらわかる」では情けないので、もっとかっこよく説明してみましょう。

文字xを使うのがコツです。

0.111・・・・をxと仮定します。

x=0.111・・・・

循環部分が1けたのときは、xの10倍を考えます。

10倍すると、小数点が右へ1つ動くので、
10x=1.11・・・・

xと10xを上下にならべて書いて、上の式から下の式をひいてみます。

・・・・・/x=0.111・・・・
)10x=1.111・・・・

小数点以下の111・・・・の部分は、上の式と下の式でまったく同じはずです。
ということは、小数点以下の111・・・・の部分は、上の式から下の式をひいたらすべて消えてくれます。

・・・・・/x=0.111・・・・
)10x=1.111・・・・
−9x=−1
・・・x=1/9

以上より、0.111・・・・=1/9です。
4


同じようにして、0.010101・・・が1/99であることを証明してみましょう。

今度は、循環部分が2けただから、小数点以下に同一部分をつくるために100倍してみるのがコツです。

・・・・・・・x=0.010101・・・・
)100x=1.010101・・・・

・・/−99x=−1
          x=1/99
5


同様に、0.001001001・・・・=1/999です。
6


以上の、
0.1111・・・・=1/9
0.0101・・・・=1/99
0.001001・・・・=1/999
を使って、循環小数を分数で表すことができます。

循環小数を分数で表す

例題2:
次の循環小数を分数で表せ。
(1)0.666・・・・
7

(2)0.727272・・・・
8


(解答)
(1)
0.111・・・・=1/9を使えば簡単です。

0.666・・・・=0.111・・・×6だから、0.666・・・・=(1/9)×6=6/9
約分して2/3

(2)
0.010101・・・・=1/99を使います。

0.727272・・・・=72/99
約分して8/11


最後に、ちょっと考えないといけない問題をしてみましょう。

例題3:
次の循環小数を分数で表せ。
(1)0.1333・・・・
9

(2)0.3242424・・・・
10


(解答)
(1)
0.111・・・・=1/9を使いたいのに、ひとつ位がずれています。
だから、0.111・・・・=1/9が使えるようにします。
どうしたらよいか?
10倍したら、1.333・・・・となって、0.333・・・・=3/9が使えます。

1.333・・・・=1と3/9(まず帯分数にする)
1と3/9を約分して1と1/3
帯分数のままでは10でわってもとにもどせないので仮分数にして1と1/3=4/3
最後に、4/3を10でわって、もとの0.1333・・・・を求めます。
4/3÷10=4/30=2/15

以上のように、10倍して分数を求めて、その分数を10でわったら答えが求められます。

(2)
同じように10倍して、3.242424・・・・
0.010101・・・・=1/99より、
3.242424・・・・=3と24/99(帯分数)
約分して3と8/33
仮分数にして107/33
最後に10でわってもとの数を求める
答えは107/330


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math 超簡単 有理数と無理数

世の中にある「数」を、分数で表せるかどうかで分類したとき、分数で表せる数を有理数、分数で表せない数を無理数といいます。

ところで、世の中にある「数」には、整数と、分数と、小数しかありません。

整数は、例えば、3が3/1(1分の3)であるように、すべて分母が1の分数で表せますから、全部が有理数です。

分数は、最初から分数ですから有理数です。

結局、有理数と無理数に分かれるのは、小数だけです。

ここまでのまとめ

(1)「数」は、整数分数小数の、3つしかない。

(2)
整数・・・有理数
分数・・・有理数
小数・・・有理数無理数に分かれる


小数

普通の(今まで習ったほとんどの)小数は、例えば、小数第1位の小数であれば0.3=3/10、小数第2位の小数であれば0.13=13/100であるように、分数で表すことができるので有理数です。

小数点以下のどこまでかがわかっていて、わかっているから「10分の〜」、「100分の〜」、「1000分の〜」、・・・と、分数で表せる小数のことを有限小数といいます。
有限小数は、分数で表せるので有理数です。

1/3が、1÷3=0.3333・・・・であることは知っているはずです。
この0.3333・・・・のように、どこまでも続いていく小数を無限小数といいます。
無限小数も、0.3333・・・・は1/3と分数で表せる有理数です。

では、どんな小数が無理数なのでしょうか?

円周率のπが、3.141592・・・・とどこまでも続いていく無限小数であることは誰もが知っています。
この3.141592・・・・は分数では表しようがありません。
無理数です。

では、分数で表せる有理数の0.3333・・・・と、分数では表せない無理数の3.141592・・・・とではどこが違うのか?

0.3333・・・・は、3という数字が繰り返し出てきます。これを、同じ数字が繰り返し出てくるので循環小数といいます。
循環小数は分数で表すことができます。
(循環小数が分数で表せることはこちらを参照してください。)

3.141592・・・・は、不規則にいろいろな数字が並んでいます。

どうやら、不規則にいろいろな数字が並んでいる小数だけが無理数だといえそうです。

この、不規則にいろいろな数字が数字が並んでいる、「無限小数の中で循環小数でないもの」だけが、無理数です。

循環しない無限小数だけが無理数なのです。


小数の分類

(1)小数は、有限小数(有理数)と無限小数に分かれる

(2)無限小数は、さらに循環小数(有理数)と循環しない無限小数に分かれる

(3)循環しない無限小数だけが無理数である


π(パイ)と√(ルート)だけが無理数

では、循環しない無限小数は、円周率のπ以外に何があるでしょうか?

√(ルート)がそうです。

例えば、2の平方根の√2は、√2=1.41421356・・・・という、循環しない無限小数です。
√3は、√3=1.7320508・・・・と続く、循環しない無限小数です。

結局、中学3年生が知っている数の中では、円周率のπと√だけが循環しない無限小数であり、つまり無理数だということになります。


まとめ

πの2つだけが無理数である


例題:
次の数について、無理数を選び出せ。
5、√6、√9、−11、0.8、−√1.7、5/3、√(4/25)

例題1

問題を解くときは、「πだけが無理数」でやっていくのが一番簡単です。

ただし、√9は√がついてはいますが、√9=3ですから、実は整数です。
同様に、√4/25も、√がついてはいるものの、2/5という分数になおせます。
この2つは、ほんとうは整数と分数ですから、「πと√だけ」の√に入れてはいけません。
無理数は、「πと、√のはずせない√だけ」なのです。

ということから、無理数であるのは、√6と、−√1.7の2つです。



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math 超簡単 四則混合計算

数学の不得意な人ほど答えにこだわり、答えさえ合えばそれでいいではないかと思っています。
これは動物の発想ですね。
道具を使うかどうかが人と動物との違いです。動物から人になるために、道具の使い方を学ぶのが「勉強」です。

計算問題の場合、道具にあたるのは「途中の式の書き方」です。
計算問題を「正確に」「速く」解くコツは途中式を正しく書くことです。

そして、正しく途中式を書くために大切な場所は2行目です。
2行目さえ正しく書ければ、正解に導くための道具が自動的に働いて、いつでも何の苦労もなしに正解に到達します。


次の問題を、あなたならどのように途中式を書いて解いていくでしょうか。

例題1
−8+5×(−4)

私なら、こう解きます。

−8+5×(−4)
=−8+(−20)
=−28

−8+5×(−4)・・・まず、問題の、先に計算する場所下線をひきます。

=−8+(−20)・・・先頭にイコール(=)を書き、先に計算しない部分はそのままおろしてきて、最後に、先に計算する下線部の答えを書きます。

=−28・・・自動的に答えが出てきます。


書く順序を詳しく説明します。

1、問題の、先に計算する場所に下線をひく

小学校で学んだように、+−よりは×÷が先、( )があるときは( )が先であることを確認して、下線を引いておきます。

2、(1)先頭にイコール(=)を書き、(2)先に計算しない部分はそのままおろし、(3)先に計算する下線部の答えを書く

小学生と違って、=は必ず行の先頭に書きます。
これができて初めて中学生、問題の横に=を書く人は小学生、まったく=を書かない人(数学の苦手な人はほぼ100%、=を書きません)は動物です。

先に計算しない部分をそのまま下におろしてきて書く、これが2行目で最も大事なことです。これができるようになれば、正解率は飛躍的に高まります。

最後に、下線を引いた部分の答えを式に書き込みます。

このとき注意することが一つ、数学では+−×÷を2つ続けることはできません。例えば、3×−4などという書き方は反則です。
ではどうするか。
うしろを( )に入れます。
3×(−4)と書くのが絶対に守らないといけないルールです。

3、自動的に正解が出てきます。


まとめると、
1、下線
2、「」+「そのままおろす」+「下線部の答え
3、正解

となります。


例題2
(−9)×4−(−54)÷(−6)



(−9)×4(−54)÷(−6)・・・下線
=−36−(+9)・・・「=」+「−をそのままおろす」+「下線部の答え」
=−36−9
=−45・・・正解


例題3
(−5)×(−3+7)



(−5)×(−3+7)・・・下線
=(−5)×(+4)・・・「=」+「(−5)×をそのままおろす」+「下線部の答え」
=−20・・・正解


例題4
12−(9−7)×(−2)



12−(9−7)×(−2)・・・下線
=12−(−4)・・・「=」+「12−をそのままおろす」+「下線部の答え」
=12+4
=16・・・正解


累乗があるとき

累乗があるときは、必ず累乗の部分を先にします。
このとき、累乗の部分に線を引いて、先に累乗の部分の答えだけを上か下に書いておくやり方をおすすめします。

このとき、累乗の決まりである、
(−3)^2=(−3)×(−3)=+9
(−3^2)=−3×3=−9
累乗の基本

を忘れないように。



例題5
5−2×(−3)^2     

例題3


5−2×(−3)^2・・・累乗に下線、下に累乗の部分の答えの9
____         ____
=5−2×9・・・下線
=5−18・・・「=」+「5−をそのままおろす」+「下線部の答え」
=−13・・・正解


例題6
(8−28)÷(−5)−2^2



(8−28)÷(−5)−2^2・・・累乗に下線、下に累乗の部分の答えの4
________ _
(8−28)÷(−5)−4・・・下線
=4−4・・・「=」+「−4をそのままおろす」+「下線部の答え」
=0・・・正解


四則混合計算のコツ

1、問題の、先に計算する場所に下線をひく

2、
(1)先頭にイコール(=)を書き、
(2)先に計算しない部分はそのままおろし、
(3)先に計算する下線部の答えを書く

3、自動的に正解が出てくる



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math 超簡単 式による説明(2) 答えの書き方

『式による説明』では、答えの書き方が決まっています。

書き方の「型(かた)」を最初に覚えて、どんな問題でも同じパターンにのっとって書くのが、実は一番効率的で簡単です。

まず、やさしい問題で、書き方の定型を覚えましょう。

(この稿は、「数の表し方」が理解できて、「数の表し方」を覚えていることを前提に書いています。まず、式による説明(1)数の表し方に目を通してからお読みください。)


例題1:「奇数と奇数の和は偶数である。」このわけを説明せよ。

(答案の書き方)

m、nを整数として、2つの奇数を2m+1、2n+1とする。・・・(1)

奇数と奇数の和は、
2m+1+2n+1
=2m+2n+2
=2(m+n+1)・・・(2)

m+n+1は整数だから、2(m+n+1)は偶数である。
だから、奇数と奇数の和は偶数である。・・・(3)


以上のように、答案を必ず3つの部分で構成していきます。

まず、(1)「〜を〜とする」「〜を〜と表す」部分

次に、(2)問題文を数式にして計算して( )でくくる部分

最後に、(3)( )のところが整数だから全体が〜になると結論づける部分

この3つが、最低限必要です。

数学の答えを文章を使って書くときは、論理の飛躍があってはいけません。
「〜だから・・・になる」、「〜だから、・・・といえる」と、理屈が連続して述べられていないと答案としては失格です。
そして、論理の飛躍がないように答えを書こうと思えば、最低限、上で述べた3つの部分が必要になってくるのです。

さらに詳しく説明します。


(1)「〜を〜とする」、「〜を〜と表す」の部分

式を使って説明しようと思えば、まず、問題に取り上げられた数を、式を使って表さないといけません。
そして、数の表し方は決まっていますが(式による説明(1)数の表し方を参照のこと)、そのように表せるのは、mやnが整数だからです。

この問題でも、m、nが整数だから、奇数を2m+1、2n+1と表すことができるわけです。
まず、そのことを言っておかないといけません。

「m、nを整数として、〜を・・・とする」、「m、nを整数とすると、〜は・・・と表すことができる」と、最初に書いておきます。


(2)問題文を数式にして、計算して、( )でくくる部分

例題1の問題文、『「奇数と奇数の和は偶数である。」ことを説明しなさい』とは、奇数と奇数の和=偶数という等式が成り立つことを、式を使って言いなさい、という意味です。

数学では、問題文の「は」は、しばしば等式の=に相当します。

だから、左辺を「奇数と奇数の和」で始めて、右辺を「偶数」の形にできたら、この問題が解けたことになります。

もう少し詳しく言うと、等式の左辺、つまり、=の左側を、「奇数と奇数の和」で始めて、等式の右辺、つまり、=の右側で、式を整頓して、「偶数」といえる形にしたらよいわけです。

だから、

2m+1+2n+1・・・問題文の「は」の左の部分を式にして
=2m+2n+2・・・計算をして
=2(m+n+1)・・・偶数である2×整数の形にする。

これが(2)の段階ですることのすべてだということになります。


(3)( )のところが整数だから、全体が〜になると結論づける部分

例題1で、「偶数である。」ことが証明できたのは、式の最後が2(m+n+1)になったからです。

( )の中のm+n+1がある一つの整数であり、2×(その整数)の式ができあがったことで、全体の2(m+n+1)が偶数であると証明できたことになります。

答案の最後で、このことを述べればよいのです。


以上より、『式による説明』で書くときの定型を、もう一度、さらに簡単に、まとめておきましょう。

(1)〜は・・・と表せる

(2)式=計算して=( )でくくる

(3)( )が整数だから、〜は・・・である




では、この定型にのっとって、問題の答えを書いていきましょう。

例題2:5の倍数どうしの和は5の倍数である。そのわけを説明せよ。

(定型にそって書いた模範答案例)

・m、nを整数とすると、5の倍数は5m、5nと表すことができる。

・5m+5n
=5(m+n)

・m+nが整数だから、5(m+n)は5の倍数。
よって、5の倍数どうしの和は5の倍数であるといえる。


例題3:10、11、12の和は33で、3の倍数である。このように、3つの連続した自然数の和は3の倍数になる。このわけを説明せよ。


(定型にそって書いた模範答案例)

・nを整数とすると、3つの連続した自然数は、n、n+1、n+2と表せる。

・n+n+1+n+2
=3n+3
=3(n+1)

・n+1が整数だから、3(n+1)は3の倍数。
したがって、3つの連続した自然数の和は3の倍数になる。


例題4:2けたの自然数と、その自然数の十の位の数字と一の位の数字を入れかえてできる数との差は、9の倍数になる。そのわけを説明せよ。

(定型にそって書いた模範答案例)

・a、bを整数とすると、2けたの自然数は10a+bと表すことができる。

・10a+b−(10b+a)
=9a−9b
=9(a−b)

・aーbが整数だから、9(a−b)は9の倍数である。
以上より、2けたの自然数と、その自然数の十の位の数字と一の位の数字を入れかえてできる数との差は、9の倍数になる。


いかがでしょう。

どんな問題が出ようと、『式による説明』の問題は、たった1つの型にはめた書き方ですべて同じように書くことができることを、わかっていただけたでしょうか。


math 超簡単 式による説明(1) 数の表し方

最初に知っておかないといけないこと

整数をnとして、次にあげるそれぞれの数を、nを使って表すことができないと、『式による説明』はできません。

nを整数とすると、

(1)偶数2n奇数2n+1

(2)3の倍数3n5の倍数5n

(3)連続する整数n+1n+2、…

さらに、10の位の数字がa、1の位の数字がbとすると

(4)2けたの数10a+b

最低限、以上の4つを理解し覚えている人だけが、『式による説明』の問題を解くことができます。
覚えられない人は(アルファベットも知らない人が英語の問題を解けるわけがないのと同様に)、問題を解く資格自体がありません。無理やりでもいいので、暗記してください。


それぞれの数が上のように表せるわけ

(1)偶数奇数

偶数は0、2、4、6、8、・・・ですが、2×0、2×1、2×2、2×3、2×4、・・・と考えることができます。
だから、整数nが0、1、2、3、4、・・・となるときの2倍を並べたものが偶数だと言えるので、2nと表すことができます。

奇数は1、3、5、7、・・・であり、偶数の0、1、2、3、・・・より1だけ大きい数です。
偶数が2nで、それより1だけ大きい数だから、奇数は2n+1です。


(2)3の倍数5の倍数

3の倍数は3、6、9、・・・であり、3×1、3×2、3×3、・・・となっています。それぞれの数が、1、2、3、・・・という整数の3倍です。
だから、1、2、3、・・・と並んでいる数を整数nと考えると、その3倍を並べたものなので、3の倍数は3nです。

同様に、5の倍数は5、10、15、・・・で、5×1、5×2、5×3・・・と整数の5倍になっているから、整数をnとすると、5の倍数は5nです。

さらに、例えば「3でわると1あまる数」もnを使って表せるようになっておきましょう。

3でわると1あまる数は、3で割りきれる3の倍数より1だけ大きい数と言えます。
ゆえに、3でわると1あまる数は、3n+1です。

だから、例えば「5でわると2あまる数」は、5n+2ということになります。


(3)連続する整数

連続する整数とは、最初が5であれば、5、6、7、8、・・・のように、1ずつ増えながら続いていく整数のことです。

5、5+1、5+2、5+3、・・・と、1ずつ増えています。

最初の数をnとすると、次がn+1、その次がn+2、・・・となっているので、連続する整数をnを使って表すと、n+1n+2n+3、・・・ということになります。

連続する偶数」なら、どう表せるでしょうか。

連続する偶数とは、最初が例えば8であれば、8、10、12、14、・・・と続いていく数のことです。
偶数なので2ずつ増えていきますから、最初の数をnとすると、n+2n+4n+6、・・・ということになります。

同じように考えると、「連続する奇数」も表すことができます。
例えば最初の数が7であれば、7、9、11、・・・と、やはり2ずつ増えますから、最初の数をnとすると、n+2n+4、・・・です。

(問題によっては、偶数2nと表せることも考慮しないといけないものがあります。このときは、最初がnではなくて2nになるだけで、2ずつ増えることは一緒ですから、2n2n+22n+4、・・・と表すことになります。)


(4)2けたの数

例えば58という2けたの数を考えたとき、10の位を表している数字は5で、1の位を表している数字は8ですが、58=5+8とは言えません。
58=10×5+8です。

10の位の数字をa、1の位の数字をbとすると、このとき5=a、8=bですから、58=10×5+8であったように、2けたの数は10×a+b、つまり、10a+bということになります。

100の位がa、10の位がb、1の位がcのとき、「3けたの数」はどう表せるでしょうか?

100がa個あって、10がb個あって、あとcですから、100×a+10×b+c、つまり、100a+10b+cです。

また、10の位がa、1の位がb、小数第一位がcである数なら、10a+b+1/10c(または、10a+b+0.1c)ということになります。


覚えよう

(1)偶数は2n、奇数は2n+1

(2)3の倍数は3n、5の倍数なら5n

3でわると2あまる数なら3n+2、5でわって3あまる数なら5n+3

(3)連続する整数はn+1n+2n+3、・・・

連続する偶数はn、n+2、n+4、・・・(または、2n、2n+2、2n+4、・・・)
連続する奇数はn、n+2、n+4、・・・(または、2n+1、2n+3、2n+5、・・・)

(4)2けたの数は10a+b

3けたの数は100a+10b+c


整数をnを使って表すわけ

多分、「数」にあたる英語がnumber(ナンバー)だから、その頭文字のnを使っているのだと思われます。

また、2つの別のものを表すときのように、nだけで足らなくなったら、アルファベットで連続しているmを使います。

例えば、2つの偶数が出てきたら、2m、2nと表します。

math 超簡単 式の値

数学のできる人とできない人の違い

例題1:a=3、b=−4のとき、6(a+b)−4(a−b)の式の値を求めよ。

ミスが多い人の求め方

数学の点が伸びない人、よく間違えてしまう人は、例外なく次のような解き方をします。
「aに3、bに−4をいれてみて、6(a+b)の下に−6、4(a−b)の下に28と書き、わかったということで−34と答えを書く。」

ミスをしない人の求め方

これに対して、数学で点をかせげる人、計算ミスをほとんどしない人は、次の2つのことが自然にできています。

(1)あわてて代入しないで、まず式を簡単にすることを考える。

(2)符号間違いや計算ミスをしないように、=でつないで、途中の式をきちんと書く。

6(a+b)−4(a−b)
=6a+6b−4a+4b
=2a+10b

a=3、b=−4を代入して

2×3+10×(−4)
=6−40
=−34




「式の値」を正しく解く方法

1、まず式を簡単にする

算数・数学では、すぐに計算をしないで、計算・筆算の回数ををできるだけ減らす工夫をしてから計算にとりかかること、また、楽に計算できるように数字をできるだけ小さい数にしてから計算をすることが鉄則です。

式の値を求めるときも同様、あわてて代入してはいけません。

まず、同類項をまとめるなり、式のままで計算できるところは計算するなりして、できるだけ簡単な式にすることが先決です。


2、正解に到達する式の書き方は決まっている

小学校で筆算の仕方を習ったとき、筆算の書き方を自分流に改造したり、ユニークな筆算のやり方を発明しようとしたりする人は一人もいません。

みんなが習った筆算の仕方以外に速く正確に計算できる方法が他にないので、みんながそれに従います。

式の値の問題も同じです。
与えられた数値を式に代入して計算するときの書き方は決まっています。

その書き方とは・・・

(1)かける(×)を書き込んで代入する

(2)負の数(マイナスのついた数値)は、( )に入れてから代入する

この2つを守ること、それだけが代入するときの決まりです。

筆算の正しい書き方を守らないと正しく計算できないように、代入するとき、上の2つの決まりを守らないと、正確に速くは計算できません。


では、正しい解き方で解いてみましょう。

例題2:x=5、y=−2のとき、次の式の値を求めなさい。

(1)−7(x−2y)−(y−4x)


まず、同類項をまとめて式を簡単にします。

−7(x−2y)−(y−4x)
=−7x+14y−y+4x
=−3x+13y

次に、x=5、y=−2を代入します。
そのとき、×を書き入れながら代入する、−2は( )に入れて代入するの、2つを守ること。

−3x+13y
=−3×5+13×−2
=−15+(−26)
=−41


式の値


math 超簡単 累乗と指数

(この稿では累乗を扱います。パソコンの日本語変換ソフトでは通常の記述法で累乗を表わすことができません。そのため、この稿ではほとんどの数式をイメージで表記しています。携帯でご覧になる方にはご不便をおかけするかもしれないことをあらかじめお断りしておきます。)

子どもたちが悩む問題の一つが累乗の問題です。
累乗を「超簡単」に理解できるように頑張って書いてみました。


やはり出発点は言葉から

累乗の「」は、「かさねる」、「繰り返す」という意味です。
そして「」は乗法の乗、「かける」という意味です。

だから、累乗とは「繰り返しかける」という意味です。

2を2回繰り返しかける2×2、3を4回繰り返しかける3×3×3×3などが累乗の例です。

同じ数を何度も書くのは面倒なので、
2×2は
2の2乗


3×3×3×3は
3の4乗


と表します。

このときの、右上、右肩に書いた小さい数字のことを「指数」といいます。


余談:
どんなテキストも、累乗で表せという問題は「累乗『の』指数を使って表せ」と表記してあります。
私は、この日本語はおかしいと常々思っています。
「累乗の指数」をくっついた一語として扱っているのでしょうが、累乗とは「同じ数を繰り返しかけること」、または「同じ数を繰り返しかけたもの」のことでしょうから、「累乗『を』指数を使って表せ」が正しい日本語ではないでしょうか。



最初は式を書き直す

よくある間違いは、「3の2乗はいくつ?」、「6です」、「2の3乗はいくつ?」、「6です」という間違いです。

間違いである理由は、指数を使わないで書いてみるとすぐわかります。
書き直す











慣れたら、3の2乗と見ただけで9、2の3乗と見ただけで8と頭に浮かんでくるようになります。
それまでは、指数を使わない、小学校流の書き方に書き直して計算をすると間違えないですみます。


累乗で最も大切なこと

多くの人が最初にちゃんと理解していないので何度も繰り返す間違いは、( )がついているときとついていないときの区別です。

−3の2乗と、(−3)の2乗とでは答えが違ってきます。

()のあるなし





−3の2乗は−9、(−3)の2乗は+9です。

なぜでしょうか?


そう「決めた」から

指数は、そのくっついた数字、文字にしか効果を及ぼしません。
理由は、「そう決めた」からです。

()なし


















その数、その文字だけでなく、まとめたもの全体や両方に指数の効果を及ぼしたいときは、全体または両方を( )で囲まないといけません。
その理由も、「そう決めた」からです。

()あり




















最初のうちは、以上のことを知った上で、やはり指数を使わない書き方で書き直してみるべきです。

()のあるなし2











−3の2乗は、−3×3だから、−9
(−3)の2乗は(−3)×(−3)だから、+9


間違えやすい問題

1の累乗

「1の100乗はいくつ?」、「100です」がよくある間違いです。

1×1=1、1×1×1=1、1は何回かけても1です。


関連問題として、中学校の定期テストでよくある問題に(−1)の101乗はいくつになるか?が、あります。
いくつになると思いますか?

正の数・負の数の乗法で学んだように、負の数×負の数=正の数であり、負の数の個数が奇数であるとき、そのかけ算の答えは負の数です。
(−1)を101回かけたとき、負の数を奇数回かけるので答えは負、マイナスになります。
そして1を何回かけても答えは1。

以上より、(−1)の101乗の答えは−1です。


小数の累乗

0.1の2乗はいくつになるでしょう?

よくある誤答は、1は何回かけても1だから、答えは0.1という間違いです。

落ち着いて考えればわかることですが、小数はかけるたびに答えは小さくなっていきます。

0.1×0.1=0.01、0.1×0.1×0.1=0.001、・・・。

瞬間的に答えを求めようとしないで、

小数





指数を使わない式に書き直して確認しておくとミスを減らすことができます。


分数の累乗

分母か分子だけでなく、分数そのものの累乗を求めるときは、分数に( )をつけて、その( )に指数をつけないといけません。

そのとき、例えば、(2/3)の2乗を求めるとき、2つの解き方があります。
理屈どおりですと、(2/3)×(2/3)=4/9です。
しかし、分子の2を2乗して4、分母の3を2乗して9と、分子・分母を別々に計算して4/9としても答えは同じになります。

分数


















問題を解くとき、後者の方法で解く人のほうが多いようです(どちらでもかまいません)。


覚え方を間違えないように

−2の2乗は−4、(−2)の2乗は+4ですが、このとき短絡的に「( )がないと−、( )があると+」と嘘の覚え方をしてしまい、変な間違いをしてしまう人がいます。

最後













( )のあるなしで+−が決まるわけではありません。

数字に指数がついていたら数字だけを累乗する、( )に指数がついていたら( )そのものを累乗する、という決まりがあるだけです。

慣れて完全に間違いをしなくなるまで、しつこく、指数を使わない式の書き方に書き直してから計算することを徹底してください。


math 超簡単 等式の変形(文字について解く)

中2の『式の計算』の単元は、1、加法・減法、2、乗法・除法、3、式の計算の利用の3つに分かれます。
この「3、式の計算の利用」が曲者(くせもの)で、数学の苦手な子はほぼお手上げ状態です(本当は簡単なんですけどね)。

「3、式の計算の利用」はさらに(1)式の値、(2)等式の変形、(3)式による説明の3つに分かれます。
今日取り上げるのは「等式の変形」です。


例題1:等式3x+5y=12をxについて解け。

「xについて解け」の意味

数学の用語として、「xについて解け」と書いてあれば、それは、最終的にx=〜の形にしろという意味です。
つまり、この問題では、与えられた3x+5y=12を変形して、最後にx=〜の形にしろという意味です。

方程式の「移項」と同じ

最後にx=〜とすることを目標に、じゃまなものを等式の右側、右辺に移していきます。
等式という意味では方程式と同じものですから、方程式で数字を右辺に移項したように、x以外の不要なものを右辺に移していきます。

左辺で足し算であったものは右辺で引き算に、
左辺の引き算は右辺で足し算に、
左辺のかけ算は右辺ではわり算に(分数に)、
左辺の分母は(わり算だったわけだから)右辺ではかけ算に、
して移項します。

そのときに注意することは、いきなり答えを求めようとしないこと。
不要なものを、ひとつずつ右辺に移していきます。

「1行で1つのことしかしてはいけない」、「答えはどうでもよい、式の書き方を学ぶのが勉強だ」の鉄則はここでも重要です。

では解いていきましょう。

等式3x+5y=12をxについて解け。

3x+5y=12
3x=12−5y…+5yを右辺に移すから−5y
x=4−5y/3…かけ算の3を右辺に移すから12−5yのそれぞれを3でわる

等式の変形1






例題2:等式−8a−2b+7=0をbについて解け。

要領さえわかればもう簡単です。

「bについて解け」だから、b以外の不要なものを右辺に順に移していきます。
一度にしないで、まず−2bは残して、

−2b=8a−7…右辺の0は書かない

次に−2を右辺に。
bとはかけ算だったから、右辺に移すときはひとつずつわっていく。

b=−4a+7/2

2






次はワンステップだけ難しくした問題です。

例題3:等式a=(5b+3c)/8をbについて解け。

b=〜にしたいのに、そのbが左辺ではなくて右辺にある問題です。

右辺にbがあったのではb=〜になりません。
だから、最初にbを左辺に移さないといけません。
この問題の場合、bだけを左辺に移すことはできません。

こんなとき、やり方は2通りあります。

1つは、単純に移項して、(5b+3c)/8を左辺に移して左辺を−(5b+3c)/8にし、左辺のaを右辺に移して−aにする方法です。

−(5b+3c)/8=−a…左辺を右辺に、右辺を左辺に移項
−(5b+3c)=−8a…分母の8を右辺に移してかける
−5b−3c=−8a
−5b=−8a+3c…左辺の−3cを右辺に移して+3c
b=8a/5−3c/5…左辺の−5で右辺をわる

となります。

3











もう1つのやり方は、A=BならばB=Aが成り立つことを利用して最初に左辺と右辺を入れ替えてから解く方法です。

a=(5b+3c)/8
(5b+3c)/8=a…右辺と左辺を入れ替える
5b+3c=8a
5b=8a−3c
b=8a/5−3c/5

4












どちらの方法でもよいのですが、最初に右辺と左辺をそのまま入れ替えてからするやり方のほうが、(そのことを覚えていたら)簡単です。


最後に、よく出る問題を2問解いて、終わりましょう。

例題4:等式V=1/3πr^2hをhについて解け。

5










例題5:等式S=(a+b)h/2をaについて解け。

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