地元中学校の中2学年末テストで出題された問題です。
塾の授業後、塾生から解き方を質問されたのですが、すぐには答えられませんでした。
帰りの電車の中で、やっと解くことができました。
問題:∠A=23°、∠D=32°、∠ABE=2a、∠EBD=a、∠ACE=2b、
∠ECD=b、∠E=xのとき、xの大きさを求めよ。
(考え方・解き方)
最初、問題を見たとき、aとbの文字があるので、連立方程式を立てることができれば解けるのではないかと考えました。
どこか2ヶ所、aとbを使ってそれぞれの角を表す等式を作ることができれば、その連立方程式を解くことでaとbを求めることができます(それがなかなか、うまくいきませんでした)。
頭にうかんだのは、「内角と内角の和は、となりあわない外角に等しい」です。

ACとBDの交点をFとすると、三角形ABFで∠A+∠ABF=∠BFC、つまり、∠BFC=23°+2a+aです。
また、三角形FCDで∠FCD+∠D=∠BFC、つまり、∠BFC=2b+b+32°です。
これで、∠BFCを2つの式で表すことができたので、これを等式にして、
23+2a+a=2b+b+32
この式を整理して、
23+2a+a=2b+b+32
3a-3b=9
この式の各係数が3でわれることに気づいて、両辺を3でわって、
a-b=3…(1)
(数学の鉄則、「式はできるだけ簡単に」を思い出して、式を簡単にしておいたことが、後で大いに役立ちました。)
この後、もう1つ、等式を作ることができる角を探したのですが、なかなか見つかりません。
やっとひらめいたのが、この場所です。

EFの延長上の点をGとすると、
∠BFG=∠BEF+∠EBF、
また、∠GFC=∠FEC+∠FCEだから、
∠BFC=∠BFG+∠GFC
=∠BEF+∠EBF+∠FEC+∠FCE
=(∠BEF+∠FEC)+∠EBF+∠FCE
=∠E+∠EBF+∠FCE
=∠E+a+2b
=x+a+2b…(2)
また、同じ∠BFC=∠A+∠ABF=23+3a…(3)
∠BFCを表す2つの式、(2)と(3)を等式にして、
x+a+2b=23+3a
この式を変形して、
x=23+3a-a-2b
x=23+2a-2b
x=23+2(a-b)…(4)
(4)の式に、(1)の式a-b=3を代入して、
x=23+2(a-b)=23+2×3=29°
これで求めることができました。
塾生の話によると、この問題が解けた人は学年に10人もいなかったそうです(ってことは、私より賢い子が何人かいたわけだ、悔しい)。
確か、数学オリンピックの問題で、これとよく似たものを見たような記憶があります。
私の解き方が最善手かどうかはわかりません。
(追記)
ずるい解法を思いついたので、書いてみます。
∠AFB=∠CFDより、23+3a=32+3b
3a-3b=9
両辺を3でわって、a-b=3
a=b+3
ここで、aを(何度でもよいのですが)10°と仮定してみます。∠AHB=180-(23+20)=137°
だから、∠EHF=137°
また、∠AFI=23+30=53°
aを10°と仮定すると、a=b+3より、bは7°
だから、∠FIE=∠CID=180-(32+7)=141°
四角形HFIEで、x+137+53+141=360°
x=360-(137+53+141)=29°
(さらに追記)
文字がa,b,xと3つだから、式を3つ作ったらよいという原則にそって考えてみました(現在の指導要領の範囲外にはなりますが)。

△ABFと△FCDで、
23+3a=32+3b…(1)
△EBIで、
x+a=32+b…(2)
△HCEで、
x+2b=23+2a…(3)
(1)より、
3a-3b=9
両辺を3でわって、
a-b=3
(2)より、
x+a=32+b
x=32-a+b
x=32-(a-b)
この式とa-b=3より、
x=32-3=29°
または、(3)より、
x+2b=23+2a
x=23+2a+2b
x=23+2(a+b)
この式とa-b=3より、
x=23+2×3=29°
この解法がベストかな?
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塾の授業後、塾生から解き方を質問されたのですが、すぐには答えられませんでした。
帰りの電車の中で、やっと解くことができました。
問題:∠A=23°、∠D=32°、∠ABE=2a、∠EBD=a、∠ACE=2b、

(考え方・解き方)

どこか2ヶ所、aとbを使ってそれぞれの角を表す等式を作ることができれば、その連立方程式を解くことでaとbを求めることができます(それがなかなか、うまくいきませんでした)。
頭にうかんだのは、「内角と内角の和は、となりあわない外角に等しい」です。


また、三角形FCDで∠FCD+∠D=∠BFC、つまり、∠BFC=2b+b+32°です。
これで、∠BFCを2つの式で表すことができたので、これを等式にして、
23+2a+a=2b+b+32
この式を整理して、
23+2a+a=2b+b+32
3a-3b=9
この式の各係数が3でわれることに気づいて、両辺を3でわって、
a-b=3…(1)
(数学の鉄則、「式はできるだけ簡単に」を思い出して、式を簡単にしておいたことが、後で大いに役立ちました。)
この後、もう1つ、等式を作ることができる角を探したのですが、なかなか見つかりません。
やっとひらめいたのが、この場所です。

EFの延長上の点をGとすると、
∠BFG=∠BEF+∠EBF、
また、∠GFC=∠FEC+∠FCEだから、
∠BFC=∠BFG+∠GFC
=∠BEF+∠EBF+∠FEC+∠FCE
=(∠BEF+∠FEC)+∠EBF+∠FCE
=∠E+∠EBF+∠FCE
=∠E+a+2b
=x+a+2b…(2)

∠BFCを表す2つの式、(2)と(3)を等式にして、
x+a+2b=23+3a
この式を変形して、
x=23+3a-a-2b
x=23+2a-2b
x=23+2(a-b)…(4)
(4)の式に、(1)の式a-b=3を代入して、
x=23+2(a-b)=23+2×3=29°
これで求めることができました。
塾生の話によると、この問題が解けた人は学年に10人もいなかったそうです(ってことは、私より賢い子が何人かいたわけだ、悔しい)。
確か、数学オリンピックの問題で、これとよく似たものを見たような記憶があります。
私の解き方が最善手かどうかはわかりません。
(追記)
ずるい解法を思いついたので、書いてみます。

3a-3b=9
両辺を3でわって、a-b=3
a=b+3
ここで、aを(何度でもよいのですが)10°と仮定してみます。∠AHB=180-(23+20)=137°
だから、∠EHF=137°
また、∠AFI=23+30=53°
aを10°と仮定すると、a=b+3より、bは7°
だから、∠FIE=∠CID=180-(32+7)=141°
四角形HFIEで、x+137+53+141=360°
x=360-(137+53+141)=29°
(さらに追記)
文字がa,b,xと3つだから、式を3つ作ったらよいという原則にそって考えてみました(現在の指導要領の範囲外にはなりますが)。

△ABFと△FCDで、
23+3a=32+3b…(1)
△EBIで、
x+a=32+b…(2)
△HCEで、
x+2b=23+2a…(3)
(1)より、
3a-3b=9
両辺を3でわって、
a-b=3
(2)より、
x+a=32+b
x=32-a+b
x=32-(a-b)
この式とa-b=3より、
x=32-3=29°
または、(3)より、
x+2b=23+2a
x=23+2a+2b
x=23+2(a+b)
この式とa-b=3より、
x=23+2×3=29°
この解法がベストかな?
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