「乃々ちゃん、音楽部の見学、行こっ!」
 翌日。帰りのホームルームが終わるや否や、悠音が乃々の手を掴んで言う。しかし乃々は、どことなく浮かない顔をしていた。
「あの……わたし、やっぱり帰っていいでしょうか……」
「どうしたの? 体調でも悪い?」
「そういうわけではないんですが……」
 今になって行きたくない気持ちの方が勝り、乃々の足はすくんでしまっていた。
「じゃあダメっ。今行かなかったら、乃々ちゃん、きっと後悔するから」
 乃々の瞳を真っ直ぐに見つめる悠音。……顔が近い。乃々は自らの頬が熱くなるのを感じていた。
「わ、分かりました。行きます、行きますから!」
「よし! ……それじゃあ、音楽部の見学、行ってみよーっ!」
 結局、悠音の勢いに負けてしまった。乃々は大人しく、悠音の後について音楽部へと向かうことにした。
「失礼しまーす。音楽部の見学に来ましたっ!」
「あの、失礼……します……」
 部室に入ると、既に他のメンバーは揃っており、乃々の顔を見るや否や真理が飛び付いてきた。
「あー! この前の子だー!! 私、音楽部の部長の笹木真里ですっ。原田乃々ちゃんだっけ? 見学来てくれたの!? ありがとう! よろしくね!」
「あっ、ひゃ、ひゃいっ。よろしくお願いしましゅっ!」
 また噛んでしまった。恥ずかしさで頬が熱くなる。
「あ! この前のちんちくりん!」
「ひっ……!?」
 未来の声に、思わず乃々は悠音の後ろへと隠れてしまう。
「みーらーいー?」
「ひっ……!? えっと……細谷未来……です。未来で大丈夫です。よろしくお願い致します。それと先日は申し訳ございませんでした」
 早千代の剣幕に怯えて、若干片言な挨拶と共に頭を下げる未来。 
「い、いえ……大丈夫です。未来……さん。よろしく、お願いします」
 その様子を見て乃々はおずおずと悠音の背中から顔を覗かせてそう言った。
「で? 見学ってことみたいだけど、そもそもなんで悠音が一緒に――」
「だーかーらー! あんたが原田さん怖がらせたせいでしょうが!」
「痛っ! なんでいつも叩くのよっ……」
「原田さん、この前は怖がらせちゃってごめんねー。私は大隈早千代、よろしくね。未来に何かされたら私に言ってくれればいいから」
「は、はあ……。よ、よろしくお願いします」
 一応謝罪はされたものの、未だに未来に対しての苦手意識は抜けずにいた。自分でも気付かないうちにゆっくりと後退りする乃々だったが、その手を……仁美の手が掴んでいた。
「原田さん! えっと……副部長の戸髙仁美です。この前は原田さんが戸惑っていたの、分かっていたんだけど、何もできなくて、ごめんなさい! その、私もいっぱいいっぱいで……」
「そんな……。気にしないでください。こちらこそ心配させてしまって……」
 仁美の言葉で、乃々は少しだけ心が軽くなったような……そんな気がした。
「まあまあ、自己紹介はこのくらいにしよ? せっかく二人の可愛い子ちゃん達が見学しにきてくれたんだから、部活、しよっ! そうだ、見学だけじゃなんだし乃々ちゃんも練習参加してみる?」
 真里の明るさはこういう時に本当に頼もしいと、部員の誰もが感じていた。乃々もその言葉に、しっかりと頷いた。
「は、はいっ。よろしくお願いしますっ!」

* * *

 基礎練習。体操に筋トレ、発声練習。乃々からしても、これは中学のときにやっていたのとほとんど変わらない内容だった。
「乃々ちゃん、すごい!  歌上手だね~」
「あのっ……そんなっ。ありがとうございます……」
「中学はどこだったの? 合唱部入ってたんだよね?」
「えっと……はい。東京の……豊島女子中学ってところに通っていました」
「乃々ちゃん都会っ子なんだ!?」
「あっ、はい……」
「というか豊島女子って合唱の名門校じゃ!? Nコン全国常連だったような……。どうしてうちに……」
 仁美の疑問に、乃々が答える。
「あっ、父の仕事の都合でこっちに引っ越すことになって……」
「そうだったの。原田さん、大変だったのね……。もし何か困ったことがあったら何でも頼っていいからね。部長もいつもはあんな感じだけど、いざとなったときは助けてくれると思うから」
「あの……。ありがとうございます」
「なんか仁美から物凄く失礼なことを言われたような気がするんだけど……」
「部長はいつもしっかりしてるって言ってるのよ」
「え、ホント!? 実は私もそう思ってたんだ〜えへへ!」
 仁美と真里の距離感と、関係性。乃々はそれが……少しだけ、羨ましいと思った。
「ところで先輩、今日は何の曲を歌うんでしょうか?」
 未来が、真里へと問いかける。
「うーん……どうしよっか、仁美」
「私に言われても……。部長なんだから考えておいてくれないと」
「でも私そういうの苦手だし……。あ、そうだ! 乃々ちゃん、なんか歌いたい曲とか無い?」
「え、わ、わたしですかっ!? えっとえっと……」
 突然話を振られた乃々。困惑しているのか、急に鞄を漁り出す。
「ちょっと真里……! そんな急に……」
 真里の無茶ぶりに対して、仁美が苦言を呈し……ようとして、言葉を止める。
 乃々の鞄から出てきたのは、使い込まれた――楽譜の束。
 乃々はその中から一曲の譜面を選び、広げて見せた。
「あ、これ……『夢みたものは』だ! 私、好きなんだ~。なんでこれ選んだの?」
 いち早く反応したのは悠音だった。乃々は嬉しそうな表情でそれに答える。
「悠音さんもですか? 嬉しいです。木下さんの曲……特にこの曲が凄く好き、って言うのと、少人数でも歌いやすいかな、って……」
「凄い……乃々ちゃんそこまで考えて選んだんだ……!」
「エヘヘ……」
 照れ笑いを浮かべる乃々と、目を輝かせている悠音。そんな二人を見ながら、未来が呟く。
「悠音と原田さん……息ぴったりね……」
「あれ? ミラちゃんもしかして妬いてるの?」
「別に妬いてなんか……! っていうかだからその呼び方止めて下さい!」
「うーん……未来ちゃんはホント弄りがいがあるな~」
「だからその呼び方――あれ?」
 じゃれ合う二人の様子に苦笑いを浮かべながら、仁美は言う。
「じゃあ原田さんの提案通り、『夢みたものは』でいいかしら?」
「意義なし、です。今の私たちの経験値的にもぴったりの曲だと思いますよ」
 早千代の言葉に続いて、他の部員たちもそれに頷いた。
「あ、そうだ! ねぇ、乃々ちゃんのパートってどこになるのかな? 中学校の時とか」
 真里の問いかけに、乃々は少し遠慮がちに答える。
「あの、ソプラノ……なんですけど、いっぱいだったでしょうか……」
 その答えにいち早く反応したのは、またもや、悠音だった。
「本当!? ソプラノだけ私一人だったんだ……。乃々ちゃんと一緒に出来るなら、私、嬉しいな!」
「悠音さん……はい、よろしくお願いします!」
「よし! じゃあ悠音ちゃんと乃々ちゃんがソプラノ、仁美とさっちゃんがメゾ、私と未来ちゃんがアルトで決まりだね!」
 部長っぽくまとめる真里の言葉に、皆が頷いた。
「じゃあ早速各パートに分かれて練習を――」
「あ……すいません……」
 おずおずと、乃々が手を上げる。
「あの……お手洗いに行ってきてもいいでしょうか……? 少し緊張してしまって……」
「あっ、ゴメンなさい、気付かなくて……。じゃあついでだし、少し休憩にしましょうか」
「さんせー」
「いやっていうかアナタが仕切るべき……はあ、まあいいわ。原田さん、近くのお手洗い案内するわね」
「あっ、はい……よろしくお願いします」
 
* * *

「それでそれで!? 悠音ちゃん、どうして乃々ちゃんとそんなに仲良いの!?」
 仁美と乃々が部室を後にするや否や、真里が悠音へと詰め寄った。
「未来の前でそれ聞きますか……。まあ、私も気になりますけど」
 眼鏡の位置を直しながら、早千代も悠音へと顔を近付ける。
「え、えーっと……。別にそんな深い理由は……。クラスメイトってだけで……」
「ん……? 何か落ちてる……これは? 『乃々ちゃん観察ノート』……?」
 未来はそう言って、一冊のノートを手に取った。
「……っ!? それは駄――」
 悠音の制止も敵わず――
「ふむふむ……。原田乃々。誕生日は一月三十一日、血液型はO型。駅の西側にあるアパートに住んでいて家族構成は調査中。好きな食べ物はケーキ、パフェなど甘いもの。嫌いな食べ物は辛い物全般。可愛いものが好き。同じ中学出身の子はいない様子。運動は苦手……っと。ねえ悠音、これ……」
 流石の未来も、顔が引きつっている。悠音は青ざめた顔で、未来の手からそのノートを取り返そうと手を伸ばす。
「未来!? か、返して! 違うの! これはその……!」
 ノートを取り返した悠音。しかしそれで事が済むはずも無く……。
「えーっと……悠音さん? ちなみにこの情報はどちらで……?」
「違うの! ただクラスメイトと仲良くなろうと! 初めて見た時からお友達になりたいと思って何回か後をつけただけで……」
「うーん……これはその……アレだね、ストーカー、だね……」
「違うんですぅ!」
 早千代と真里の追撃に対して涙目になりながらも反論する悠音。そんな悠音の肩へと、ポンッと置かれた手。哀れみの目を向けながら未来が言う。
「大丈夫よ悠音。どんなことがあっても私だけは悠音の味方だから」
「あーまあ同類だしねぇ……」
「そこ、うっさい!」
 茶々を入れる早千代へと噛み付く未来。これ以上各々がヒートアップすると収拾がつかなくなりそうだったが――
「――っと、皆、そろそろ休憩終わるよ。仁美と乃々ちゃん帰ってきたら練習再開するからね~!」
 真里の一声で、三人とも我に返る。
 さっきまで一緒になって……と思う反面で、三人は真里に対して、それ以上の、共通した思いを抱いた。
(珍しく……部長っぽい……)

* * *

「それじゃあ練習、始めますか。えっと、まずは音取りからで……悠音さん?」
 三組に分かれてのパート練習。早速始めようと乃々は悠音に声をかけたのだが、悠音の意識はどこか上の空だった。
「う、うん! ゴメンね、ちょっとボーッとしてて……えっと……何だっけ?」
「大丈夫ですか……? 熱でも――」
 顔を覗き込もうとする乃々を、悠音は手で制す。しどろもどろになりながら、逆に乃々へと質問を返す。
「だ、大丈夫だから! そ、それより乃々ちゃんって豊島女子だったんだよね? もしかして全国大会出たことあるの?」
「えーと……はい。去年と一昨年に出てます。あ、合唱部自体は三年間連続で出場してるんですけど」
「あっ、ホントだ。去年は金賞だったの!? すごーい! あ、これが乃々ちゃん?」
「って、ちょっと!? 何みてるんですかっ!?」
 悠音のスマホの画面には、合唱コンクールの動画が再生されていた。その中の一人を指差す悠音に対して、乃々が悲鳴を上げる。
「何って……去年の乃々ちゃんたちの学校の演奏……?」
「恥ずかしいから消してくださいっ!」
「あっ……ごめんっ。乃々ちゃん、嫌がると思ってなくて……」
 ……嫌というよりも、恥ずかしさの方が勝っている。乃々は顔を赤らめながら横目で呟く。
「あっ、いえ……。でもちょっと恥ずかしいので見るなら後でこっそりみてくださいね……?」
「ホントごめんねっ。……でもすごいなぁ。全国か。私は東北大会までしか行ったことないから……」
「東北大会でも十分すごいですよっ!」
「うーん……全国大会まで行ってる乃々ちゃんに言われても……」
「うぅ……それは……」
 落ち込む乃々に、悠音は悪戯っぽい笑みを返しながら言う。
「ごめんごめん冗談っ。私ね――」
 ――悠音は、乃々へと話した。姉がこの学校の音楽部に入っていて東北大会に出場したこと。その姉に憧れて、自身も同じ場所に立ちたくて、音楽部に入ったことを。
「でも、東北大会なら悠音さんも出たことあるって……」
「うん、そうなんだけどね。中学では部員もそれなりにいたから……。でもお姉ちゃんたちは六人でその舞台に立ったんだ」
「六人でっ!?」
 乃々は驚愕していた。何年か前に、六人で東北大会で銀賞を取った学校があるという話を聞いたことがあったが、それがここ……神室女子高校だったなんて、夢にも思っていなかった。
「……っと、いけない! 話し込んじゃった! 早く音取りしないと怒られちゃう! まずは乃々ちゃんから……交代で手早くやっちゃおう!」
「は、はい!」
 二人とも手際と覚えのよさを発揮し、音取りは然程時間を要すること無く終えられた。

* * *

「それじゃあ、皆音取りも終わったみたいだし、早速合わせてみましょうか。……というかなんで副部長の私が仕切ってるのかしら。部長?」
「えへへっ、そういうの、仁美のほうが向いてるなーって思って。適材適所だよっ」
「そうやって私に面倒ばっかり押し付けてきているような気がするのだけど……。まあいいけど。それじゃ、通しでやっていくわね」
 仁美がピアノで最初の音を鳴らした後、六人が、歌い始めた。
『夢みたものは ひとつの幸福
 ねがったものは ひとつの愛
 山なみのあちらにも しずかな村がある
 明るい日曜日の 青い空がある

 日傘をさした 田舎の娘らが
 着かざって 唄をうたっている
 大きなまるい輪をかいて
 田舎の娘らが 踊りをおどっている

 告げて うたっているのは
 青い翼の一羽の 小鳥
 低い枝で うたっている

 夢みたものは ひとつの愛
 ねがったものは ひとつの幸福
 それらはすべてここに ある と』
 ――静寂。最初に口を開いたのは、真里だった。
「えーっと……ひとまず初合わせだったけど、何か意見とかある人はいるかな?」
 ――またもや、静寂。そんな中で、悠音が拳をギュッと握り締めていたのを目にして、乃々がたまらず声をかける。
「悠音さん……?」
「ごめんっ、何でもないよっ」
 否定する悠音だったが、隠しきれない程の浮かない表情が浮かんでいた。
「あの……わたしの演奏で何かまずいところあったのなら、遠慮なくいってくださいっ」
「乃々ちゃん……ごめんねっ。そうじゃないの……」
「もう。不満に思ってることがあったら遠慮せず言いなさいっていつも言ってるじゃない」
「未来……」
「未来みたいに思ったこと何でも遠慮なく言うのはどうかと思うけど、私も悠音はもっと言いたいこと言っていいと思うよ」
「サチも……」
 悠音は少しだけ考えるような仕草をした後で、ゆっくりと口を開く。
「あの……みんなの演奏良かったと思うし、そんな状態でこんなこと言うのすごくワガママだと思うんだけど……」
「大丈夫、勿体ぶらずに言っちゃっていいからっ」
 真里に後押しされて、悠音は意を決した表情で言う。
「あの……、私が先輩たちと初めて歌ったときのことを思い出して……。それに未来やサチ、乃々ちゃんまで加わって、きっとその時よりすごい演奏になるんだろうって思ってたんです。……思ってたんですけど――」
「あー……なるほど、そこまでじゃなかったと」
「佐野さん、意外とズバズバ言うのね……」
「ご、ごめんなさいっ!」
「ううんっ! 気にしないで! 言ってくれた方が助かるからっ! でも、そっか……」
 肩を落とす真里。またしても訪れる気まずい沈黙。しかし今回は意外な人物の声によって早々に沈黙は破られた。
「あの……私が言っていいのか分からないですけど……」
 その声の主――乃々は、じっと悠音の瞳を見つめながら言葉を続ける。
「三人で歌うのと比べて、人数が多くなったらそれだけ息を合わせて歌うのは難しくなると思うんです。特に、私は今日初めて皆さんと歌ったわけですし……。悠音さんは不安に思っているかもしれませんけど、初めて六人で合わせたにしてはレベルの高い演奏だと思います。これをちゃんと磨いていけば、悠音さんがイメージしている演奏になるんじゃないでしょうか」
「そう……かな」
「あっ……ごめんなさい! わたしなんかが偉そうなことを言って……」
 慌てる乃々だったが、そこに未来の助け船が入った。
「私も原田さんの言う通りだと思うわ。悠音は最初っから理想が高すぎ」
「うぅ……」
「まあ理想が高いのはいいことだと思うけどね。大体、最初っからそんな演奏出来ちゃったら、六人で全国金賞取れちゃうわよ」
 何気なく呟かれた未来の言葉。しかしそれに、真里が瞳を輝かせて食い付いた。
「六人で全国金賞!? 何それすごく面白そう……! どうせやるんだったらさ、全国金賞、目指そうよ!」
「真里……面白そうってだけで無茶なこと言わないの。そもそも六人で全国大会に出た団体なんて前例が――」
 食い気味で、真里が叫ぶ。
「前例が無いなら作ればいいんだよ! それにほら! 悠音ちゃんのお姉さんの代は同じ六人で東北大会出てるんでしょ! だったら、私たちも!」
「東北大会と全国大会じゃ大きな差がありますが……。でも……そうですね。すごく、面白そうです」
「サチまで真里先輩みたいなこと言い出しちゃった……。まあ、やるなら私も頂点目指したいから頑張るわよ。……仁美先輩はどうします?」
 早千代と未来までもが真里に賛同し、仁美は頭を掻きむしってから半ば自棄になって叫ぶ。
「あーもうっ! 目指すわよ! 目指せばいいんでしょ! この六人で、全国金賞……ってあれ? 原田さんの入部ってまだ決まって無かったような……」
「あ、そうでした……えっと……わたし……」
 五人の視線が、乃々へと集まる。
 ……本当は、今日部室に来た時から、その答えは決まっていた。ただその意思を言葉にする決心が付かなかっただけなのだ。けれども、今ならはっきりと言える。
「わたし、音楽部に入部したいです。……させて下さい! そして皆さんと、全国に行きたいです!」
「乃々ちゃん……!」
 乃々の口から出た大声に少し驚きながらも、真里たちは口々に歓迎の言葉をかける。その歓迎を受けながら、乃々は悠音へと問いかける。
「悠音さんは……どうします? わたしは……本気です」
 真っ直ぐな、言葉。
 悠音は、決意の表情で、宣言する。
「私も……目指したい……! お姉ちゃんと同じ場所……ううん、その先の景色を、この、六人で……!」
 ――手を伸ばす。
 高くそびえ立つ神室山。その頂きを照らす光へと――手を伸ばす。
 遥か遠くに見える景色。
 でもそれは、手を伸ばせば届きそうで。
 一人では届かなくても、きっと六人が、一緒なら。