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空気遠近法・色彩遠近法とは】
見晴らしがきく戸外の風景を展望すると、大気中に含まれる水蒸気の乱反射によって、遠方の事物ほど青味がかって見え、輪郭がぼやけて霞んで見えます。
空気遠近法・色彩遠近法は、このような大気の性質を利用した遠近法です。
遠くに見える風景を描く際に、薄紫色や薄青色を多く混ぜて、遠景にあるものを青灰色にぼかしたり、霞んだように描いたりして空間の奥行きを表現するのです。
空気遠近法も色彩遠近法もともに大気の性質を利用した表現方法なので、言葉の使用が混在しています。
厳密にいうと、空気遠近法は、遠方の対象物ほどぼやけて見えるという現象を描く為に、細部を省略したり描線を細くしたりする表現方法を指します。
一方、色彩遠近法は、遠方の対象物ほど青味がかって霞んで見えるという現象を描く為に、遠景になるにつれて青味を帯びた明るい色調にし、色彩によって奥行きを表現する方法を指します。

このような遠近法は、初期フランドル絵画の重要な特色となっており、15世紀後半にはイタリアでも受容され、レオナルド・ダ・ヴィンチも『絵画論』の中で言及しています。

 

【空気遠近法・色彩遠近法の楽しみ方】

空気遠近法や色彩遠近法を見る際は、画中に描かれている手前の対象物と遠方の対象物を見比べてみましょう。
色彩や鮮明さに歴然とした違いがあることに気づくでしょう。自分自身がこれまで見てきた風景の記憶と照らし合わせると、共感できると思います。