60回終戦記念カラフル、ワンダフル!

August 17, 2005

破壊

アヴィニョンの娘たち今まで積み上げてきたものを壊すということは、非情に勇気がいる。ましてそれが実績として評価されてきたのであればなおさらだ。

"壊す”この行為の本質は、現在の矛盾を全身で表現することであり、妥協の余地はない。 ピカソが何ゆえピカソで在り得るかというのは、青の時代からバラの時代になり、キュビズム、新古典主義、超現実主義、抽象主義、超現実的創造と・・・変革を遂げてきたからであり、そこには自分に対する矛盾への馴れ合いなど存在しなかった。

「アヴィニョンの娘たち」 この作品は、まさにそれまでのヨーロッパ美学と伝統へのピカソの決別だった。一見目茶苦茶なように見えながら、完璧なコンポジシオン。迫力の中に潜むデリケートな諧調。そして何よりもゾッとする美しさ。これこそがヨーロッパ美学への挑戦であり、極めて高度なモラルの証明だった。その意味ではピカソを語る上でのゲルニカを越える歴史的記念碑だ。

今、日本でも派閥、自民党そして安っぽい常識が壊れようとしている。今回の解散が何を意味するものなのか、小泉の行動が日本の因襲を越えた高次元なモラルを生み出すきっかけとなることを信じたい。

 

 

 



artemoda at 21:00│Comments(0)TrackBack(0)

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