2008年11月02日

東京フィルメックス:ブラジル映画「ウェルカム・トゥ・サンパウロ」

「第9回東京フィルメックス」(11月22日〜30日)で特別招待作品として上映されるブラジル映画、第2弾。

※ウェルカム・トゥ・サンパウロ(Bem-Vindo A Sao Paulo)

saopaulo.jpg昨年、サンパウロ映画祭で上映された、オムニバスのドキュメンタリー映画。ブラジル(ダニエラ・トマスほか)と海外の映像作家がサンパウロをテーマに全17編のショート・フィルムを制作、オープニング、そして各タイトルの繋ぎのシーンの多くに、カエターノ・ヴェローゾの語りが流れる。

では内容の一部をダイジェストでご紹介。

※『モロ・ノ・ブラジル』『ブラジレイリーニョ』といった音楽ドキュメント映画でおなじみになったフィンランドのミカ・カウリスマキは、『Manha de Domingo(日曜の朝)』を担当。人影まばらな日曜朝の都心を映し出す。これをはじめ、大多数の作品には語りがない。

※パレスチナのハンナ・エリアス作『Ensaio Geral』は、イタリア人の移民街、ビシガの広場で行なわれるサンパウロのエスコーラ・ヂ・サンバ、Vai-Vaiの練習風景にフォーカス。

※フランスで活動しているポルトガルの女優/歌手、マリア・デ・メデイロスが手がけた『Alguma Coisa Acontece』。このタイトルはカエターノがサンパウロを描いた名曲「Sampa」の歌詞の冒頭だ。その歌詞に出てくるAvenida Ipiranga、Avenida Sao Joaoの角に立つ古いビルが映像の舞台。マリアが押し殺したようなウィスパー・ヴォイスで「Sampa」の歌詞を朗読する。ちなみに彼女の歌手としてのファースト・アルバム『A Little More Blue』は、シコ・ブアルキやカエターノの作品を歌った聴きごたえのある内容で、昨年、日本盤もリリースされた(Universal UCCM-1120)。

※カエターノ・ヴェローゾは語りだけでなく『Concreto(コンクリート)』の監督を担当。先住民族の言語、トゥピ語のさまざまな名詞を読み上げる。かつてのトロピカリアに影響を与えたコンクリート・ポエムの手法だ。

※『A Garconete』は日本映画界の巨匠、吉田喜重(1933〜)の作品。夫人でもある女優、岡田茉莉子がサンパウロを訪れ、リベルダーヂにある有名な日本料理店「ごんべ」で長年働いている日系三世、オオヤマ・タエコさんにインタビューする。4歳で父が亡くなり苦労した少女時代、日本語を禁止された第二次世界大戦の頃の思い出、戦前と戦後で他のブラジル人が日系人に接する態度がどう変わったか、サンパウロを訪れる日本人観光客と日本の企業の "えらいさん" の態度の違いなど、短いながらも身につまされる話の連続。

※ラストはドイツのウォルフガング・ベッカーが監督した『Bem-Vindo A Sao Paulo』。宇宙の俯瞰から一気に接近したカメラはピニェイロス地区にある有名な中古レコード店、Eric Discosの店内をめぐる。エサ箱からカエターノの『Muito』のLPを取り出してターンテーブルに乗せ、針を落とすと「Sampa」が流れる。

※エンドロールではサンパウロを代表するサンビスタ、故アドニラン・バルボーザの「Trem das Onze(11時の列車)」が流れる。

★上映スケジュール
  11月23日(日) 12:25〜
  11月26日(水) 12:30〜
   会場はいずれも有楽町朝日ホール

次回からはシネマ・ノーヴォの大御所、ジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ監督の作品を紹介します。





artenia at 15:40│Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!映画:ブラジル | 東京フィルメックス

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