ロケットストーブ(薪ストーブ)

2017年03月31日

久しぶりのブログ更新です。
特に目新しいネタではないのですが来店したお客様が木酢液について必ずご質問されるので整理したいと思います。
以前も記事に書いております。「煙の出ないロケットストーブはダメなストーブ」
 いま読み返しても良い記事です(自画自賛)
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日本木酢液協会HPの画像

ロケットストーブから排出される液体はタールを含む粗木酢液です。
これも我がブログの木酢液記事

何度も記述していますが1kg(含水率20%)の薪を燃やすと約700mlの粗木酢液成分が出ます。どんなに完全燃焼する薪ストーブでもです。我がサイクロンジェットストーブは99%(第三機関による試験で含水率20%以下の薪で巡行運転1時間の平均値)の燃焼効率ですが燃焼効率の問題ではないのです。水素が燃えれば酸素と結合して水になるのですから。灯油を1L燃やせば約1Lの水が発生します。
薪ストーブの粗木酢液は簡単に言えば、湯気になり煙突トップから見えるか水蒸気となり見えないか、あるいは煙突内で結露するかしないかの問題です。

外気や湿度、煙突の断熱性能、施工状況により粗木酢液は煙突内や煙突トップ発生する場合もあれば発生しない場合(目に見えるまたは見えないだけです)もあり、条件で異なるのです。煙突の施工条件で風圧帯の問題がない場合は煙突が短くできます。また、外部煙突を二重断熱煙突にするとほとんど粗木酢液は目に見える形で発生しない場合があります。この場合は多くの粗木酢液は煙突から外気となり放出されているのです。今一度申します。どんな高価で高性能の薪ストーブでも粗木酢液成分は必ず発生しています。高温で煙突トップから排出される粗木酢液成分は温度が高ければ気にならない場合があるだけなのです。サイクロンジエットストーブも煙突が真直ぐに近い施工で貫通部分と外部の煙突を二重断熱煙突にすることで煙突内部での粗木酢液は気にならないレベルに抑えることができます。

その他、多くのお客様からその辺に落ちている小枝は燃料に使えるの?と質問を受けます。答えは使えますが実用的ではありませんと答えています。先ず、小枝の樹皮がサランラップ状態になり乾燥が進みにくく乾燥に時間がかかります。乾燥を促すために小枝を割るのは大変な作業ですし危険です。
少し太い薪を集め割る労力と小枝を拾う労力を比べてください。恐らく割つた薪のほうが効率が良いはずです。薪集めと薪割りは大変な作業ですが小枝は更に大変だと思っております。だだ、乾燥した小枝は早く燃え尽きてしまうため主燃料とはなりませんが、焚付には良いでしょう。

あと、ロケットストーブは灰が少ない等の記述が散見されますが、これは大きな間違いです。樹種により驚くほど灰の量は変わります。概ね針葉樹の方が燃焼させた薪の重量に比べ広葉樹の1/5ぐらいになります。また、ロケットストーブはヒートライザー部分で灰が舞い上げられています。完全燃焼で灰が少ない等は都市伝説です。


 

arts_syokunin at 19:01コメント(0) 

2017年02月19日

最近は特に薪ストーブネタはありません。ないのではなく書かないと申し上げた方が良いかもしれません。
これまで、薪ストーブに関して、お伝えできることはすべてロケットストーブのカテゴリーに記載しています。今思えば誤った認識の記事もありますが、編集や 削除は基本していません。
長々とした記事で途中で嫌になる方も多いとは思いますが、本質をついた記事もありますのでお時間が許せばお読みいたたければと思います。
今後はネタも重複してしまうし、私の薪ストーブは特許以外にも、いくつもの秘密もありますので公開したくないので更新が少なくなっています。
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こちらの雑誌には私の薪ストーブがカタログとして掲載されています。

さて、本題です。以前にもOMソーラーとそよ風の記事を書いていますが再考してみます。
というのも昨年末OMソーラーの新築住宅に薪ストーブを納品させて頂きましたが、何度か点火に失敗して逆流をすると苦情の連絡をいただきました。OMやそよ風の業者は「薪ストーブとの相性は良い」と宣伝します。確かに一定の条件では良い結果が出るでしょうが、運転状況により非常に薪ストーブには具合が悪いのです。相性が良いなどとは簡単に言わないでほしいものです。

双方ともある時は電動ファンを回し床下に暖気を持って行きます。しかし、気密性が高い住宅ですので場合により煙突から外気を吸入する場合があります。薪ストーブの排気温度が低い点火直後の上昇気流はそのファンの力に簡単に負けてしまう場合があるのです。そうです。煙突の煙が逆流するのです。そのような場合は完全に電動ファンによる循環をたたなければなりません。
双方とも優れたシステムですが注意が必要なのです。

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このスケッチは故奥村昭雄氏のスケッチでOMソーラーの原型だと言われています。OMの共同考案者で奥様の建築家奥村まことさんも昨年亡くなられしまいましたが、3年程前に奥村まことさんご自身から「あなたの薪ストーブは面白そうなのである建築で今度検討してみたい」とお電話をいただきました。
そして「あなた頑張りなさいよ!」と激励も頂きました。残念ながらお電話は一回だけでしたが、奥村さんご夫婦の建築にはエネルギーの無駄のない設計思想があったのでしょう。もったいない精神のケチキュートも正にそれである。


 

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2016年10月27日

私は営業もパンフレットなどの配布もしておりません。ブログは唯一お客様に出会えるきっかけかもしれません。
1日250程のアクセスがありますが、多くがスルーされます。しかし、稀に熱烈な視線を浴びせる方がいらっしゃいます。 
今回のお客様もその一人です。取り憑かれたようにケチキュートを大切に思ってくれています。「ストーカーかよ」と突っ込みを入れたくなります。
家を建てるのではなく、この薪ストーブを置く家が欲しいと・・・

遠方からの来店即決のお客様は2度目ですが、とにかく普通ではありません。私のお客様は全て変わった方ですが本物を見抜く力があるというか、物事の本質を理解されています。
例えば家をほとんど自力で建てるなど、一見無謀で馬鹿げた行為をする人はテレビの世界で、リアルに目にすることはまずないでしょう。ところが、私のお客様の中にはその様な方が3組いらっしゃいました。自給自足を目指す生きる力溢れる女性も多いです。完全なマイノリティーです。
そんなお客様の元にモバイルハウスで行ってきました。
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みなさん石場立ての家など新築で見たことがありますか?多くの住宅は外壁がサイディングに石膏ボードにクロス仕上げ、合板に釘を打ち耐力壁としたり、専用の金物で補強をして、べた基礎に緊結します。
安いし、早いし、見た目が綺麗だし、丈夫な住宅になります。合理的で無駄のない住宅です。
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構造材に金物一切使わない、伝統軸組工法で基礎にコンクリートを使わない、筋交いを使わない竹小舞の土壁、美しくしい曲線のむくり屋根などコストがかかるし、大工さんも見つかりません。それを望むのはど変態です。私のストーブを望むのもど変態です。ついでに私もど変態です。そんなど変態が出会ってしまったのです。

早朝、現場に到着すると修行僧の様な左官屋通称くまさんが「会いたかったです。」と握手を求めてきました。強烈なキャラです。一瞬たじろぎます。綺麗好きというくまさんは現場に泊まり込み、10日間風呂に入っていないそうです(⌒-⌒; )

しばらくすると若手棟梁の登場。刃物マニアで手斧を現場で使う大工さん。
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道具の収納を見ればきっちりした仕事をするのがすぐに見て取れます。そして見習い大工さんも登場。面白そうな現場です。

やがて砕石を積んだダンプがやって来ました。親方です。父の後を継ぐ伝統軸組工法を重んじる若手親方です。簡易トイレ前の草刈りをしたり、現場でMacノートで図面を描いたり、設備屋さんとスマホで仕様書を見ながら打ち合わせもしたりする。現代的な親方です。
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彼らは良い仕事をします。しかし、それを願う施主がいないと成立しません。若いお施主様ですが、こだわりが半端ないです。日本の伝統を重んじる良い施主が増え、彼らの様な大工さんが増えれば、日本の街並みや国産木材の消費が劇的に変わるでしょう。「美しい国」とはこうありたいものです。

良い職人さにお会いできます。「木神楽」良い仕事をします。



 

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2016年03月16日

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※1 寒冷地である軽井沢の標高約1000m、30畳のリビングダイニングでの冬季外気0℃以下での最低600g/hの燃焼。この燃費は恐ろしく少ない消費量です。一般的な薪ストーブでは到底無理な低燃費です。

皆さんが省エネといえば家電。低燃費といえばクルマをイメージするでしょう。
電気料などは使えば使うほど単価が安くなる制度もありますが、基本は節電がお財布にも優しいことになります。風力や太陽光に代表される発電は現状では問題があり、原発は更なる問題があると思っていますので当面は火力発電ベースで節電していくのが私は一番良いと確信しています。(現状は正しくそうです)

私は2代目プリウスに乗っておりますが、大変優れた車であります。特に燃費に関しては以前乗っていた2000CC超クラスのガソリン車に比べ燃費が2倍になりました。数万キロ走っておりますが、ハイブリット車のコストアップ分はすでに回収しています。

さて、私の本職である薪ストーブはどうでしょう。
低燃費と謳う薪ストーブは数が少ないです。しかも、薪ストーブ業界には基準がないためか単位時間あたりの消費量表記はなく、最大暖房面積や最大出力、燃焼効率が各メーカー調べとしてカタログに表記されています。
燃費とは熱効率と考えていただいて良いのですが、その表記は残念ながらカタログにはありません。私としても他の薪ストーブより優位性を数値として比較できないのです。

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写真左クリーンバーン・右サイクロンジェットストーブ+排気熱回収BOX(左隣り)

昨年、とある測定機関にお願いして燃焼効率、熱効率の測定実験を行いました。比較対象の薪ストーブを用意しませんと全くの独りよがりになりますので、私がサイクロンジェットストーブ開発前から設計していたクリーンバーン燃焼の薪ストーブと比較いたしました。
条件は下記のようなものです。
・外形寸法放熱面積が同じ。ただし、構造が違うため燃焼室の大きさは違います。
・排気ガスの成分を分析する位置は薪ストーブ本体出口から煙突内で90cm離れた場所。(右のサイクロンジェットストーブは隣の排気熱回収BOXの下部)
・データのゆらぎを防ぐためそれぞれ巡航運転後に同じ200gの薪を8分ごとに投入。
・どちらも効率よく燃える位置でキープし運転後に火力調節はしない。
・試験方法は石油燃焼機器の試験方法通則に準ずる。

私としては排気熱回収BOX通過後のデーターも欲しかったのですが時間の都合で無理でした。
クリーンバーン方式の薪ストーブは一気に燃えることなくゆっくりと効率よく燃えた印象があります。双方とも燃焼に見た目の違いはありませんでした。

同じような燃焼に見えても、薪ストーブ本体からの排気温度は、サイクロンジェットストーブの方が単体だけでもあきらかに低いので熱効率(燃費)が優れていることは直感で理解できます。両方共私が製作したストーブですがサイクロンジェットストーブには自信がありました。

結果は驚くべき数値でした。大人の事情により発表できませんが、クリーンバーンは燃焼効率平均95%、熱効率平均60%でした。触媒付きの薪ストーブは熱効率は75%程度と言われています。それを上回ったのは言うまでもありません。

この燃費600g/hについては、他の薪ストーブを圧倒していると思います。
そもそも途中で何の火力調整もなしに600gの薪を1時間毎に連続燃焼させるだけでも非常に難しいのです。ロケットストーブの薪ストーブ型であるロケットマスヒーターは低燃費ではありますが、更に小さく高温に燃やすことは難しいのです。唯一特許登録されたサイクロンジェットストーブが優れているのがご理解いただけたでしょうか。







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2016年03月13日

原発事故直後は東京電力管内で不公平にも主に21区以外で計画停電がありました。また原発停止後は電気が足りないとか、発電コスト、要するに電気料が上がるとか、恐怖を煽るような報道もありました。
計画停電は電気料金が安い大口需要家の電力を止めるのが契約上からも筋でした。しかし、そうはなりませんでした。

エコという言葉でイメージする義務感?はCO2削減でしょうか? しかし、CO2がどれだけ温暖化に影響しているかは科学者でも意見が別れます。京都議定書など西欧社会では有利な条件で、中国は当時発展途上国で削減義務なし、アメリカは署名しませんでした。日本が提案して自らババを引いたのでしょうか?CO2は環境問題ではなく政治・経済問題に利用できる便利なツールなのでしょう。

エコキュートの深夜電力プランは原発稼働が条件のような料金体系です。原発は一度運転したら定期点検まで1年間は稼働率100%です。稼働したら100%の運転が基本です。また、原子炉の停止が少なければ電力会社は儲かります。火力発電は稼働、停止、出力調整は原発に比べたら遥かに安全で容易です。大電力は基本貯めることができません。今使っている電気は今発電しているのです。ですから需要の少ない深夜に原発の電気を消費する家電は電力会社に好都合なのです。また、主に原発の深夜電力でダムに水を汲み上げ需要時に水力発電する揚水発電も原発前提です。3割もエネルギーのロスがあるのに馬鹿げた話です。

残念ながら一般の従量電灯契約の顧客には深夜電力の恩恵はありません。深夜電力プランは電気温水器や蓄熱式床暖房などの夜間蓄熱式機器の設置が必要なのです。それらはむしろ所得が多い方が導入できる設備でお金がある人が割引を受けるという真逆の制度とも言えます。太陽光発電もそうです。金銭的に余裕のある世帯が税金である補助金をもらい電力会社が高い値段で買い取りして設備を数年かけてトントンにペイする発電です。そのお金は電気料金に上乗せて、広く浅くみんなで負担。別にエコキュートや太陽光発電を利用する方が悪いのではありません。制度が悪いのです。応分の負担をすれば全く問題はありません。

最近、水素社会がバラ色のような雰囲気がありますが新しい燃料ではありません。武田邦彦氏によると水素は電気のようなエネルギーの存在で、発電所で発電して送電線を通して配電する電力の方は安全で安かったから普及したそうです。

水素について分かりやすいサイトがありましたので転載 いたします。

「水素H2は石油や天然ガスのように鉱物資源として存在するわけではなく、それ自体が高価な工業製品です。高価な工業製品ということは、その製造過程で生産システムの建設・運転に大量の工業的エネルギー(主に石油)の投入が必要だということです。」 

「水素という扱いにくい物質
水素という物質は、日常の生活環境の中で使用するにはとても厄介な物質です。水素という物質は常温で気体であり、単位体積あたりのエネルギー量が小さすぎます。車のような移動手段の燃料として利用する場合には体積を小さくするために超高圧で圧縮して利用することになります。」

「水素の製造方法には大きく分けて炭化水素を材料として化学的プロセスで水素を生産する方法(炭化水素改質)と水を電気分解する方法があります。現状では、コストから炭化水素改質による水素製造が主流です。」

水素社会は「原子力発電が発電所ではCO2を排出しないというのと同じまやかしということです。
しかも、炭化水素そのものを利用する場合には炭素Cの燃焼エネルギーを利用しますが、水素を製造する場合には単なる廃棄物としてCをムダに廃棄するだけですから、同量の炭化水素から有効に取り出される利用可能なエネルギーは減少します。つまり、炭化水素改質による水素生産を前提とした燃料電池車は全く無意味です。現実には燃料電車を運用するためには前述の通りガソリンスタンドとは比較にならないほどの社会的な費用=鉱物資源、エネルギー資源の投入が発生しますから、ますます無意味ということです。」

「炭化水素≒天然ガス・石油を改質した水素燃料を用いる燃料電池車は、石油を燃料とする自動車用動力装置として最低の効率です。つまり、ガソリン自動車を燃料電池車に置き換えることで社会全体のCO2放出量は飛躍的に増大するということを示しています。」

「エネルギー産出比から見れば、コンバインドサイクル火力発電を用いて発電し、その電力を蓄電池に貯めて利用する電気自動車の方がはるかに優れています。勿論、通常の内燃機関の自動車の方が電気自動車以上に優れていることは言うまでもありません。」 

arts_syokunin at 18:30コメント(0) 

2016年01月19日

先ず薪ストーブで暖房するのは大変手間のかかるもので、魔法の箱ではありません。薪集め、薪割り、薪の乾燥と保管場所、点火、設置条件、ご近所との関係、エアコンのような手軽さはありません。相当な環境と覚悟が必要です。環境が許し気力のある方は掛け替えのない安息を手にすることができるでしょう。

薪ストーブの煙突工事は自分でやれば5万円以内で完了するかもしれません。火事などになり他人様に迷惑をかけないのなら自己責任と主張されるかもしれませんが、そのような無責任で無謀な方は薪ストーブはお辞めください。

薪ストーブ設置を含む総額は決して安いものではありません。少し高価な薪ストーブになりますと本体価格が30から60万円ぐらいでしょうか 。また、煙突も十分な施工をすると材料・工事費で40万円ぐらいで一式100万円前後が一般的です。
それはいささか高価過ぎやしないかという素朴な疑問が、私が薪ストーブを開発する出発点でした。私の薪ストーブも決して安いものではありません(オーブン付きキッチンストーブとしては安い方)。
私は商いとして薪ストーブを製作しており、ひとつひとつ手間をかけていますので量産品のような価格にはなりません。また、実は外見はシンプルですが、より使いやすく、高性能を実現するためにパーツや可動部分が多く複雑になっているのです。
安い製品には訳があり、単純な構造、耐久性、デザイン、性能に問題があるものが多いと考えています。
私の薪ストーブは耐久性、性能、低燃費などによりコストパフォーマンスが高いので、度々、安物に買え変えたり、高価な触媒機を購入するより賢い選択ではないかと思っております。

今年で販売6年目になりますが、つくづく思うのが、薪割りの手間、ランニングコストを考えると石油ストーブがおすすめです。まして現在1バレル20ドル台にせまる原油安です。また、原油が高騰して灯油が1L120円になってもランニングコストは石油暖房機の方が安いでしょう。
できるだけ石油・電気は使いたくないとか、火のある生活が大好きという強い信念がないと薪ストーブライフは続きません。
一方、薪ストーブは心を癒やす最高の贅沢品でもあります。薪ストーブは、これに尽きるのかもしれません。

薪ストーブの燃焼方式は大きく分類して輻射式、クリーンバーン燃焼、触媒燃焼の3つです。私の薪ストーブはこれらの燃焼方式とは異なっていて、第4の燃焼方式であると自負しています。
数年前からロケットストーブはマニアに注目されていますが、私の薪ストーブも基本はロケットストーブです。室内暖房機としての、この方式の薪ストーブは私の販売後に数社が販売しているようです。
もちろん私の開発したサイクロンジェットストーブが一番優れています。多分(笑)
薪ストーブの燃焼に今まで不可能であったサイクロン燃焼を独自に取り入れたのです。この技術は昨年、特許登録され、販売目的では誰も真似することは出来ません。特許は特許庁により厳正に審査されます。海外の特許、及び公知の技術がないか膨大データから検索、確認されるのです。その意味で薪ストーブのサイクロン燃焼は世界初なのです。
サイクロン
ヒートライザー内での渦燃焼により触媒方式と同等以上の燃焼効率*1を可能とする。
その答えは簡単です。燃焼には3つの条件が必要です。高温の環境、可燃物、酸素です。これらの3要素が高温の二次燃焼室内で渦を巻きながら撹拌・集中して滞留時間も長く連続燃焼する画期的な方式です。触媒方式のような高価な触媒の交換も必要ありません。このサイクロン燃焼が高燃焼効率を実現しました。

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また、燃焼効率だけではなく、複雑な内部構造により薪の消費量が最低600g/hと通常では考えられない熱効率*2となっています。

一般的なロケットストーブの構造です。
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このようにお湯をわかすコンロタイプが最も一般的にDIYされています。
大規模にロケットマスヒーターをDIYされるかたもいらっしゃいますが、お勧めできませんのでお辞めください。

ロケットストーブ方式で製品化されているものもありますが、問題のある商品も多いようです。

あるロケットストーブユーザーが私にメールで助けを求めてきました。


・煙突の繋ぎ目からタール混じりの木酢液が漏れたり煙が逆流

・薪ストーブのガラス窓がすぐ真っ黒

・燃焼温度も思ったように上がらない

・部屋も汚れる

「最初は順調に燃焼しておりましたが、このところ、難儀している次第です」

あるロケットストーブ関連装置をモニター第一号として購入し昨年10月からから試運転を開始。

室内の煙突横引き距離が長く、屋外が短い煙突でドラフト効果が期待できない状況で設置。

ドラフトを補完する意味で、換気モーターをダクト内の煙突トップに設置。

薪ストーブをある程度経験すればわかることですが、これでは失敗します。 

 幸いにも煙道火災や低温発火には至っておりませんでしたが、このまま使用するのは危険であると伝えました。


火災というあってはならない状況に陥るおそれがありますので、慎重に薪ストーブを選び設置は信頼できる経験豊かな施工業者に依頼しましょう。 

結局、私のストーブが失敗しない薪ストーブかも知れません(笑) 

 
*1燃焼効率とは薪ストーブの場合は使用した薪が持つ燃焼エネルギーがどれだけ燃焼したかの効率。
100%なら完全燃焼だが99%では完全燃焼とは言えない。当社製品平均99%(一般的な二次燃焼薪ストーブ90から95% 当社調べ)

*2熱効率とは薪ストーブから発生した熱がどれだけ暖房に使われたかの効率。暖房効率と言うと理解しやすいかもしれない。この効率について公開している薪ストーブカタログはない。 当社製品平均80%(一般的な二次燃焼薪ストーブ平均60% 当社調べ)


  

arts_syokunin at 20:08コメント(0) 

2015年12月13日

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我が工房の薪ストーブがチルチンびと巻頭特集の「森の家」で紹介されました。
チルチンびとは毎年12月発売号は薪ストーブが特集されています。
薪ストーブの入門書として十分な内容です。更に私の長文のブログを熟読、理解していただいたら、巷にあふれるベテラン薪ストーブオーナーの話が陳腐に感じます。笑って聞き流しましょう。こだわりをもった方が多いので話が長く面倒ですよ。そう言う私はもっと面倒な人間か。

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「森の家」の記事はとてもあたたかい内容です。ぜひ、御覧ください。

今秋に京都に設置させていただいたお客様よりメールをいただきました。
私の方で編集して掲載の許可をもらい転載させていただきます。(赤色文字部分)

チルチンびと、届きました。

まだか、まだかと待ってました。
「森の家」さんの記事、光ってました。
ストーブの存在感がピカイチでした。
映画のワンシーンのような写真たち。本当に素敵でした。
私が編集長なら、絶対表紙に使いましたけどね。
永久保存版とさせていただきます。

さすがはブラッド・ピットさん。いい仕事なさってます。

今の生活はあたごん中心です。
朝起きて、まず窓と灰のお掃除。そして点火。
三度の食事作りも、ほとんどあたごんと一緒。
外出するときは、家をよろしくね、とお願いしてから出る。
そして寝る前に必ず、ほんのり暖かいあたごんに一日の感謝のおやすみを言う。
さらに、私と娘の寝室の窓には、月明かりに照らされて写し出された煙突の影が。
あたごんにいつも守られています。
ありがとう、あたごん。

絵本にしたい存在です。

感謝。感謝。

毎朝、あたごんで煎ったコーヒーを飲むのが楽しみです。
安いコーヒー豆を買ってるんですが、あたごんで煎り直すと本当に美味しいんです。
魔法使い、あたごん。

灰は庭や畑に撒くので、野菜や草花が喜んでます。

言い尽くせないくらい、あたごんとの生活を満喫してます。

あらためて、
チルチンびと、掲載おめでとうございます。
フセンを貼って、来客に見せまくりますよ〜〜!!
私が作ったかのように自慢させて頂きます。

本当にありがとうございます。

※「あたごん」とはお客様がつけてくださった愛称で火防の神、愛宕神社に由来します

どうですか?このメールをお読みになって「あったかいんだから」というお気持ちになっていただけたでしょうか。
 


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2015年10月27日

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薪を一番近い森林組合で購入してきました。元来、薪は購入すべきではないと持論はあるが公的機関による実測に近いカロリー計算の燃焼実験のため、やむを得ず市販の薪なのである。
長さは45cm。規格の針金(直径21,5cm、長さ70cm)で結束されている。今回は試験のためだけなので3束をバイクに積んで持ち帰りました。
薪 - 1
薪が少し走行中にハングオン。問題はありませんでしたが良い子はまねをしないでね。
ちゃんと荷台に固定すれば道路交通法上も問題ありません。原付二種ですので最大積載重量は60kgで、あと2束は積めます。そんな達人はいないかも(汗)
重量は11.4kg、10,0kg、10,4kgでした。気になる価格は森林組合現地渡しで1束税込み500円。ホームセンターより安いですがやっぱり高いな〜。
私の経験上、3束の薪は暖房に使われるカロリーは良くても灯油5L相当なので、どう考えても灯油の方が安いのです。薪は労働という対価を払って集めましょう。

この薪は1時間あたり定量の薪を燃やし 、クーリンバーン式の薪ストーブとサイクロンジェットストーブの熱効率を求め燃費を数値化するのもです。業界では発表されなタブーなデーターかも知れません。同条件で、少ない薪での燃焼実験なので驚くほど差は出ないとは認識しておりますが、どうなることやら。本来ならこのような貴重なデータは新聞に記事になるべきです。地産地消だ、エコだ、カーボン・ニュートラルだと寝言のような記事より大変重要なのだ。

一般的に寒冷地のトップシーズンは、この30kg強の薪は1日で燃やしてしまいます。札束を燃やすようなものなのです。

安心してください。私のストーブはそこまで燃やしませんよ。

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2015年10月03日

ある、10年来の薪ストーブオーナーから薪ストーブの疑問についてご質問をいただいた。
現在、ご使用している、とある薪ストーブが暖かくないとの相談である。

1、厳寒期(こちらはせいぜい最低気温-5°程度)に部屋が暖かくないと感じる。
2、薪の消費量が多い気がする(他の薪ストーブの消費量が不明なので比較できないが)
3、バッフル板と煙突への出口の間に煤が異常なほど溜まってしまう。(薪がもったいないので極端に空気を絞るなど、炊き方が悪いということもあるのですが)
といったところです。

家屋の断熱性とかの問題もあると思うのですが、なんとかできるものなら、何とかしたいと思いましていろいろとネットで対策を検討していたところ、大野ファクトリー様のケチキュート薪ストーブを見つけました。

メールでご質問いただいたので赤文字は転載です。質問をされる方の中にご丁寧にご住所を記載していただく方がいますが、使用地域がわかりますので具体的に回答がしやすい場合があります。今回は番地まで記入されていたため失礼かと思いましたがストリートビューにて記載のご住所のご自宅を確認しました。

ご自宅は純日本建築の古民家でした。おそらくグラスウール等の断熱は施工されていません。
 まず、純日本建築は
吉田兼好の「徒然草」の一節にあるように「夏をむねとすべし」とあります。純日本建築の暖房は囲炉裏や火鉢などの局所暖房で部屋全部を暖房する等の発想がありませんでした。寒さの厳しい冬の夜は早く布団に潜り込むしかなかったでしょう。欧米に比べて遅れている薪ストーブ文化はここにも原因があるのでしょう。
また、純日本建築は後付の薪ストーブに最適な設置場所が少なく、煙突工事が非常に困難な場合があります。先日、私が薪ストーブの設置工事した和風建築もそうでした。
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最適な設置場所は煙突工事が難しく、壁抜きと庇を抜く作業となりました。普通の薪ストーブ屋には施工を断られる物件です。私自身薪ストーブを製作し、製缶工、配管工のプロであったからできる技でした。万が一私の設計に誤りがあっても現場で対応できる自信もあります。自画自賛ですが神です。

それでは回答です。
1、日本建築は襖と鴨居で部屋が区切られています。鴨居の上は壁になり薪ストーブの設置場所に暖気がこもりやすいでが、他の部屋は暖まりにくいです。また、断熱材がない、建具の気密性が悪いので暖房効率が悪くなり寒くなります。

2、どのくらいの消費量か記載されていませんので比較が出来ませんが、1時間に3kgも燃やしていないと思います。そのぐらい燃やしている薪ストーブなら長時間薪ストーブの近くにいられないくらい暑いからです。寒さの対策として多くの薪を燃やすのが現実的ですぐにできる方法です。

3、購入店に相談した場合は空気を絞るから燃えない→寒い→ススが溜まる→更に燃えないの悪循環ですと回答されるでしょう。また、ストリートビューで薪棚を確認できましたが、すべて太薪でした。太薪は乾燥に時間がかかります。薪にして乾燥は2年と言われますが、春先以降に切った木はたっぷりの水を含んでいますし、薪棚が湿度が高い場所や風通しが悪い場所では更に乾燥に時間がかかります。水分が多い薪の可能性もあります。ススも多くなり温度も上がりません。薪の乾燥は重要です。

 



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2015年08月16日

日本人はカタログデータ好きである。私も家電製品を購入する場合は比較検討するのに大いに活用している。
しかし、残念ながら日本には薪ストーブの燃焼性能を評価する統一された評価方法は確立されていない。カタログデータなどあまり信用出来ないのである。
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薪ストーブ雑誌などのにはメーカーの独自の計測条件、方法であると注意書きされている。

 それでは薪ストーブの歴史の長い欧米ではどうなのであろうか?
米国、EU、ニュージーランドでは排気ガスの規制は確立されているようだ。

以下、金子稔氏のコラム抜粋

薪ストーブ排ガス規制について
アメリカ環境保護庁(EPA)の排ガス規制は世界で最も厳しいと言われています。
認証試験はアメリカに5つある認定機関で検査員立会いのもと実施されます。
規定に基づき施工されている煙突システムのトップ部(ここでは割愛します)にフィルターを取り付け、そこに付着する堆積物の量を計ることで排煙量を調べます。
また試験で使用される薪も基準があります。
使用される薪は含水率19~25%のダグラスファーで、5×10センチ、または10×10センチに切ったものを、密度、安定性を確保するため束ねて使用します。
少なくとも1時間以上燃焼し、炉内に灰の床ができた後に計測をスタートさせ、4時間以上の平均値を採ります。

1 トラビス/ケープコッド            0.45
2 トラビス/フラッシュウッド・ハイブリッド   0.58 
3 ヴァ―モントキャスティングス/ディファイアント0.6
4 ヴァ―モントキャスティングス/アンコール   0.7
5 トラビス/スモールフラッシュ・ハイブリッド  0.89
6 セルカーク・カナダ/モデルHE36       0.97
7 ブレーズキング/チヌークアッシュフォード30  0.98 
8 モネッセン/センチュリー           1.0
9 ダッチウエスト/コンベクションスモール    1.1
  ハーマン/TL300           1.1
クゥワドラファイヤー/3100          1.1
  ハース&ホーム/4300           1.1
  クロッグアイバーソン/DSA4        1.1
14 ユナイテッドストーブ/2400        1.13
15 クゥワドラファイヤー/4300        1.2
  ニューバックコーポレーション/バックベイ  1.2
  ニューバックコーポレーション/ニューバック 1.2
18 ブレーズキング/チヌークアッシュフォード40 1.3
  ダッチウエスト/FA455           1.3
ダッチウエスト/コンベクションエキストララージ 1.3

上記ような認定機関は日本にはありません。また、日本の場合、薪ストーブの法整備が歴史が浅いためか十分でないのと同時に過剰とも思われる施行令などがあります。

薪ストーブ雑誌などのカタログはほとんどが欧米製ですが、やはり暖房の性能評価という意味では各メーカーに預けられている恰好となっています。

薪ストーブのカタログデータとしてよく使われる項目として最大出力、最大火力、暖房能力があります。これらは燃焼室で最大限に薪を燃やした時に発生する熱量で、私はこれに煙突からの排気熱(熱損失)も含まれていると思っています。
 燃焼効率については測定条件・方法のなどの業界の基準はない。
最大容量は一度に燃焼室に入れられる最大の薪の量
最大暖房面積は各メーカーにより測定条件が異なる。

私は素朴な疑問として燃費が知りたいのです。どれだけの薪の発熱量が暖房に使われたのかを知りたいのです。 
暖房効率とでも表現するとわかりやすいかもしれません。
熱力学で言う熱効率とは熱エネルギーを如何に多くの 力学的エネルギー (仕事)に変換できるかというものですが、燃焼効率と混同される場合が多いです。
燃焼効率とは燃料 の持つ化学エネルギーがどれだけ熱に変換されたかを表す指標です。
暖房効率は燃焼効率ではなく熱効率を意味しますが誤って認識されますので薪ストーブ業界に暖房効率を表示してもらいたいところです。

ところが、話はそうは単純に行きません。考えとしては明確ですが、薪が持つ発熱量がどれだけ煙突から放出されたかを損失として考えれば良いのですが数値として評価することは難しいのです。もちろん流入の空気の温度や燃焼効率も問題となりますが、常識的な条件や燃焼ではそれ程誤差はないと思います。
 
薪ストーブの熱量を考えるのはカロリーが良いでしょう。
その他ジュールがありますが、おおよその換算は下記になります。

1[cal]=4.2[J]
1[J]=0.24[cal]
1W=0.86kcal/h

カロリーは熱量の単位として使われています。
水1gの温度を1℃上昇させるのに必要な熱量です。

ジュールはエネルギーの単位です。
物体に1Nの力を加え続けて1m移動させた時にした仕事が1Jです。
仕事をされた物体のエネルギーは1J増加します。
1J=1Nm

灯油の発熱量
1L≒8500kcal

薪の発熱量
針葉樹、広葉樹も絶乾状態(含水率0%)で1kg≒4500kcal
生木は含水率40から50%で1kg≒2500kcal
実際の薪はよく乾燥したもので20%1kg≒3500kcal

石油燃焼機器の試験方法通則JIS  S 3031と木質バイオマス燃焼機器試験方法通則JHIA N-5601
はほぼ同じ試験方法ですが暖房効率を示すものとしては不十分なように思えます。

何か良い方法はないものだろうか。 



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2015年07月08日

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昨日、以前薪を購入したことのある薪屋のおやじさんに薪ストーブの製作を頼まれ訪問していただいた。あいにくロケットストーブの燃焼方式以外の薪ストーブを造るつもりもないし、別途設計料がかかるので高くなるから、お勧めできないと電話で伝えていた。
薪については、この方ほど価値観を共有できて意気投合した方はいなかったので、なんとかご希望に沿いたいと考えていた。しかし、薪談義中に水分量の話になり、煙突からの水分の排気について話しが及んだ。私が「灯油1リットルを燃焼させると、約水1リットルが排出される」「含水率20%の1kgの薪を燃焼させると、約0.7リットルの水が排出される」と話すと、懐疑的な目で私を見つめる。お客様:「いやーそれはないなー」私:「お調べになればわかります。嘘はいっていません」お客様:「うーんないな~」私はスイッチが入った。「これをご理解いただけないなら、これ以上お話しすることはありません!お帰りください」気分はもう高倉健(映画の中の健さんにしてはベラベラ喋り過ぎますが・・・)。
そもそも私の価値観や考え方に、多少の共感を持っていただけるお客様であっていただきたいと思っています。また、根幹部分は譲れないものもございます(気分は健さん、カッコイイー)。商売としては不向きですが「いい~んです」(川平口調)。
互いの長い沈黙の後、 「それではどのような薪ストーブをお望みですか」と切り出す。私も大人になったものだ。しかし、後一回、否定されれば、ちゃぶ台返しの星一徹になっていたでしょう。
 ご希望はロストル下部から燃焼空気を取り入れ、2次燃焼しないもの。そして針葉樹を熾で燃焼させるものと非常に困難な条件でした。私には不可能な条件に思えたので、その条件に少しでも近い既成品をお勧めして納得していただき喜んでお帰りいただいた。

私の考えはすべて正しいとは限りません。細かな流儀もございます。バイクにしても、渓流釣りにしても、薪割り、薪の保管、薪ストーブには相当なこだわりを持っています。趣味を同じくする方だからこそ、考えの違いがはっきりして、不愉快な思いをしたり、させたりする場合があります。 「自分は自分です」(西部警察の渡哲也)。自分のキャラクターを見失っていますね(笑)

arts_syokunin at 07:20コメント(0)トラックバック(0) 

2015年06月26日

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薪ストーブライフ最新号のデジタル版が配信された。デジタル版は絶版の号も閲覧できるし、紙に比べ安いのでおすすめである。
さて、最新号には我が薪ストーブが紹介されている。2時間余のインタビューでしゃべりまくり、焦点をぼやかす話をしてしまったが、要点を上手くまとめて掲載していただいた。取材は5月下旬に急遽の取材であった。記事には特許について少し触れられているが、当時は特許審査中で現在は特許査定されている。
規定の特許料を支払えば特許登録となるのだ。

特許には思えば丸4年の歳月を費やし長い道のりであった。特許とは面白い制度である。特許出願は規定料金を支払えば、だれでも出願できるし、書式、様式さえ整えば受理されるのである。内容はどうでもいい。もちろん、多くの方が特許登録を願って出願するのだが、広告に特許出願中とのせても、実際に費用もかかるので審査請求しない案件も多い。内容はどうでも良いとは言いすぎだが、発明の方法などに対する効果などが確認できなくても良いのだ。新規性の発明が大切で「拒否する理由がないので特許査定する」のが特許庁の立場である。発明の効果があれば真似したいところであるが、効果がないものに特許権があっても誰も真似をしない。それ故、特許庁は効果には関与しないのであろう。

特許庁では膨大な海外も含めたデーターベースで調査するようだ。特許査定とは、その発明の方法が過去になかったとの証明でもある。もちろん私自身可能なかぎり調査した。おそらくロケットストーブの原理を利用した(それだけではなくオリジナル技術がなくては査定されない)はじめての特許査定ではないであろうか?
私の場合、この発明は特許に値すると確信していたが、 特許は先願主義であり、素人がそれを調査すのは限界があり、無理なのだ。海外も含め他の方がインターネットで公開している情報があると新規性を失う可能性もあるのだ。当たり前だが出願前に自ら内容をブログなど公開することは控えなければならない。

私は納得した生き方、死に方がしたいと思っている。畳の上で家族に看取られ、「良い人生であったと」永眠したいのである。(自宅には畳がありませんが・・・)特許出願も納得した生き方の一環だ。私の最大の懸案は結婚ではなく自宅建築であった。土地探しに3年。お陰で土地取引、相場に関しては相当詳しくなった。また、自宅計画に10年、建築士になることからはじめた。結局は大物建築家に快諾していただき設計を格安で依頼している。多数のエピソードがあるが今はまだ書くことが出来ない。

特許はほぼ自力で出願した。素人故、発明協会に方にご相談して要所々々 で助けていただいた。この場で感謝を申し上げる。素人がいきなり特許はハードルが高過ぎるのだが私は以前、意匠権の登録を自力でなんとかしたことの経験が役に立った。商標登録などは更に垣根が低いのではないか?ご興味がある方は挑戦してみて頂きたい。
 

arts_syokunin at 09:34コメント(0)トラックバック(0) 

2015年06月12日

私は否定獣。何でもかんでも否定します。
家族からも疎まれますが、お読みいただければ幸いです。

薪ストーブに関する誤った知識を正そうとするものです。私の考えを一方的に押し付けるものかもしれません。 
以前の記事と重複するところもありますが、薪ストーブに関する考えをまとめて見ました。

薪ストーブは完全燃焼いたしません。完全とは完全でなくてはなりません。完全なら時々換気をすれば部屋の中に排気をしても問題ないはずです。そのようなものはありません。誤解を招くので「完全燃焼」ではなく「高温燃焼」の方が正しい表現かもしれません。高温なほど完全燃焼に近づくのですから。

煙がでない=完全燃焼でもありません。煙突トップから排気が高温ならば、どんな薪ストーブもほとんど無煙になります。

一般に二次燃焼方式の薪ストーブが高性能な薪ストーブと言われますが、事実上は連続した燃焼です。可能な限り炎を炉内で滞留させ、高温の空気と撹拌させるのことができる薪ストーブが良いのです。

一般的な日本の家屋の間取りでは、薪ストーブで家全体が暖めることは難しいです。薪ストーブは主に輻射熱暖房しますので、部屋が細かく仕切られた間取りでは十分に輻射熱が届きません。薪ストーブの設置場所を電球に置き換えて見てください。光が当たらないところは輻射熱が届かないのです。また、古い住宅には断熱材が入っていませんので尚更です。空気の対流で暖めるには大量の火力が必要で、火力を上げるとその部屋が異常に暑くなる場合があります。

薪はタダではありません。原木や無垢の建材を貰うことはできるでしょうが、薪にするには大変な労力を必要とします。タダと言う人がいたら、その薪をもらいましょう。

薪ストーブの火力は一番に薪の量で決まります。細い薪ほど短時間で燃えるため火力は強くなります。針葉樹が火力が強いと言われるのは油分もあるでしょうが、早く燃えるからです。針葉樹も広葉樹も重量あたりのカロリーはほとんど同じなのです。

「針葉樹、竹などなんでも燃やせます」との宣伝がよく見受けられます。触媒付きの薪ストーブには問題がありますが、乾燥していれば、ほとんどの薪ストーブで問題なく燃料となります。しかし、大雑把ですが、針葉樹の比重が広葉樹の約半分なので2倍の量の薪を必要とします。(簡単に割れますが、2倍の薪割り回数、2倍の薪置き場、乾燥は半分の時間)また、竹は体積が少ないので早く燃え尽きてしまい、主燃料にはなりません。ある薪ストーブ屋さんの看板に「丸太の生木でもOK」と書かれていて私は絶句した経験があります。大きな燃焼室に大量の熾があれば燃えますが、水分を多量に含んでいるため、燃焼室で水分を蒸発させてから着火しますので、著しく効率が悪くなります。薪は針葉樹でも広葉樹でも構いません。身近で手に入る薪で乾燥が非常に大切です。針葉樹の中割でしたら条件の良い薪置き場なら半年で乾燥します。丸太では乾燥が進みづらいです。樹皮をラップの膜だと思っていただくと理解できるでしょう。

薪ストーブ用の水分計の数値を鵜呑みにしてはいけません。大まかな目安とすべきです。木工を商いとされている方は木材の含水率を大変気にします。管理できていない場合は納品後に製品が割れたり反りが出て修理、返品になり信頼を失うからです。樹種により数値を入力する本職用のものは数十万円いたします。計測する場合は、薪棚の薪の木口ではなく、その薪を今一度割り、割った面を測りましょう。経験を積めば手で触った方がわかりやすいです。

放射温度計も誤差が大きいです。特に黒い物体以外は正しく表示されません。薪ストーブの場合、耐熱ガラスや塗装していないステンレスの煙突を測っても誤差が大いきのです。また、測定物と離れれば離れるほど誤差は大きくなります。

鋳物と鋼板製の薪ストーブは構成する素材による蓄熱量の違いは殆どありません。同じ厚さなら蓄熱量は同じです。両者の製法は違いますが鋳物は僅かに炭素量が多いだけです。鋳物製が蓄熱があるというのは素材が厚いからです。鋳物はそもそも薄いものは作れません。

薪ストーブが鋳物、鋼板、ソープストーン、レンガであれ、薄い場合は早く暖まりますが耐久性がありません。厚すぎると蓄熱量は増しますが重くなり、すぐには暖まりません。表面積が大いきと輻射熱も大きく暖かくなります。

鋼板製の薪ストーブの表面が真っ赤になり、ドヤ顔する方がいるようですが、鉄というものを理解していません。鉄は400℃を超えると急激に強度をなくします。500℃を超えると高温腐食します。

薪ストーブは環境に良いと言われますが、多くの人が二酸化炭素の温室ガスで地球温暖化すると信じています。化石化燃料の二酸化炭素の排出は環境問題ではなく、もはや政治問題なのです。
また、薪による里山再生とか地産地消など聞こえの良い言葉が飛び交いますが、一定の効果はあるでしょうが現実には、多くの人に供給は無理なのです。一部の薪ストーブマニアや行政の自己満足です。現在の便利な生活を捨てられる人は一握りです。

薪で地域活性化や雇用創出なども難しい。今更、スイッチひとつで動作する暖房器具、給湯、調理器具を望まない人はどれぐらいいるであろうか?立ち木を薪にするまで高コストがかかり、薪ビジネスなど難しいのです。コストを下げるため、地域の方のボランテイア精神か税金に頼るのですか?

薪ストーブを使いこなすのはある意味、家庭のエネルギー革命またはルネサンスかも知れません。燃料である薪のことを考えることが多くなり、「この倒木を貰えないかな」「この巨木で何ヶ月、燃えるだろう」と考えるようになります。そして、薪集めに疾走して、日々のライフスタイルや価値観までをかえるのです。

薪を運ぶ軽トラックやチェンソーもどうしても必要になります。高額なお金を払って薪を配達してもらうのも解決策でしょうが、私はお金で解決はバカバカしく思えます。

薪ストーブは初期投資も馬鹿になりません。業界では一式100万円前後が常識となっています。ちょっと高い薪ストーブ本体が20万円から80万円ですが工事費は40万円前後となります。施工条件により20万円の差など簡単に生じてしまうのです。煙突・施工費が10万円台など言う薪ストーブ屋は不当表示と言えるかもしれません。その工事費は煙突材料費3万円ほどでできる素人工事とかわらないレベルでしょう。

ホームセンターで4万円前後の薪ストーブと1万円未満の安い煙突でご自分で施工するのは自己責任でしょうか?自宅の回りに延焼のおそれがない住宅なら自己責任ですが、それ以外は自己責任では済まされません。

ある薪ストーブ書籍の地震に対する記事の中で、薪ストーブを固定しない方が良いと意見があった。また、二重断熱煙突の方が地震に強いと。(販売店の専門家)これには疑問だ。震度6以上では薪ストーブが移動する可能性があります。炉台がレンガなどの場合は摩擦が大きのでズレにくいですが、転倒する場合があります。薪ストーブの脚の付け根のボルトが折れ転倒した事例もあるそうです。私には考えられない薪ストーブの強度であり施工です。数百℃の数百kg物体が滑り飛んできたり、転倒などあってはなりません。必ず強固に床に固定すべきです。二重断熱煙突は重量もありますので揺れに対して、より大きなエネルギーを受けます。これは施工の問題で二重云々の問題ではありません。残念ながら多くの薪ストーブが固定されていません。最も強固に固定できるように薪ストーブはなっていないのかもしれません。これも欧米の薪ストーブ文化から来ているのでしょうか?

後日追記 量販品は高級品から安物まで鋳物製品が多いのですが鋳物は曲げの力に著しく弱い素材です。強固に固定すると脚そもものが折れるのでしょう。また、レンガなどの炉台へのアンカーボルト固定は施工も難しく十分な強度を発揮できない場合があるから固定をしないのかもしれません。また、煙突がずれるのは薪ストーブが動くのが一番の原因と考えられます。地震で家が倒壊しても薪ストーブは床に固定されているべきだと私は考えています。

薪ストーブを週末だけ、来客があった時だけなどの使い方もあるでしょうが、本気で暖房を考えた場合は薪ストーブは強い信念がないと続きません。途中で挫折する人には使ってほしくないのです。

最後に薪の放射性物質につて。薪の汚染について語らない人は無知か、ずるい方です。あえて言う。所謂被災地への私の薪ストーブの納入実績は皆無である。残念ではあるが仕方がない。乾燥薪1kg/40Bqなど汚染は北関東でも多く見られる事実があります。薪がエネルギーとして再び脚光を浴びていますが、放射能汚染とう言う向かい風も強いのです。
 

arts_syokunin at 20:07コメント(0)トラックバック(0) 

2015年06月11日

先日、ある方との薪ストーブ談義でペレットの単価について話が及んだ。木製ペレットは配達料別で40から60円/kgであろうか?。都市部でペレットストーブは乾燥薪のナラが80円/kgならばペレットは魅力的かも知れない。
私は常々、薪などはキログラム、石油系はリットルの単位で考える。薪などは1束や1棚、1㎥などの単位は非常に曖昧であてにならないからだ。

一般社団法人日本ペレット協会にによると下記にようなデータが公開されている。
42
ペレットの単価50円の時、灯油が112円なら熱量的に同価格としている。
しかし、ペレットストーブの場合は煙突を必要として、そこから、かなりの熱量の放出があるのでデータとしていかがなものか。
もっとも、私は地球温暖化の二酸化炭素説に懐疑的であり、京都議定書、バイオマス=エコロジーとかカーボン・オフセット、カーボン・ニュートラルなど眉唾ものである。

ペレットは間伐材などを使うが、急伸な山の斜面から切り出し、ペレット工場に運び込む(ここまでは薪と同等)。そして、粉砕、乾燥、圧縮の作業が行われる。ここに膨大なエネルギーが消費される。ペレット一粒の生産だけで一粒の熱量以上のエネルギーを消費しているように思えてならない。また、ここに各種の補助金(税金)が投入されているのではないか?それで、エコなどと満足してはならない。
温暖化ガスをすべて否定する気持ちはないが、地球温暖化はまだまだ科学でわからないことが多く、決めつけるのは危険である。私は温暖化などしていないと考えている。
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このグラフを見ると不安になられるでしょう。しかし、現在の大気中の二酸化炭素の濃度は0.04%で100年後は0.05%と言われています。グラフは注意して見る必要がある。

低線量被曝の問題もそうだ、身体に良いと言う学者がいるが、これも、わからないことである。しかし、私は将来、後悔しないために極力、被曝は避けたいと考えている。子供なら尚更だ。

結局、無駄なエネルギーを使わない生活が理想である。薪ストーブで言えばケチキュートとか。
宣伝ですかと突っ込まれれば、宣伝ですよと答えます。ここは私のブログですから。
 

arts_syokunin at 06:47コメント(0)トラックバック(0) 

2015年05月17日

無煙の薪ストーブ開発 「最後発だから世にないものを」モキ製作所社長・茂木国豊さん

 ちょっと待って、ちょっと待って、お兄さん。
これこそラッスンゴレライだ。

これまで、何度も薪ストーブは「煙が出ない=完全燃焼」ではない、 灰は少ないのではなく煙突から排出されていると指摘してきたので、誠に残念である。新聞社はどこまで裏付けを取ったのであろう。

モキさんの仕事に対する情熱や発明家としての姿勢は尊敬に値しますが、新聞社は活字にする場合は受け売りではいけない。

モキさんとは同じ信州なので弱小ながら胸を借りて勝負させていただきます。

arts_syokunin at 18:31コメント(3)トラックバック(0) 
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