正しいジャッジをしても批判される審判。
こんなくそみたいな仕事を引き受けているだけでもうすごいと思うのですが、まだまだ一般の人には”審判もサッカー仲間”ということがわかっていないと思います。

先日公開した記事で「法より正義」と言いました。もう少しわかりやすくすると、例えば、アニメ「機動戦士ガンダム」では、民間人のアムロという少年がジオン軍の奇襲にあい、シェルターに避難する途中で連邦軍のモビルスーツ(以下ガンダム)と呼ばれる兵器を発見し、それに乗り込みジオン軍を撃退するという話で始まります。その後が知りたければ是非DVDを借りて見てください。
ここで問題なのは、本来ならアムロは死刑相当の重罪を犯しているということ。民間人が連邦軍の、しかもトップシークレットの新型兵器に乗り込むという重罪を犯したのです。しかし、ガンダムに乗らなければ自分たちは死んでいました。法よりも正義が尊重された場面です。

ガンダムを知らない方にとってはなにがなんだかわからないと思うので、サッカーに置き換えてみます。
激しいスライディングを受け、ボールを取られてしまったボール保持者がその報復として相手を蹴ってしまう。これも一種の正義でしょう。自己の中に一瞬芽生えた「相手にも同じ思いをさせてやろう」という思いが相手を蹴ってしまうというファウルという形で現れてしまった。もちろん問答無用でレッドカードです。



日本ではこういった光景がしばしば見られます。正しいジャッジをした主審にサポーターが罵詈雑言を浴びせる。彼らにとってみれば正しいジャッジよりも優先されることがあるのです。
そもそも、スタジアムのスタンドから正しいジャッジというのは無理な話です。とりわけ競技規則すら読んだこともないような人たちがジャッジ批判をするわけですよ。ましてや試合を解説する人もまだまだ理解不足な人は多くいます。カリスマアナウンサーとして知られる倉敷保雄さんもまだ理解を深める必要があると言っています。倉敷さんは積極的に競技規則の理解をしようとしている数少ない解説者であると思います。例えば、テレ朝の解説者でおなじみ松木さんやその辺にいそうなヤクザみたいな見て呉れをしている解説者は総じて「ボールに行っているからファウルじゃない」と言います。本当に理解してそのような発言をしているとは思えません。ヴァンフォーレ甲府の城福監督は、甲府の選手が相手GKにライダーキックをして1発退場になった場面で、「ボールに行っているからレッドは厳しい」と激昂していました。







もちろん解説者や監督という立場であるならば、一度は読んだことはあるでしょうが、一度読んだくらいで完ぺきに理解するのは到底不可能です。条文は薄っぺらいですが内容まで薄っぺらいわけではありません。




もちろん僕も審判至上主義ではないのでダメな時はダメだろとは言いますが、日本の審判はそのような場面はあまりありません。ジャッジの精度はかなり高いです。ちなみに言うと今の審判に必要なものはジャッジの精度向上ではなくてゲームコントロールだと思います。選手が熱くなればサポーターも熱くなる。そうなると一つ一つのジャッジは正しくても印象は最悪。雰囲気も悪くなる。皆さん口をそろえて言うクソレフェリーで有名な佐藤隆治さんは実は日本では3本指に入るトップレフェリーであるのですが、彼は試合前からブーイングされます。試合開始時から雰囲気は悪いので当然正しいジャッジでも印象は最悪。彼ほど不遇な審判員はいません。(ACL決勝の審判も頑張ってください。)


ではどうすれば改善するのか。どうすればリスペクトされるような存在になるのか。
これも何度も提案してきましたが、一番やらなきゃいけないのは審判サイドからの情報発信。これは最優先でやらねばならない。まぁ、この選手はどういう理由で警告されたのか程度の情報なら確認することはできるのですが、もっと掘り下げて、例えば「どういう基準で裁いていたのか」とか「判断が難しいグレーなプレーはどのように裁いたのか」など。 
他には、審判資格者による地道な広報活動。有名どころでは、3級審判員の悩める日々では毎日レフェリングについて解説記事をアップしています。ほかにはかつーさんのとりあえずではJリーグの疑惑の判定を取り上げています。また、有料記事ではありますが、石井紘人さんの週刊審判批評でも審判に関する記事をあげています。 おこがましいですが当ブログでもたま~に審判のことについて言及しています。FC東京のこともたまには書こうかな~とは思いますけど…




最後に、最近同じような記事ばっかりですが、日本サッカーの発展のためには審判へのリスペクトは必要な要素です。
まだまだ風当たりは強いですが少しずつでも改善していきましょう。



あ、そういえばさっきも言ったけど今年のACL決勝第2戦に日本の審判団が派遣されました。非常に名誉であり質が高いことの表れですね。頑張ってください。