2015年04月

ゴール裏のサポーターは邪魔者なのか、はたまた…


「応援とは本来、楽しいものです。ゴール裏から雰囲気を変えていきましょう!」(2015年4月25日 川崎vs甲府 試合前決起集会での言葉)

この日ヴァンフォーレは、阿部翔平のフリーキックで名古屋に勝って以来勝ちなし。4連敗で迎えた試合であった。
結果は0-3。正直、今シーズンは本当に降格もあり得ると思った。川崎相手に3失点を喫し試合終了の笛が鳴ったあとの甲府のゴール裏は、あちこちからため息と、(降格する)”覚悟”も垣間見えた。

そんな時、甲府のコアサポーター、HINCHASのコールリーダーがトラメガを握った。
俺がいた場所からはコールリーダーの話をハッキリ聞くことは難しかったが、「今はつらいけど信じるしかない」といった内容のことが話されたようだ。もちろん、試合終了の笛とともにブーイングや監督に対する罵声も聞こえた。しかしそれ以上に選手を鼓舞する声が多かった。言葉が悪いかもしれないが、”降格争い慣れ”しているチームのサポーターは、その辺の中位をうろちょろしているチームたちと一味違う。彼らは、J2にチームと共に降格することを覚悟している。その覚悟の上でJ1という厳しい舞台を戦い、そして歓喜に舞い、いつか散っていく。

この日ともに観戦した甲府サポの友人は、「財政破たんした時の甲府を知っているから、今J1でこの戦力で戦えることが奇跡のよう」と語っていた。彼とJリーグの話をするときに何度もこの話を聞かされるのだが、確かにうなづける話である。
今シーズン、3年連続J1残留の功績者である城福監督が勇退し、前横浜FM監督の樋口監督が後任に就任した。昨シーズンまでの甲府は守って守ってワンチャンスをものにするというサッカーであったが、今年は佐々木や柏、青山など主力が移籍。戦力が大幅に減ったことも今の不調の一因であるのは明らかである。

川崎戦までの甲府を見ると、ハッキリ言ってダントツで降格候補である。そんなチームを後押しできるのはサポーターだけである。降格する覚悟はあっても、現実にしたくないのが本音であろう。降格させないためにサポーターは90分声を出し選手を後押ししなければならない。川崎戦でのゴール裏はとても雰囲気がよかった。あれだけのサポーターがいるなら、選手は恥ずかしいプレーはできない。試合終了間際、自陣でボールを奪われレナトに3失点目を奪われたシーン。とても情けない。せっかく川崎まで駆けつけたのに、90分声がかれるまで応援しているのに、あのような失点はサポーターからすれば眉間にしわが寄っても仕方がない。

目の前でホーム100勝を挙げられた甲府サポの心の中はいったいどんなものだったのだろうか。友人は、最後の笛が鳴ってからずっと悔しいと言っていたし、やはりみんな悔しいのか。
どんなに内容が悪い試合を見せられても、たとえ19連敗を喫しても、そのあとには24試合無敗のようなパラダイスが待っているから応援できるのだろうか。

「怒られるうちが華である」という言葉があるように、応援されるうちが華であるのか。浦和レッズはサポーターが掲げたあの横断幕で1試合の無観客試合という処分が下された。その害は億単位という推測が出ている。サポーターというのは時に害を及ぼすが、なくてはならない存在だ。無論、選手はサポーターの声援を力に変えている。サポーターというのは不思議なもので、負けても負けてもスタジアムに足を運ぶ。それはクラブを愛しているから足を運び、選手にパワーを送り、いつか勝利する日を待っている。害を及ぼしても、返ってくる利は大きいのだ。

25日の川崎戦、甲府のゴール裏にお邪魔して気づいたこと、再確認できたこと、たくさんあった。
甲府のゴール裏はまだまだ戦える。彼らがついている限り、たとえ甲府が降格したとしてもまたJ1の舞台に帰ってくるだろう。いや、まだ今シーズンは終わっていない。まだ降格も決まったわけではない。また機会があれば、小瀬にもお邪魔してみようと思う。 その時は、ぜったい勝ちましょう。FC東京戦以外で(笑)

審判研修会レポート


3級アクティブ審判員の座学研修会が行われるということで、初めて参加させていただきました。ですが、感想等は今回は割愛。簡単に内容をまとめたいと思います。研修では、動画を用いて解説をするというものでしたが、動画が手元にないのであまりイメージが湧きづらいかと思いますがご了承ください。


①危険な方法でプレーする
ハイボールのルーズボールに対して、足裏を見せたチャレンジはボールに触れたかどうかは関係がない。
危険な方法でのプレーとして、主審は間接FKを与えなければならない。もし足の裏が相手競技者に当たれば「相手競技者を蹴る、または蹴ろうとする」という直接FKとなる反則に該当するので、主審は直接FKを与える。その時は警告、もしくは退場もあり得る。

②退場に値するプレー
笛を吹いてから、カードを掲示するまでの一連の主審の動きについて確認。
早く現場に駆け寄り当該競技者にカードを出すなど。方法はいろいろあるが、一番大事なことは競技者やチーム関係者に対する見え方である。主審の権威を落とすような動き(たらたら駆け寄りカードを出す、笛を吹くタイミングが遅れるなど…)をすれば、主審への信頼をなくすことに繋がる。

③笛を吹いた後にプレーをした競技者
[1つめのパターン・注意]
主審が大声で、または競技者を呼び、「笛が鳴ったらプレーはやめましょう」と注意する。
[2つめのパターン・警告]
”注意”と”警告”の違いは、笛を吹いた後のプレーに”意図”があったがどうか。
前者は、ゴール前の混戦でたまたま足に当たってボールが飛んで行ってしまったとか笛が鳴ってから競り合い、ヘディングをしたとか。後者は、笛が鳴ってから数秒が経っており、数歩ボールをコントロールしてインサイドやインステップでボールをゴールに蹴るプレーなど。こういったプレーは警告すべきである。

注意や警告をしっかりすることで、ゲームコントロールがしやすくなる。

④まずすべきは方向指示
笛を吹いた後、まず方向指示のシグナルを忘れないこと。選手が知りたいのはどちらのファウル、どちらのボールであったかということ。明らかなファウル、明らかなスローインでもしっかり方向指示をする。

⑤カードを防ぐための介入方法
後半終了間際で勝利しているチームが交代するときの話。交代される競技者が、歩いてフィールドから出ているときに主審はどのように対応するか。様々な方法があるが、一番に考えるのは主審の勧告を競技者にどのようにして聞き入れさせるか。競技者と主審の距離が離れているときは「はやく出てください!!」とジェスチャーと共に言うか、それでも聞き入れない場合は近くに駆け寄り「早く出ないと警告が出ますよ」と再勧告。それでも出ない場合は「私と一緒に走らないと警告を出しますよ」と再々勧告。ほんの一例なので、ケースバイケースで一番適切なものを判断して行動しましょう。

⑥ファウルを見極めるための視点
アフターでスライディングが相手競技者の足に入ったシーン。
一番に見るところはボールを持っていない競技者。ボールホルダーとは7:3くらいの割合で見る。それは、ボールを持っていない競技者のほうがファウルをする可能性が高いから。



J1第6節 vs広島戦 ダイブかファウルか…


試合内容については割愛します。
次!そう、次だよ!ナビスコ飛ばし~の、リーグ戦はアウェイで山形じゃ!!次勝てばいいんだよ~。

というわけで、この試合広島にかなり決定機を作らされてしまい、負けて当然の内容でした…
そのなかで一つ気になったとこをピックアップしてみます。


前半14分のシーン。


森重のコントロールミスを逃さなかった広島MF柴崎がボールを奪取し、シュートまで持ち込もうとしたところ森重に倒されPKか?と思いきやノーファウルの判定だった場面。

倒された柴崎は笛が吹かれずかなり激昂。しかし、主審の山本さんはいいポジショニングでプレーを監視。
スクリーンショット (119)


で、実際にスローで見てみると…
当該プレーのGIFアニメ―ション

森重の足に引っかかっていないようにも見えます。
ただ、そう断言できるほど強く言い切ることは出来ません。なのでその次のプレー。一番不可解に思ったのは、柴崎が森重のスライディングを回避しようとジャンプした後に、柴崎の右足のつま先が、着地すれば転ぶようにするためなのかゴール方向から横に動いていることです。
無題31

無題3

こうすることで、接触のせいで倒れたように見せることができます(恐らく…)。

山本主審が瞬時にこれを見抜いたとは思いませんが、シミュレーションの判断をされてもおかしくないプレーではあります。

シミュレーションは、大げさに倒れたらそうなるというわけではなく、しっかりとしたポイントが2つあって、
その1つが接触がないにも関わらず、ファールを装って倒れること。
もう1つが、接触を自ら作り出してそれをファールに見せかけて倒れること。

今回のこのケースだと、山本主審は前者に該当すると判断したのだと思います。山本主審のポジショニングからして、森重と柴崎は接触していないということは分かっていたのでしょう。この時点で、PKは取れないのですが、この足の動きも相まってファウルとならなかったのでしょう。

ただ、先述したとおり、柴崎はこの判定に激昂しています。接触が無かったとは言い切れません。また、この判定とは別に、森重はこのような安易なディフェンスをたびたびしてしまいます。広島の決勝点となったシーンも簡単に足で行ってしまい、あっさり浅野に抜かれてしまい得点を許してしまいました。ここは改める場面でもあるのかな、と思います。



結局言いたいのは、この判定はさほど首をかしげるようなものではないということと、それでもまだ議論の余地は残っているということです。私は一番近くで見ていた山本主審の判定を尊重したいと思います。そして、全く別のシーンですが、広島がゴールネットを揺らすもオフサイドになり得点を取り消されてしまったシーンはナイスジャッジでした。その点はこちらのブログに詳細がありますのでお時間があれば是非。




※GIFを貼る方法を教えてくださる心優しい方、教えていただければ幸いです…

不正行為はマリーシアではない。


日本人にはマリーシアが足りないとよく言われる。
マリーシアとは、諸説あるが一般には「ずる賢さ」などと訳されるポルトガル語だ。FWが相手DFの重心をずらして1人、GKとDFのスペースに抜け出し、フリーでスルーパスを受けるようなプレーなどがマリーシアであろう。また、アギーレ体制時に戦ったブラジル戦での一面。ネイマールが靴ひもを結んで日本DFを油断させているうちにいつの間にかネイマールに裏に抜け出されていたというプレーが印象的だった。これもマリーシアなのだろう。

しかし、俺はサッカーの魅力を削ぐようなプレーは好きではない。AFCやJリーグが推進しているAPT(アクチュアルプレーイングタイム)を増やそうとするスローガンに反するプレー、例えばゴールキック時や交代時に必要以上の時間をかけるような行為は淘汰すべきものであると思う。また、主審に見えないようにこっそり相手のシャツを掴んだりするようなプレーは言語道断。もちろんそういうプレーは通常のファウルプレーよりも基準が厳しくなる。こういうプレーはマリーシアではない。
主審に見えなければ何をしてもいいわけではない。それは言わなくてもわかるだろうが、残念ながらそういったプレーはよく目にする。主審としては見えなかったプレーに対して笛を吹くことはできないからどうすることもできない。そういう時に限って「審判よく見て!」と言われてしまう。そうなんだが、一番は姑息なプレーをする選手を咎めてほしい。リーグ戦第3節の神戸vsFC東京の一戦で、カズマが接触もなしに倒れたプレーがあった。本来ならば”接触がないにも関わらず、ファウルを装って倒れた”ということでシミュレーションが適当なのだが、FC東京GK権田のファウルを取られてしまった。無論、PKの判定を下した吉田主審も問題なのだが、倒れたカズマにも問題である。シミュレーションは反スポーツ的であり、スポーツ選手としての弱さというのが垣間見えた瞬間でもあった。

不正行為はマリーシアではない。
カズマは、そのプレーの直後に「GKと接触していない」と主審に申告したそうだが、競技規則的には”選手からの申告”で判定は覆ることはない(ケースバイケースではあるが)。いくら接触を否定しても、そのプレーをしたことには変わりはないし、身体が勝手に倒れるなんてこともない。ほんの一瞬であっただろうが、そういうプレーをしようと決めたのも自分自身だし、結果的に思いとどまることもなかった。そんなことを考えてはいないだろうが、身体が反応してしまった。そこが選手としての弱さである。


一連のプレーだけに、カズマのこのプレーと吉田主審の誤審を一緒くたにして考えてしまうが、問題は別個にあって、我々は吉田主審の誤審ばかりに目が行きがちだが、カズマのこのような悪質なプレーにも追求すべきだと思う。
これは余談だが、西村主審の言葉を借りるならば、よく「審判が裁いた」と言われるが、決してそんなことはなく、審判はただ事象と競技規則をつなぐだけなんだ、と。だから誤審があったときのモノの見方というのは、”なぜ間違った判定をしてしまったのか”という審判への疑問と”どういうプレーであったのか”という選手への疑問の2つの目線から見ることが大事だったりする。


脱線した話を戻すと、マリーシアは「ずる賢さ」と訳される。ある意味では、「ずる賢さ」は「レフェリーを騙す」という意味にもなるかもしれない。しかし、レフェリーを騙すことは反スポーツ的行為である。許されるものではない。選手を騙すのがマリーシアであり、審判を騙すのは不正行為なのだ。同じようで同じではない。そして、決して勘違いをしてはいけない一線でもある。
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