南太平洋に浮かぶ小島……。
地図にものっていないその地域。
美少女を誘拐し、脳を改造して自分たちの性欲の捌け口とする
"美少女木偶"計画を着々と実行している狂集団……。
「外道ロリコンネットワーク」
の本拠地であった。
「隊長!! 無理です、追いつかれますッ」
黒いヘルメットを被り、全身を防弾スーツで覆った
兵士たちの姿があった。
彼らの目前には人成らざる者、異形の者としか言えないような
奇妙な魔物の軍団があった。
一人、またひとり、魔物の手に掛かり兵士は倒れてゆく。
「ひるむなッ 急所を狙え!!」
奇抜な、赤毛の少年の姿がそこにはあった。
「俺様が"星爆撃"で脱皮したムタラ人の成虫を粉砕するッ!
お前たちはまだ成虫になっていない他のムタラ人を
三人一組になって叩け!!」
ムタラ人の成虫は、少年の約二倍ほどの速さで彼に近づいた。
そして、前傾姿勢ながらも頭頂部に生えている鋭い触覚を
振り回して少年に突進した。
彼は皮一枚切らせて触覚の一太刀を回避し、突進の反動で
明後日の方向を向くムタラ成虫に向かって両手をかざした。
左足で立ち、右足は宙に浮かせたまま、少年の両手が
光輝いた。
「死ねぇぇぇぇーーーーッッ」
「星爆撃(スター・バースト)ッ!!」
少年の両手から放たれた星型の物体は、ムタラ成虫の首筋へ
直撃。一瞬で爆発し、ムタラ成虫の頭部は粉々に爆裂した……。
青い血とみられる液体が爆散し、兵士の黒い衣服やメットへと
付着してしまった。
「ふー。さすが夢太郎隊長だ」
3対1とはいえ、ムタラ人の幼虫は強力である。
押される者、不意を付かれ絶命する者などさまざまであった。
一人の兵士が単独でムタラ人の幼虫に突っ込む。
「お前ッ 無茶だ! やめろ!」
無謀な兵士は、左手につけた銃剣から収納式の
対ムタラ人用接近戦ブレードを突き出した。
ムタラ人は二人掛かりで兵士を囲み、腕を鞭打たせて
襲い掛かった。
左から来る触角をスピードと重さが乗る前に左足を
頭くらいまで上げて蹴り上げ受け流す。
右からくるムタラ人の腕をすばやく接近戦ブレードで
斬り落とした。
「グギャァァィィィ」
ブレードを振り下ろした反動で回転し、ムタラ人の顔を
左脚で一回、右足で一回蹴り飛ばし、接近状態から脱出した。
「……」
辺りの兵士たちは驚愕していた。
「な、なんだアイツ……あんなやついたか?
並みのスピードと身のこなしではないぞ」
「……」
寡黙な兵士は、無言で前方を指差した。
そこには大柄で身長が4メートルはある男が仁王立ちしていた。
「夢太郎よ。貴様、組織を裏切るつもりか……」
赤毛の少年、夢太郎は拳を突き上げて叫ぶ。
「隊牙……雅雪!! てめえ、このムタラ人の大群はどうしたんだ!?」
「わからぬか。ムタラ人こそ我々の忠実なる道具よ」
「他の一般兵はどうした!?」
隊牙は、少し下を向きながら目を瞑り、微笑を浮かべる。
「フッ、お前はムタラ人の材料を知っているかね?」
「なに!? どういうことだ隊牙!!」
彼は懐から一枚の写真を取り出す。それは……。
「あ、愛歌……どうしてお前がその写真を……」
「先ほど夢太郎、お前が爆殺したムタラ人」
夢太郎の顔から血の毛が引き、ゆっくりと後ろを向く。
爆散したムタラ人成虫の遺体を恐る恐る確認した。
「こ、このネックレスは俺様が妹、愛歌にプレゼントした
物じゃねえか……」
隊牙がムタラ成虫の前に座り込む赤毛の少年の元へと近づき、
顔を彼の横にくつけて邪悪な笑みを浮かべた。
「ムタラ人の原材料は人間……我々外道LNに連れ去られた
美少女木偶材料にする価値のない少女、使い物にならん兵士、
さまざまだよ」
「う、うぁぁぁぁああああぁぁぁぁーーーーーーーー!!!!!!」
ドガガギャガガッ
隊牙の背中に兵士たちの銃撃が命中した。
しかしそれは貫通せず、地面へと弾が転がってゆく。
寡黙な兵士を中心に、生き残った兵士が陣形を組んでいた。
髭の生えたいかつい、大柄の兵士が叫んだ。
「チィッ、完全に精密射撃が命中したのに!」
もうひとりの華奢で身軽な兵士が続けて喋りだす。
「おかしいですね。この距離で私たち六人の銃撃を
まともに受ければムタラ人幼虫程度なら即死のはずです……が」
動揺する兵士たちをよそに、寡黙な兵士がようやく口を開く。
「…………人間ではない」
隊牙がゆっくりと後ろを向く。そして、猫背気味で兵士たちの
ほうを睨みつける。
「ハッハッハ、ようやく気づいたかね。そう、この隊牙。
肉体を生物兵器として改造しているッ!!
その硬度はムタラ成虫の二倍!! そして、腕力はムタラ成虫の
三倍よ!」
「死ねッッ 暗剣殺(アサシンブレード)ッ!!!」
隊牙は寡黙な兵士に狙いを定め、10本の小剣を一瞬にして
連続で投げた。
「……!」
寡黙な兵士は小柄な体と柔軟性を活かし、二本の剣を回避した。
追撃の三本の剣を対ムタラ人用ブレードと左脚で弾いたが、
一本の剣が利き腕である左手を貫通してしまう。
残る四本が体勢を崩した寡黙な兵士に襲い掛かる。
地図にものっていないその地域。
美少女を誘拐し、脳を改造して自分たちの性欲の捌け口とする
"美少女木偶"計画を着々と実行している狂集団……。
「外道ロリコンネットワーク」
の本拠地であった。
「隊長!! 無理です、追いつかれますッ」
黒いヘルメットを被り、全身を防弾スーツで覆った
兵士たちの姿があった。
彼らの目前には人成らざる者、異形の者としか言えないような
奇妙な魔物の軍団があった。
一人、またひとり、魔物の手に掛かり兵士は倒れてゆく。
「ひるむなッ 急所を狙え!!」
奇抜な、赤毛の少年の姿がそこにはあった。
「俺様が"星爆撃"で脱皮したムタラ人の成虫を粉砕するッ!
お前たちはまだ成虫になっていない他のムタラ人を
三人一組になって叩け!!」
ムタラ人の成虫は、少年の約二倍ほどの速さで彼に近づいた。
そして、前傾姿勢ながらも頭頂部に生えている鋭い触覚を
振り回して少年に突進した。
彼は皮一枚切らせて触覚の一太刀を回避し、突進の反動で
明後日の方向を向くムタラ成虫に向かって両手をかざした。
左足で立ち、右足は宙に浮かせたまま、少年の両手が
光輝いた。
「死ねぇぇぇぇーーーーッッ」
「星爆撃(スター・バースト)ッ!!」
少年の両手から放たれた星型の物体は、ムタラ成虫の首筋へ
直撃。一瞬で爆発し、ムタラ成虫の頭部は粉々に爆裂した……。
青い血とみられる液体が爆散し、兵士の黒い衣服やメットへと
付着してしまった。
「ふー。さすが夢太郎隊長だ」
3対1とはいえ、ムタラ人の幼虫は強力である。
押される者、不意を付かれ絶命する者などさまざまであった。
一人の兵士が単独でムタラ人の幼虫に突っ込む。
「お前ッ 無茶だ! やめろ!」
無謀な兵士は、左手につけた銃剣から収納式の
対ムタラ人用接近戦ブレードを突き出した。
ムタラ人は二人掛かりで兵士を囲み、腕を鞭打たせて
襲い掛かった。
左から来る触角をスピードと重さが乗る前に左足を
頭くらいまで上げて蹴り上げ受け流す。
右からくるムタラ人の腕をすばやく接近戦ブレードで
斬り落とした。
「グギャァァィィィ」
ブレードを振り下ろした反動で回転し、ムタラ人の顔を
左脚で一回、右足で一回蹴り飛ばし、接近状態から脱出した。
「……」
辺りの兵士たちは驚愕していた。
「な、なんだアイツ……あんなやついたか?
並みのスピードと身のこなしではないぞ」
「……」
寡黙な兵士は、無言で前方を指差した。
そこには大柄で身長が4メートルはある男が仁王立ちしていた。
「夢太郎よ。貴様、組織を裏切るつもりか……」
赤毛の少年、夢太郎は拳を突き上げて叫ぶ。
「隊牙……雅雪!! てめえ、このムタラ人の大群はどうしたんだ!?」
「わからぬか。ムタラ人こそ我々の忠実なる道具よ」
「他の一般兵はどうした!?」
隊牙は、少し下を向きながら目を瞑り、微笑を浮かべる。
「フッ、お前はムタラ人の材料を知っているかね?」
「なに!? どういうことだ隊牙!!」
彼は懐から一枚の写真を取り出す。それは……。
「あ、愛歌……どうしてお前がその写真を……」
「先ほど夢太郎、お前が爆殺したムタラ人」
夢太郎の顔から血の毛が引き、ゆっくりと後ろを向く。
爆散したムタラ人成虫の遺体を恐る恐る確認した。
「こ、このネックレスは俺様が妹、愛歌にプレゼントした
物じゃねえか……」
隊牙がムタラ成虫の前に座り込む赤毛の少年の元へと近づき、
顔を彼の横にくつけて邪悪な笑みを浮かべた。
「ムタラ人の原材料は人間……我々外道LNに連れ去られた
美少女木偶材料にする価値のない少女、使い物にならん兵士、
さまざまだよ」
「う、うぁぁぁぁああああぁぁぁぁーーーーーーーー!!!!!!」
ドガガギャガガッ
隊牙の背中に兵士たちの銃撃が命中した。
しかしそれは貫通せず、地面へと弾が転がってゆく。
寡黙な兵士を中心に、生き残った兵士が陣形を組んでいた。
髭の生えたいかつい、大柄の兵士が叫んだ。
「チィッ、完全に精密射撃が命中したのに!」
もうひとりの華奢で身軽な兵士が続けて喋りだす。
「おかしいですね。この距離で私たち六人の銃撃を
まともに受ければムタラ人幼虫程度なら即死のはずです……が」
動揺する兵士たちをよそに、寡黙な兵士がようやく口を開く。
「…………人間ではない」
隊牙がゆっくりと後ろを向く。そして、猫背気味で兵士たちの
ほうを睨みつける。
「ハッハッハ、ようやく気づいたかね。そう、この隊牙。
肉体を生物兵器として改造しているッ!!
その硬度はムタラ成虫の二倍!! そして、腕力はムタラ成虫の
三倍よ!」
「死ねッッ 暗剣殺(アサシンブレード)ッ!!!」
隊牙は寡黙な兵士に狙いを定め、10本の小剣を一瞬にして
連続で投げた。
「……!」
寡黙な兵士は小柄な体と柔軟性を活かし、二本の剣を回避した。
追撃の三本の剣を対ムタラ人用ブレードと左脚で弾いたが、
一本の剣が利き腕である左手を貫通してしまう。
残る四本が体勢を崩した寡黙な兵士に襲い掛かる。
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