少女地獄 (角川文庫)
夢野 久作
角川書店(角川グループパブリッシング)
1976-11-29


この本は短編集で『何んでも無い』『殺人リレー』『火星の女』 の三篇から成る
ジャンルとしては....ミステリに入るだろうか
今日紹介したいのはそのうちの『何んでも無い』

臼杵病院にふらりと
「コチラ様では、もしや看護婦が御入用ではございませんかしら・・・・」
とやってきた少女・姫草ユリ子

姫草ユリ子は無邪気な、鳩のような態度と、澄んだ、清らかな茶色の瞳と、路傍にタタキ付けられて救いを求めている小鳥のようなイジラシイ態度・・・・バスケット一つを提げて職を求めつつ街を彷徨する彼女の健気な、痛々しい運命に、衷心から吸い付けられ、臼杵医師は彼女を採用する決心をした。

また姫草ユリ子は天才的の看護婦で、彼女の持って生まれた魅力は、男女、老幼を超越し、他の2名の看護婦はあれどもなきが如き状態であった。

ところが、
姫草ユリ子がK大で働いていた時に世話になった白鷹医師が臼杵医師の先輩であることから彼女の仲立ちで白鷹医師に会うということになったが、実際に会うと彼女の話に色々辻褄の合わないことがあり、そこで臼杵医師は姫草ユリ子が病的な嘘つきであることを知る。

白鷹医師の妻白鷹久美子婦人の証言
彼女は確かにK大耳鼻科にいた事のある姫草ユリ子と同一人には相違なかった。彼女の看護婦としての技術が、脅威に価すべくズバ抜けた天才的なものであった事も事実には相違なかったが、しかし、同時に、実に驚異に価するほどのズバ抜けた、天才的な虚構の名人であった事も周知の事実であったと言うのである。

 すこし社会的に著名な人物なぞがK大の耳鼻科に入院すると、彼女、姫草ユリ子は彼女独特の敏捷な外交手腕でもって他人を押し除けて看護の手を尽くすのであった。そうしてそのような人々からも一も姫草、二も姫草と言わせるように仕向けないでは措かないのであった。その結果、どうして手に入れたものか、そのような患者から貰ったと言う貴重品なぞを、自慢そうに同輩に見せびらかす事が度々であったという。

 そればかりでない。彼女はそんな身分のある家族の方々のうちの誰かと婚約が出来た・・・・なぞと平気で言い触らしたりなぞしているかと思うと、おしまいには、やはりズット以前に入院した事のある映画俳優か何かの胤を宿したから、堕胎しなければならぬ・・・・と言ったような事を億面もなく看護婦長に打ち明け(?)て、長い事病院を休む。そのほか医員の甲乙と自分との関係を自分の口から誠しやかに噂に立てる・・・・と言った調子で、風儀を乱すことが甚だしいので、とうとうK大耳鼻科長によって退職の処分をされる事になったという。

 しかし以前からメソジストの篤信者であった白鷹久美子夫人は、かねてから彼女のそうした悪癖に対して一種の同情を持っていた。そうして彼女の才能と行末を深く惜しんだものらしく、彼女が首になると同時に自宅に引き取って、あらん限りの骨を折って虚構を吐かないように教育した。キリストの聖名によって彼女の悪癖を封じようと試みたものであった。

ところが、それが彼女に取っては堪まらなく窮屈なものであったらしい。とうとう無断で家を飛び出して行方を晦ましてしまった。
困った臼杵医師は同窓の新聞記者に相談し、
新聞記者から「そんな奇妙な人間はそこいらで地下活動をやっとる赤の活動ぶりソックリ」と特高課長を紹介される。

特高課長の証言
「郷里は裕福というお話でしたが、電話と電報と両方で問い合わされたところによりますと、実家は裕福どころか、赤貧洗うが如き状態だそうです。何でも直ぐの兄にあたる二十七、八になる一人息子が、家土蔵をなくするほどの道楽をした揚句、東京で一旗上げると言って飛び出した切り、行方を晦ましているそうで、年老った両親は誰も構い手がないままに、喰うや喰わずの状態でウロウロしているそうです。勿論あの女・・・・何とか言いましたね・・・・そうそうユリ子からも一文も来ないそうで、お話の奈良漬の一件や何かも彼女の虚構らしいのです。姫草ユリ子という名前も本名ではないので、両親の苗字は堀というのだそうです。慶応の病院へ入る時に自分の友人の妹の戸籍謄本を使って、年齢を誤魔化して入ったと言うのですが、その堀ユミ子が十九の年に、兄の跡を逐うて故郷を飛び出してからモウ六年になると言うのですから、今年十九という姫草の年齢も出鱈目でしょう。自分では二十三だと頑張っていましたがね。むろん女学校なんか出ていないと言う報告ですから、ドコまでインチキだか底の知れない女ですよアレは・・・・」

臼杵医師と妻の会話
「あたし・・・・あの娘が病院の廊下に立ち佇まって、何かしらションボリと考え込んでいる横顔を、この間、薬局の窓からジイッと見ていた事があるのよ。そうしたら眼尻と腮の所へ小さな皺が一パイに出ていてね。どうしても二十五、六の年増としか見えなかったのよ」
「ふうん。何だか話がモノスゴクなって来たね。姫草ユリ子の正体がダンダン消え失せて行くじゃないか。幽霊みたいに・・・・」
「そればかりじゃないのよ。その横顔をタッタ一目見ただけで、ヒドク貧乏くさい、ミジメな家の娘の風付きに見えたのよ。お婆さんじみた猫背の恰好になってね。コンナ風に・・・・」
怪談怪談。妖怪エー・・・・キャアッと来そうだね
「冷やかしちゃ嫌。真剣の話よ。つまり平常はお化粧と気持ちで誤魔化して若々しく、無邪気に見せているんでしょうけど、誰も見ていないと思って考え込んでいる時には、スッカリ気が抜けているから、そんな風に本性があらわれているんじゃないかと思うのよ。」
「もうすこし常識的に考えたらどうだい。第一、あの娘がだね。姫草ユリ子が、何の必要があってソンナ骨の折れる虚構を巧謀むのか、その理由が判明らんじゃないか。作り事にしては相当骨が折れるぜ。況や俺たちをコンナにまで欺瞞す気苦労と言ったら考えるだけでもゾッとするじゃないか」
「・・・・あたし・・・・それは、みんなあの娘の虚栄だと思うわ。そんな人の気持、あたし理解ると思うわ」
「ウップ。怪しい結論だね。恐ろしく無駄骨の折れる虚栄じゃないか」
「ええ。それがね。あの人は地道に行きたい行きたい。みんなに信用されていたいいたいと、思い詰めているのがあの娘の虚栄なんですからね。そのために虚構を吐くんですよ」

自分は現実に姫草ユリ子にそっくりな人を知っていて、彼女は在日朝鮮人で耳の後ろに縫い目があった
姫草ユリ子も鼻の整形をしている

初めてこの小説を読んだ時には病的な嘘つきの有り様に心から寒々としたが、
韓国を多少調べたりした今となっては自称従軍慰安婦婆の話とあまり変わらない
朝鮮人であれば特に珍しくもない人物像が日本ではミステリ小説になる
例→算数が出来ない・・・・ 

日本人から見れば彼らの存在は怪談同然
狂気の中に生きる人達である 
餓鬼
泣く子は餅を一つ余計にもらえる

(そして赤は昔から得体のしれない人達だったw) 

参考 『悪韓論』より 嘘吐き大国は≪外華内貧≫