2016年03月30日

いわき市の人事について

DSCN8565 いわき市の定期人事異動が内示された。資料を見て感じるのは組織、名称を容赦なく改編すること。これは清水市政の特徴の一つだろう。
 昨年は新しく「こどもみらい部」をつくり、今回も「行政経営部」を「総合政策部」、「商工観光部」を「産業振興部」に変更、新たに「文化スポーツ交流室」と専任組織としての「観光交流室」がつくられ、2つの室を統括する「特定政策推進監」のポストが設けられた。さらに、芸術文化交流館長と市立美術館の副館長を兼務させる人事を行い、市長部局と教育委員会の壁を取り払った。それが特筆される。

 そもそも、文化とスポーツは教育委員会の所管なのだが、清水市長になってから、その縦割り的な仕組みを取り払う試みを続けている。そこには文化、スポーツ、観光を3つの柱として力を入れていきたい、という意図が見える。「文化スポーツ」と「観光」、2つの室を部から離し、それを統括する推進監に直接指示できる体制をつくったことで、狙いが明快になった。
 芸術文化交流館長(アリオス)と市立美術館副館長の兼務人事も、アリオス、美術館、文化センター(中央公民館)を一元化するためのものに見える。人的配置をみても、その意図が明らかだ。

  もう1つ、女性の登用。これは適材適所というよりは、「清水市政は女性を登用しています」という、対外的なアピールに思える。もちろん、女性管理職を増やすにはそれなりに経験を積ませる必要があるし、役職が人間を育てるという面は確かにある。とはいえ、基本は管理職としての能力であり、人間としての評価だろう。それを熟考したうえでの人事なのか、疑問が残る。市長の独りよがり的パフォーマンスの感は否めない。女性には女性としてのいい面があるのは確かだ。メリットとデメリットを考えたうえでの健全な判断が求められる。女性管理職増やすことを人気とりの材料に使ってはいけない。

 市役所を取材していて気になることがある。職員の質のばらつきだ。担当部署に行ったり電話をしても、直接答えが返ってこない。時間をおいて調べ直す、ということが多々ある。それは仕事に対する取り組み方の浅さに他ならない。
 それを考えると、どうやってモチベーションを高めるか、が重要になってくる。人間関係がうまくつくれずに心を病む職員も多い。いま必要なのは、職員研修のあり方を見直し、それぞれの部門で市民のために生き生きと働けるようにすることではないか。
 市職員が向くべき方向はどこなのか、職員研修所はなんのためにあるのか、それを考えなければならない。低いノルマだけこなし余計なことをしたくない職員が、増えることを危惧する。


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