顔面移植成功

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100708-00000609-san-int

昔、フェイス/オフという映画があった。顔面を取り替えて凶悪犯とFBI捜査官が戦うという内容だった。顔面というのはその個体を認識する上で大変重要な要素を占める。また、顔面に備わる形態的特徴はもちろん機能的特徴は非常に複雑であり、摂食、呼吸、感覚器官をはじめ、生命活動に欠かせない器官が多数存在している。今回の顔面移植では皮膚感覚、涙腺、毛根の類もそのままの機能を維持しているようであるので、これは大変に有意義な結果と評価される。

顔面運動を担う表情筋の数は30を超え、それらの機能に欠かせない顔面神経が各領域に枝分かれ、はりめぐっている。唾液分泌、涙液分泌、感覚機能それぞれを固有の神経が司っており、物を見る、その当たり前の行為だけで眼球運動を行う動眼・滑車・外転神経と、瞼を開ける顔面神経が関わってくる。どれが欠けても障害が出る。

また、これだけ広範囲にわたり移植皮膚の生着を良好に保つには血管の縫合も各部位完璧に行わなければ難しい。私も、遊離皮弁移植や皮膚移植のオペ後は30分間隔、1時間間隔と当直の間中ドップラー検査や皮膚温測定を行っていた記憶がある。顔面再生については様々な機関で試みが行われているが、今回の移植成功例に始まり更に治療法の幅が広がってゆけばこの上ない。