朝日出版社営業部(橋)のサケブログ/書店訪問日誌

朝日出版社営業部・酒部に所属している(橋)による、書店訪問日記です。
本屋さんに行くことと安酒を飲むことがライフワークです。
書店イベントにも足しげく通っていますので、そちらもレポします。
【命題】継続は力。非道に生きる。

夏が終わってしまった。秋風五丈原。

朝日出版社(一般書)メルマガ第10号を配信。50号100号1000号と積み上げていきたいね。

いつものお願いですが、配信登録をなにとぞ。英語雑誌をプレゼントなる豪気な企画もあります。
◆編集部リレーコラムが充実! 朝日出版社メルマガ

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今号のコンテンツはこちらです。

■書評掲載情報
■今号のイチオシ電子版
■編集部リレーコラム1(第二編集部)
■書店フェア、好評開催中!
■編集部リレーコラム2(第五編集部)
■イベント情報
■あとがき(編集後記)

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■書評掲載情報

○『誰のために法は生まれた』木庭顕 著

○『折る土偶ちゃん』譽田亜紀子 著/COCHAE 折り紙

○『神様の住所』九螺ささら 著

○『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』川添愛 著

○『赤毛のアン』ルーシイ=モード=モンゴメリ 作/岸田衿子 訳/安野光雅 絵


■今号のイチオシ電子版


作者のレーモン・クノーは、1903年生まれのフランスの詩人かつ、小説家。
彼が一躍有名になったのは、1959年の小説『地下鉄のザジ』がきっかけでした。

翌年にはルイ・マルによって映画化され、フランス映画のヌーヴェルヴァーグ運動の先駆けになった作品と言われています。

そして、彼のもう一つの代表作が、この『文体練習』。
ある男が同じ人物を一日に二度見かけるという単純な物語を、99種類の異なる文体で描くという試みで、
その斬新な文学的実験が大いに注目を集めました。

この背景には、創作の源泉として数学に関心を抱き、フランス数学会にも会員登録していたクノーの数学、
あるいは数そのものへのこだわりがあったようです。

本書が高く評価されているのは、原本におけるクノーの発想のすごさはもちろんですが、
朝比奈弘治さんによる翻訳の素晴らしさにもあります。

あとがきで、「クノーの原文に導かれたわたし自身の文体練習の試み」と自ら語っているように、
原意を損なわずに日本人にわかりやすい表現を追求した日本語の巧みさは、
翻訳出版されてから22年を経た今もなお、輝きが衰えることはありません。

「前人未到のことば遊び」をぜひ一度味わってみてください。


■編集部リレーコラム1(第二編集部)

こんにちは。まだまだ暑いですね。第二編集部の大槻です。
『誰のために法は生まれた』は、刊行から10日ほどで重版が決まりました。
(どうもありがとうございます)

『誰のために法は生まれた』は、 劇というものの根本に迫るようなお話もしているので、映画・お芝居が好きという方に、
読んでいただけたら、きっと、ああ、そうか、そうか、と頷くところが、たくさんあるんじゃないかなあと思っています。
(もともと、特別授業を開いていただいた桐蔭学園を知ったきっかけも、
演劇部が頑張っている学校がいいな、ということで探していて、でした。)

私もその影響で、なんか面白そうなお芝居がかかっていたら積極的に見に行こう、と思うようになりました。
それで、いま東京芸術劇場でやっているハイバイの『て』を見てきました。

劇団主宰の岩井秀人さんの家族の物語を演劇にした、私小説ならぬ私戯曲で、岩井さんのインタヴューの言葉をそのまま引用すると、
「家族が久しぶりに全員集合し、団欒を持とうとするも大ゲンカになり、結局わかりあえない」というお話です。

はじめに、男性(浅野和之さん)が出てきて、携帯電話の電源をどうか切ってくださいね~、という前口上を述べ、そのまま、
じゃあはじめるか、という感じでパッとかつらをかぶって、お母さん役をはじめるんです。

そのうち、お父さんが暴君であったことが明らかになるんですが、でも、このお母さんがすごいコミカルで、終始、笑いが絶えません。
やがて家族のあいだで緊迫したムードがどんどん高まっていって爆発するわけですが…
この高まっていくときの会話が、なんかもう、すっごいリアルで。
深刻なんだけどバカバカしくて、会場から、笑い声とすすり泣きが同時にきこえてきます。

私はちょっとだけ「ヤンヤン 夏の思い出」を連想しました。
(「ヤンヤン」は静かな映画なので、雰囲気とかはだいぶ違いますが。)
ある家族の「自分の視点からは見えないもう一つのドラマ」を、彼らの結束点でありながら、その外にいる、いまそこを去りつつある祖母と、
その入り口にたつ少年とを軸に、描いていく作品だからです。

『て』で描かれるのは、ある種の、昭和の父母の典型だなあって思うんですが、
そのほかに、兄姉と弟妹の性格の違いもみどころです。
きょうだいがいる人は、多かれ少なかれ、あ~もう、上ってこうだよな、
下ってこうだよな、と思い当たるところがあるのではないでしょうか。

個人的には、先月、101歳の祖母が亡くなってお葬式にいってきたところなので、
見ているあいだ、祖母のことを思い出したり考えさせられたりしました。
祖母はまちがいなく、それぞれに暮らす人々が一堂に会する唯一の動機でした。

いったい家族ってなんなんですかね、ECDさんの『他人の始まり 因果の終わり』を読んだときも、思ったのですが、
波打ち際の砂のように(?)、ここに描かれたような家族のかたちは消えていくのかもしれないな、とか、
ぼんやり、思ったりします。

ではでは、残暑、乗り切っていきましょう!

追伸:『誰のために法は生まれた』に関連する古典作品を集めた選書フェアもおこなっています。
木庭先生が書いてくださった付録の小冊子を配布いたします。フェアを開いていただける書店さん、大募集中です!


■書店フェア、好評開催中!

○『誰のために法は生まれた』刊行記念・選書フェア

◯3人の研究者たちが深く楽しく案内する「“学びを促す”本たち」フェア
言語学とAI、変形菌の世界、動物行動学と心の進化学び……
それらに軸足を置きながら知識の領域を広げていくような本がたくさんです。



■編集部リレーコラム2(第五編集部)

第五編集部の綾女です。先週、北京国際ブックフェアに出張してきました。

朝日出版社の本の版権を中国の出版社に売ったり、その逆に中国の出版社の版権を買ったりするミーティングに参加するためです。
昨年の一般を含めた来場者は30万人との発表があります。

北京中心部から電車で30分ほど、郊外にある幕張メッセのような会場に広大なフロアが8つ、
大きくは中国の出版社のフロアと海外のそれに分かれています。

中国の出版社は四川省や吉林省など省ごとに分かれていて、大きな「出版集団」の下に小さなインプリントが
いくつも軒を連ねるのが基本的なスタイル。

中国ではISBNを発行=つまり本を出版できるのは国営の版元のみで、民間の版元が本を出版するためには
前者と提携する必要があります(なので「独立出版」は違法)。

特に売れる本のジャンルはビジネス書や自己啓発書(セルフヘルプ)や実用書のようですが、近年は人文社会科学系の専門書、
しかも「読書した感」を味わえる、分厚ければ分厚い本ほど良い、という選好もあるようです。

そんな中国市場を見越してか、日本から出展している出版社も東京書籍や医学書院など、
専門書・教科書・実用書系の版元が目立ちました。

そのほか、過去に行った(国際ブックフェアの中では最大の)フランクフルトと比べてみて感じる違いは……

・ブースのデコレーションにお金も気合も入れまくっている 
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・北京の街と同じで不必要に歩かされている気になる(あり余るスペース感)

・トーク会場からそこはとなく滲み出る結婚式場感 
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・思いがけず立ち現れるゆるゆるすきまスポット 
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・国(共産党)の押し本がやっぱりベストポジション 
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といったところでしょうか……。

ふつう出版社ブースのテーブル席は版権交渉の真面目なディールの場となるのですが、お国柄か、
弁当やお菓子やコーラがわんさか盛られて資料も置けない、知らないおばちゃんがなんとなく
日常カフェ使いしている(たぶん)、といった光景も見られます。

そんな会場の最果てで面白いと思ったのはモンゴルの出版社のブース。

おそらく児童向けのヴィジュアル本シリーズでしょうが、斬新なレイアウトで家畜の解体を
幼年期の脳に向けてなかなかハードコアに教育しています。
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展示品なので買えなかった(週末の一般公開日に買える)のですが、1万円積んでも買うべき逸品だったと激しく後悔しています。


■イベント情報

 「一箱古本市」の不忍ブックストリートによる、本好きも地域の方も楽しめるブックイベントが本年で3回目の開催となります。 会場は駒込の養源寺境内。木が茂るなか、たくさんの本が並ぶさまはとっても素敵です。ぜひ今からご予定ください! 


■あとがき(編集後記)

営業部の橋本です。

8月の終わりが目の前で、たまらなく寂しい気持ちになっています。
夏のあいだに読もうとしてたのに手が出なかった本があれもこれも浮かんで、ため息。

仙台の本屋さんに教えてもらってレジ打ちしてもらった『ドエクル探検隊』、
神保町の三省堂さんで見かけてひと目惚れした『奥のほそ道』(まだ買えてもいない)、
吉川浩満さん新刊『人間の解剖はサルの解剖の鍵である』(これは明日代官山蔦屋書店さんでのイベントに参加できる)、
気づいたら川添愛さん新刊『コンピュータ、どうやってつくったんですか?』が発売になっている、
ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』は買いたくて読みたくて手が震えてくる……。

そんな夏の終わりです。暑さはまだもう少し続きそうですが。

『最初の悪い男』は新潮クレスト・ブックスシリーズとしての刊行ですが、現在・神楽坂la kaguにて
「新潮クレスト・ブックス」展が開催されています。(HPによると、9月9日まで)

壁面にずらりと並ぶさまは壮観で、海外文学の奥行きや底知れない魅力を体いっぱいに感じることができます。
また、当たり前のことなんですがデザインや紙質というものも大事だなと一冊一冊を手にして、
全体を見まわしてあらためて思いました。

小社も努めていきたい。夏から秋へ、日々。

 * * *

朝日出版社メルマガ第10号、最後まで読んでくださりありがとうございました。
ご意見やご感想などお寄せいただけると励みになりますので、よろしければ以下アドレスまでお願いいたします。
 → info@asahipress.com

暑い夏が好きだから、今年はだいたい上機嫌でいる。まぁ、ちょっと暑すぎる気はさすがにしているけれど。

こないだ武田砂鉄さんも日経MJのコラムで書いてたけど、「不要不急の外出はお控えください」っていうアナウンスはあんまり嬉しくないなと思っている。

外出はしてもええやん。「外出の際は、大きめの帽子をかぶり、日傘を差して日焼け防止にアームカバーなど工夫ください」のほうがぜったいよいと思うよ。

無理しちゃあかんしってのはわかるけど、なんつーか、暑いから外出すんなって激しく違うと思うのよね。緊急搬送増えて、救急隊員たいへんでってのはわかるけど、、、

なんでこんな枕になったのか。

8月25日。もう日付変わっとるが、まぁ。下の子がすぐ傍ですやすやしていて、生まれた時からずっと天使だなと思う。ほんで頭をさすってみるとめっちゃ汗かいてる。冷房26度設定なのに……やっぱ今年の夏はモンスター級なのか。うぅん。

サケブログにつらつらするのひさしぶりで、入り口をうろうろしてしまう。このままお店の中入れんくて、過ぎ去ってしまう可能性もある気もしている。その際は、その際。


や、本の話がしたくて。冠も「出版社の営業職であること」としているし。
2014年5月にアップした「出版社の営業職であること」エントリー。一連、2016年12月の「RE:RE:RE:RE:出版社の営業職であること」まで延々と書いていたんだな。

「言葉を届けるということ」として、娘への思いから仕事の可能性まで綴ったエントリーもそういえばあったなと思い返してみて。

いつも一番に気にかけてくれていたのは、大先輩である岩田さんであった。ひょっとしたらだけど、タイプは違えど、昔の自分を見ているように、岩田さんが俺のことを見ていてくれたのかもしれないなと思うこともある。

こんなん、今だからしか言えないし、ていうか、こんなん思わなくなったのは岩田さんがなにも言わずに隣の部屋に行っちゃったからだし、なんなんと思う。

もうじき、2年だ。36歳→37歳の本年、2年なんて吹けば飛ぶようなものだけど、この2年はあまりにいろいろあった。岩田さんが亡くなったのなんて、喪失感を考えると、もう、ずっとずっと昔に感じてしまう。

いいこともあったよ、たくさん。敬愛する、憧れでしかなかった書店員さんとごはんを食べられる関係性になれたことや、書き手の方々にイベントなどでお会いできるようになったこと、知らない街に行って、いろいろな人に出会えたことなど。

本もたくさん読めてる。深く心に残る、滋養となる本にたくさん出合えている。なによりのことと思う。

あいもかわらず、言いたいことはなにもない。言えることもなにもない。言葉を交わさずとも、交感できるコトバがあったらええんやろうなと思う。それはまるで、松本城の近くに、や、松本の街ぜんたいに、どこでも、水が流れていて、蛇口的なものがあって、蛇口っつうか、まぁ水が流れていて、それを岩田さんと横目でみて、目を合わせてうなずいて、コンビニに向かって黒霧島とプラカップを買う、そんなコトバっていうかさ。

笑っちゃうよね。呆れる話だと思う。だけど、岩田さんとはいつもそうだった。

岩田さん、そういうの好きじゃないのは知ってるけど、来月出る本に寄稿したんだわ。

横浜の出版社・三輪舎さんから出る、『本を贈る』っていう本だよ。
藤原印刷さん、久禮さんも寄稿しているから、岩田さん応援してくれるかな。僕のとこでは、「岩田さんのこと」として岩田さんとのことを具体的に書いているから、ぜったい無視されただろうなーって思っている。

たぶん、僕も会っても言及しなかったと思うけど。お互い、なんなんだろうね、この関係性。

結局、岩田さんとは関係性に名前がつかなかった。でも、今の今になって、すぱんと名付けられる、納まる関係性だけじゃないものにこそ奥行きがあるんだよと自分で思った。なんか降りてきた。

そだな。大先輩だし、ちょっと背伸びしたら盟友だし、まぁ知人だし、ときに友達だったし、恩人だし、お兄ちゃんであったし、岩田さんだったな。岩田さんは岩田さんだ。

10月12日は、お墓参りに行きたいな。お墓に、もう入っているのかな? なにがいいかな、じゃがりこと、スーパードライと、黒霧島と、真澄を持っていこうかな。



いつもいてくれてありがとう。隣の部屋に行ってからは、敬語を使う気にあんまならんくて、許してほしい。岩田さん、いつもありがとう。

『本を贈る』、すごい良いんだわ。めっちゃ応援してほしい。ご両親には、ちゃんと送るからね。
英治のみんなには、みんなは有隣堂か代官山蔦屋で買ってくれるでしょう。ばーちーは、五冊買ってほしいし、というか千葉さんは五冊買ってな。

岩田さん、みんな日々過ごしているよ。変わりながら、移ろいを受け入れながら、わからん、じたばたしながらかもだね。過ごしている。

空を仰ぐと、大先輩の横顔と、背中が浮かんで。

いつもありがとう。

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暦のうえではオーガスト。でもハートはノベンバー。

台風ですね、サンサンだと? きっぱり申し上げたい。どうか、お引き取り願う。

夜に柴崎友香さんと滝口悠生さんに下北沢でお会いできるので、うかれまくっています。ひゃっほい。
◆柴崎友香×滝口悠生 「IWPに参加して、アメリカで考えた11のこと」 『公園へ行かないか? 火曜日に』(新潮社)刊行記念

いやすみません。朝日出版社(一般書)メルマガ、第9号をまもなく配信します。配信件数が伸びずにかなしみの(橋)なので、せめてとサケブログにアップ。

めっちゃURLあるけどリンク貼っとらんやないかふざけんな的な向きもわかるのですが、なにとぞ配信登録をぜひ。配信されるメールでは当然リンクでいろんな棚写真が見られますので。

ぜひ皆さま!! 配信登録いただけるときっといいことがあります。(なにも言っていないに等しい)
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朝日出版社メルマガ 第9号(2018/08/08発行)
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月刊誌『CNN ENGLISH EXPRESS』関連の英語メルマガとあわせて、お読みいただけますと幸いです。
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今号のコンテンツはこちらです。

■重版出来!
■イベント情報
■今号のイチオシ電子版
■編集部リレーコラム1(第五編集部)
■書評掲載情報
■編集部リレーコラム2(第五編集部)
■書店フェア、好評開催中!
■あとがき(編集後記)

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■重版出来!

『誰のために法は生まれた』 ☆2刷!(8月10日出来予定)
木庭顕 著

全国各地の書店で大きく展開いただいています。感謝です!
・東京堂書店神田神保町店さん
DjaiUYXU8AAg24m

・ジュンク堂書店難波店さん
DjedRPIV4AExijm

・慶應義塾生協三田書籍部さん
Djkl43lUUAALNCX


■イベント情報

○8月24日(金)縄文ナイト in 千駄木~「縄文展」が100倍おもしろくなる!
譽田亜紀子さんトークイベント@往来堂書店さん


■今号のイチオシ電子版

加藤陽子 著(2017年8月10日配信開始)

酷暑が続くなか、今年もまた、73回目の終戦記念日がやってきます。

本書は、「満州事変とリットン報告書」「日独伊三国軍事同盟」「日米交渉」という、
日本が戦争までの歴史を決めた三つの交渉を、高校生とともに考えてゆく6日間の講義録です。

先日5日には、大学で教鞭をとる加藤陽子先生がTBSテレビ『終戦スペシャル「学徒出陣~大学生はなぜ死んだ?」あの戦争を忘れない…』の
特別番組に出演。

国はいかに大学生=学徒たちを動員したか、そこにあった国策とは何だったのか……。
関口宏さん司会のもと、当時の学徒たちと同じ年代の現役大学生36人とともに、“あの時代”の意味を考えていく番組でした。

かつて日本は、世界から「どちらを選ぶか」と三度、問われたにもかかわらず、より良き道を選べなかったのはなぜなのか。

当時の人間に見えていた世界を再現し、最適な道を見つけるにはどうすればよかったか――。
本書を通じて、ぜひ立ち止まって考えてみるきっかけにしてほしいと思います。


■編集部リレーコラム1(第五編集部)

第五編集部の仁藤です。

記憶はいつも脳の中でつくられてしまうから記録は必ず取るようにしている。
そんなわけでノート及びスクラップブックは10代後半から100冊以上になる。
読み返してみる、そんなこともあったのかと自分がほんとに経験したのかあやしい気分になってくる。

10年間憧れ続けて、1988年に入社。1984年の私のスクラップブックには、社の三八広告を張り付けてあった。
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入社して、第一編集部(フランス語学テキスト・辞書編集)、第二編集部(人文書編集)、ブックマン社編集部(実用書・一般書編集)と、
3つの編集部を経て第五編集部を任せられるようになった。

編集を担当し、「特に印象深く、記憶に残る本は?」と言われたら、社の35周年企画として同時に3冊を刊行した
【ロマン・ブック・コレクション】が挙げられる。
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このシリーズは、1994年に渋谷BEAMギャラリーで開かれた写真家・稲越功一さんの個展『美しい夏』がきっかけで生まれた。

写真展は、当時としてはかなり新しい試みのデジタル写真展だった。
稲越さんに本にできないかと相談すると、写真だけの写真集はおもしろくないので、作家とのコラボレーションにするといいということで、
三人の作家の名前が浮かんできた。

その一人が鷺沢萠さんで、展示された写真をマックに取り込み、スライドショーで何度か見ていただき、一篇の小説を書き下していただいた。
その作品が『奇跡の島』。

もう一人のコラボレーションのお相手として企画にあがったのは村上春樹さんで、フランスで刊行された稲越さんの写真集に掲載された
村上さんが書かれた写真論のテキストを、坂川栄治さんに詩集のようにデザインしていただきできたのが、『使いみちのない風景』。

当時、村上春樹さんはアメリカにおられたので、表紙のデザインからゲラについてのご返事まで電話でいただいた。
すべての了解をいただけたときのうれしさといったらなかった。

シリーズ3作目のマルグリット・デュラスの『娘と少年』は、稲越さんが二人のフランス人の少年と少女をモデルに起用し、
まるで映画のワン・シーンを撮影するようにつくり込んでいただいた。

後に島田雅彦さんと稲越さんにつくっていただいた『感情教育』もこの方法がとられている。

これらの本が刊行された1994年からもう24年の月日が経っている。

会社も2019年、創立60周年を迎える。

私自身は、これから、「これまでにない、こんな考え方、ものの見方があったのか!」と感じられるような、
“記憶に残る本”を創っていけたらと考えている。

本は次の時代への大事な“場”になるだろう。この場から新しい様々な何かが生まれてくるだろう。

アイデアがあったらどしどしお寄せ下さい。世界中から募集しています。


■書評掲載情報

○『神様の住所』九螺ささら 著
『anan』No.2113にて、「She is」編集長の野村由芽さんにご紹介いただきました。
『週刊新潮』8月9日号にて、大竹昭子さんがご書評くださいました。
8月11日付・朝日新聞読書面にて書評掲載予定です。

『先史学者プラトン』 メアリー・セットガスト 著/山本貴光+吉川浩満 翻訳/序文 國分功一郎
WEBRONZAにて、編集者の松本裕喜にご紹介いただきました。


■編集部リレーコラム2(第五編集部)

第五編集部の平野です。

先日、日本最大の読書会「猫町倶楽部」主催の山本多津也さんにお誘いいただき、担当した『家族無計画』著者の紫原明子さん、
批評家の大澤聡さん、大物著述家、音楽批評家と太陽の塔に行ってきました。

前夜まで東京で縄文イベントがあったので、朝4時半起き始発の新幹線です!

万博記念公園は遮るものが何もなく皮膚が燃えそうな暑さでしたが、塔のなかは美術館として整備され、クーラーもしっかりと効いていました。

どうしてか撮影不可なのでご想像にお任せしますが、太郎らしくサイケに生命が表現されていました。
塔の「腕」の内部もちゃんと見れます!

公開期限はないようなので、ぜひ行ってみてください。中には巨大なみみずく土偶オブジェもありますし、近くにはみんぱくもあります。

その後ごはんを食べながら3時間くらいおしゃべり。とくにみんなが食いついたのが「バ美肉おじさん」の話です。

美食家のおじさん……ではなく、「バーチャル美少女受肉おじさん」の略で、美少女VTuberの中の人が「おじさん」。

しかもそれを公言しているんです(VTuber=3Dキャラを使って動画配信をすること。ユーチューバーのアバター版で、中の人がアテレコ)。

受肉=美少女の肉体を得るというのが語源。じゅにく……禍々しい響きですが、これがぐいぐい来てるらしい。

当人がおじさんなので、視聴者(=おじさん?)が求める美少女像を演じられるのが人気の秘密なんでしょうか?
(詳しい解説+分析はこちら

バ美肉おじさんに「本気で」恋してる男性も、紫原さんの身近でリアルにいるとか。
実際に見てみると、声はもちろん変換されてるんですが、加齢臭を感じさせずびっくり。

いまの高校生以下はテレビよりユーチューブだと言うし、ここが最前線なのかも!(違ったらすみません)

インターネットと書籍、うまく役割分担して共存していきたいものです。

電書では成立しない「土偶おりがみ」の本も、よろしくお願いいたします。


■書店フェア、好評開催中!

◯3人の研究者たちが深く楽しく案内する「“学びを促す”本たち」フェア
言語学とAI、変形菌の世界、動物行動学と心の進化学び……
それらに軸足を置きながら知識の領域を広げていくような本がたくさんです。
・東京大学生協本郷書籍部さん
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・三省堂書店神保町本店さん
Djk0afHVAAA3d20

・サクラ書店ラスカ平塚店さん
DjqZgyCU0AAIzuZ

○「終戦から73年。講義の中で戦争を生きる」フェア
・くまざわ書店 武蔵小金井北口店さん
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○スタンダードブックストア心斎橋さん、『柴崎友香の本棚』


■あとがき(編集後記)

営業部の橋本です。

先週末はひさしぶりにゆっくり時間をとれたので、下の子と一緒に京成本線で志津へ行ってきました。

目的は、本屋さんと、スーパーと、インドカレー。

改札を出て徒歩12秒ほどで店内空間に入れる、ときわ書房志津ステーションビル店さんでは、
現在「第4回 ときわ志津佐倉文庫」が開催中です。

店舗スタッフや出版社、駅ビル同フロアの美容室店長さん、駅近くのクリーニング屋さん、図書館司書さん、
ゆかりのある作家さんなどなど……総勢71人が「愛」をテーマに文庫をセレクト。

コメントPOP付きでずらりと並ぶ様は壮観です。購入特典のガイドブックレットの充実ぶりは驚くほど。

ときわ書房さんをあとにして、同フロアのスーパーへ。かごをぶらぶらさせながら野菜や肉などを物色。
お買いものはいつも楽しいですね。

「おなか空いてきたー」と子どもの声を合図に、駅南口へ出て徒歩2分半。
店長のとびっきりの笑顔が嬉しい、インドカレー屋・サティーへ。

いろんな種類食べたいよねと、チキンカレー、マトンカレー、キーマカレー、本日のカレー(小松菜のスープカレー)を中辛でお願いします。

前菜もラッシーも美味しく、焼きたてのナンとサフランライスでおなかいっぱい。

この日は足を延ばしませんでしたが、駅から徒歩15分の志津図書館もお勧めです。
とても意欲的な図書館員さんがいらして、新しい取り組みもたくさん。

ぶらり途中下車の旅的なあとがきになりましたが、現在ときわ書房志津ステーションビル店さんで
配布中の「ときわ志津通信」8月号の「志津へようこそ」に拙文を掲載いただいています。

夏休みに志津の街ぶらり歩き。ぜひみなさま。

 * * *

朝日出版社メルマガ第9号、最後まで読んでくださりありがとうございました。
ご意見やご感想などお寄せいただけると励みになりますので、よろしければ以下アドレスまでお願いいたします。
 → info@asahipress.com

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