朝日出版社営業部(橋)のサケブログ/書店訪問日誌

朝日出版社営業部・酒部に所属している(橋)による、書店訪問日記です。
本屋さんに行くことと安酒を飲むことがライフワークです。
書店イベントにも足しげく通っていますので、そちらもレポします。
【命題】継続は力。非道に生きる。

2018年09月

秋は悩みの季節か。いやいや、振り払っていきたい。
本編で触れたかったけど、乃木坂で開催中の植本一子さん『フェルメール』刊行記念展示がすごく良いので、皆さまお見逃しなく!
◆ブックスアンドモダンさんにて開催中!

では、朝日出版社(一般書)メルマガ第12号!

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今号のコンテンツはこちらです。

■これから出る本のお知らせ
■重版出来!
■今号のイチオシ電子版
■編集部リレーコラム1(第五編集部)
■書評掲載情報
■編集部リレーコラム2(第五編集部)
■イベント情報
■あとがき(編集後記)

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■これから出る本のお知らせ

『エンタテインメントの科学』
湯山茂徳 編著/苧阪直行 著/明和政子 著/佐藤由香里 著(10月6日発売)

『CNNニュース・リスニング 2018[秋冬]』
「CNN ENGLISH EXPRESS」編集部 編(10月6日発売)

『糖質OFF こんにゃく料理レシピ』
金丸絵里加 著/こんにゃくパーク 監修(10月17日発売)


■重版出来!

『スティーブ・ジョブズ 伝説のスピーチ&プレゼン』 ☆12刷!
「CNN ENGLISH EXPRESS」編集部 編


■今号のイチオシ電子版

『ヒップな生活革命』(アイデアインク 11)
佐久間裕美子 著(2015年10月1日配信開始)

著者の佐久間裕美子さんは、ニューヨーク在住20年。

大学2年のときに短期留学で初めて訪れたアメリカで、ホームレスのスープキッチンで給仕をしたり、
LGBTの人たちも入れる教会でレズビアンのカップルにインタビューした経験がきっかけとなり、
個人主義ですべて自己責任なところに惹かれて、この国に住みたいと思ったといいます。

抜群においしくなったチェーンストアではないコーヒーショップ、「買うな」という企業広告、
地元で作ったものにこだわる店、各地にオープンする個人経営のレコード店や書店など……。

その原動力となっている「ヒップスター」と呼ばれる人々が、衣食住のあらゆる場面で変革の波となり、
大企業主導の大量生産、大量消費の社会の中で独立した場所を広げています。

2008年のリーマン・ショック以降、がらりとムードが変わったアメリカで次々と生まれる
新しいライフスタイルの裏側に迫った本書は、アメリカの「いま」を知るだけでなく、
日本に生きる私たちの「暮らし方」にもヒントを与えてくれます。

「これからのアイデア」をコンパクトに提供する〈アイデアインクシリーズ〉第11弾。
シリーズ他ラインアップも合わせてぜひ!


■編集部リレーコラム1(第五編集部)

第五編集部の平野です。

最近ワイヤレスイヤホンにしました。先日電車で音楽を聞こうとしたら、なんか音が小さい。
ボリュームをポチポチ上げていると、目の前に座っていたいまどき女子が目配せしてきて…
あはは、Bluetoothが接続されておらず、iPhone本体から音を車内にバラ撒いていたんですね~
(曲はTRFのOvernight Sensationでした、確か)。

これってワイヤレスイヤホンあるあるですよね!? その日から恐怖で毎回、音漏れ確認しています。
便利になったおかげで別の手間が増えました。

先日、都築響一さんと丸山ゴンザレスさんの対談を聞きに行ってきました。
世界のスラム街取材で知られる丸山さんは「裏モノJAPAN」の記者がルーツで、
当時「携帯をすられるらしい」と噂の歌舞伎町のキャバクラへ盗まれるまで通ったり、
アメリカに雪男を探しに行ったりと、無茶な取材をたくさんされてきた。

スラムへは建物や街としてかっこいいから、という理由で通いはじめて今に至るのだそうです。

「やっぱり根拠のない自信こそが大事。だから新しいんだから」と都築さん。
根拠には何らかの前例が必要ですもんね。

『圏外編集者』のとき、たくさんインタビュー(2~3時間×5回くらい)させてもらったにもかかわらず、
トークイベントでは毎回かならず新たな発見があります。

都築さんの影響で、旅先で珍しい場所を色々探すのですが、
なかでも愛知県蒲郡の「竹島ファンタジー館」は大好きで何度か行っています。

5500万個の貝を使った海底をモチーフにしたサイケなテーマパークで、竜や人魚、そこらへんの壁も花も、全部貝殻。

いま全部の貝殻を買おうとすると10億くらいするらしいです。
名古屋弁の館内アナウンスや「おね貝」絵馬など、人間が運営している感じが偲ばれて応援せずにはいられません。

おみやげコーナーにはかわいい貝の小物入れや鏡など貝細工がたくさん売ってるんですが、76歳の社長さんが作ってるのだそう!
(思わず「これからも頑張ってください」と握手してしまった)

何か好きなものを突き詰めるとこんなすごいことになる、と体感できる珍スポット。ぜひ行ってみてください。


■書評掲載情報

○『誰のために法は生まれた』(木庭顕 著)
9月15日付・西日本新聞「カリスマ書店員の激オシ本」にて、丸善博多店・徳永圭子さんにご紹介いただきました。

○『赤毛のアン』(安野光雅 絵)
9月24日付・産経新聞文化面にて、安野光雅さんのインタビュー記事が掲載されました。

○『断片的なものの社会学』(岸政彦 著)
朝日出版社「本屋さんのブックレビュー」にて、ちくさ正文館書店ターミナル店・赤阪泰志さんにご高評いただきました。


■編集部リレーコラム2(第五編集部)

第五編集部の仁藤です。今回は簡単な自己紹介をいたします。

東京生まれ。小学生時代は野山を駆け回り、野球三昧の日々を送る。
中学生時代はエレキギターで遊び、高校生時代は、マンガ家をめざし、
石ノ森章太郎氏のアシスタントを希望するが、本人から断わられる。『COM』全号読破!

大学の専攻はフランス文学、卒論はモーリス・ブランショ論。卒論担当教授は平岡篤頼先生と吉田裕先生。
大学時代はフォークソングクラブに入りバンド結成、12弦ギターを弾く。
また、シンセサイザーで多重録音し、作曲を試みる。

卒業後、武蔵野郵便局勤務、山下書店アルバイト(時給270円)の後、アテネフランセの真下にあった語学教材出版社へ。
その後、転職し、フランス語辞典、思想雑誌・書籍、および新書・文庫の編集。1988年、現在の出版社へ。

指導を賜った編集の方としては、松田哲夫氏、安原顕氏が。

そして、読書会を開いていただいていた作家として中上健次氏が。結果、紀州には何度も行った。
『からかぬち』の観劇、都はるみのコンサート、それに火祭りにも参加した。火祭りは角川春樹氏もいらしていた。

また、中上氏の「枯れ木灘」チームの野球にも参加。捕手は蓮實重彦氏。
アンパイヤーを任されたが長身の蓮實氏の後ろでは球がよく見えず、氏からきびしいお言葉も。

中上氏の読書会で取り上げられた作品・作家はといえば、『エミリーに薔薇を』(ウイリアム・フォークナー)、
『エレンディラ』(ガルシア=マルケス)、『長雨』(尹興吉)、『女殺油地獄』(近松門左衛門)、
『ゴドーを待ちながら』(サミュエル・ベケット)、『田園の憂鬱』(佐藤春夫)、『水府』(津島祐子)、
『なぎの葉考』(野口冨士男)。

また、編集を担当したことがある著者の方としては、瀬戸内寂聴氏、安野光雅氏、吉本隆明氏、谷川俊太郎氏、
司馬遼太郎氏、梅原猛氏、五木寛之氏、横尾忠則氏、河合隼雄氏、日高敏隆氏、永六輔氏、塩野七生氏、
立木義浩氏、篠山紀信氏、沢渡朔氏、稲越功一氏、養老孟司氏、赤瀬川原平氏、加山雄三氏、小林カツ代氏、
北山修氏、忌野清志郎、小田和正氏、島田雅彦氏、茂木健一郎氏、村上春樹氏、糸井重里氏、日比野克彦氏、
原田宗典氏、鷺沢萠氏、吉本ばなな氏、大沢たかお氏。

いちばん印象深いのは、東北新幹線で東京から大宮間で瀬戸内氏と打ち合わせをすることになり、
企画していたテーマが某出版社の反対にあって没になったと氏より告げられた。

よほど私がしょげていたのか氏は心配してくださり、天台寺いっしょに来なさい、
そこで新しい企画を考えましょうと言ってくださった。

しかし、天台寺に着く頃には氏は新しい企画をすっかり提案くださる。
着いたところでお寺の方々とどぶろくをご一緒させていただく。また、宿も近くにとってくださった。

翌日は、天台寺の本堂裏手の山にあった長慶天皇のお墓をぜひ見ておくといいと。
晴れた朝、山をひょいひょいとまるで烏天狗のように軽快に登っていく氏の姿は今も心に深く残っている。

デザインをお願いしたことのある方としては、仲條正義氏、和田誠氏、浅葉克己氏、井上嗣也氏、南伸坊氏、
菊地信義氏、木村裕治氏、坂川栄治氏、祖父江慎氏、タナカノリユキ氏、中島英樹氏、鈴木成一氏、
唐仁原教久氏、松田行正氏、山田英春氏、秋山具義氏。

講演、あるいはシンポジウムで肉声を聴いた海外の哲学者、あるいは作家の方として、
ホルヘ・ルイス・ボルヘス氏、ミッシェル・ビュトール氏、アラン・ロブ=グリエ氏、マルグリット・ユルスナール氏、
ピエール・ドゥ・マンディアルグ氏、ジュリア・クリステヴァ氏、フェリックス・ガタリ氏、ジャック・デリダ氏、
ミッシェル・フーコー氏、リチャード・ドーキンス氏。

また、仕事で行った海外の場所としては、ハワイ、フランクフルト、ハイデルベルク、ロンドン、
オックスフォード、ニューヨーク、ニース、サントロペ、ミラノ、ヴェローナ、ベネチア。

それでは、編集者として今いちばん興味を持っているテーマは何かといえば、『最強「編集者」列伝』かな。
このテーマを皮切りに続々と最強シリーズを編纂していけたらと思っている。


■イベント情報

○【京都】安野光雅『赤毛のアン 原画展』:2018年9月5日(水)~12月3日(月)

○【大阪】梅田蔦屋書店さん独自選書企画「読書の学校」
東西11社の出版社とともに一つのテーマを掘り下げるフェア、朝日出版社も参加させていただいています。

○『神様の住所』刊行記念「短歌みくじ告げタロー」、西荻窪・今野書店さんに10月上旬まで設置中です。
ぜひ、ガチャガチャを入り口に、短歌に親しんでください。

○11月3日(土)「しのばずくんの本の縁日」に出店します。
「一箱古本市」の不忍ブックストリートによる、本好きも地域の方も楽しめるブックイベントが本年で3回目の開催となります。


■あとがき(編集後記)

営業部の橋本です。

文京区小石川にPebbles Books(ペブルズ・ブックス)という新刊書店ができました。
9月15日のオープン初日に、社から傘をさしてトコトコと。だいたいの位置、番地だけを確認して迷いながら向かいます。

へぇ、こんなお店があるんだ、小学校も近くにあるんだななどなど、少しでもその街のことをつかめるように。
こんな子との出会いもありました。 https://twitter.com/asahipress_sake/status/1040826252456681472

10分ほど迷ってたどり着いたPebbles Booksさん、二階建て一軒家を改修したとても雰囲気のある空間でした。
壁面のペンキ塗りや木製什器作成などは、運営の久禮亮太さんとスタッフの渡辺さんによるDIY。書店員の枠を超えています。

1階のメイン什器はあゆみBOOKS小石川店から引き継がれたもの。
平台に並ぶタイトルも、暮らしの本から思想書、ビジネス書、海外文学などとても幅と奥行きがあります。

あまりに、久禮さんの棚だなと思い、嬉しくて笑ってしまいました。

14時前から1時間ちょっと滞在したのですが、近くに住んでいる方々、あゆみBOOKS小石川店の常連だった方など、
とてもたくさんのお客さんが店内に入ってきました。

開店祝儀的なものもあるでしょうが、1万円をゆうに超える本をレジ打ちしてもらっている方も散見。

Pebblesとは「小石」のこと。
“たくさんの美しい小石のように、本の川を流れ、幾度も磨かれた良い本を集めたいと思います”
と店舗黒板に書かれていました。 https://twitter.com/pebbles_books/status/1032624252812374016

ぜひ皆さま、小石川周辺の街歩きとあわせ、お店へ行ってみてください。

久禮さんとは『本を贈る』(三輪舎刊)でご一緒しています。ちょうど、僕の章に続くのが久禮さん。
いろんな形で協働できることがなにより嬉しく思います。

 * * *

朝日出版社メルマガ第12号、最後まで読んでくださりありがとうございました。
ご意見やご感想などお寄せいただけると励みになりますので、よろしければ以下アドレスまでお願いいたします。
 → info@asahipress.com

大好きな9月22日。誕生日だからね。嬉しい。

下の子からお祝いの手紙をもらって、人生の宝ものがひとつ増えた本日。明日はなるべく早く起きて洗濯やお掃除に勤しまねば。

『本を贈る』刊行から十日ちょっと。じわり、じわりと反響があり嬉しいかぎり。もっと、もっと広く手にしてもらえるよう尽力したい。本書での5番目の書き手である、加藤製本・笠井瑠美子さんが啓いてくれたとおり、「本は特別なものじゃない」から。

販売促進はめっちゃするよ。昨日は早起きして渋谷のラジオ「渋谷の本屋さん」へ。
『本を贈る』発行元である、三輪舎・中岡さんと共著者である加藤製本・笠井さんとたのしくおしゃべり。

アーカイブあるから、ぜひ聞いてみてもらえると。
◆渋谷の本屋さん「2018.9.21 本を贈る」


ずっと空回りしている(橋)であるけれど、37歳となった本年はもっとしっかりしたい。
10月10日には神楽坂・かもめブックスさんで『本を贈る』刊行記念トークイベントを開催いただけることになった。

前出の笠井さんと(橋)、かもめブックスととても縁深いふたりがいわゆる表側に立つことになるとは。不思議な感覚であるし、こそばゆく面映ゆいし、でありなにより嬉しい。

イベント名は「『本を贈る』刊行記念 本があなたに届くまで~瑠美子と亮二の場合」。

………えと、説明過多な気もするけど、瑠美子は笠井瑠美子さん(加藤製本)で、亮二は橋本亮二(朝日出版社)であります。

だれがこのイベント名考えたんだという気が今でもするけど、いや、ありがとうございます。このおかげで瑠美子とめっちゃ仲良くなれたという気すらしている。媒酌人じゃないか。

なわけで、最近めっちゃ瑠美子と打ち合わせしてる。だいたいオンラインで、ときに対面で。かもめで。

こんな写真も撮ってもらった。ありがとうマイキー(かもめブックス・前田隆紀さん)。

IMG-3895

フォトジェニックな瑠美子と、呆けた顔した(橋)。や、亮二か。

学祭みたく盛り上がり、相互往復書簡的なものもかもめブックスをポストとして始めてしまった。きっと、かもめメンバーぽかんしていると思う。なにとぞ、お付き合いを。

IMG-3887

イベントまでに4~5手紙して、当日を迎えたいね。早速、このブログをアップしたら2通目書くよ(瑠美子も書けよとプレッシャーをかける)。

すごく嬉しくて。笠井さんと、こんな仲良くなれるとは。本を介在した縁って、めっちゃ強い。深い。上澄みでなく、結ばれる。

みんな来てね! ありがたいことに、満席近く申し込みをいただいていて、増席検討もしてもらっている。早めだととっても助かります!

◆かもめブックス お申込みページ

9月もはや12日。まもなく(橋)も37歳となる。いい数字の並びだね。張りきるぞ日々。

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■第28回 Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞!
■今号のイチオシ電子版
■編集部リレーコラム1(第五編集部)
■書店フェア、好評開催中!
■編集部リレーコラム2(第二編集部)
■イベント情報
■あとがき(編集後記)

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■第28回 Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞!

本年6月に刊行された、『神様の住所』(九螺ささら 著)が第28回 Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞しました。

毎年「ひとりの選考委員」によって選ばれる本賞、本年の選考委員は大竹昭子さんです。
「ジャンルを超えようとする意志」とご選評いただきました。

選評が全文掲載されていますので、ぜひご覧になってください。

○9月9日付・読売新聞読書面「本よみうり堂」でも紹介されました。

○業界紙「新文化」(9月6日発行号)でも受賞記事が掲載されました。 


■今号のイチオシ電子版

『紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす』
武田砂鉄 著(2015年8月18日配信開始)

このたび、弊社の『神様の住所』(九螺ささら 著)が第28回(2018年度)Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞しました。

この賞は、パリの「ドゥマゴ文学賞」(1933年創設)のもつ先進性と独創性を受け継ぎ、既成の概念にとらわれることなく、
常に新しい才能を認め、発掘に寄与したいと1990年に創設されたもの。
毎年、任期1年の「ひとりの選考委員」によって選ばれるのが特徴です。

実は、3年前の第25回(2015年度)の受賞作が、この『紋切型社会』。
「新しい意味でのジャーナリズムであるとともに文化人類学の範疇に入る」と
その年の選考委員であった藤原新也氏に絶賛されました。

「育ててくれてありがとう」「全米が泣いた」「国益を損なうことになる」「会うといい人だよ」
「ニッポンには夢の力が必要だ」「うちの会社としては」……。

日本人が連発する決まりきった〈定型文〉を入り口に、その奥で硬直する現代社会の症状を軽やかに解きほぐした本書。
著者の武田砂鉄さんは、さらに第9回(2016年)「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」も受賞。

以降、精力的な執筆活動を続ける気鋭の作家の、注目のデビュー作です。


■編集部リレーコラム1(第五編集部)

第五編集部の藤川です。

先月、Harper's BAZAAR主催の「FABULOUS WOMEN AT EVERY AGE」というパーティーに出席しました。

ゲストは作家の川上未映子さん、演出家の奈良橋陽子さん、メイクアップアーティストの
RUMIKOさんという、豪華なお顔ぶれ。

各界第一線で世界で活躍されているお三方による、女性の生き方や美学など、世代を超えたクロストークが展開されました。

作品や化粧品など、形は違えど、何かしら目に見える形として表現し、
世に発信し続けている方々の身から出る言葉には説得力とパワーがありました。

そして、お三方の口から共通して出たのが「努力」という言葉。
普遍的でシンプルなことですが、努力をベーシックにしているということ。

NYを拠点に活躍するRUMIKOさんいわく、NYの女性たちは、「常に考えて」生きているという。
メイクもファッションも自分らしい生き方を追求し、選択し、表現しているから魅力的で、エンジョイしているのだと。

どう生きてきて、どう生きていきたいのか、自分で考える力を身に付けているということです。

確かに、日本ではメディアが親切すぎるのか、ニーズに応えすぎているのか、決まりきった女性像を提示しすぎというか、
年齢で区切ったり、属性でカテゴライズしたり、何かが決めた答えを求めたり、それに沿う傾向が強い。

また、川上さんの話では、最近は、SNSなどで他者から見られることを意識しすぎて、疲れてしまう女性も多いのでは?と。

美しいモノ、ヒト、風景……見たい、見せたいものだけを追い求める日々と、
醜い、汚いモノ、悲しいコトもあるのが真実であり、それが生きるということである現実にギャップがあるということでしょうか。

ある雑誌の寄稿では、
「女性には人間の形をしていない親友がたくさんいます」と綴っておられました。

素晴らしいお仕事をされ、様々な経験をし、本物を追求し、生き方も考え方も奥深く、
知的で洗練された人たちの、言葉に重みがあるのは、もちろん努力からきているのだと感じさせられました。


■書店フェア、好評開催中!

「出版社の人が選んだ『あまり売れてないけど面白い本』フェア」、伊野尾書店(新宿区中井)さんにて開催中!

弊社も参加させていただき、とびっきりの一冊がフェア帯付きで並んでいます(売れています!)。
ぜひ皆さま、開催期間中に店頭へお立ち寄りください。


■編集部リレーコラム2(第二編集部)

こんにちは。第二編集部の鈴木久仁子です。もう9月ですね。

最近観た映画は、ギンレイホールで『シェイプ・オブ・ウォーター』『ナチュラルウーマン』、
仕事関連で『陸軍前橋飛行場』『いのちの深呼吸』『国家主義の誘惑』、
先週水曜は編集部ふたり映画部で『カメラを止めるな!』、
今日は年下の女の子と『SUNNY強い気持ち・強い愛』を観に行きます(韓国版は編集部ふたり映画部で鑑賞)。
近頃いちばん好きな女の子は池田エライザさんです。

今回は7月28~29日に浅草で行われた、44の出展社が「本当に面白い本」を持ち寄る本の夏祭り、BOOK MARKETのことを。
私は28日に店番をしました。

     *

最初に売れたのは『先史学者プラトン』。「タイトルで決めました」と買ってくださる。
『断片的なものの社会学』を、本当に良い本でと手に取る方、『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』を読みました、
すごくかわいいと言ってくださる方多数。加藤陽子先生の本への言及も安定。

並んでいる本を見ながら、「あっ」と、『とんでもなく役に立つ数学』角川文庫をバックから取り出し、
「今、読んでいるんです、すごく面白くて」と言ってくださる女性の方がいた。
その方と一緒にびっくりして、文庫担当の方は会ったことはないが良い人なんだということと、
単行本には平山昌尚(HIMAA)さんの絵や文字がものすごい数入っていると話す。
数学の面白さをわかりやすく伝えてくれる本が好きとのこと、『恋愛を数学する』を買ってくださる。

『神様の住所』を話題になってますよね、と手に取る方、『折る土偶ちゃん』を、これなんですか?と尋ねてくる方、
『赤毛のアン』のページを開いて欲しいと口にする方多数(以前、『小さな家のローラ』を私けっこう売ったんだ)。

いちばん売れた本は、『誰のために法は生まれた』。若い人がほとんどで嬉しくなる。
「買わない理由がない」と言って買ってくださった方もいた。

本の説明をして、買ってくれる方と、置いていく方と当然いるのだけれど、それとは関係なく、
あ、伝えられたかな、というときと(1~2割)、この説明では全然だめだと思いながら話していること(8~9割)がある。

最近刊行した本のことは話せるけれど、時間がたつと、自分でも不思議だが、担当した本なのに、なんといえばいいのかわからなくなったりする
(数年前、同じように売り子をして気がついたのだが、説明が難しい本の一番手は末井昭さんの『自殺』)。

『自殺』を手に取った女性の方は、「映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』を見て、
面白そうな人だなって。この人が書いた本なんですよね」と言っていた。
原作者の末井昭という人物を知らずに映画を観たという。
どうして映画を?、冨永昌敬監督が好きで観たんですか、と聞いたら、そういうわけでもない、
昭和っぽい映画が好きで、昭和っぽくてすごく面白かったと。
そうだ、いま進行中の本のことを宣伝しておこうと思い、「冨永監督も○○○で、
そういう自殺に関係する人たちに話を聞いている本をつくっているんですよ」と話したところ、
「……重そうですね」と。先行き不安になる。

数年前、このイベントで初めてお会いし、時々あたたかい声をかけてくださる女性の方がいる。
挨拶しようと思っていたら、ブースに来てくださり、「最近、鈴木さんのことを思い出していて」と言われた。
え、どうしてですか?と聞いたら、死刑の執行があったからだと。
そうだ、この方は初めて会ったとき、隣に座って、森達也さんの『死刑』(2008年刊行。私が初めて企画担当した本)について、
熱心に話してくださったのだった。

執行があって、友人から連絡が来たり、よく会う友だちや編集部の(お)としゃべったりはしたけれど、
出版関係の知り合いの方が声をかけてくださったのは初めてだった。
その方は『誰のために法は生まれた』を買ってくださった。

続編の『死刑2』について、2011年から話し始め、何度か打ち合わせをしていた。現時点まで何もやらなかった。

『文体練習』の装丁がすごくかっこいいですねと言ってくださる方がいて、営業部の(橋)は、
学生のとき初めて書店で見つけたときのこと、お金がなくてその場で買えなかったことを話していた。

『十皿の料理』については、ぼろぼろになるまで読んだことを話していた。
こういうふうに届けられたら、言われたことが記憶に残るだろうし、買った本を
その記憶と一緒に持つことになるだろうなと隣で聞きながら思った。
私も同じようには無理だけど、少しずつでも、もうちょっと伝えられるように話していこうと思った。

ビーナイスさんで『くままでのおさらい』と金華さば缶を、エルマガジン社さんで『東京島の旅』を、
ナナロク社さんで『いのちの花、希望のうた』を購入。

台風の日だったので、奮発して鰻を食べながら、雨が弱くなるのを待って帰った。

近頃刊行された『本を贈る』(三輪舎)で、営業部の(橋)が1章分を書いているのだが、そのなかのエピソードのひとつに、
『死刑』のゲラを持ち歩き、有隣堂横浜駅西口店さんの担当者さんと話したことが書かれている。


■イベント情報

○11月3日(土)「しのばずくんの本の縁日」に出店します!
「一箱古本市」の不忍ブックストリートによる、本好きも地域の方も楽しめるブックイベントが本年で3回目の開催となります。
会場は駒込の養源寺境内。木が茂るなか、たくさんの本が並ぶさまはとっても素敵です。ぜひ今からご予定ください!


■あとがき(編集後記)

営業部の橋本です。

毎月、文芸誌の発売がたのしみで7日になると雑誌コーナーに一直線となります。
実際に手にする前に、新聞広告で特集や対談、掲載新作などをチェックするのもわくわく。
今月の朝日新聞掲載広告はこのような感じでした。
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(2018年9月7日付・朝日新聞東京本社版朝刊2面)

集英社『すばる』は金原ひとみさん・綿矢りささんの新連載とインパクト大。特集「歳月」も魅力的です。
新潮社『新潮』は『百年泥』で第158回芥川賞を受賞した、石井遊佳さん新作「象牛」(180枚)が掲載と
こちらも気になるところ。対談には「人間の外側へ」として村田沙耶香さん×西加奈子さん。
村田さん新作『地球星人』についての話が読めるはず。

ぜひ、お近くの本屋さんや図書館などで手にしてみてください(とっても、読み応えありました)。

     *

横浜の出版社・三輪舎から刊行された『本を贈る』が店頭に並び始めています。
いわゆる「注文出荷制」の出版社なので、津々浦々の書店で置かれるわけではないのですが、
すごく丁寧につくられた長く読まれ得る一冊です。

編集者から装丁家、校正者、印刷、製本、取次、営業、書店員、本屋、批評家まで……
それぞれの持ち場の中でどのように本をつくり、届けているかを綴ったエッセイ・アンソロジーに、
ご縁があり私も寄稿させていただくことができました。

森達也さん『死刑』、岸政彦さん『断片的なものの社会学』刊行の際の話などを本書では書いています。
もしよろしければ、お読みいただけると嬉しく思います。

 * * *

朝日出版社メルマガ第11号、最後まで読んでくださりありがとうございました。
ご意見やご感想などお寄せいただけると励みになりますので、よろしければ以下アドレスまでお願いいたします。
 → info@asahipress.com

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