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W杯の決勝戦はオランダ−スペインの欧州勢同士の対決となった。両国共、優勝すれば初優勝となる組み合わせ。以前から強豪国として名を馳せているが、運や勝負強さが足りずにベスト4ないし8どまりが多かったチームがようやく日の目を見るチャンスが巡ってきた感じではある。

オランダは予選グループE組を全勝。決勝トーナメント初戦スロバキアを2−1。準々決勝ではブラジルに2−1で逆転勝ち。準決勝はウルグアイを3−2で振り切って勝ち上がった。今までのオランダと違っているのは、失点こそあるものの、そこそこ堅く守れる守備力があり、泥臭いサッカーも厭わないチームに変化している事だと思う。トータルフットボールを標榜したオランダ独特の「勝っても負けても美しいサッカー」という理念だけではW杯は勝ち抜けないという現実を受け入れた側面が今回のオランダには垣間見える。とはいえ、攻撃陣は中盤にスナイデル、サイドにはるロッベン、カイト、そしてワントップを張るファン・ペルシーというスタメンは欧州屈指だ。逆にこの4人で基本的な攻撃が事足りる側面があるので、後ろの選手は守備意識を高めに持てるという点があるのかもしれない。

対するスペインは予選グループH組、初戦こそスイスに足をすくわれたものの、その後連勝して2勝1敗で1位通過。決勝トーナメントは初戦、隣国の強豪ポルトガルを1−0で下し、準々決勝ではパラグアイにも1−0で辛勝。準決勝もドイツに1−0で勝ち上がってきた。2年前の欧州選手権で優勝し、現在リーガで黄金時代を築いているバルサを体現するような、その華麗なパスサッカーは羨望と賞賛の的となり、かなりの警戒をされた結果が、このW杯でのロースコアぶりを物語っている。それでも彼らは己のスタイルをほぼ崩さず、ムリヤリでも押し通しながら進んできたという感じだ。スペインは中盤での「心臓」とも言われるシャビ、そして前線も張れるイニエスタ二人のパサーが攻撃のタクトを振るえてこそ攻撃の真価が見られるが、今大会では特にシャビに対して前に向かせてパスを回させない事と、ゴール前に人数を割く戦術が相手チームにホント徹底していた。

決勝戦はお互い探りを入れながらの序盤になる可能性があるにせよ、両チームともに引いて守るスタイルではないので、お互いの攻撃の応酬に期待したい。基本的にはボールを持つ時間が長いのはスペインになると思う。準決勝のドイツ戦でチームとしてのコンディションは良くなっている感じが見えるし、今のスペインに一度ボールを持たせると、PAエリア付近まではホントに奪うのが困難な動きとパスワークを見せる。ただ、決定力という面では得点王候補のFWビジャが一人張っているものの、基本フィニッシュが彼頼みになっているのがちょっと気がかりな面ではある。もう一人のFWフェルナンド・トーレスがケガ明けで動きが良くなく、堂々とスタメンで出場できない点がこのあたり響いていると思う。
オランダの攻撃は何と言っても、司令塔のMFスナイデルの働きにかかっていると言っても過言ではない。オランダが誇る快足ウイング、FWロッベンを走らせるのも彼のパスあってこそだし、ミドルレンジでも決められる強烈なシュート力も今のオランダには大事な得点源となっている。そしてブラジル戦とウルグアイ戦でもあったが、彼には点に絡むある種の「運」もついている。彼の活躍なくして、オランダの優勝は難しいだろう。

チーム全体の地力では控えでも一線級の選手が多い、スペインが有利ではあるが、負けないサッカーが展開できるようになったオランダが充分食いついていける展開もあると思うので、面白い試合になるのは間違いない。キックオフは日本時間の3時30分。相変わらずの日本人泣かせの時間帯ではあるけど、これはリアルタイムで観戦しないとね。