2018年3月22日
同志社大学長 松岡敬様
学校法人同志社理事長・総長 八田英二様   

わたしたちは、1994年4月から2014年3月まで 20年間、大学院社会学研究科メディア学専攻博士後期課程と社会学部メディア学科で教授を務めていた浅野健一先生=大阪高裁・地位確認訴訟の控訴人=の教壇復帰を求めている学生、元学生でつくる「浅野先生の教壇復帰を求める会」(代表幹事・大内健史)のメンバーです。本年1月12日にも同様の要望書を提出しています。  

元共同通信記者の浅野先生は、66歳からも教授を続けたいという先生の意に反して、それまですべての大学院教授に認められていた「大学院教授の70歳までの定年延長」を、2013年11月13日の研究科委員会での無記名投票(前例がない)による定年不延長議決によって「65歳定年退職」扱いとされました。浅野先生の請求が棄却された一審・京都地裁判決でも、浅野先生は就業規則に沿って「65 歳で定年退職」したと認定されています。学校法人同志社も「就業規則に沿って65歳で退職した」と裁判で主張していると聞いています。  

現在、浅野先生が起こした地位確認訴訟は大阪高裁(藤下健裁判長)で審理がされていますが、本日22日午前に第5回口頭弁論が開かれ、6月14に控訴審判決が言い渡されることになりました。その上で、裁判所から和解勧告が出され、同志社側と浅野先生の双方が持ち帰って4月20日午前11時から次回の和解協議をすることになりました。裁判所による和解が順調に進み、大学側と浅野先生の間で歩み寄りがあるよう期待します。私たちは学生のためにベストの解決を求めます。  

今回、再度、2017年11月から集めた、浅野先生の2018年度からの教壇復帰を求める要望書(署名名簿付き)を提出させていただくことにいたしました。    

先生が1994年から担当していた大学院と学部の授業のほとんどが 2014 年から3、4 年間も休講(14年度では院の科目は「(担当者)未定」扱い)」という状態に陥っていることを再度お知らせし、善処を求めます。また、わたしたちの先輩方が2014年から幾度も大学長と法人理事長に提出した要望書に対し、大学側からのリアクションがまったくないことも非常に残念に思っています。  

浅野先生が20年間開講してきた「新聞学原論Ⅰ」「新聞学原論Ⅱ」と1998年から担当してきた大学院博士後期課程の「メディア学特殊研究A」は4年連続の休講です。大学設置法に基づいて設置され国庫補助金を支給されている大学として、極めて異常なことです。文部科学省高等教育局は大学に浅野先生の科目の休講問題についてヒアリングをしていると聞いています。2017年3 月 25 日、学生たちに配布された 2017年度講義要項によりますと、浅野先生が担当してきた大学院の 6 科目(14~16 年度休講)がすべて抹消されています。社会学研究科メディア学専攻から「新聞学」を掲げた講義科目が消えてしまいました。地位確認裁判の最終決着前に、浅野先生の担当科目を抹消したことに、わたしたちは、強い抗議を表明します。まだ一審で審理中の段階で講義科目をすべて抹消したのは、裁判を受ける権利に対する明確な妨害行為であり、良識にかける判断です。良心教育を掲げる同志社にふさわしくないはずです。  

また、浅野先生が定年延長を拒否された 14 年 4 月以降、現役学生たちが浅野先生の担当科目の開講および教壇復帰を望んできたことにも留意ください。14年6月に社会学研究科委員会で、指導教授の浅野先生との相談なしに、「13年3月末に遡って満期退学とする」とされた13年度博士後期課程3年生のナジ・イムティハニさん(インドネシア政府派遣留学生)の博士論文指導をしている教員がいません。加えて、特別聴講生の市民の方々も授業の開講を望んでいます。わたしたちが切望するのは、浅野先生のジャーナリズム・新聞学分野の授業を受けられる適切な措置を学校法人同志社と同志社大学が迅速にとることです。  

大阪高裁の控訴審判決の結果が6月14日にどうなろうと、浅野先生を14 年 4 月以降、70 歳になる 18 年度まで、特別任用教授、客員教授、嘱託講師などの役職で任用すれば、休講になったままの授業ができるのではないでしょうか。先述したように、浅野先生は、定年退職というかたちになっているはずですし、65歳で退職した教員は70歳まで授業ができるはずです。  

しかも、地位裁判が審理中であることを理由に、「大学相手に裁判を起こしている退職教授には一切授業をさせない」(メディア学科の現在の教員)とすれば、浅野先生の裁判を受ける権利などの人権と、学生の教育を受ける権利を侵害していることにならないでしょうか。学長、理事長の英断で授業の再開は可能であると思いますし、今すぐ対応をお願いします。    

メディア専攻と学科の基幹科目である重要な科目を受講することを望んでいる学生、市民が多数いることを聞き届けていただきたいです。2018年1月以降、わたしたちが集めた署名を添えて要望書を提出します。どうか私たちの声を聞いてください。どうぞよろしくお願いします。
 
「浅野先生の教壇復帰を求める会」幹事:大内健史

※要望書及び署名は、その後2018年4月2日にも提出しています。