ブログ読者のみなさん、おはようございます。

 日本の文芸誌の方向性が見えてきた


 再来週20日発売(休日前ということで16日並び)の柴田元幸責任編集『monkey business』vol.10「アメリカ号」に、評論「かつて、ぶどう園で起きたこと――等価交換としての文学(ファンタジー)」(60枚)を書きました。
 この評論は、ぼくにとって初めてのアメリカ文学論であり、同時に、ニッポン文学の「失われた10年」を乱暴にまとめてしまった批評になりました。

 私事なんですが、この春の、たいへん苦しい精神的危機のなかで(作家の大江健三郎さんが、たびたび自身について「危機」という言葉を使っておられましたが、そんな言葉に無頓着だった自分が恥ずかしいほど)、編集部ならびに家族に励まされまして、なんとか書き抜くことが出来た原稿でもありました。
 そういうわけで、自分のなかでは、一生忘れることのできない文章になったと思っています。みなさん、本当にありがとうございました。この批評を土台にして、新しい長篇小説への駒(こま)を、勇気を持って、さらに進めていきたいと誓います。

 ぜひ、ご購読の上、ご笑覧ください。

 ところで、この『monkey business』vol.10「アメリカ号」。前号にもまして全360ページと、めちゃくちゃ、ど分厚いんですよ。
 昨日、とつぜん、出版社からドドーンとぼくん家の小さなポストに届いていまして、いまチラチラ読んでいるんですけど、内田樹さんと柴田さんとの〈アメリカ〉対談「辺境から生まれるもの」、そして村上春樹さんへのインタピュー「サリンジャー、『グレート・ギャツビー』、なぜアメリカの読者は時としてポイントを見逃すか」などなど、本当に読み応えのある、斬新なコンテンツでひしめきあっています。
 
 まったく、すごい文芸誌になってきました。

 これから文学を志す若い人たちに、ぜひ、手にとっていただきたいと思いました。