この映画の自然さは、
是枝監督の映画「誰も知らない」(2004)のような、
粘り強い演出・指導を踏まえたもの、と思わされたのと同時に、
子どもの貧困ばかりでなく、
子どもの権利(行使!)まで可視化させている、という意味では、
さらなる物語創造の地平を切り開いている、と驚かされました。

存在のない子どもたち2019-07-24


俳優陣が、ほとんど一般人である、というキャスティングは、
私の胸を打った物語創造という観点から当然だと納得しつつも、俳優陣が監督の組み立てた物語を、よくぞ演じ抜いたものだ、とホトホト感心させられたというのもある。

日本映画や文学には、依然として「放置された慰安」が残されている。
しかし、この映画は「慰安」とか「余韻」とか「あとは観客の想像にお任せします」的なエンディングを拒否するために、子どもの権利・行使という極めて難しいもの=政治的なもの、を勇気をもって導入している。それに成功している、と思うのだ。

世界の映画は、
いつの間にか、
日本の先の先へと、
私たちが目を細めても見えないところまで行ってしまっている、という印象がある。