2010年10月08日
バルサミコセミナー&ヨード卵光セミナー
日本イタリア料理教室協会団体会員のイタリア料理教室主宰者向けセミナーを開催しました。今回のテーマはバルサミコ酢と卵について。
まずはイタリア食材の輸入商社の株式会社アーパ・アンド・イデアのルッチ・ファウスト・マリーア社長よりバルサミコについてのレクチャーです。
ヨーロッパEUの食品表示で認められているバルサミコ酢は、
現在下記の通りである。
伝統的製法のバルサミコ酢(Balsamico tradizionale)として
DOP認定が2つ
・Aceto Balsamico Tradizionale di Modena(モデナ産)
・Aceto Basamico Tradizionale di Reggio Emilia(レッジョ・エミリア産)
モデナ産バルサミコ酢として
IGP認定が1つ
・Aceto Balsamico di Modena
今回は特にModenaのTradizionale(伝統的)製法により作られたものに
焦点を絞って説明していただいた。
まずは、伝統的バルサミコの製法から。
原料になるブドウはイタリア全土で一番多く作られる白ブドウTrebbiano(トレッビアーノ)が有名だが、実はLambrusco(ランブルスコ)も使われている。
まず、ブドウをデリケートに絞る。
タンニンは入れない。皮、種は取り除く。
このブドウ果汁Mosto(モスト)をねかす→煮詰める(80℃)→冷やす→
熟成(残糖)→アルコール発酵→酸化して酢になる。
これが酢になるメカニズム。
さらに詳しく説明すると、
まずはMostoを大樽Botteに入れる。
上記の写真のように、四角く穴が空いている。
ここから自然蒸発する。
↓
翌年、減量分の新しいMostoを足す。
↓
樽を分ける。この工程をTravasiトラヴァージという。
↓
さらに翌年、減量分の新しいMostoを足す。
最低15回以上(つまり15年)のTravasiしたものでなければならない。
おわかりのように、ここですでに何年ものというものが
存在しないことが証明された。
たとえば15年ものと言われているものは、15回のTravasiを行ったもの。
15年間それぞれの年のMostoが使われていることになる。
実は年代を入れるのは条例違反。
では私たちが見た○○物はなんだったのだろう!?
なんとここでも抜け道がある。
輸出用はこの決まりには問われない。
このように時間をかけたバルサミコはとても希少で高価だ。
サラダなどに軽々しくかけるのもはばかられるほど、
とても上品な甘みがあり、えもいわれぬコクがある。
余談だが、146年(記念すべきイタリア建国の年!!1860年)を経たバルサミコの値段はいったいいくらするのだろうか?
答えは100mlで20万円だとのこと。ペニンシュラ東京では、くるみの木箱に包まれたこの146年物が売れたらしい。
さて、Tradizionaleと名乗るには、100mlの口が細い、ボトムがぼってりとした、指定瓶(ジュッジャーロのデザイン)に入れることが義務付けられている。しかも瓶詰めは生産者ではなく、バルサミコ協会の担当者が行う決まりだ。もちろん有料で、瓶の数が多ければそれだけかかる費用も増す。申請数は厳密に守られる。
もともと伝統的生産者を守るために作られた規則の数々が今では生産者の首を絞める実態もあるようだ。
容量が100mlでなければ、もはやTradizionaleを名乗ることは許されない。
つまり250mlであればただのバルサミコ酢。
あまりに高価ゆえ、40ml瓶をつくれば、この高級バルサミコ酢も
Tradizionaleを名乗ることは許されない。
Condimento di balsamico(バルサミコのドレッシング)として売られるものも少なくない。
では、日常、バルサミコ酢といって大量生産されているものとは?
何と1日でできるバルサミコ酢があるという。
バルサミコ+モスト+工業用酢をまぜたもの。
残念ながらこのようなものも地域が守られていれが、
IGPとなる。
ModenaとReggio emiliaで作られたもの以外はBalsamicoではない。
ModenaとReggio emiliaでは若干条例の違いもある。
ここで実際に3種類のバルサミコ酢の試飲をする。
次はヨード卵光でおなじみの日本農産工業株式会社の西谷領太様よりお話いただきました。卵の生産過程や栄養価、さまざまな研究結果からわかる卵の効果。健康との意外な関係、そもそも卵とは・・・
プロジェクターを
使って詳しく説明を
聞く。
アンチエイジング効果に関する研究
コレステロールに関する研究
糖尿病に関する研究
糖尿病の合併症に関する研究
乳がん、貧血、肝障害、アレルギー・・・
そもそも名前のヨード卵通り、ヨウ素補給に効果的であること。
ヨウ素は甲状腺機能低下を抑制すること。
意外なところでは、スポンジケーキを作ると、普通の卵より
ふくらみがいいとのこと。
なかなか興味深い内容でした。
今回ご協力いただいた会社
ヨード卵光
日本農産工業株式会社
〒220ー8146横浜市西区みなとみらい2-2-1
ランドマークタワー46階
Tel045-224-3719
株式会社アーパ・アンド・イデア
〒112-0014東京都文京区関口1-10-11-1006
Tel03-3268-4909