「権力を持つものは、責任も持たなければならない」


昨夜まで２夜連続で放送されたNHKスペシャル「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦」は、とても重かった。


開戦直前の夏、30代の官民軍を代表するエリートが集められ、極秘裏に行なわれた対米戦のシミュレーションでは、日本は壊滅的に敗北するとの結論が出されていた（実話）。


https://www.nhk.jp/g/blog/7ck162cka/



「必敗」の認識を多くの関係者が持ちながら、なぜ開戦したのか。ドラマが描く背景には、米国が求めた中国での権益放棄は、日本の日中戦争での膨大な戦費、人的犠牲の放棄につながること（所謂、サンクコストの問題）、　国家予算の７割を費やした海軍が戦わず屈服することへの当事者達の逡巡と予想される国民からの批判、戦争方針を決める統帥権は天皇と軍の責任範囲とする政界の無責任、　戦争準備のため軍事費を特別会計化し、ひとたび決まれば業務として予算執行に勤しむ行政組織の慣性、　そして扇情的なメディアとそれに踊されてしまう国民世論等々があった。

どれも形を変え、今も起こっていると思えることばかりである。

仕事柄、行政組織や為政者の視点から見てしまうのだが、「過ちは繰り返さない」と言い切るには、特に政治家に際立った胆力がなければならない。

平和を守るチカラは、為政者の内心から始まることを改めて認識した。


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