久しぶりに、所属するパリ第７大学の
キャンパスへ行く。
口頭試問に先立つさまざまな書類を学部秘書に
提出し、図書館へ立ち寄る。
数年前に移転したばかりの新しいキャンパス
なのだが、不思議なことに活気というものがない。
職員たち（フランスの大学はみな国立なので
彼らはすべて公務員）は誰をとってもおしなべて
無表情で、最小限の任務を無気力にこなし、
たとえこちらがサービス精神で冗談など
言ってみたところで、反応が返ってこない。
学生たちも、以前のカルチェラタンにいたような
内部に自信を秘めた、自然体ながらも
かくれたおしゃれをしている若者たちではもはやなく、
趣味の悪いだらしない格好をし、勉強しにきている、
というより、まさに「たむろ」している、といった風。
それともそんな風に感じるのは、私が年を取った
からなのかしらん？
いずれにせよ、今の自分はキャンパスなどという場所に、
もはやそぐわない存在だなぁ、と行く度に思うのだ。
