本ブログについて

現在は「理想的な自転車利用環境の実現に必要な情報発信」を行っています。
国内外の事例紹介、政策や研究の検証、設計手法や提言は、主要記事まとめをご覧ください。
※記事内容に疑義や誤りがある場合は、コメントでご指摘願います。

今後の執筆について検討中。

【参考】
ブログ主要記事まとめ
(※国内外の自転車走行空間の整備事例、事故分析、自転車政策の検証などを行っています。)

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東京工業大学→東京大学生産技術研究所 特任助教
鈴木美緒(HP写真)
 自転車研究者「鈴木美緒」の検証、前回(1)では鈴木がNHK放送において、安全で快適な自転車利用推進と環境整備に向けた具体的議論を放棄し、ただ自転車のルール違反や歩道通行を排除すべしという矮小な主張に終始したことを示しました。

 しかも自転車研究者でありながら、研究のウソ、捏造、印象操作に隠蔽を多量に交えた形で。
 そしてこの鈴木の「自転車の車道走行原理主義者」としての姿勢は、鈴木の過去の研究を読み解いても一貫している。

 後編となる今回は鈴木の過去の論文を取り上げ、鈴木が日本の自転車活用推進を阻害する主張を繰り返してきたこと、その研究者としての資質と倫理観について検証します。


2-1. 「自転車の車道走行原理主義」ありきの杜撰な研究

 まず鈴木の研究者としての経歴を掲載しておきます。出典は鈴木HPパーキングプレス201201等から。

1995年3月 私立青山学院高等部 卒業
1996年4月 私立慶應義塾大学理工学部 入学
2001年3月 私立慶應義塾大学理工学部物理情報工学科 卒業
 卒業論文:「グレッチェル型太陽電池におけるゲインの解析」
2003年3月 私立慶應義塾大学大学院理工学研究科基礎理工学専攻 修士課程 修了
 修士論文:「太陽光を照射した時の色素増感型太陽電池の電気的特性の解析」
2006年3月 東京工業大学大学院総合理工学研究科人間環境システム専攻 博士前期課程 修了
 修士論文:「鉄道駅周辺道路における自転車走行空間の安全性に関する基礎的研究」
2009年9月 東京工業大学大学院総合理工学研究科人間環境システム専攻 博士後期課程 修了
 博士論文:「自転車配慮型道路の安全性と設計方針に関する研究」
2009年10月~2010年9月 財団法人運輸政策研究機構 運輸政策研究所 研究員
2010年10月~2016年3月 東京工業大学 大学院総合理工学研究科 人間環境システム専攻 助教
2016年4月~2017年3月 東京工業大学 環境・社会理工学院 土木・環境工学系 都市・環境学コース 助教
2017年4月~(現職)   東京大学 生産技術研究所  人間・社会系部門(第5部) 特任助教

 鈴木の研究分野は、元々理工学部での太陽電池。それが「交通工学」に関心を持ち、慶應院修了後に東工大院に再入学し、交通工学を学び直したとのこと。
 なおこの人生を左右する方向転換は、「自分の夢だった自転車研究を進めたい」という目標実現のためかと思ったが、自転車を持ち出したのは東工大の修論テーマを探す段になってかららしい。元々自転車に特段関心があったわけではない模様。
 自動車は研究が多いので自転車で。そして自身は普段自動車に乗る方が多い。更にはテーマの動機も、普段歩道で危ない目に遭わされている自転車をどうにかしたい、だったと。

 この経緯から、現在に至る鈴木の研究姿勢は見えていたのかもしれないが、以下既往論文を検証していきます。

 鈴木や後述する師匠の屋井ら「自転車の車道走行原理主義者」の目標は、歩道走行する自転車の日本からの一掃。これは諸外国を例に挙げ、外国では自転車は車道を走っているという主張によるもの。
鈴木美緒,吉田長裕,山中英生,金利昭,屋井鉄雄
わが国の地方自治体における自転車走行空間整備政策の動向(htmlhtmlpdf)
土木学会論文集D3 (土木計画学),Vol.68,No.5(土木計画学研究・論文集第29巻),I_867-I_881,2012年12月

屋井鉄雄,鈴木美緒
米国における自転車政策の展開とわが国での計画制度の方向性に関する研究(htmlhtmlpdf)
土木学会論文集D3 (土木計画学),Vol.67,No.5(土木計画学研究・論文集第28巻),Vol.67,I_155-I_167,2011年11月

鈴木美緒,屋井鉄雄
欧州の大都市における自転車走行空間の設計基準とその運用に関する研究~ドイツの交差点を例として~(htmlpdf)
土木計画学研究・論文集,Vol.27,pp.811-822,2010年09月.

鈴木美緒,屋井鉄雄
自動車走行空間に関する近年の研究動向-欧米を中心に-(pdf)
土木計画学研究・講演集,Vol.37,CD-ROM,2008年6月.
 これらの論文の中で鈴木は、国外の自転車利用や政策について言及はしているものの、その殆どがアメリカとドイツについて。

 アメリカは国レベルでも、ニューヨーク市等の都市レベルでも、1970年代頃から自転車政策を体系立てており、研究的には自転車先進かのような印象を受けるものの、実際の利用状況は世界的に見ても自転車後進国家であり後進都市。

 「Vehicular Cycling」=「車両である自転車は車道を走るべき論」という一部のサイクリスト団体の主張に政策ごと汚染され、車道端にペイントする以上の環境整備が進まず、自転車事故リスクは高く利用度は低くとどまり続けた。
 一方のドイツも、この鈴木ら集団がしきりに自転車先進国化のように主張するものの、実際には通行環境も利用度も事故リスクも、後述の真の先進国に比べ自動車業界に配慮し整備が万全には至っていない点も、ほぼ日本と同じ自転車中流国。
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 車道端を塗っただけの野蛮な空間の一方、自転車の歩道走行に自転車横断帯。環境も日本とよく似ている。

 これら国は、真の自転車先進国、国中の幹線道路の大半に「構造分離の自転車道」が設けられたオランダとデンマークには遠く及ばず、アメリカやイギリスはそれら国に追随するため、自動車車線を削ってでも自転車専用道を作るという事業を都市政策の大プロジェクトとして推進している。

 にも関わらず、これまで鈴木は、オランダとデンマークについてほとんど論文で取り上げたことがなく、(1)のNHKをはじめとした発言の大半の場でも存在を無視。
 日本の自転車利用推進に対し、根本的な事実誤認、いや実態を知りながらの恣意的隠蔽によって推進を阻害しているということ。

 この前提の上で鈴木は、目標とする自転車の車道走行の観点から論文執筆を重ねていく。
鈴木美緒,屋井鉄雄
自転車配慮型道路の幅員構成が自動車走行特性に及ぼす影響に関する研究(htmlpdf)
土木計画学研究・論文集,No.25,No.2,pp.479-486,2008年9月.
 これは2009.09博論のプロトタイプ。
 「自転車専用通行帯」と「自転車共用通行帯」、いずれも幅1.0mと1.5mで設定し、ドライブシミュレーターでの自動車側の挙動を検証したもの。
 専用~は法的拘束力があり自動車が入れないもの。一方の共用~は
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 拘束力はないが、白線やペイントは為されているもの。

 この実験において、車線3.0mとレーン1.0mの時、以下のような結果が得られた。
鈴木美緒,屋井鉄雄
自転車配慮型道路の幅員構成が自動車走行特性に及ぼす影響に関する研究(htmlpdf)

【学生被験者】
 (中略)自転車共用通行帯が設置された場合には、自転車がその空間からはみ出て自動車の車線には入ってこないだろうという自転車への安心感が生じる上に対向車との距離が確保できるため、すれ違うときの速度が約1.10倍上昇した(t=2.66)。
 なお、自転車走行空間を設置することで車両と自転車との距離が近くなったが、自転車とは十分な距離(路肩から車両左端まで1.7m程度)が保たれており、自転車が走行空間内を走行していればその安全性に支障はないといえる。

【高齢被験者】
 (中略)速度に関しては、自転車共用通行帯を設置することにより、空間がない場合と比較して速度が約1.13倍となった(t=2.65、対向車とすれ違うとき)。
 なお、自転車共用通行帯設置時の自転車追い越し速度が高くなっているが、路肩と車両左端の間に1.4m程度の空間は確保され、自転車が通行帯内を走行していればその安全性に支障はないと考えられる。
 走行空間が共用通行帯の場合、ドライバーが学生の時でも高齢者の時でも、自動車は空間がない場合(ペイントがないただの車道左端)に比べ約1.1倍スピードを上げたとのこと。
 たかだか1割の速度上昇、しかしこれは事故の重大度には大きく関わるものであり、
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参考図:「歩行者への自動車の衝突速度」と「歩行者の致死率」の関係
※出典:「SPEED MANAGEMENT」(pdf) OECD/ECMT

 これはあくまで自動車に轢かれた歩行者のデータながら、30km/hに轢かれた際の致死率が約10%に対し、本研究で上昇の3km/hを見込んだ33km/hでは約18%。対自転車でのデータは不明だが、自動車の速度上昇による重大事故リスク増加は無視できないであろう。

 しかし鈴木は、何の根拠を出すこともなく、「路肩と車両左端の間に1.4m程度の空間は確保され、自転車が通行帯内を走行していればその安全性に支障はないと考えられる」と言い放つ。
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(これでも歩道端から自動車まで2m程度)

 自転車の幅は0.6m程度であり、路肩と自転車との距離を考えれば、自転車と自動車の側方間隔はわずか0.6m程度。
 自動車が自転車や歩行者を追い抜く際は国内外で理想1.5m以上、最低でも1.0mと概ねされており(当論文の2008年時点でも)、幹線道路では間隔1.0m以下で自転車は危険を感じるという研究もある。

 最も重要な、車道走行時の自転車の安全性について、鈴木はこの段階はおろか現在に至るまで、当論文での”危ないはずはない”という無根拠の持論以上のものを示せていない。

 この論文におけるもう一つの調査が、(1)で触れた自動車の左折時の歩行者の視認性。
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 歩道通行の自転車の方が自動車から見落とされやすいという結果を出しているが、これは首を左右に振れず視野の狭いドライビングシミュレータという非現実的な調査方法。
 更には歩道走行に対し、まだ危険でない位置の自動車に判定させ、事故を生む危険見落としかのように不正にカウントしたという研究捏造レベルの代物。

 「示唆された」ですらない、単なる結論ありきの不正研究の産物でありながら鈴木は
鈴木美緒,屋井鉄雄
自転車配慮型道路の幅員構成が自動車走行特性に及ぼす影響に関する研究(htmlpdf)

(概要)
 また、交差点では、歩道より車道の自転車の方が対処されやすいことが明らかになった。
 と言い切る始末。
 なお本論文の車道上の空間は、あくまで幅1.0mか1.5mで自動車車線とは分離された空間。その一方で
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 自転車用の専用幅すらない、自動車の走路と完全に重複し、ただ第一車線端をペイントしただけの「自転車ナビマーク」「自転車ナビライン」は当研究の対象ではなく、現在に至るまで鈴木が研究成果を論文で示した形跡はない。
 にも関わらず(1)の通り、車道端ペイントを集団として絶賛し、その安全性が蔑ろにされたまま全国拡大を図っているという状況にある。

岡田紫恵奈,鈴木美緒,屋井鉄雄
歩道を有する道路の自転車事故分析(概要版pdf)
土木計画学研究発表会・講演集,Vol.45,CD-ROM,2012年6月.
 これは自転車の歩道走行と車道走行、どちらがどう危険かを直接的に論じようとしたもの。
 しかしその検証の為に絶対的に必要になる、
岡田紫恵奈,鈴木美緒,屋井鉄雄
歩道を有する道路の自転車事故分析(概要版pdf)
 本研究では交通量のデータがなく、事故比率(=事故数/交通量)を算出することが出来ない。
 事故数/交通量or走行距離の「事故リスク」、これを算出していないと最初から自白する始末。

 にも関わらず本論文では、禅問答のような仮説を繰り広げ、得られた結果が
岡田紫恵奈,鈴木美緒,屋井鉄雄
歩道を有する道路の自転車事故分析(概要版pdf)
 「歩道通行は必ずしも安全であるとは言えない」という仮説を証明できた。
 当たり前だろうと。現に事故が起きており、街路樹や歩行者の陰に自転車が隠れがちになり、段差もあり転倒しやすい、そもそも自転車通行を想定していない歩道が絶対的に安全なもので無いなど当たり前だ。

 当論文では更に数点の、断片的で事故リスクの検証になっていない(単なる事故件数での)データ集計を行っており、その最後が
岡田紫恵奈,鈴木美緒,屋井鉄雄
歩道を有する道路の自転車事故分析(概要版pdf)
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(※(括弧)内は自転車が右側通行)

 これより、自転車が車道通行した場合に、同方向からの事故が多く発生するのには駐車車両への追突が主な原因となっており、自転車利用者が車道を避け歩道を通行する主な選択理由として挙げている「自動車との接触」=並走・自動車の追い越しは全部で5件(右側通行を除くと4件)となり、車道通行による事故のうち約3%に過ぎないことが分かった。
 つまり、自転車利用者が車道通行を危惧する理由となるような事故は、本研究の対象としたデータベース内では実際には3%ほどしか発生しておらず、これまでの検定結果を踏まえると車道通行での自転車事故の主な原因は自転車側の過失・違反にあると言うことが出来る。
・・・
 (1)で触れたように、
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知っていますか?自転車の事故(社団法人日本損害保険協会) P3(pdf)

 自転車走行を阻害する駐停車、これを避けるために安全確認が不十分となった自転車や、避けきれず衝突した自転車、これらを「自転車側の過失・違反」という自転車のルール遵守問題だと切り捨て、

 事故件数では少ないながら、その致死率の高さから対自動車死亡事故の約2割にも達する”自動車からの追突・引っかけ”を軽視するという研究姿勢。

 これの主だった筆者は屋井研究室の学生だが、指導教官である屋井と鈴木の倫理観がよく見えてくるところ。

細谷奎介,鈴木美緒,屋井鉄雄
自転車の走行空間整備に向けた追い越し挙動に関する基礎的研究(pdf)
土木計画学研究発表会・講演集,Vol.50,CD-ROM,2014年11月.
 この2014年頃には、屋井研究室で従来の自動車シミュレータに加え、自転車シミュレータも開発しており、その精度向上も目的とした研究であるとのこと。

 シミュレータの研究自体は否定するところではないが、
 路上駐停車車両の追い越し挙動をどれだけ研究したところで、日本の自転車が路上駐停車を安全で快適に回避できるようになると思うのか?
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 何をどう研究すれば、自転車が文句も言わず危険にもならず違法駐車と「共存」出来るようになるんだ?

 鈴木らは冒頭で以下のように、
細谷奎介,鈴木美緒,屋井鉄雄
自転車の走行空間整備に向けた追い越し挙動に関する基礎的研究(pdf)
 車道走行の安全性向上のため、(中略)自転車ナビマーク等の導入が計画されるなど、車道上の自転車走行空間整備が進んでいる。
 しかし、走行空間を整備しても駐停車車両により道路左端を占拠され、本来の整備による快適性や安全性が確保されず、走行空間利用率が低下するという問題が指摘されている。
 自転車レーンが違法駐車なく正しく使われていれば、「本来の」整備による快適性や安全性が確保できると主張するが、駐車需要が大きい路線であれば潰されるのが真に「本来の」整備の姿だ。
 これは自転車レーンにナビマークに車道走行が有する、根本的かつ不可避の欠陥。

 そして本研究の目的として以下主張するが、 
細谷奎介,鈴木美緒,屋井鉄雄
自転車の走行空間整備に向けた追い越し挙動に関する基礎的研究(pdf)
 駐車禁止区間では取締りが行われているものの、都内では違法駐車の数も多く、また商業目的の駐停車も多いために排除しきれないのが現状であり、それを考慮した自転車走行空間の整備を検討する必要があると言える。
 駐車を排除できない、取締りも追いつかない、それを考慮して走行空間の整備を検討するならば、
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 ポストコーンや縁石によって駐停車を排除するか、
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 駐停車車両と自転車道を真に「共存」出来る形にするか。整備手段としてはこれしかない。
 少なくとも駐停車回避という、本来安全で快適な自転車利用において存在してはならない危険状況をいくら研究したところで、走行空間のインフラ整備に活かせるものは無い。

宮之上慶,鈴木美緒,高川剛,細谷奎介,屋井 鉄雄
自転車シミュレ-タを用いた対面通行自転車道におけるすれ違い挙動特性分析及び再現性検証(htmlhtmlpdf)
土木学会論文集D3(土木計画学),Vol.7,No.5(土木計画学研究・論文集第32巻),I_589-I_604,2015年12月.
 今回検証の最後。当研究の対象となったのは
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 東京都内の国道14号に設けられた、通称「亀戸自転車道」。

 この亀戸は悪名高い、それ以上に鈴木ら集団が執拗にその悪名を叫び続けたことで、現在の日本の自転車政策に決定的な影響を与えた重大事例。(詳細は上記記事で)

 しかし本論文は、その題名が単なる「対面通行自転車道」。「狭幅員の」などとは記さず、対面通行一般に共通した問題を検証したかのような印象を与えるもの。

 その表れとして、前提としての事実誤認、いや恣意的な印象操作も行われており、
宮之上慶,鈴木美緒,高川剛,細谷奎介,屋井 鉄雄
自転車シミュレ-タを用いた対面通行自転車道におけるすれ違い挙動特性分析及び再現性検証(htmlhtmlpdf)
 交差点部で直線的な導線が確保されていない桜通自転車道(名古屋)開通1年後のアンケート調査結果では,自転車道の安全性に対する評価として,約20%の回答者が「すれ違い時の危険な状況があった」、「速度差のある自転車の混在による支障があった」と回答している。(回答者数1 009 名)
 この名古屋の桜通自転車道の利用状況は、
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 幹線道路に併設された、幅3。0mの高規格な双方向通行自転車道。
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 これは国道16号相模原、三鷹市道かえで通り等と並ぶ日本で最もまともな部類の自転車道で、自転車の自転車道通行率9割超え。歩行者と自転車の完全な通行分離を実現するという、現在の国策が真に目指すべき走行空間となっている。

 「交差点部で直線的な導線が確保されていない」と宮之上・鈴木が批判的な持論を述べてはいるものの、
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 この桜通は交差点で分断されてはおらず、線形もある程度の余裕はあり、20~25km/h程度までの自転車通行を阻害するものではない。
 そもそも、自転車速度を考慮した走行線形の設計は必要であるものの、導線が直線でないことが悪かのような主張は完全な事実誤認。
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 これは交差点手前で自動車車線から距離を離し、自動車のスピードを十分減速して自転車走路を越えさせるための、オランダで事実上の標準形態ともなっている適正な設計手法。

 そして桜通を通行する20%の自転車に、すれ違い時の危険、速度差による危険の声があったとするものの、
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 この自転車道は双方向通行で交差点に接続、また交差道路は(通常の歩道なので)同じく双方向通行、そして歩道橋でなく平面の横断歩道処理と、亀戸や相模原でもない、おそらく日本で最も煩雑な交差点処理。

 でありながら、危険や支障の回答、それも実際に事故に遭ったわけでなく”感じることがあった”との回答すらわずか2割。
 その一方で自転車の自転車道利用率は9割以上、歩行者の安全が実現している中で、「対面通行の利便性」と「構造分離の安全性と安心感」が高い利用率を生み、結果的に歩行者の安全も日本で最も確実に守る成功事例であることは疑いない。

 この実態には一切触れず、宮之上や鈴木はただ桜通の問題を一文示したのみ。

 論文テーマの亀戸自転車道に話を戻すと、本論文も内容の中心は屋井が開発するサイクルシミュレータの性能向上。一方で亀戸での現地調査の結果も示しているが、すれ違い速度の調査では
宮之上慶,鈴木美緒,高川剛,細谷奎介,屋井 鉄雄
自転車シミュレ-タを用いた対面通行自転車道におけるすれ違い挙動特性分析及び再現性検証(htmlhtmlpdf)
 自転車同士がすれ違うまでの区間(中略)において、少なくともどちらか一方が明らかな速度低下(20%以上の速度低下を示すものと定義)を示す自転車は、全32ケースの内、わずか1 ケースのみであり、(中略)片方の自転車がブレーキをかけていることが分かった。
 また,明らかな速度低下は見られないが、全32 ケースの内、4 ケースにおいてブレーキは使用しないながらも、すれ違い時に空走していることを確認することができた・(中略)
 その他の27 ケースにおいては、すれ違い時も速度を維持しながらペダルを漕ぎ続けている。
 このように芋を洗うような幅2.0mの自転車道でも、サンプル32件中、27件でいずれの自転車もスピードを落とさずに済んでいる。残りの4件でもペダルを回さない空走で済み、ブレーキをかけたのはたった1件。

 そもそも本論文の目的は、
宮之上慶,鈴木美緒,高川剛,細谷奎介,屋井 鉄雄
自転車シミュレ-タを用いた対面通行自転車道におけるすれ違い挙動特性分析及び再現性検証(htmlhtmlpdf)
 自動車交通量や道路総幅員の制約といった制限がある中でも、不適切な自転車走行空間がこれ以上整備されないようにする必要がある。
 自転車の歩道通行と並び、日本から殲滅したいと鈴木ら原理主義集団が目論んでいる「対面通行の自転車道」、行政によるその整備を今後潰すためのもの。
 しかし残念ながら研究結果は、幅2.0mであっても、スピードを大きく落とすほど自転車に危険や不安を課すほどのものではないことが判明してしまった。

 そのため鈴木らは、無理矢理に曲解した捨てゼリフを発するしかなくなる。
宮之上慶,鈴木美緒,高川剛,細谷奎介,屋井 鉄雄
自転車シミュレ-タを用いた対面通行自転車道におけるすれ違い挙動特性分析及び再現性検証(htmlhtmlpdf)
 ここから推察されることは、幅員2.0m の自転車道内で現利用者の大半は、すれ違い時に、自身の走行を安定させる速度で通過しようという意識が強く働いている可能性が示唆される。
 併せて、駅前の自転車道であること,また,買い物・通勤通学利用が多い観測時間帯のため、日常的な利用者が多く、自転車道の利用に慣れ親しんだ人の挙動を集計しているに過ぎない可能性も示唆される。
 自身の走行を安定させるなら、直前でペダル空走を多くの通行者が行っているだろうに。
 通勤・通学など慣れた道を通行することが多い利用が大半を占める日本の環境で、慣れた結果の適正な通行が研究において何の支障となるのか。何が「集計しているに過ぎない」のか。

 以上が、2015年までの鈴木の主要論文の検証評価。

 ここまでで一目瞭然のように、そのそも研究論文としての体をなしていない。自分の結論ありきで、不十分な調査に恣意的な数値操作、これらを無理矢理つなぎ合わせ、肝心な判断をすべて無根拠な持論で行い、あたかも「自転車の車道走行は安全だ」という結論が科学的に証明されたかのように偽装する。

 こんな研究の皮を被った些末な何かが、平気で学会の査読を通過し、この次元しか作れない何かの人間に博士の称号が与えられ、各地の大学で教壇に立っているという。

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東京工業大学大学院教授・副学長
屋井鉄雄(HP)

 そしてこの鈴木に研究者としてのイロハ、現代社会において研究者が生き抜くために必要な術を鈴木に叩き込んだ人間が、日本最高の工学系大学の副学長にまで上り詰めている。
 日本の学術界の惨状が極まるところ。


2-2. 研究不適格者が阻害する自転車利用推進

 検証最後に、現在の日本の自転車政策を歪める「車道走行原理主義者」について整理しておきます。

 2006年から2007年にかけて、警察庁による「自転車の車道走行制限」の道路交通法改正検討という騒動があり、これに反旗を翻したのが
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TBSプロデューサー・NPO法人自転車活用推進研究会
自転車ツーキニスト疋田智(公式HP写真)
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NPO法人自転車活用推進研究会 理事長
小林成基(twitter写真)

 スポーツ自転車愛好家集団「NPO法人自転車活用推進研究会」の創設者である、TBSプロデューサー疋田智と、元自民党職員小林成基。
 車道左端を走れさえすればいい、自転車の車道走行を死守する、この自分達愛好家の死活問題打破のため様々なメディアを用いた広報活動を開始。

 これと並行して、従来の日本における自転車研究は全面的にアメリカを踏襲したもの、つまり(1)で説明した「Vehicular Cycling」=「車両である自転車は車道を走るべき論」に完全に染まり切っており、
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東京工業大学大学院教授・副学長
屋井鉄雄(HP)
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徳島大学大学院 ソシオテクノサイエンス研究部 教授
山中英生(HP写真)
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三井住友トラスト基礎研究所研究理事
NPO法人自転車活用推進研究会
古倉宗治(公式HP写真)

 交通工学の世界であまり日の目を見なかった、自転車の分野に以前から関わってきた屋井、山中、古倉という研究者らが、自転車の車道走行論を体系化させていた。

 この研究者らの助力もあり、警察庁の道交法改定は頓挫(この愛好家集団が大幅に誇張して面もあった模様)、この成功に気を良くした愛好家と専門家集団は、国土交通省と警察庁という政府に逆に重用される存在になっていく。
 
 2007年の「懇談会」、2011年の「自転車ガイドライン検討委員会」、2014年の「自転車ガイドライン促進委員会」、これら政府の会合すべてに自転車愛好家・自転車研究者が委員として参画。

 これら検討会の中で、(特定の研究室を持たない遊牧民である自由度を生かして)古倉が主体となり、あたかも自転車の車道走行が安全で快適で世界標準化のような、不正や恣意的を超えた「捏造研究」を土台とした持論を連発。
 この主張は、自動車の車線を削って自転車道を作らなくとも、車道端にペイントするだけで自転車の走行空間が作り出せるという、車道に手を入れたくない政府や地方自治体にとって渡りに船の魔法の理論。
 (※研究者の不正研究や事実誤認については、ブログ主要記事まとめ各記事で全て検証)

 この間、2008年から始まった「自転車モデル地区」における一斉整備において、亀戸自転車道や東京都庁による山手通り・東八道路など劣悪な走行空間が量産され、自活研疋田や小林が(古倉らによるデマを交えた)徹底的な批判活動に終始。
 この活動もあり日本では、
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元:国土技術政策総合研究所道路研究室主任研究官
国土交通省官僚 大脇鉄也(htmlpdf)

 自転車を車道に出すという安価で手早い政策の推進のため、国土交通省官僚が国外基準をデタラメに切り貼りした世界最悪級の欠陥基準「自転車ガイドライン」を生み出し、

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京都市建設局自転車政策推進室
田賀千津(html)

 国交省委員というお墨付きを得た愛好家・研究者を委員に据えた全国の地方自治体が、国交省方針をカーボンコピーした「自転車は車道に出るだけで安全で安心」という自治体政策と整備を矢継ぎ早に打ち出し、

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地球の友・金沢
内閣府第10次中央交通安全対策会議専門委員
三国成子(写真)

 市民活動家も交える形で、「自転車を車道に出すことが大事だ」という国策を全国民に徹底浸透させる活動が先鋭化していく。

 「自転車の車道走行原理主義者」、この集団が20年がかりで夢見て目指してきた活動が、国策として採用され日本を意のままに誘導しようとする。
 上記の第一世代、小林に古倉に屋井に山中はもう壮年であり現役世代として先は長くない、その跡を継ぐ第二世代の代表となっているのが、
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 次世代の「自転車の車道走行原理主義者」、これが鈴木美緒が担う自転車界での役割。


 この原理主義集団の目的は、「自転車活用推進法」という法律を作りながら、全ての自転車の活用推進を目指すことなどではない。
 自転車愛好家は、スポーツ自転車活用推進に向けた車道左端の死守。
 自転車研究者は、20年以上構築してきた「アメリカ準拠の自転車理論」の正当性の証明。
 車道を減らしたくない政府の思惑とも合致したこの集団の思想が「自転車の車道走行原理主義」であり、そのため日本から、自転車の歩道走行、右側通行を含む対面通行という恥ずべき行為の殲滅を目指す。


 こうして日本が、いつまでも歩道か車道かという、自転車の安全も快適も無視した下劣な主張に囚われ続ける間に、世界は日本を嘲笑うかのように抜本的な変革を起こしている。

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 自転車は車道を走るものという旧世代の政策に縛られ続け、自転車利用推進も安全確保も実現しなかったロンドンやニューヨークは、2010年前後になってその方針を全面転換。
 自動車車線を潰してでも、いや自動車利用を削ることを目的として、自動車とも歩行者とも分離した自転車専用の空間を都市内に急激に生み出している。

 これらは単なる自転車の走行空間や、安全性という一要素の事業ではない。
 都市内の大気環境を改善する、渋滞混雑を緩和する、交通バリアフリーを向上させる、市民や観光客に魅力的な環境を作り出す、各都市の国際競争力向上という観点からの都市を挙げた大プロジェクトであり、その切り札として選ばれたのが自転車だった。


 この世界的現状を知りながら、自転車利用推進に向けた潮流、実現に必要なことを知りながら、
 それでも鈴木美緒が目線を逸らし続け、鈴木が実現したいものは一体何なのだろうか。

 お前が目指すものは何だ?お前の研究者としての存在意義は何だ?
 お前が研究不正を繰り返してでも手に入れたい何か、それにより日本はこの世界の中で、成長と発展を実現出来るのか?

 これでもなお鈴木が、研究を通して答えを示さない、示せないのなら、もはや「研究不適格者」以外の何物でもない。
 学術界から早期に退出頂くことを願うしかありません。


【参考】
ブログ主要記事まとめ
(※国内外の自転車走行空間の整備事例、事故分析、自転車政策の検証などを行っています。)

自転車の活用の推進に関するアンケート
平成29年11月2日 自転車活用推進本部事務局(国土交通省)

 11月15日期限で国土交通省がアンケートを行っていたが、あまりの杜撰さに絶句。執筆時間も取れないため端的に。

 ウェブでの選択式が主体。概ね前半・後半に分かれており、前半は自転車利用に関するもの。
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 ・・・たったこれだけ。

 例えば、自転車を活用できる距離を毎日移動している人のうち何割が現在使っているのか、現在使っていない・使いたいが阻害している要因は何か、仕事と私事で差があるのか、都市と地方で地域差があるのか、こういう情報を入手せずになぜ自転車活用推進の政策立案ができるのか。

 そして後半、自転車活用推進に関する質問で、これまで選択式だけでありながら最後で急に自由記述に。
20171115_01_08

・・・
 自転車活用推進に何が必要か、それを聞く質問は分かる。
 そのために何故、こんな法律抜粋をそのままアンケート内に置く必要があるのか。

 尤もこれは、本来法律「自転車活用数進法」の根幹であるべきこの1~15の重点事業の内容が意味不明なものであるため、国民に分かりやすく伝えることを放棄したのではとも考えられる。

【参考:自転車活用推進法の検証】
(1)自転車の真価を理解しない基本理念
(2)自転車レーン至上主義
(3)"自動車駐車場”の整備推進
(4)法律としての疑義
(5)法の正体とスポーツ自転車愛好家集団の利益誘導

 そもそも2からして、自転車活用推進のための事業でありながら、都市部に”自動車のための駐車場”を整備するという支離滅裂な内容。
 その次の3がシェアサイクル、次のまだ上位である4でなぜか自転車スポーツ競技のための施設、そして法律間の調整に失敗したがゆえ、駐輪場に関する規定が一切ないというデタラメ法律。

 結局、法律の破綻をそのままに、アンケートを通じて国民に分かりやすく伝えることも放棄し、ただアンケートを行ったという事実だけを作って事務局が内部決裁に掛け次回の推進懇談会に掛け、デタラメ自転車活用推進政策を形だけ作って終わり。

 本件の担当者、奥田と山田という国土交通省官僚は一体誰だ。自分の仕事に対し情けなくないのか、恥ずかしくないのか。
 こんな無能集団が、日本をあるべき未来へ導く国土交通省官僚をやっているという絶望的な状況。こんな醜態を晒す無能を採用せざるを得ないほど、日本の官僚機構国土交通省は落ちぶれ切ったのだろうか。


 最後に、管理人が送付した内容を晒しておきます。今後の検討会資料でこれへの言及がなければ、国土交通省は国民の意見を無視隠蔽したと受け取ってください。


Q3:

・国外基準を恣意的に切り貼りし、50km/h路線の完成形態に自転車レーンを位置付け、自動車交通量や速度と無関係に路面ペイントを許容する、世界でも類を見ない欠陥危険基準「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」を廃止及び再策定し、法第8条第1項「良好な自転車交通網」を実現する基準に転換する。

・自転車活用推進を謳いながら、自動車駐車場を整備推進する一方、自転車駐輪場の規定が一切ない欠陥法律「自転車活用推進法」の廃止及び再公布。

・自転車活用推進に向けた政策立案、アンケート業務を遂行できない事務局奥田・山田の更迭。

 

Q4:

・デマや捏造を繰り返し自転車政策を歪め続けてきた、自転車研究者屋井鉄雄・山中英生・古倉宗治・鈴木美緒ら研究者、疋田智・小林成基・内海潤・絹代ら自転車活用推進研究会を、今後各種検討会委員に介入させないよう国土交通省道路局長名で全国自治体に通達願う。



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(※国内外の自転車走行空間の整備事例、事故分析、自転車政策の検証などを行っています。)


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