兵庫県立神出学園とは、平成6年に全国で唯一の不登校等青少年の支援施設として開校した、全寮制の不登校児支援施設です。不登校等で小・中学校などに行けなかったけれど、自分の生き方や進路を見つけたい意欲を持ち、寮での共同生活ができる23歳未満の方に、「自分探し」と「自分づくり」を支援するのが設立の目的です。
 全寮制のため、月曜日の朝に登園してプログラムを受けて、木曜日の午後に帰宅します。プログラムは農園や動物プログラム、スポーツやインターネット、料理や食育、ミュージックなどがあり、中には進路学習のプログラムもあります。
 開設以来、修了生は650人を超え、その進路は青雲高校などの通信制高校への復学を筆頭に、大学受験への挑戦、就職などさまざまです。芦屋市をはじめ阪神間の若者受け入れ実績もありますが、神戸市西区に立地していることから、修了生はそれほど多くはないようです。
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 不登校の支援施設と聞いて寂びれたイメージがありましたが、その先入観を覆す、スイスのチロル地方や信州の別荘を彷彿とさせる立派な施設です。
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 5.6ヘクタールの広大な丘陵地には、収穫の喜びを実感できる農園や果樹園、山羊や羊などと触れ合える牧草地などがあります。学園生は広大で豊かな自然と、ゆったりとした時間の流れの中で、多彩な体験プログラムを通して創造する喜びを見いだし、寮での共同生活を通して自らの生き方を発見していきます。
 当日はあいにくの雨模様でしたが、晴れた日は夕陽がとても綺麗なのだそうです。
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 上の写真は、施設内に食堂内の様子です。ここは元々、兵庫県農業研究センターの跡地で、周辺では新鮮な野菜栽培が行われており、とても美味しい食事が提供されている(職員さんの談)そうです。
 寮内はプライバシー保護のため撮影を控えましたが、大型フェリーの個室ツーリストのような2段ベッドと学習机が配置されています。なかなか快適な寮環境のため、退寮を渋る園生もしばしばいるのだとか。

 今回の視察は、議員としての公務ではなく、芦屋市青少年育成愛護協会の研修で実施されたものです。これまでも児童更生施設、少年刑務所などを視察してきましたが、神出学園の訪問では青少年の社会復帰を支援するあり方の新たな一面を発見しました。正に「百聞は一見に如かず」です。
 温かくおもてなし下さった神出学園の職員の皆様、ありがとうございました!
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