2010年01月12日
ブログ移転のお知らせ
2010年01月10日
1月10日 三国岳・P941m
ルート:古屋〜保谷南尾根〜三国岳〜P941m〜保谷南尾根〜古屋
天候:曇りのち雪(里では雨)
積雪量:三国岳付近80cm 古屋45cm
古屋に午前6時30分頃到着したがまだわずかに明るくなった程度、駐車スペースを除雪し、身支度をしているとようやく明るくなってきた。
保谷林道には昨日と思われるワカンのトレースがあるが、ズボ足では沈んでしまうのでワカンを付ける、この冬初めてのワカンである。ワカンのトレースは歩幅が広くてついて行くのが苦しいほど、よほど足の長い人なのだろうと思いながら追いかけた。
トレースは林道を離れて保谷南尾根に向かっている、なんのためらう様子もないところをみると、最初からこのルートを採る予定だったのだろう、冬の保谷南尾根を何度か歩いている人に違いない。
忠実にトレースを追うので全くラッセルなし、喘ぐことも休むこともなしに江丹国境尾根まで登りついてしまった。ところがここまで来るとトレースが途切れてしまっている、ここから引き返されたようである。
稜線上は少し風があるが先週ほど強くはなく、気温もそれほど低くはないようだ。吹きだまりでは膝くらいまで、それ以外は10〜20cmほどのラッセル、それほど辛くはないが今シーズン初めてのワカンラッセルで足がだるくなってしまう。
P941m西尾根分岐まで上がると今までとは全く別の世界が広がる。風が弱いためだろう、緩く円やかな雪肌に立つ木々の枝はいっぱいの雪を載せて純白の世界のよう、冬の芦生の魅力はこの光景に尽きるとさえ言えるだろう、だからこの森に会いたくてやってくるのだ。
しかしその先はさらに雪が深くなり、20〜30cmのラッセルが始まった。三国山頂まではあとわずかなのだが、夏場のようには進まず時々立ち止まって呼吸を整えなければならない。山頂近くなるといよいよ深くなり、終始膝まで
時に膝上までのラッセルが待っていた。
山頂は少し吹雪模様で視界は悪い、立ったまま一休みして引き返すことにする。しかしこのまま帰るには早すぎる、そこでP941mに立ち寄るべく西尾根分岐の手前で三ボケ源頭に下った。谷の中は風がなく静かだ、雪が少し降っているがここで食事にしよう。例によってポットのお湯でラーメン、だが手がかじかんで箸が思うように使えない。
食事を済ませP941mへ登って行く、しかしこの上りが今日一日で最も雪が深かった。ずっと膝上までのラッセルで膝や手を使わないと楽には登れない。しかし登りついたP941m周辺は、冬の芦生にあっては最も素晴らしいところの一つだ。ラッセルしながらも、雪の中をあちこち彷徨って白い森を楽しんだ。
P941m西尾根分岐まで戻り、往路をひたすら忠実に辿った。コナラ林の続く最後の下りに入る頃から雪は小雨に変わり、積もった雪が団子状に重く足にまとわりつく。
もっと雪が積もらなければ…と考えながら、重い雪の上へ足を運び続けた。
古屋=3時間05分=三国岳=1時間05分(昼食時間20分程度含む)=P941m=2時間20分=古屋
2010年01月02日
1月2日 由良川源流、岩谷
ルート:古屋〜岩谷峠〜P941m西尾根〜ツボ谷出合〜岩谷出合〜岩谷峠〜保谷南尾根〜古屋
天候:雪(山頂部では吹雪)のち曇りのち晴れ
積雪量:P941m付近45cm 岩谷出合55cm
スタッドレスタイヤで初めての雪道、全く滑らない、凄い、感激した。今までタイヤチェーンでやって来ていたことがうそのようだ。
古屋で出発の準備をしていると、激しく雪が降ってきた。そんな雪の降る中、保谷林
道を歩く。昨夕くらいから降り始めた新雪が20cmあまり積もっていて、その軟らかい雪を踏み締め蹴散らし歩いていると、少年時代に戻ったように心がときめいてくる。幾つになっても雪を見ると興奮するのは、私だけだろうか?
土の上に軽い雪が載っているだけなので、夏道のように歩くことができる。しかし、ロクロベット谷を離れて急斜面を登るようになってくると、足がスリップして歩き辛い。途中、クロソヨゴやシャクナゲなどの常緑の低木が雪の重みで倒れて登山道を塞いでいたが、重そうだからと親切心で雪をはねのけてはいけない。雪の下は暖かく、彼らはその雪の布団を被って厳しい冬を越すのだから。
岩谷峠に上がると芦生側(西側)から冷たい風が吹き付け、吹雪模様となってきた。そして稜線上は吹きだまりと雪の飛ばされた所とが交互の現れ、今まで以上に歩き辛くなってくる。P941m西尾根分岐まではそれほど距離は無いが、この区間で一気に疲れが出てきた。
分岐まで来れば登りも終わって楽になるはずだったが、新雪の下に10日ほど前の雪が20cmほど残っていてラッセルをしなければならなくなる。こんなことになるとは考えもせず、ワカンは車に置いてきたのでズボ足のラッセルは少々辛い。
西尾根から由良川に向かって下って行くと、次第に古い雪が少なくなって快適な雪上散歩となってきた。雪は降り続いているが、この辺りは吹雪になっても地図がなくても歩けるところなので全く不安は無い。
雪が降っているため音が吸収されるのだろうか、かなり下っても由良川の瀬音が聞こえず、流れが見え始めてやっと川の音が聞こえてきた。しかし、それからが最後の急斜面、20cm程度の新雪では足がスリップして危険極まりない。何度か危うい場面もあったが何とか由良川まで下り着く。
由良川の水量は平常程度で簡単に対岸へ渡ることができる、ツボ谷の滝と一ノツボを見学して再び流れを渡って鎖場を攀じ上がった。新雪が積もって険路が隠れているので雪の下がどんな状態になっているか分からない。雪に隠れた枝に足を乗せてしまって滑り落ちそうになったことも。
先週とは比較にならない程神経を遣うので、トコ迫の鼻の乗越しからP941m西尾根に戻ろうかと考えながら、平坦地で昼食を摂ることにした。今日もカップそば、サーモスの750mlステンレスポットは優れ物で、午前5時に入れた湯をカップに注いでも麺は熱々だ。
雪はほとんど止んでおり、食事を摂ると気力も出てこのまま左岸歩道を歩くことにして出発する。一旦由良川の川岸まで下ってからの高巻き道、木の枝を拾って杖にして、一歩一歩足の置き場を確認しながら前進する。
足下だけに神経を集中するので景色など全く目に入らない。渕谷を越え次いで左岸から入る小谷のところまでやって来て、更に歩道を歩き続ける気力を喪失してしまい、由良川に下って流れの中を歩くことにする。
由良川の水量が少なく長靴でも歩ける事が分かっていたからであるが、安心して歩ける場所に出てやっと緊張を解くことができた。
岩谷出合辺りはどういう訳か膝までのラッセル、P941m辺りよりも積雪量が多い。ここで岩谷を上がるか更に由良川を溯ってスケン谷を上がるか迷ったが、雪の上を歩き続けて足がだるくなっていたので岩谷を溯ることにした。
3分の1程は流れの中を歩き他は雪の上を歩く、この谷の中も結構雪が深い。岩谷峠への旧道を上がって岩谷峠に至り、少し南へ進んでから保谷南尾根を通って帰ることにする。
この頃になると上空に青空が拡がり始め、木立の枝にまだ雪を載せたままの森に明るい陽が差し込んできた。雲が切れ木立越しには四囲の山々が現れ、軽やかな雪を蹴散らしながら稜線を歩いていると、今日一日を森で過ごした喜びがひしひしと湧きあがってくる。そんな満足感に包まれながら、コナラの林の中を古屋の集落目指して下って行った。
古屋=1時間30分=岩谷峠=30分=P941m西尾根分岐=1時間15分=ツボ谷出合=1時間45分=岩谷出合=1時間10分=岩谷峠=1時間20分=古屋
『今日の出会い』人間0
2009年12月27日
12月27日 由良川源流半周
ルート:須後〜七瀬〜大谷出合〜ツボ谷出合〜岩谷出合〜中山〜ケヤキ坂峠〜須後
天候:曇りのち晴れ
雪道に備えてスタッドレスタイヤに替えたが、今日は雪がすっかり融けてしまって出番がなかった。
午前7時15分出発、朝早くその上曇り空で余計に薄暗い。由良川沿いのトロッコ道を歩く、大ヨモギ谷出合辺りまではほとんど雪が見られなかったが、次第に雪が現れカヅラ谷出合を過ぎると急に雪の量が増えてくる。
カヅラ谷出合で雪の上に落ちているケンポナシの果実を拾って食べた。すっかり軟らかくなり少し発酵しているようだ。渋みは全く消えていてとてもおいしく、幾つも拾って食べたが、なんだか酔ってしまいそう。
七瀬からは川の中を歩く、水量はいつもより少し多い程度で長靴の中に水を入れずに何とか済みそうだ。今年の由良川の水量は9月頃を除いて常に平均よりも多い。その為水垢が岩の上の方まで付いていて、水量の多い所の徒渉にはとても気を遣わなければならない。
枯れ枝を拾って支点にし、岩の上に足をそっと置いて滑らないよう静かに移動する。そんなことを何度も繰り返しながらどんどん上流へと溯って行った。
大谷出合付近とツボ谷出合から岩谷出合付近の2カ所では、雪の上にシカの足跡がなく、この辺りでシカの通行が断ち切られているようだ。しかし、今頃になっても由良川源流の最も深い所にシカが残っているところを見ると、今年の冬も雪が少ないと彼らは予測しているのだろうか。
ツボ谷出合からこのコース中最も険しい登山道に入るのであるが、中途半端な量の雪が歩道に積もっていて、今回も「生きた心地がしない」という体験を幾度もしなければならなかった。万一足を滑らせれば、20〜30m下の流れまで一気に滑落しそうだ。
岩谷出合まで来れば少しは緊張から解放される。岩谷出合から小ボケ出合付近までの歩道は流れの30mほど上を通っているうえ酷く荒れているので、ここも流れの中を歩くことにした。この区間は長靴で何度も歩いていて、危険な個所や深い徒渉がほとんどないということが分かっている。
小ボケ出合付近からは再び歩道に上がり、中山までずっと歩道を歩く。この辺りから積雪量が急に増え、中山では10cmほどの雪が残っていた。しかし20日の夜から降った雪は40〜50cmほど積もったらしく、随分融けてしまったようだ。
中山からは内杉谷林道を歩く、2〜3日前と思われる轍が残されており、その中を歩けば全く夏道と同じ。ケヤキ坂峠からも忠実に林道を辿ることにしたが、今までここを歩いたのはまだ2回しかない。
退屈で長い林道歩きを敬遠して今まで避けてきたが、今日は緊張の連続で他のルートを歩く気力が無くなっていた。林道と雖も厭々歩くのは勿体ない、せっかくなので法面の植相や両側の樹木を観察しながら歩くことにしよう。
中山から須後まで2時間半、やはり飽きてしまった。
一年56回、今年も週に一度の芦生通いが達成できました。健康でいられたこともさることながら、こんなわがままを許してくれる家族に感謝、感謝です。
須後=2時間25分=七瀬=1時間15分=大谷出合=1時間50分=岩谷出合=1時間=中山=2時間35分=須後
『今日の出会い』牡シカ2頭、人間0
2009年12月20日
12月20日 ナメトコ谷・三国岳・経ケ岳
ルート:古屋〜ナメトコ谷遡行〜岩谷峠〜三国岳〜経ケ岳〜タバ谷出合(林道下ツボ線)〜古屋
天候:晴れ
路上に残る雪に気を遣いながらも、何とか夏タイヤのまま古屋まで来ることができた。北陸方面では大雪らしいが、ここ針畑は薄っすらと積もっている程度、天気が良ければ一日で消えてしまうような量である。
保谷林道を歩く、わずかな雪は全く負担にならず、雪を踏む感触がかえって心地よい。林道を奥に入っても積雪量はほとんど変化せず、見上げる峰も黒々としている。このまま登山道を登ってもあまり面白くはなさそうに思われ、林道終点からナメトコ谷を溯ることにした。
次々現れる小滝を越えて行くが、長靴では滑りやすく3個の滝は高巻くことになる。しかし高巻きも薄い雪が付いているとスリップしやすく、気を遣いながら越えなければならない。流れが消えて稜線までの急斜面、雪に足が獲られて思うように上がれず、止むなく四つん這いになって這い上がった。
稜線に上がっても雪の量は変わらず、平坦な場所では夏道と変わらない程楽に歩くことができる。上空に青い空が広がっているものの気温は氷点下、冷たい西風が吹き付けて寒い。
稜線を南下して岩谷峠に下り、再び三国岳へと登って行く。雪が少ないので常緑のシノブカグマ(シダ)やトクワカソウが萎れたように葉を丸めており、エゾユズリハ、ヤマグルマ、アセビなどの葉も、「だらー」と垂れ下がっている。細胞内の水分が凍結して細胞が傷付くのを防止するため、脱水して細胞内の糖度を高めているのだそうだ。
P941m西尾根分岐付近まで上がってくると東側の展望が開け、琵琶湖や湖北の山々が見えてくる。しかしここまで上がって来ても積雪量は5cmほど、11月3日に降った雪の方がはるかに多かった。
ここでこの先の事を考えたが、雪の量が少な過ぎて急斜面を下って由良川方面に行くのは危険だ。やはり忠実に登山道を歩く以外なさそうである。そこで久しく足を向けていなかった経ケ岳方面に行くことにした。
三国岳には経ケ岳方面から上がって下ツボ林道へ下ったと思われる足跡が残されていて、この先ずっと足跡を追わなければならないかと思うとあまり気が進まなかったが、ここまで来ると他に行くところがないのでやむを得ず予定どおり歩くことにする。
三国岳と茶屋跡との中間辺りの風が当たらない場所で昼食を摂ることにした。今回もポットの湯でラーメンを作り、焼き飯と一緒に食べる。12月の低い空から差す陽の光は力弱く、背に受けてもわずかに暖かさを感じる程度。
食事を済ませて経ケ岳まで足を延ばす。茶屋跡から先は5〜10m間隔でテープ類が付けられており、目障りで仕方がない。こんなにもテープ類を付ける必要がないのになぜ付けるのか?付けることを楽しみに或いは目的にしているとしか思えない。芦生内であれば外すところであるがここは芦生外、そのままにしておくことにした。
茶屋跡から経ケ岳を往復して桑原へ下る。今日は針畑川沿いに古屋へ帰ろうと思っていたので、途中から登山道を離れタバ谷出合へ下った。下ツボ林道を少し歩いて針畑川の流れへ下り、幾度か徒渉しながら河畔を溯る。少し水量が多いのか徒渉に手間取る所もあったが、薄い流れのところでは川の真ん中を歩くことができた。
戻り着けば午後2時ちょうど、結構歩いたように感じたが今日は随分短い山歩きになった。
古屋=2時間20分=岩谷峠=55分=三国岳=1時間30分(途中食事20分ほど)=経ケ岳=1時間=タバ谷出合=45分=古屋
『今日の出会い』牡シカ2頭 人間0
【『芦生ファンの集う会』 新年会のご案内】
「芦生原生林の博物誌」の池さんとの共同企画で、新年会を催します。芦生原生林ファンの方ならどなたでもご参加いただけます。
日時:2010年1月11日(月)[成人の日] 18:00〜20:00
会場(予定):「二代目 萬三」
TEL. 075-353-8155
京都市下京区 烏丸通七条下ル東塩小路町720 京都駅前駿河屋ビル2F
(京都タワー北側、駿河屋ビル2F)
集合場所:17:50に京都タワー1階南側 (JR京都駅側) 出入口前。
遅れる場合は各自で会場までお越しください。
料理:飲み放題5000円コース(鍋宴会)
会費:5000円
参加申込方法:メールでお申し込みください。
メールアドレス: ashiuenkai@plala.to
メールタイトル: 芦生ファンの集う会
メール本文に以下の項目をお書きください。
?本名
?ハンドルネーム (あれば)
?連絡先電話番号
?ひとこと
申込締切: 12月23日(水)
問い合わせも上記メールアドレスまでどうぞ。
2009年12月12日
12月12日 四ノ谷・傘峠
ルート:中山〜四ノ谷出合〜傘峠〜岩出合
天候:雨
中山に至る途中、タヌキの溜糞からツルシキミが伸びているのを見た。10〜15cm程の高さだが15本もまとまって生えている。ここへ来る前にも30cm程の高さまで成長したヒメアオキの生えたタヌキの溜糞にも出会っている。
これらは常緑の低木でシカの採食に遭って、芦生では希少種にさえなっているほどだ。しかし、タヌキの糞があると食べられずに残っているということは、どう考えてもシカはタヌキの糞が嫌いなのだろう。こういう現象は至る所で見かけるので、この推測は間違っていないように思える。
中山を10時15分出発、今日は林道を歩く。法面を見ながら歩いていると、京都府の絶滅危惧種に指定されているアカモノの群生を見つけた。芦生では1カ所で、それもわずかの数しか見かけていないのに、法面という人為的破壊地に群生しているとは何とも複雑な気持ちだ。
今日は四ノ谷に入ることにする。入口から人工林が続き全く面白くない。すぐに二俣になりまずは左俣に入ることにした。わずか歩けば連続する滝場に出合い、最上部以外は巻かずに越えることができる。朝食を摂らなかったので空腹を感じ、滝の上で少し早いが昼食にすることにした。
カップそばとチャーハン、カップそばは持参したポットから湯を注ぐ。食事の準備に取り掛かり始めると、今まで降り続いていた雨が止んでくれ、落ち着いて食事を摂ることができた。
食事を済ませ出発の準備を始めると再び雨が降り出し、束の間降り止んだ雨は、正に山の神の慈悲ではないかとさえ思えてくる。左俣は以前通ったことがあり、この先は小さな滝とナメが続く優しい流れで、このまま溯ってみたくもあったが、今日は四ノ谷の右俣にも入りたかったので、中尾根を出合まで下って右俣に入ることにした。
右俣の源頭はイワヒメワラビの大群生地となっているためこの谷を溯るのは全く気が乗らないのだが、今まで入ったことがなかったので半ば仕方なく入ることにしたのである。ところが、少し中に入って行くと小滝がいくつも現れてきて、やがて30m余りの高さの多段大滝まで現れた。
高さだけであれば芦生屈指の滝ということになるのだが、こんな大きな滝が入る気にもならないような谷の中にあるとは本当に意外だ。ただ小滝から大滝まで全ての滝が逆層になっているため、沢足袋でも登れそうになくいわんや長靴であればなおのこと、全てを巻き上がることになった。
大滝を越えて少し上がれば、あのイワヒメワラビの大群生地に飛び出す。イワヒメワラビとコバノイシカグマとヒカゲノカズラ、シカの食べないシダの密生する中を少し上がれば傘峠の稜線に出た。
稜線を東に進み七瀬中尾根分岐まで来て時計を見ると午後1時ちょうど、もう45分早ければツボ谷出合付近へ下ろうと思っていが少し時間が経ち過ぎている、断念して傘峠へ向かう。
傘峠を過ぎ八宙山からは岩谷出合の下流へ向かって尾根を下った。由良川に出て対岸に渡ろうとしたが、1.3倍くらいに増水した流れの中ほどにある岩で足を滑らせ、長靴にどっと水が入ってしまう。水の入った長靴ほど不快な履物はない、いつまでもグチュグチュ・グチュグチュ。
岩谷出合では、誰が伐ったのか、葉のついたチャボガヤが薪にすべく積まれていた。全く酷い事をするものだ。
中山=30分=四ノ谷出合=2時間25分=傘峠=1時間25分=岩出合
『今日の出会い』牝シカ1頭、アトリの群れ(50羽ほど)、人間0
【『芦生ファンの集う会』 新年会のご案内】
「芦生原生林の博物誌」の池さんとの共同企画で、新年会を催します。芦生原生林ファンの方ならどなたでもご参加いただけます。
日時:2010年1月11日(月)[成人の日] 18:00〜20:00
会場(予定):「二代目 萬三」
TEL. 075-353-8155
京都市下京区 烏丸通七条下ル東塩小路町720 京都駅前駿河屋ビル2F
(京都タワー北側、駿河屋ビル2F)
集合場所:17:50に京都タワー1階南側 (JR京都駅側) 出入口前。
遅れる場合は各自で会場までお越しください。
料理:飲み放題5000円コース(鍋宴会)
会費:5000円
参加申込方法:メールでお申し込みください。
メールアドレス: ashiuenkai@plala.to
メールタイトル: 芦生ファンの集う会
メール本文に以下の項目をお書きください。
?本名
?ハンドルネーム (あれば)
?連絡先電話番号
?ひとこと
申込締切: 12月23日(水)
問い合わせも上記メールアドレスまでどうぞ。
2009年12月06日
12月5日〜6日 ニホンジカ個体数調査・シカ柵下ろし
ニホンジカ個体数調査・シカ柵下ろし
天候;5日雨のち曇りのち晴れ・6日晴れのち曇り
過去7年間継続して調査されている「ニホンジカ個体数調査」に参加させて頂いた。京都大学構内に集合して数台の車に分乗して長治谷作業所を目指す。京都大学の学生さんのほか、はるばる新潟大学から来られた学生さんなど総勢40名近い参加者が集まった。
一般からは私の他、ブログ「芦生原生林の博物誌」の池さんや10月25日に開いた観察会の参加者3名も参加している。
天気予報では午後から雨であったにも関わらず、出発時から既に本降りになっていた。長治谷作業所に着いても雨は降り止まず、終日こんな中での調査かと多少気が重くなったが、こればかりはどうしようもない、諦めましょう。
午前午後共、15カ所程の区画内を1時間余りかけてシカを探しながらゆっくり歩くのであるが、同一時間内に存在する個体数を確認する必要があるため、一斉に調査を開始すべくトランシーバーで連絡を取り合って出発時刻を決めることになる。
各区画それぞれが、区画内の最高標高地点を始点とするため、尾根を登り決められた地点に到着してそこで待機して合図を待つ。
出発時刻になり、全区画2名ずつ一斉に歩き始めた。雨で地面が緩くなっているうえ、傾斜のきつい斜面の中ほどを横切るように下るのであるから、足が滑りやすく足元から目を離すことができない。しかし、シカの存在も確認しなければならず、少し歩いては立ち止まって探すという作業を繰り返しながら下って行く。
更に途中には倒木あり薮あり岩場ありで、ルートも上へ下へとその部分を回避して選ぶのであるから、こんな場所に慣れていないと本当に大変だろう。
約1時間を掛けてゴールに到着、残念なのか喜ぶべきなのか、私の担当した区画内ではシカは見つからなかった。この頃には雨も止み、このまま止んでくれればいいのだがと、期待しながら長治谷作業所へ戻る。
昼食の弁当を頂き少し休憩した後、午後からの作業の説明を受けた。午後からは別の調査区を調査する。
調査始点へのアプローチ点まで車で移動し、尾根や谷を上がってそれぞれの区画の始点へ向かう。全員が始点に到着したので出発、今度も午前と同じように斜面を横切って下って行くが、この区画は午前の区画よりも傾斜が急で足場も悪い。
これを女子学生とコンビを組んで下るのであるから、彼女にとっては災難だ。もう少し傾斜の緩い区画を選んであげればよいのにと思ってしまう。
それでも何とか無事ゴールに到着、しかしこの区画でもシカを発見できなかった。調査を終了し、天候が回復して時々陽が差すようになった中を長治谷へ向かう。
今晩の泊まりは須後の研究林事務所宿舎、荷物を中に入れて学生さん達と夕食の準備をする。鍋を囲んで酒を酌み交わし、夜の更けるまで芦生の話題で盛り上がった。
翌朝食事を摂って出発、午前は昨日午後と同じ区画を同じメンバーで回った。上空に青空が広がり申し分ない調査日和、今日は昨日より歩く距離を多くしたので時間も多く費やすこととなったが、今度もシカに出会えない。
長治谷作業所へ帰って昼食を摂り、午後からは「ABCプロジェクト」のシカ柵下ろしの作業を手伝う。
昨年12月に手伝ったことがあったので、説明もほとんど受けずに作業を進めることができた。午後からは雲が上空を覆うようになり、冷たい季節風も吹いて寒い。柵内をゆっくり見て歩く余裕はないが、時々足元をみるとヒメモチやハイイヌツゲなどの常緑低木が昨年よりも大きくなっているように思えた。
今回は人数が多かったので、半日で全周の柵下ろしを終了することができた。柵を下ろしてしまったので後は出来るだけ早く根雪になることを祈るばかりである。
長治谷作業所へ戻って車に分乗し、須後へそしてそれから京大構内へと帰った。
いつも芦生で遊ばせてもらってばかりであり、こうして芦生のためにお役に立てたことを心より嬉しく思う。また普段接することのない若い世代の人たちと共にすることができたこともとてもよかった。
そしてそんな若い世代の人たちが、無償で(中には遠方から来て)且つその必要性を感じてこのような大変な作業に参加されていることにとても感動した。こんな若い世代の人たちがいる限りまだまだ日本は大丈夫だ。少し元気が出てきた。
■芦生生物相保全プロジェクト・ProNatura Fund公開中間報告会のお知らせ
会場が少し変更になりましたのでご注意ください。
今回お手伝いさせていただいた「ABCプロジェクト」の報告会が開催されます。
大規模シカ防護柵を設置して植生等がどのように変化(回復)してきたか?
芦生に限らず、激増したシカが自然に与える負荷が大きな問題となっています。これは人間が自然を改変してきたことに由来する、完全な自然破壊現象の一つであるのですが、「シカには罪がない」からと言って、最早これを放置できない状態にまで来ています。
この問題に興味のある方はぜひご参加ください。
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この度は,芦生生物相保全プロジェクト・PRO NATURA FUND公開中間報告会を12
月13日(日)に京都大学で行う事となりましたので,ご案内致します.
京都大学芦生研究林には西日本最大級のアシウスギ-ブナ森林生態系が原生的な
状態で保全されています.しかしながら2000年前後より,過剰な密度で生息する
ニホンジカによって本地域の森林下層植生は衰退し,連鎖的に生物相の単純化や
生態系プロセスへの変化が生じてきています.
芦生生物相保全プロジェクト(Ashiu Biological Conservation project; ABC
Project)はシカが森林に及ぼす影響を生態系スケールで明らかにし,適切な生
態系管理を行うことを目的として2006年に発足しました.生態系スケールでのシ
カの影響を明らかにするため,16haの集水域全域を柵で囲ってシカを排除する実
験が2006年から行われており,様々な生態系構成要素について生態モニタリング
が継続されています.
今回のシンポジウムでは,シカ柵の設置から3年間で森林生態系がシカの排除と
放置にどのように応答してきたのかを報告するとともに,今後の芦生地域での生
態系保全について参加者とともに討論したいと考えています.
ご関心のある全ての方のご参加をお待ち申し上げております.
なお,このプロジェクトはPRO NATURA FUNDの助成により進めています.
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芦生生物相保全プロジェクト・PRO NATURA FUND公開中間報告会
日時: 2009年12月13日(日)13:00- (開場12:30)
会場:「京都大学紫蘭会館 別館2F研修室」
(京都市左京区吉田牛ノ宮町11-1)
主催: 芦生生物相保全プロジェクト
後援: (財)日本自然保護協会(交渉中)
(財)自然保護助成基金
京都大学フィールド科学教育研究センター
事前申し込み不要・参加費無料
プログラム
「シカと森林をめぐる諸問題」藤木大介 (兵庫県大,自然・環境科学研
究所)
「芦生の保全とシカ排除柵の活用」高柳敦 (京都大学大学院・農学研究科)
「芦生研究林における林道走行中のシカ目撃数モニタリング」井上みずき
(秋田県大院・生物資源科学部)
「シカ柵設置による植生回復プロセスと希少植物の現状」阪口翔太 (京
都大学大学院・農学研究科)
休憩
「芦生上谷のアリ相とシカ柵の効果」山崎理正 (京都大学大学院・農学
研究科)
「シカ食害が及ぼす渓流内環境と水生昆虫相への影響」境優 (京都大学
大学院・地球環境学堂)
「シカ柵設置による渓流水質および物質循環の変化」福島慶太郎 (京都
大学・フィールド科学教育研究センター)
総合討論
コメンテーター:渡辺弘之氏(京都大学名誉教授)
吉岡崇仁氏(京都大学・フィールド科学教育研究センター)
お問い合わせ:075-753-6479(京都大学農学研究科森林生物学)
2009年11月29日
11月29日 カヅラ谷・小野村割岳
ルート:須後〜カヅラ谷出合〜小野村割岳〜小ヨモギ作業所跡〜須後
天候:晴れのち曇り
天気予報が外れたかと思うほどよく晴れた朝である。少し霧の残る由良川を溯って行くが、溯るに従い雲が増えてきた。紅葉はすっかり終わり、クリかコナラだろう茶褐色の葉を付けた木が対岸の森の中に点在している。
そんな冬枯れの中で、チドリノキの黄葉だけがいつまでも鮮やかさを失わず木にしがみ付いていた。喧噪は一時のこと、紅葉の終わりと共に芦生の森は静寂を取り戻したようだ。
カヅラ谷作業所跡にはケンポナシの木があり、地上に落下したその果実(ふくれた果柄)を口にすると、先日までの渋さはなくなり濃厚な甘さが口中に広がる。癖のある甘さでたくさんは食べられないが、今日一日で10個ほどは口にしただろうか、これからしばらくはこの果実とお付き合いできる楽しみができた。
出合からカヅラ谷を溯ることにしたが、水量はいつもの1.5倍程度で長靴なら難なく登って行けそうだ。この谷でも冬季に葉を落とさない草本の分布調査をしたが、櫃倉谷や下谷と違って日差しが入らないためだろう目的の植物が見当たらない。
見つからなければ歩みはそんなに遅くはならず、どんどん上流へと溯って行く。葉を落とした大きな木の樹皮には様々の着生植物が見られ、それを観察しているとなかなか面白い。冬緑または常緑のシダ類が多く、サジラン、ヒメサジラン、コタニワタリ、オシャグジデンダなどが見つかる。
今日は帰りに散髪をしようと考えていたので、須後には遅くとも3時半には着きたいと思っていた。そこで、まだ入ったことのない左岸の小さな支流を詰め、ショートカットルートで城丹国境稜線に上がることにした。最後は予期したとおり急斜面を這い上がることになったが、ありがたいことにそれほど長い区間ではなかった。
稜線に上がれば小野村割岳まではそれほど遠くはない、山頂で少し食事を摂って更に稜線を西へ進む。P911mからは最短ルートを選び、小ヨモギ作業場へ下った。どんよりと今にも雨の降り出しそうな空模様の下、トロッコ道を急ぎ足で出発地へ向かう。
駐車場について帰りの準備をしていると小雨が降り始めてきた。
須後=1時間30分=カヅラ谷出合=3時間=小野村割岳=1時間45分=小ヨモギ作業所跡=45分=須後
『今日の出会い』シカ2頭ずつ2回(時間的には6時間ほどの隔たりがあるが、位置的には近接しているので同一個体かもしれない)、人間11人(帰りのトロッコ道で1グループ)
■芦生生物相保全プロジェクト・ProNatura Fund公開中間報告会のお知らせ
時々お手伝いさせていただいている「ABCプロジェクト」の報告会が開催されます。
大規模シカ防護柵を設置して植生等がどのように変化(回復)してきたか?
芦生に限らず、激増したシカが自然に与える負荷が大きな問題となっています。これは人間が自然を改変してきたことに由来する、完全な自然破壊現象の一つであるのですが、「シカには罪がない」からと言って、最早これを放置できない状態にまで来ています。
この問題に興味のある方はぜひご参加ください。
1)藤木大介(兵庫県大・自然研) 「シカと森林をめぐる諸問題」
2)高柳敦(京大院・農) 「芦生の保全とシカ排除柵の活用」
3)井上みずき(秋田県大院・生物資源)
「芦生研究林における林道走行中のシカ目撃数モニタリング」
4)阪口翔太(京大院・農) 「シカ柵設置による植生回復プロセスと希少植物
の現状」
5)山崎理正(京大院・農) 「芦生上谷のアリ相とシカ柵の効果」
6)境優(京大・地球環境学堂) 「シカ食害が及ぼす渓流内環境と水生昆虫相
への影響」
7)福島慶太郎(京大・フィールド研) 「シカ柵設置による渓流水質および物
質循環の変化」
8)総合討論
コメンテーター:渡辺弘之氏(京都大学名誉教授)
吉岡崇仁氏(京大・フィールド研)
日程:2009年12月13日(日) 13:00-17:00
場所:「京都大学紫蘭会館」2F研修室
事前申し込み不要・参加費無料
お問い合わせ:075-753-6479(京都大学農学研究科森林生物学)
2009年11月23日
11月23日 下谷・植物分布調査
ルート:中山〜水谷出合〜中山〜小ボケ出合
天候:曇り時々晴れ
山里は濃い霧に覆われていた。この季節にはよく現れる現象であり、暖かい川の流れから放射冷却で冷え切った空間へ水蒸気となって立ち上るのだろう。山の斜面を登るに従い徐々に霧は薄れ、やがて雲を突き抜けて青い空が現れてくる。そしていつしか雲海の上に出てくるのだ。
中山を10時40分出発、今日も先週に引き続き秋に新葉を展開する草本類の分布調査をする。下谷の流れを溯り、両岸に現れる平坦地をジグザグに歩きながら探すのであるが、谷底が広いので通常の2〜3倍は歩かねばならない。今日の川の水量はいつもより少し多い程度で、長靴で十分歩くことが出来た。
カツラの保存木を過ぎ三ノ谷に入って行く。200m程溯って昼食にする、今日はコンロを持ってきたのでラーメンライス。穏やかな日に暖かい食事を摂れるのはとても幸せなことだ。
食事を済ませて下谷へ戻り、更に溯って行く。トチノキ平を過ぎ水谷出合まで来るともう午後2時になっていた。そろそろ戻らなければ明るいうちに帰り着くことが出来ない。
帰りは林道を歩きながら両側に現れる樹木などを観察する。中山からは由良川沿いの歩道を歩き、小ボケ出合まで下って小ボケを溯った。
中山=3時間15分(その間に昼食に30分ほど)=水谷出合=40分=中山=40分=小ボケ出合
『今日の出会い』シカ3頭、人間1人(下谷の林道を自転車で登って行く人を見た・研究林は自転車の乗り入れを禁止しているのでルール違反だ)
■芦生生物相保全プロジェクト・ProNatura Fund公開中間報告会のお知らせ
時々お手伝いさせていただいている「ABCプロジェクト」の報告会が開催されます。
大規模シカ防護柵を設置して植生等がどのように変化(回復)してきたか?
芦生に限らず、激増したシカが自然に与える負荷が大きな問題となっています。これは人間が自然を改変してきたことに由来する、完全な自然破壊現象の一つであるのですが、「シカには罪がない」からと言って、最早これを放置できない状態にまで来ています。
この問題に興味のある方はぜひご参加ください。
1)藤木大介(兵庫県大・自然研) 「シカと森林をめぐる諸問題」
2)高柳敦(京大院・農) 「芦生の保全とシカ排除柵の活用」
3)井上みずき(秋田県大院・生物資源)
「芦生研究林における林道走行中のシカ目撃数モニタリング」
4)阪口翔太(京大院・農) 「シカ柵設置による植生回復プロセスと希少植物
の現状」
5)山崎理正(京大院・農) 「芦生上谷のアリ相とシカ柵の効果」
6)境優(京大・地球環境学堂) 「シカ食害が及ぼす渓流内環境と水生昆虫相
への影響」
7)福島慶太郎(京大・フィールド研) 「シカ柵設置による渓流水質および物
質循環の変化」
8)総合討論
コメンテーター:渡辺弘之氏(京都大学名誉教授)
吉岡崇仁氏(京大・フィールド研)
日程:2009年12月13日(日) 13:00-17:00
場所:「京都大学紫蘭会館」2F研修室
事前申し込み不要・参加費無料
お問い合わせ:075-753-6479(京都大学農学研究科森林生物学)
2009年11月15日
11月15日 ロクロ谷・坂谷・中山谷山
ルート:須後〜横山峠〜ロクロ谷出合〜権蔵峠〜中山谷山〜奥ノ谷山分岐〜櫃倉1号橋〜須後
天候:曇り時々晴れ
盛りは過ぎてしまってから分かるもの、今年の紅葉の盛りも先週ぐらいだったのか、今日はもう盛りを過ぎてしまっていた。内杉谷林道から見上げる山のコナラがオレンジ色に色付き、日が当たると黄金のように輝いて見える。林道のところどころで、タカノツメの落ち葉が甘ったるい匂いを醸し出していた。
横山峠への登り口、櫃倉谷の徒渉点では水量が4倍くらいに増えて長靴でも渡れない。長靴用スパッツを着けてなんとか渡り終えた。
中ノツボ谷に下って植物調査をしながら溯って行くが、水量が多いので岩を飛んで徒渉せざるを得ず、自由に流れの左右を行き来できない。この季節に調査というのは、秋に新葉を展開する植物があり、ほとんど葉を落とした地表でその葉の緑色が鮮やかに目立つからである。
高巻き道までやって来て、登山道横のランの葉がすっかりシカに食べられてしまっているのを見つけ、近くにあった「タヌキの溜糞」から新鮮な糞を運んで来て傍に置いた。これでシカはもう食べないに違いない。
ロクロ谷の中には大きな炭焼窯の跡があり、その昔は木地師が轆轤を回しながら炭も焼いていたのだろうか。流れは穏やかだが、小滝が数個あって高巻かなければならないものもある。
若丹国境稜線に登り着き、五波峠方面に向かって稜線を辿る。少し霞んでいるのか、若狭の青葉山は見えるが若狭湾までは判別できない。稜線上ではコハウチワカエデだけが赤く色づいた葉を残していて、冬枯れの森の中に鮮やかな色彩を放っている。
権蔵峠で4名の登山者を追い越し、中山谷山分岐手前から坂谷へ下った。飯場跡から坂谷本流を溯り、途中から緩やかな尾根を登って再び中山谷山山頂の北側稜線へ上がる。
この辺り、以前は背の低い笹(チマキザザ?)が地表を覆っていて感じのよい所であったが、2年前に花を咲かせて枯れてから地表がむき出しとなり殺風景になってしまった。中山谷山山頂で昼食を摂り、更に稜線を奥ノ谷山方面に向かう。
この稜線上にはアズキナシが多く、たくさんの赤い実を付けたその木が次々に出てくる。野鳥が食べているのだろう食べかすがいっぱい落ちていた。今年は色々な果実が豊作であったが、この木がこんなにたくさんの実を付けるとは今まで知らなかった。
奥ノ谷山分岐手前のササ薮、芦生周辺では最も濃い薮であったのだが完全に枯れてしまっている。枯れた「稈(カン)」だけが残って荒涼とした景観だ。今まではこのササ薮の通過に手間取ったものだが、今日は何の苦労も無く越えてしまった。しかしこれを素直に喜ぶことはできない。
奥ノ谷山分岐からは東へ延びる尾根に入り、いつもと違って今日は北東に下って櫃倉1号橋に出てくる。最後まで自然林で傾斜もそれほど急ではなく、とても良い尾根だったのだが、林道に出る10mほど手前に錆びた有刺鉄線があり、気付かず引っ掛けて長靴に穴をあけてしまった。新調してまだ1か月、泣きそう。
先週に引き続き今日も夕暮れ迫る中、林道を急ぎ足で須後に向かって歩いた。
須後〜横山峠〜ロクロ谷出合〜権蔵峠〜中山谷山〜奥ノ谷山分岐〜櫃倉1号橋〜須後
『今日の出会い』人間5人