芦生短信2

通年に亘る京都「芦生」の山行記録。出会った花・キノコ・果実と積雪量。2002年から2005年の記録は「自然館のホームページから「里山便り」へ進んでください」で。2006年から2009年の記録は 「芦生短信」へ。2012年4月からは「芦生研究林」の許可を受け、「ABCプロジェクト」との共同研究目的で入林しています。芦生原生林の現状をリアルタイムで知っていただくためにこのブログに記録を掲載していますが、ルートの大半は入林が規制されている地域であるため、許可がない限り入林できないことをおことわりしておきます。

9月15日~17日 植生調査と大規模シカ柵の交換

シロマダラの幼体(死体)シロマダラの幼体(死体)宿舎前で車に轢かれたのだろう





シカ柵交換のためにネットを下したところシカ柵交換のためにネットを下したところ





シカを柵交換してネットを上げたところシカを柵交換してネットを上げたところ





天候 9月15日~17日曇り時々晴れ

芦生研究林には、周囲1.5kmと1.8kmの二つの大規模シカ柵がある。小さい方は2006年に、大きい方は2017年にそれぞれ設置され、今日まできめ細かなメンテナンスを続けて維持されてきた。しかし初期の資材は防鹿効果に劣り、また経年劣化も見過ごすことができなくなってきたため、新しい柵に取り替える必要があった。

単に新たなネットを重ねて設置するだけであれば、大きな労力をかけずに済むのであるが、そうすると森の中に膨大なゴミを残すことになる。そこで旧ネットを撤去して新設するという、大変効率の悪い方法を採ることにしている。

10年ほど前からこの作業の手伝いをしてきたが、歳を重ねるに従い軽作業しかできなくなってあまり貢献することができなくなってきた。しかし少しでも役立ちたいとの思いから体力と時間の許す限り、努めて参加するようにしている。

今年は、初日に新しい柵内における植生の回復度を見るため、柵内に設置された調査区の植生調査に携わり、二日目と三日目は柵交換に加わった。蒸し暑くて作業をしていると汗だくになったが、雨に降られることはなく無事予定の行程を終了することができた。

夜はみんなで食事を作り、少しアルコール類を頂きながら夕食を摂る。一日目は数名の学生さんから現在進行中の研究報告があり、2時間ほど聞いていると終わる頃には眠くなって寝てしまったが、二日目は夜が更けるまで芦生やそこに集う人たちの話題の中に入れていただいた。

今年はこの後、毎木調査と区画法によるシカの頭数調査があり、都合がつく限り参加させていただきたいと思っている。こんなことができるのはもう幾年もないと思うと、その時において可能な芦生への関わり方をすることによって、残された時間を大切に過ごしたいと願う。

8月8日 ガイド下見などでブナノ木峠  9日 菌類のフィールド講座  10日 キノコガイド

ホツツジホツツジ





ノリウツギノリウツギ





ツユクサツユクサ





ヒヨドリバナヒヨドリバナ





ミツバベンケイソウミツバベンケイソウ





ハグロソウハグロソウ





イタドリ 上が雄株 花が上向き 下が雌株 花が下向きイタドリ 上が雄株:花が上向き・下が雌株:花が下向き 草本で雌雄異株の種は少ない




ツルニンジンツルニンジン





オオカニコウモリオオカニコウモリ





ミヤマウズラミヤマウズラ





ツリバナの果実ツリバナの果実





アカシデの果実 すごい量だアカシデの果実 すごい量だ





クマシデの果実 これも多いクマシデの果実 これも多い





ケケンポナシのコクサギ型葉序 左左、右右と2枚ずつ交互に葉を出すケケンポナシのコクサギ型葉序 左左、右右と2枚ずつ交互に葉を出す




ミズメの短枝から長枝への変化ミズメの短枝から長枝への変化 石原林長の博士論文とのこと




ハナゴケ(地衣類)が群生ハナゴケ(地衣類)が群生





ハナゴケ拡大ハナゴケ拡大





ハイカグラテングタケ だと思うハイカグラテングタケ だと思う





センボンイチメガサの幼菌 だと思うセンボンイチメガサの幼菌 だと思う





フタイロタケフタイロタケ





9月8日
天候 曇りのち雨(土砂降り)のち曇り
田歌の水位13時:61cm
須後の駐車場~ケヤキ坂~ブナノ木峠~ケヤキ坂~須後の駐車場
3日間で出逢った花:<咲き始め>サンヨウブシ・オオカニコウモリ・ヒヨドリバナ・ツルニンジン
<盛り>アシウアザミ・ミツバベンケイソウ・ハグロソウ・イタドリ・ツユクサ・ヤマジノホトトギス・ミヤマウズラ
<咲き終わり>ノリウツギ・ホツツジ・ナツエビネ
出逢った果実:ケケンポナシ・アオハダ・ヤマボウシ・ツリバナ・エゴノキ・ハクウンボク・キブシ・カナクギノキ・ミズナラ・コナラ・ウラジロガシ・アカシデ・クマシデ

キノコをメインにしたガイドが10日にあり、その下見も兼ねてブナノ木峠付近で溜糞場調査をすべく、須後の駐車場を出発した。また、半月ほど先に、山の家さんで芦生の魅力を、樹木を通して紹介することになっているので、それにふさわしい姿を写真に撮るべく樹木を探しながら歩いたため、なかなか先へ進まない。

ミズメやケケンポナシ等の生態写真を撮って落合橋辺りまで来ると、雨が降り始めてきた。はじめは小雨でしかも時々降る程度であり、雨の合間にオニギラズの昼食も摂ることができたが、ケヤキ坂からブナノ木峠に向かう頃から次第に強くなって、やがては土砂降り状態になってきた。こうなるともう傘だけでは間に合わなくなり、慌ててザックカバーとカッパのズボンも着けた。

今年の夏は暑くて雨が少なく、キノコの発生は少ないのではないかと思っていたが、予想通りでなかなか見つからない。あっても古いものが多く楽しくはない、その上雨が酷くて図鑑を出してじっくりと見ることもできないので困った。

雨が強すぎるため溜糞調査は断念し、ブナノ木峠の山頂まで行って10日の下見だけをして引き返すことにした。ケヤキ坂まで戻り時間を見て驚いた、もう午後4時を過ぎている、急いで歩かなければ明るいうちに帰り着かないかも知れない。

その後は立ち止まることもせずに黙々と歩いたお陰で、まだ明るいうちに帰り着くことができた。だが、明日と明後日の昼食用に用意したバナナのホットケーキを持ってくるのを忘れてしまったことや、雨で衣類が濡れてしまったこと、或いは暗い場所で食事を作らなければならないだろうこと等を思っていると、この状態で車中泊する気力が萎えてしまい、一旦家に帰って明日出直す方法もあるなあと気持ちが揺れ動いた。

駐車場に戻り、エンジンをかけて車内を乾燥させながらメールに返信したり、明日の天気を観たりしているうちに衣類が少し乾き、それと共に家まで往復することの面倒くささが頭をもたげてくる。と、車中泊することに一気に気持ちが傾き、ためらいもなく定宿の芦生ロードパークに移動している自分がいた。

ロードパークに着き、微アルコールのビールを飲みながら夕食の準備をする、今夜は鶏肉入りの野菜炒めとサラダだけだか、二度目の昼食を夕方食べたことと1本のビールお陰で十分お腹は満たされた。

須後の駐車場=4時間50分=ケヤキ坂=1時間20分=ブナノ木峠=3時間=須後の駐車場
『今日の出会いと目撃』2尖の牡シカ1頭と牝シカ1頭の群れ(内杉林道標高650m付近)、牝シカ2頭と仔シカ1頭の群れ(幽仙谷出合付近)、シカの警戒音2回(ケヤキ坂・ブナノ木峠間、内杉林道のケヤキ坂から少し下ったところ)、人間0人


9月9日
天候 晴れのち曇り
今日は芦生山の家さん主催の「ツキイチ特別版 菌類」 に参加する。前回の特別版同様、研究者から直接菌類のお話を伺いながらフィールドを歩いた。

特に菌根菌と植物との関係については、新しい知見を紹介していただき、より深く知ることができたほか、私が学習したことが誤っていると教えていただいたこともあり、次の日のガイドにも大いに役立つ内容だった。

今夜の泊まりは、山の家さんがスタッフの宿泊用にと、新たに改造されたスタッフルームで宿泊する。炊事用具や電気製品も揃っているので、狭い車内で調理することから考えると格段に快適だ。しかし食材が乏しいため、夕食はパンを一切れ、グラノーラ、サラダ、イワシの水煮缶そして微アルコールのビールであった。でも一番嬉しいのは風呂に入れてもらえることか、昨日は水浴びもできなかったのでとてもありがたい。


9月10日
天候 晴れのち曇り
今日は山の家さん主催のツキイチ、私が担当するキノコ観察会である。

一昨日の下見であまり発生していないことを確認していたため、期待はしていないが、同じ日に降った強い雨と、その後の気温の低下がキノコの発生を促してくれたらいいのだがと、少し期待もしていた。

ケヤキ坂までの林道沿いで、車中から赤く大きなキノコを早速発見、タマゴタケだ。こんな立派なキノコが見られるのは素晴らしいと、参加者の方々にマイクロバスから降りていただき観察する。さらにその近くで白く大きなシロオニタケも数本見つかり、これで今日のキノコ観察会は早くも目的を達成したような気になって来る。

お陰で少し肩の荷が下りる、そしてプレッシャーがなくなると急に気分が軽くなった。

ケヤキ坂でマイクロバスから降りていただき、軽く準備体操をしてブナノ木峠を目指す。ところがこの先もキノコが次から次へと現れ、さらに多彩なキノコの姿をご覧になった参加者がすっかりキノコ眼になられたのか、次々にキノコを発見されるので、その度に種を同定するために、重い図鑑を広げて駆けつける、本当に忙しい。

参加された方の中に、種名と発見時刻を記録して下さった方があり、その記録によると、種名または何々の仲間程度までわかったものが50種ほどあったほか、分類のできなかったキノコもたくさんあったとのことで、これだけキノコに出会える観察会は久しぶりである。

そんなわけで、行程が進まないのは当然、途中で昼食を摂って頂いたが、ブナノ木峠までの中間くらいで引き返さなくてはならなくなった。距離にして800mほどだろう、これを3時間ほど掛けて往復したことになり、いかにゆっくりであったかがわかる。

であるから、ケヤキ坂まで戻るのはあっという間だ。参加された方々はきっと満足されたことだろう、たくさん顔を出してくれたキノゴたちに感謝し、そしてこのような機会を共有させていただいたことに感謝した1日であった。

この三日間で腰痛もほぼ完治したようだ、私にとって山を歩くことは、不具合を治してくれる医者のようなものだと、いつもながら思った。

9月2日 タヌキの溜糞場調査 城丹国境稜線その3

P927m北東尾根から比良連山P927m北東尾根から比良連山





アオハダの果実アオハダの果実





ヤマイグチヤマイグチ





タマゴタケタマゴタケ





チシオタケチシオタケ





ホオベニシロアシイグチホオベニシロアシイグチ





コンイロイッポンシメジコンイロイッポンシメジ





カワリハツカワリハツ





(ニセ)アシベニイグチ(ニセ)アシベニイグチ





今日の立派な溜糞場①今日の立派な溜糞場①





今日の立派な溜糞場②今日の立派な溜糞場②





天候:曇り
田歌の水位13時:54cm
久多(岩屋谷出合)~府大演習林南縁尾根分岐~天狗岳分岐~P927m~久多(岩屋谷出合)
出逢った花:<咲き始め>
<盛り>
<咲き終わり>ヤマジノホトトギス・ナツエビネ
出逢った果実:アオハダ・ヤマボウシ(今年は豊作のようだ)・エゴノキ・ミズナラ

前回の続きを歩くことにし、久多の岩屋谷出合から少し入った所より左側の急斜面を登り始めた、ここは前回下って来たルートである。今日は少し余裕のある行程であるため、府大演習林管理棟から上ってくる歩道に合流するまでの間、薮払いをしながら登ることにした。それは、ロープ柵の設置と撤去のために、これからこのルートを使う機会が多くなると思われたからだ。

主にユズリハを切り払いながら登ったが、途中でギックリ腰のような症状が出てしまい、その後は無理のない程度に切り払い作業をした。そのため満足できるような状態にまではできなかったが、以前に比べれば格段に歩き易くなったと思う。

管理棟からの歩道に合流すればその後しばらくは緩やかになる、そこで少し休憩をすることにした。ここまで普通に歩けば1時間もかからないのであるが、今日は2時間あまりかかってしまい、気温が高いせいもあって汗びっしょりになってしまった。

ここで一休みしたことで、その後は府大演習林南縁尾根分岐まで楽に歩くことができた。それより城丹国境稜線を西へ向かう、この辺りヤマボウシの果実がいっぱいできている、まだ青いものが多くてこれまで気がつかなかったが、今年は豊作のようだ。その他にも、まだ青いがタンナサワフタギもたくさんの果実を付けており、ハイイロチョッキリに切り落とされたミズナラのドングリもたくさんあることから、今年は全般に果実の実りが豊かになりそうだ。

天狗岳分岐を過ぎ、P921mで昼食を摂ることにする、今日もバナナとオートミールと豆乳のグラノーラ、毎回のように食べているが、以前のお茶漬けと共に夏場の食欲のない時の山歩きにはとても食べやすい食事だと思う。食事を済ませて立ち上がろうとすると腰に激痛が走る、先ほどのギックリ腰のせいだ、少しずつ腰を伸ばしてゆっくりと歩き始める、するとやがては腰痛のあることすら忘れてしまうほど痛みが消える。

P927mに寄らずにさらに南へ歩き、二つの溜糞場を巡って引き返す。その後はP927mから北東尾根を下って岩屋谷出合の少し上流側に下り立った。今日は出合で水浴びをするが、冷たくて心地よいというまでには行かず、早々に水から出ることにしたが、冷やすと腰の痛みがより強くなるようだ

久多(岩屋谷出合)=2時間55分=府大演習林南縁尾根分岐=1時間10分=天狗岳分岐=2時間55分=P927m=1時間40分=久多(岩屋谷出合)

『今日の出会いと目撃』シカの警戒音1回(P927m北東尾根)、人間0人

8月30日 タヌキの溜糞場調査 城丹国境稜線 その2

府立大学演習林南縁尾根分岐から比良の山並み府立大学演習林南縁尾根分岐から比良の山並み 雲がかかっている




ヤマトウバナヤマトウバナ





シロヨメナシロヨメナ





イワタバコイワタバコ





ヤマジノホトトギスヤマジノホトトギス





ヤマボウシ果実ヤマボウシ果実 今年はあまり見かけないがおいしい





マルミノヤマゴボウ果実マルミノヤマゴボウの果実 在来種は果実が直立する





久多からの谷沿いの登山道は荒廃している管理棟からの谷沿いの登山道は荒廃している





久多側のタメ糞場 シカの食痕が全くない久多側のタメ糞場 なかなか立派でシカの食痕が全くない




コテングタケモドキコテングタケモドキ





スギの倒木にあったのでマスタケか?スギの倒木?に有ったのでマスタケか?





アシグロタケアシグロタケ





クロホウジャクに食べられたのか?新葉ダケクロホウジャクに食べられたのか?新葉だけになっているエゾユズリハ




クマの糞 アオハダの種子 小さいのは子熊か?クマの糞 アオハダの種子がいっぱい 糞が小さいのは子熊のものか?




ロープ柵ロープ柵





天候:曇り
田歌の水位13時:56cm
久多(岩屋谷出合)城丹国境~府大演習林南縁尾根分岐~久多(岩屋谷出合)城丹国境
出逢った花:<咲き始め>シロヨモギ
<盛り>
<咲き終わり>イワタバコ・マツカゼソウ・ヤマジノホトトギス・ナツエビネ

本来であれば、前日から車中泊して二日間連続して入るつもりでいたが、事務所に行く必要が急に生じたため、今日一日だけとなってしまった結果、近場の久多から入ることにした。ガソリン代が高騰している現状では、日帰りで遠くへ行くのはもったいなく、近い所へ行こうと考えるのは至極もっともな考えであろう。

岩屋谷出合に駐車して出発、今日は資材があるのでザックが少し重く、いつもよりゆっくりのペースで歩いた。管理棟からの谷沿いの歩道が荒廃しているため、川の中を歩いた、ここはヤマヒルの多いところだが、今日はヤマヒルとの戦いで4勝0敗であった。

谷を離れてからの急な登りは相変わらずで、ここもゆっくりと歩いた。城丹国境稜線まで上がると爽やかな風が吹き抜けており、疲れた体には何よりも嬉しいご褒美だ。少し休んでから稜線を南に進み、途中に出てくるタヌキの溜糞場を調べて歩く、新しい糞はあまりなく、個体数が少ないことを物語る。P936mからは、シカの採食被害から護るためのロープ柵を設置すべく、大谷側に下った。

設置場所に到着しまずは昼食を摂る、今日も定番になったバナナとオートミールと豆乳のグラノーラである。食事を済ませて作業を始める、あまりに急斜面なのでネットは張れないが、反面ロープを張るだけでシカの侵入を防ぐことができると考えられた。

足場が悪く作業には2時間ほどかかったが、イメージしたとおりに出来上がり、これでシカの採食から植物を護ることができるだろう。しかしこのロープ柵は、積雪前には外さなくてはならず、また融雪後には再び設置する必要があるため、毎年最低でも2回はやって来なければならない。

私も間もなく古希になる、こんな険しい場所にはあと何年来ることができるか分からない、その後は誰かに引き継いでいかなければならないが、お願いできる方はおられないだろうか?

作業を終えて再び城丹国境稜線に上がり、最後は府大演習林南縁尾根を下ったが、このルートも荒廃しており、どこが歩道の位置か分からなくなっている。そう言われれば、久多から三国岳に登るルートは、ヤマップの地図から消えてしまっている、きっと久多から三国岳方面に登る人がいなくなってしまったからだろう。

岩屋谷出合で水浴びをしようと考えていたが、車に到着すると同時に本格的な雨が降って来た。途中で降られなくてよかったが、反面水浴びもできなくなってしまった。

久多(岩屋谷出合)=1時間45分=城丹国境=5時間45分(ロープ柵設置作業を含む)=府大演習林南縁尾根分岐=1時間50分=久多(岩屋谷出合)
『今日の出会いと目撃』ヒバカリ1匹、人間0人

8月22日 タヌキの溜糞調査 城丹国境稜線

P911m付近から天狗岳、三国岳、P936mP911m付近から天狗岳、三国岳、P936m





クサギクサギ





ホツツジホツツジ





タヌキの糞に集まる昆虫たち チョウはルリタテハタヌキの糞に集まる昆虫たち チョウはルリタテハ





ハイイロチョッキリが産卵して切り落としたミズナラのドングリハイイロチョッキリが産卵して切り落としたミズナラのドングリ




ウスヒラタケウスヒラタケ





オオワライタケオオワライタケ





今日一番状態のいいタヌキの溜糞場今日一番状態のいいタヌキの溜糞場





天候:晴れ時々曇り
田歌の水位13時:61cm
研究林事務所前~灰野~P840m~911m~赤崎~研究林事務所前
出逢った花:<咲き始め>クサギ
<盛り>ホツツジ・ナツエビネ
<咲き終わり>



前日(8月21日)にはガイド研修があり、フィールドに出て講師から芦生の地質について説明をしていただいた。昨年末にも主に講義室で講義を受けたが、それらを合わせると、簡単に言えば次のような歴史を経て現在の芦生周辺の地質ができているらしい(私の理解が間違っている可能性もあるが)。

約2億年前に太平洋の海底でできたチャート(放散虫などの動物の殻や骨片【主成分:二酸化ケイ素】が海底に堆積してできた岩石)などが太平洋プレートに載って日本にやってきて日本海溝に沈む込む際、地上から供給された土砂などが堆積してできた砂岩・泥岩・頁岩などと共に剥ぎ取られ(この状態のものを付加体という)大陸のプレート上に載って出来上がったとのことである。

ただ、古い付加体の上に新しい付加体が載るのではなく、古い付加体の下に潜り込むように載っているため、地層の年代が逆転していることが多いとのこと。

その様な過程でできあがった地質であるため、これを構成する岩は砂岩・泥岩・頁岩などの中にチャート(層状チャート)などが混ざっている。また、マグマ由来のマンガンがチャート層に含まれているため、この辺りには小規模のマンガ鉱山が多くあったようであるが、安い外国産のものが輸入されるようになると、採算面で合わなくなってほとんど廃坑となったということである。

その日は櫃倉谷の砂防ダムの上で水浴びをし、芦生ロードパークに移動して車中泊したが、暑くてなかなか眠れなかった。


朝の涼しいうちに行動を始めたいと思い、急いで朝食を摂り研究林事務所前に移動する。しかし、ここでメールに長い返信をしているうちに、時間がずいぶん経過してしまった。

そんなわけで歩き始める頃には陽も上がって暑くなっていた。灰野からは右側の急斜面を登る、毎年上っているがあまり通りたくないルートで、上り詰めて平坦になるまでが辛い。しかし今年は暑い中でもそれほど辛くなかったのは、山旅から戻ってまだ日が浅いからだろうか。

平坦になった辺りから溜糞場が始まる、まだ気温が高いために糞の分解が早く、糞虫が蠢いていても糞はほとんど残っていない。あちこちからエゾゼミの単調な鳴き声が聞こえてくるが、どこで鳴いているのかわからない。捕食者に居場所がわからないよう、同種のセミ以外にはわからないような音の出し方をしているのだろう。

最近の暑さのためによく眠れず、睡眠不足が常態になっていて、休憩を摂る度にうとうとしてしまい、なかなか動き出せなくなる。P840mで城丹国境稜線に入る、1時間ほど東に進むとお昼となり、食事を摂ることにした。

定番のバナナ、オートミール、クラッシュアーモンドなどを豆乳で混ぜ合わせて作るグラノーラ、そして野菜ジュースである。ここでも食事が終わる頃からうとうとし始めてなかなか出発できなかった。

城丹国境稜線をP911mまで行き、それより小ヨモギに下る長い尾根に入る。この頃からツクツクボウシの鳴き声がやかましいほどに聞こえてくる、夏休みが終わりに近づき、憂鬱な日を過ごしていた頃のことを思い出す。

長い尾根もやがては終わりに近づく、急なスギの造林地を下れば小ヨモギに着く、トロッコ道を少し下って赤崎谷出合の由良川で水浴びをした。少し冷たいが心地いい、水量が多く流されそうになるので泳ぐことまではできなかったが、頭まで潜って夏ならではの楽しみを堪能した。

その後は単調なトロッコ道を歩くだけ、まだ十分明るいうちに帰り着いた。

研究林事務所前=3時間40分=P840m=3時間05分=911m=3時間25分=研究林事務所前
『今日の出会いと目撃』シカの警戒音1回(P911mとコヨモギの中間辺り)、ヒバカリ1匹、人間0人

8月19日 ササ・ミズナラ柵のメンテナンス

ササ柵に枝が落ちていたので取り除くササ柵に枝が落ちていたので取り除く





昨年拡張したササ柵昨年拡張したササ柵 少しメンテが必要であったが、ササが少し広がってきていた




今年拡張したササ柵今年拡張したササ柵 しっかりしていて全くメンテの必要がなかった




ミズナラ柵のネットが大きく垂れ下がっていたミズナラ柵のネット クマのいたずらか?大きく垂れ下がっていたので修理した




ジンバイソウジンバイソウ





ナツエビネナツエビネ





ケケンポナシの果実 今年は豊作か?ケケンポナシの果実 今年は豊作か?





シロモジの果実シロモジの果実





フウリンウメモドキの果実フウリンウメモドキの果実 芦生では希少な樹木、果実を見るのは10年ぶりくらいだろうか




ワタカラカサタケワタカラカサタケ





カバイロツルタケカバイロツルタケ





ツエタケツエタケ





アカイボガサタケアカイボガサタケ





ツノホコリの一種ツノホコリの一種





ウツボホコリの一種ウツボホコリの一種





天候:曇り時々晴れ
田歌の水位13時:67cm

1ヶ月の山旅後は、溜まっている仕事を片付けるのに忙しく、8月6日に上谷ガイド、8日にシカ柵交換ボランティアのために芦生に入っただけで、自分が主体になっている調査などのために入る余裕がなかったが、ようやく仕事もひと段落して時間もできるようになった。

15日に台風が近くを通過したため、その影響がないか確認する必要があり、今日はササとミズナラの防シカ柵を点検するために芦生に入った。とても蒸し暑く、普段は涼しい森の木陰でも涼が得られないほど、現地への往復特に午後からの下山中は、猛烈な暑さのためにいつも汗をかかない私でも汗だくになってしまった。

台風による直接の影響は軽微であったが、例年のように柵上げ後時間の経過とともに弛みなどが発生していたためこれを直した。しかし、それ以外の要因、おそらくクマのいたずらではないかと思われるが、ミズナラ柵が大きく垂れ下がっていたためこれを修理した、これが今回の点検で最大の意味があったと思われる。

7月29日ガイド  7月30日 もののけの森作り

取り除く前取り除く前




取り除いた後取り除いた後




7月29日 
天候:晴れ
田歌の水位13時:48cm

ガイドで上谷を歩く。1ヶ月ぶりの芦生、しばらく緑濃い林床の森ばかりを歩いていたが、戻った芦生の森はやっぱり植物は少なかった。しかし見慣れた光景になにかほっとするものがある、この森は私に力と安心を与えてくれるのだろう。


7月30日
天候:晴れのち曇り
田歌の水位13時:48cm

昨夜は芦生ロードパークで車中泊し、トロッコ道の灰野の手前で、コケの森「もののけの森」らしきものを作ろうと、朝から夕方までコケなどの上に載っている落ち葉や落枝などを取り除く作業をした。なかなか進まず、思ったようにはできなかったが、諦めずこれからも時間があれば作業を続けたい。

7月24日 北海道山旅東北編 平ヶ岳(新潟の山だが)

長岡市の奥ではこのような建物が伝統的な建物なのか?長岡市の奥ではこのような建物が伝統的な建物なのか?



主稜線にたどり着いてようやく平ヶ岳が見えたが遠い主稜線にたどり着いてようやく平ヶ岳が見えたが遠い




池ノ岳直前から平ヶ岳池ノ岳直前から平ヶ岳




池ノ岳から平ヶ岳池ノ岳から平ヶ岳




池ノ岳から平ヶ岳池ノ岳から平ヶ岳




オオシラビソの高さが揃っているのはここまで雪が積もるからか?オオシラビソの高さが揃っているのはここまで雪が積もるからか?



平ヶ岳山頂の手前平ヶ岳山頂の手前




平ヶ岳からの南望平ヶ岳からの南望




キンコウカが群生しているので黄色く見えるキンコウカが群生しているので湿原が黄色く見える




平ヶ岳からの東望平ヶ岳からの東望




コバイケイソウが群生する玉子石への道コバイケイソウが群生する玉子石への道




玉子石玉子石




玉子石からの眺め玉子石からの眺め




玉子石からの帰り平ヶ岳玉子石からの帰り 平ヶ岳




玉子石からの帰り平ヶ岳玉子石からの帰り 平ヶ岳




玉子石からの帰り平ヶ岳玉子石からの帰り 平ヶ岳




バイカツツジ?オオコメツツジ?




なんだろう?ハクサンオミナエシ?




アカモノ果実まずまずアカモノ果実 まずまず




クロウスゴまあまあだがたくさん食べたオオバスノキ? まあまあだがたくさん食べた




7月23日
鶴岡公園の駐車場に接した林は、カラスの寝場所になっているようで、朝3時過ぎから動き出すカラスたちで次第に賑やかになっていく。騒々しくて目が覚めたため、4時過ぎに起き出すと、付近の電線には数百羽と思われるカラス達が停まって、日の出でも待っているのか、なかなか動こうとはしない。

昨夜の残り物のお好み焼きとサラダ、そして目玉焼きで朝食を摂り次の予定地平ヶ岳登山口方面に向かって出発する(後から気付いたのだが、車の屋根はカラスの糞がいくつも落ちて汚されていた、チクショウ)。

道中は海岸線が美しいので、出来るだけ海岸沿いの道を選んで走ったが、この辺りはその昔、自転車で旅しているときに通ったところだ。笹川流れは、当時はかなりひなびた所で、素掘りのトンネルさえあったが、今はいい道路が付いていて当時を懐かしむ術もない。。

海岸に人が多いのは海水浴の人達らしく、いつの間にかそんな季節になっているのだと気付かさせられる。今度登る予定の平ヶ岳がこの旅の最後の山になるのだから、出発してからもう1ヶ月近く経ってしまったのだ。贅沢だがそろそろ山旅にも飽きてきてしまった。

銀山平の駐車場でサラダ、野菜炒め、目玉焼きの夕食を摂り、その後平ヶ岳登山口まで移動して車中泊する。



7月24日
4時前に起きて食事を摂る、食パンとゆで玉子とオレンジジュース、今日から3日間、大腸カメラ検査のため食事が制限されているので、食べられるものが極端に少なくなった。

平ヶ岳は、20代の頃から登りたいと思っていた憧れの山であるが、簡単には登れない場所にあるため、今日まで実現出来なかった。また行程が長く、コースタイムでも往復(玉子石も立ち寄って)11時間30分も必要であるため、今の私には登ることができるか不安であった。

そのため夜明けと共に歩き始める必要があり、4時30分に出発したが、私よりも早く出発した方もあるようだ。歩き始めてしばらくは林道跡のようなところを歩き、傾斜も緩かったのであるが、それが終わると途端に傾斜が強くなる。

しかし、階段の踊り場のように所々平坦な場所が出てくるので、比較的楽に登れた。だがやがてそれもなくなって一気に辛くなってくるが、喘ぎながらも登り続けてようやく稜線にたどり着く。

ここで始めて目的の平ヶ岳が見えてくるが、なんと遠いことか、ここが登山口ではないかと思うほどで、気が遠くなる。一休みして歩き始める、台倉山というピークまではアップダウンが多くて、下る度に「帰りはこれが登りになるのか」と考えるとゾッとする。

台倉山を過ぎると緩やかになり、平坦な部分が多くてそこには木道も敷かれてとても歩きやすく、一気に距離が稼げた。次の上りは平ヶ岳手前の山、池ノ岳への登りだ、この頃には陽も高くなり、木立もなくなってまともに陽に照らせれるようになってきた。

さらに風がなくて暑くてたまらない、もう少しなのだが一気に上がれず二度も休んでしまった。池ノ岳に上がると平坦となり湿原に飛び出す、ここに二人の登山者がいてもう山頂に行った帰りだとか、聞けば3時に出発したとのこと。

湿原の先には目的の平ヶ岳が横たわる、一旦下ってしばらく上れば山頂に着く、歩道の最後まで歩きそこで昼食にする、食パンとゆで玉子と野菜ジュース、昼食も味気ない。

しばらく休んで出発する、帰りはせっかくなので、平ヶ岳のシンボル玉子石に寄ることにした。大したことはないが展望はいい、ここまで来ないと見られないものもあり、立ち寄ってよかった。

池ノ岳に戻って下山開始、しかし往路がそのまま下山路になるので気が遠くなりそうだ。おまけに雲が広がりもしかしたら雷雨になるかもしれない、昨夕も激しい雨が降った、それを考えると足が自然と速くなる。

主稜線から下り始めてようやく安心できるようになり、下る途中の小さなピークで一休みした。その後は一気に林道跡まで下り、そこでやっと終わったと思えた。少し大きめの流れを渡るが、そこで全裸になって水浴びをした、かなり冷たいが心地よくもあった。

夕方に近かったので、温泉に入る時間がないかもしれないと、全身しっかりと洗った。車に戻り着きこの旅最後の山も無事終わった、明日は帰京するだけである。銀山平に出るまでの道が細くてカーブの連続であり、麓の小出に着く頃には夕方になっていた。

スーパーで少し買い物をして、車中泊しようと思ったが適地がなく、午後9時過ぎまで走って十日町市の道の駅で車中泊する。夕食は食パン、豆腐、甘栗、野菜ジュース、そして最後だからと微アルコールのビールも。

今日の行程 約12時間
累積標高差 約1850m

7月21日~7月22日 北海道山旅東北編 焼石岳

トウゲブキと上沼トウゲブキと上沼




トウゲブキとオニシモツケトウゲブキとオニシモツケ




クマが踏み荒らしたミズバショウクマが踏み荒らしたミズバショウ




クマが食べたミズバショウの果実クマが食べたミズバショウの果実




クマの糞ヒグマより小さいようだクマの糞 ヒグマより小さいようだ





タチギボウシタチギボウシ




上沼上沼




クルマユリクルマユリ




タヌキラン芦生では絶滅が危惧されているタヌキラン 芦生では絶滅が危惧されている




ハクサンシャジンハクサンシャジン




ミネウスユキソウミネウスユキソウ




山頂付近で一瞬ガスが取れて視界が開けた山頂付近で一瞬ガスが取れて視界が開けた




山頂の東側に広がるお花畑と細々とした道山頂の東側に広がるお花畑と細々とした道




銀明水避難小屋銀明水避難小屋




小屋の二階とてもきれいだ小屋の二階 とてもきれいだ




山頂が見えてきた山頂が見えてきた




泉水沼に映る山頂泉水沼に映る山頂




山頂から南望山頂から南望




山頂から西望山頂から西望




山頂から北望山頂から北望




山頂から東望山頂から東望 本来泊まる予定の小屋はこの山の向こう側にある



上沼まで下りてくると山頂部はガスの中上沼まで下りてくると山頂部はガスの中




真室川付近の伝統的な建物はこのような姿なのか?カッコいい真室川付近の伝統的な建物はこのような姿なのか?カッコいい



羽根沢温泉の入口羽根沢温泉の入口




浴室ひなびていい感じなのだが熱いのは困った浴室 ひなびていい感じなのだが熱いのには困った




7月21日
4時過ぎに目覚めると、もう登り始める女性が一人、このツブ沼登山口からのほうが長いはずだが、とても元気な方だ。私も起きて朝食の用意、昨夜の炒め物にごはんを入れて温める、そしてサラダと納豆。

天候はそれほどいいとは言えず、曇って所々ガスが掛かっている。そこで、小屋泊まりの準備は登山口まで行ってからすることにして、出発する。国道から別れ、中沼登山口までの道路は未舗装で、路面状態もあまりよくなく、時速20km程度で走らなければならない。

登山口にはすでに1台の車が停まっており、もう歩き始めている人がいるようだ。ここまでの道路はなんの支障もなかったことと、天候もまずまずなことで、予定どおり小屋泊まりにすることにし、そのための用具や食糧をザックに詰め込む。

だいぶ慣れてきたので20分程で完了し出発する。歩道は変化に富み、中沼や上沼という湿原を伴った沼の傍を通ったり、流れの傍を歩き時に流れを渡ったりしながら緩やかに登っていく。

湿地にはミズバショウがたくさんあり、花はすでに終わっていて果実を作っているが、これがクマの好物とのことで、葉が踏み潰されて果実の食べられた痕がずっと続いていた。

どんな味がするのかと、ちょっとかじってみると、ほとんど味はなく、しばらくすると少し舌がひりひり痛んだ。ただ、同じサトイモ科のテンナンショウほどは強く痛まず、直ぐに何ともなくなった。

銀明水の避難小屋付近で、ベンチで休んでおられる先行者に追い付く、各地の山の話をしていると、上から女性が降りてこられた。ツブ沼登山口から早朝登られた方で、もう下山して来られたとのこと。

さらに驚いたのは、天気が良くて特別な用事がない限り、標高差1100m の上りをほぼ毎日登っておられるとか、すごい方がおられるものだ。またクマの話をすると、登りに会いましたが、鈴を付けていたので、逃げてくれましたと、全く当たり前かのように平然とされておられるのにも驚いた、私にはまだまだ、修行が足りないようだ。

それから先はササを交えた低木帯となり、その中に湿原状のところや雪田植生のお花畑が時々現れ、さらに登ると草原となってお花畑が点在するようになる。

ここまで上がってくるとすっかりガスに閉ざされてしまって、この先どうしようかと思案せねばならなくなった。予定では山頂付近から他の登山口(夏油温泉)方面に1時間半ほど下った避難小屋に泊まることにしていたが、翌日は当然ながら下った分だけ登らなければならないのである。

とりあえず、山頂に上がって考えようと登っていると、男性が下ってこられ、この方とも少しお話しすると、なんとこの方もほぼ毎日登っておられるとか。

山頂はガスが掛かっていたが、ほんの一瞬ガスがとれて視界が広がったことがあった。しかしその反面霧雨も降り始め、予定の避難小屋に泊まるのは止めて途中にあった銀明水の避難小屋に泊まることにし、山頂の北側を周遊するコースを通って下山することにした。

ところが、遠雷を二度聞くと、ゆっくりしている余裕がなくなり、慌てて下山することになった。焼石岳は登山道は緩やかであるためとても楽に歩くことができるが、反面距離が長くなってなかなか下り着かない。

ようやく銀明水の避難小屋に到着、とても綺麗で素敵な小屋だ。また銀明水から水を引いておられるのだろう、小屋のそばに蛇口があって飲料水にも不自由しないのは、とてもありがたい(翌日教えていただくと、これは川の水で飲めないのだとか)。ここに泊まるのが最初から分かっているのであればで、シュラフ等を小屋に置いておけばよかったのだが。

宿泊は私一人、夕食は大豆ミートやオートミールなどのカレー味雑炊。

今日の行程 約7時間15分
累積標高差 約850m


7月22日
朝目覚めると、青い空が見えて晴れている、そこで山頂を往復することにして、昨夜の残り物を温め早々に食事を済ませて出発する。

荷物は最低限のものにしているので軽く、昨日よりもかなり楽だ。傾斜が緩やかになってきて、登っていることすら忘れてしまいそうになると、前方に焼石岳の山頂がはっきりと見えてくる、そしてさらに登り続けると姥石平という広いお花畑に出て、そこには泉水沼という池があった。

昨日はガスのために全く気がつかなかったようである。さらに進むと山頂への登りとなり、しばし登り続ければ、一等三角点のある山頂に飛び出す。さすがは一等三角点のある山だけあって展望は素晴らしい。

ガスの心配など全くない快晴に恵まれ、しばし眺望を楽しんだあと下山を開始する。下り始めると、昨日の女性が登ってこられ、しばしお話しをする、その後は小屋に帰り着くまでの間に10人程度の方とすれ違っただろうか。

小屋に帰り着き片付けとパッキングをして下山する、途中さらに50人ほどの登山者にすれ違っただろうか?土曜日であり、また人気のある山なのだろう。登りが緩やかであっただけあって、登山口まではやはり長かった。

荷物を分解整理して車に積み、パンとバナナと野菜ジュースで昼食を摂り、今夜の宿泊予定地鶴岡に向かって出発する。途中寄り道をして羽根沢温泉に入りにいったが、少し熱すぎてゆっくり入っていられなかったのは残念である。ただ料金は300円と高くはないが。

夕食はお好み焼きとサラダと久しぶりにカツオの刺身、鶴岡公園の駐車場で車中泊する。

今日の行程 約5時間
累積標高差 約400m

7月20日 北海道山旅 東北編 月山

五百川温泉五百川温泉




五百川温泉の浴室五百川温泉の浴室




五百川温泉の中でツバメが子育てをしている五百川温泉の中でツバメが子育てをしている




月山八合目の湿原月山八合目の湿原




月山登山道で月山登山道で




月山登山道で月山登山道で




月山山頂月山山頂




ウサギギクウサギギク




ハクサンイチゲ?葉が細かすぎるハクサンイチゲ?葉が細かすぎる




チシマギキョウチシマギキョウ




月山八合目の湿原月山八合目の湿原




月山八合目の湿原月山八合目の湿原




月山八合目の湿原オゼコウホネがある月山八合目の湿原 オゼコウホネがある




月山八合目の湿原キンコウカが群生月山八合目の湿原 キンコウカが群生




7月19日
今日は朝から小雨が降ったり止んだり、明日未明には雨が止む予報なので、明日は月山に登ることに決め、今日は休養日兼移動日にする。

昨夜の残り物とパンそしてバナナで朝食、ゆっくりしてから月山の登山口である鶴岡方面に向かって出発する。途中で朝風呂に入る、五百川温泉という温泉で、入浴料が150円、しかもボディシャンプーもあり、朝一番だったので貸切状態、もう大感激した。

ゆっくりと浸かってから少々買い物をして、再び鶴岡方面に向かう。このままだと早く着きすぎるので途中で一眠り、しかしその頃から雨が強く降り始めてきた。月山八合目まで上がってしまうと、もしも通行止めになった場合下って来られなくなるので、麓のビジターセンター駐車場で車中泊することにする。

夕食は、サラダとトマトと納豆そして焼き鯖、今日も野菜が多くてでんぷん質はない。


7月20日
4時15分に起きると雨は止み、周囲にはガスも掛かっていない。天気予報の雨雲の動きを見ると、9時頃から時々小雨が降るような様子、それなら早めに登り始めれば大きな崩れに遭わずに済みそうだ。

焼きサバとご飯とサラダ、出来るだけ素早く食事を済ませて出発する。しかし月山八合目までの道路が二車線もなく、見通しの悪いカーブ多くて速く走れない。そんなわけで八合目を出発したのは、6時を過ぎていた。

この辺りはすでに濃いガスに包まれて視界は悪く、湿原が広がっているようだがその広さがわからない。湿原が終わるとササが広く山肌を覆い、それが長い区間続く、しかしいずれにせよ、多少急な部分があるものの、ほとんどが緩やかな傾斜地で休まなくともどんどん歩いていける。

ところが、霧雨が混じり始めやがて本降りとなってきた。そこでザックカバーを付ける、そして幸いなことに風がほとんどないため傘を差して歩けた。しかし歩道は川のようになり、長靴の私はなんともないが、ハイキングシューズのような靴の方は苦労されているようであった。

東北地方の山は、どこでも長靴が一番の履物だと思う、これは昨年も感じたことであるが。やがて雪田植生と風衝植生の混在するようなお花畑となり、雪渓も時々現れてくる。

花はだいぶ終わっているが、ウサギギク、ハクサンイチゲ?、ヨツバシオガマ、アオノツガザクラの他、チングルマ等も少し残っていた。

山頂に到着するが、ピークは月山神社の本宮らしくて一般者は入れず、少し進んだ月山小屋までいって引き返した。下りもずっと雨が降り続いており、全般に歩きやすい道だがとても長くてなかなかたどり着かない。

八合目近くになり、湿原を周遊する歩道があるのでそれを歩いてみた。こんな日なのにたくさんの観光客が歩いている、どうもツアーに組み込まれているようだ。月山は登山者や観光客が多いにも関わらず、全般にお花畑や湿原は荒らされずに保全されており、また歩道も荒れておらず維持管理に当たられている方々の苦労がしのばれる。

車に戻り、ビジターセンターまで下ってくると天気も良くなってきた、そこで昼食を摂りながら濡れたものを乾かした。その後は次の目的地である焼石岳のツブ沼登山口まで移動して車中泊、夕食はサラダと野菜炒めそして納豆、今夜も野菜類が多くてでんぷん質はない。

今日の行程 約4時間40分
累積標高差 約600m
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