芦生短信2

通年に亘る京都「芦生」の山行記録。出会った花・キノコ・果実と積雪量。2002年から2005年の記録は「自然館のホームページから「里山便り」へ進んでください」で。2006年から2009年の記録は 「芦生短信」へ。2012年4月からは「芦生研究林」の許可を受け、「ABCプロジェクト」との共同研究目的で入林しています。芦生原生林の現状をリアルタイムで知っていただくためにこのブログに記録を掲載していますが、ルートの大半は入林が規制されている地域であるため、許可がない限り入林できないことをおことわりしておきます。

4月14日 ササ保全調査

バイケイソウの開葉バイケイソウの開葉





ハウチワカエデハウチワカエデ





シロモジ雄花シロモジ雄花





ホンシャクナゲホンシャクナゲ





ホンシャクナゲとシロモジホンシャクナゲとシロモジ





オオカメノキオオカメノキ





シカの食痕が酷い ミヤマカンスゲ
シカの食痕が酷い ミヤマカンスゲ




シカの糞 割るとタムシバの強い臭いがしたシカの糞 割るとタムシバの強い臭いがした。タムシバの花被片を食べたのかだろうか。




早速マダニが 大きさから若ダニのようだ早速マダニ数匹がズボンに付着した。重症熱性血小板減少症候群(SFTS)のウイルスを保持するとされるフタトゲチマダニのようで、大きさから若ダニだ。




天候:曇り
田歌の水位15時:39cm
出逢った花:<咲き始め>ハウチワカエデ・ホンシャクナゲ・オオカメノキ・トキワイカリソウ・オオイワカガミ・シハイスミレ
<盛り>シロモジ・ヤマザクラ・キブシ・ヒサカキ・タチツボスミレ・スミレサイシン・イワウチワ(下部は咲き終わり)・サンインシロカネソウ・ミヤマカタバミ・ネコノメソウ・ヤマネコノメソウ・ホクリクネコノメ・ミヤマキケマン・ヒメエンゴサク
<咲き終わり>クロモジ・キンキマメザクラ・アセビ・タムシバ

一昨年から始まったササ保全調査、雪解けとともに今年も調査が始まる。まずは下見から、参加者は私を含め2名、午後から雨との天気予報で朝早く出発し、作業を早々に済ませて下山した。

しかし雨は午後5時頃からようやく降り始める、こんなにゆっくり降り出すのであれば、もう少しゆっくり出発してもよかった。

4月8日 トロッコ道・七瀬谷

須後の駐車場にあるソメイヨシノは満開 いつもより早い須後の駐車場にあるソメイヨシノは満開 いつもより早いように思う




七瀬谷 スベリ谷の二俣七瀬谷 スベリ谷の二俣





七瀬谷 スベリ谷左俣七瀬谷 スベリ谷左俣





七瀬谷 スベリ谷左俣七瀬谷 スベリ谷左俣





七瀬谷 スベリ谷左俣 雪が降ってきた七瀬谷 スベリ谷左俣 雪が降ってきた





トリカブトの新葉の上に雪が積もる
トリカブトの新葉の上に雪が積もる




傘峠稜線の林道傘峠稜線の林道





内杉谷 チドリノキの新葉が鮮やか
内杉谷 チドリノキの新葉が鮮やか




ツノハシバミ 雌花ツノハシバミ 雌花





サイコクキツネヤナギ 雌花サイコクキツネヤナギ 雌花





クロモジクロモジ





ヤマザクラヤマザクラ 花柄に毛がない





ナガバモミジイチゴナガバモミジイチゴ





コバノミツバツツジコバノミツバツツジ





ネコノメソウネコノメソウ





ヤマネコノメソウヤマネコノメソウ





チシマネコノメソウチシマネコノメソウ





ホクリクネコノメホクリクネコノメ





モミジチャルメルソウモミジチャルメルソウ





ワサビワサビ





オオバタネツケバナオオバタネツケバナ





シハイスミレシハイスミレ





オオタチツボスミレオオタチツボスミレ





スミレサイシンスミレサイシン





ヤマルリソウヤマルリソウ





ヒメエンゴサク(またはキンキエンゴサク)ヒメエンゴサク(またはキンキエンゴサク)





ヤマアイ 雄花ヤマアイ 雄花





リュウキンカリュウキンカ





ハルトラノオハルトラノオ





オオイワカガミオオイワカガミ





ミヤマキケマンミヤマキケマン





ハシリドコロハシリドコロ





シャクシャク





トキワイカリソウの群生トキワイカリソウの群生





ヌカボシソウヌカボシソウ





カツラの新葉カツラの新葉





ヒメアオキの果実ヒメアオキの果実





タマゴケが群生タマゴケが群生





トヤマシノブゴケが群生トヤマシノブゴケが群生





クサギに対するシカの採食 枝の折り取りクサギに対するシカの採食 枝の折り取り





天候:晴のち曇りのち雪のち曇り時々晴れ
田歌の水位13時:47cm
須後~七瀬~傘峠稜線~ケヤキ坂峠~須後
出逢った花:<咲き始め>コバノミツバツツジ・トキワイカリソウ・ヤマルリソウ・オオイワカガミ・ヤマアイ・リュウキンカ・オオバタネツケバナ・ハルトラノオ・シハイスミレ・オオタチツボスミレ・ネコノメソウ・ヤマネコノメソウ・チシマネコノメソウ・ホクリクネコノメ・モミジチャルメルソウ・シャク
<盛り>ツノハシバミ・クロモジ・ナガバモミジイチゴ・ヤマザクラ・キブシ・ヒサカキ・タチネコノメソウ・タチツボスミレ・スミレサイシン・ワサビ・イワウチワ(下部は咲き終わり)・サンインシロカネソウ・ミヤマカタバミ・ハシリドコロ・ミヤマキケマン・ヒメエンゴサク・エンレイソウ・ヌカボシソウ
<咲き終わり>サイコクキツネヤナギ・キンキマメザクラ・アセビ・タムシバ・イワナシ・ショウジョウバカマ

進み過ぎた季節を押し戻すかのように、昨日は冷たい雨が降っていたが、峠ではそれが雪だったらしく、花背峠や佐々里峠では落ち葉の上に薄っすらと雪が積もっている。

須後に入る直前の峠では早くもコバノミツバツツジが満開、須後の駐車場ではソメイヨシノも満開の状態、さすがに例年より早過ぎるような気がする。

天気がよく陽の当たる場所は暖かいが、日陰は冷え冷えとして寒い。朝が早いと陽がなかなか谷底までは届かず、トロッコ道は日陰が続き手袋が脱げない、先週は暑いくらいだったのに、この気温の急変には体がついていけないようだ。

トロッコ道では今年初めて出会う花が次々と現れ、それを発見する喜びが寒さを少し和らげてくれる、しかし、気温が下がっても咲き始めた花は元に戻ることができない。花を探し写真を撮っているとすぐに時間が経ってしまう、今日は七瀬谷を溯る予定、あまりゆっくりはできない。

七瀬で由良川を渡る、水量は少し多目で、長靴でも渡れる限界だろう。これより七瀬谷に入り溯ることにする、冬芽もほころび開葉始めた樹木もあるが、南側に開いた谷はまだまだ明るい。しかし、先ほどまで青空が広がっていると思っていたが、いつの間にか大半を雲が占めるようになり、なかなか暖かくはならない。

今日はシカの死体を探しながら歩いているが、これまで全く出会うことはなく、かえってひどく採食された痕を幾度ともなく発見することになり、悲痛な思いを味わうことになってしまった。

今冬は雪が少なく冬を乗り越えたシカが多いとは思っていたが、それを現実に確認することになり、その上早々に雪が消えたために越冬地へ移動していたシカも早々と戻ってきたのだろう。昨冬の大量死で植生が少し回復する兆しが見えたのだが、再びそれは遠退いてしまったようだ。

ヤケ谷を左に分けスベリ谷の二俣から左俣に入る、そしてすぐに現れるこの谷唯一の滝場を越えたところで昼食にする。今朝は少し寝坊をしてしまったために卵焼きは作れず、ラーメンとミルクティーだけ、休んでいると白いものが舞い始めた、雪だ、寒いはずである。

温かいものを食べても体は暖かくはならず、食事を済ませて早々に出発する。この先は険しいところは出てこないが、雪がだんだんと強くなり、コケの上や落ち葉の上には薄っすらと積もって自ずと気持ちが落ち着かなくなってくる。

流れがほとんど消えると最後の詰めとなって急な上りが始まる、一旦林道に出るがこれを横切って再び急になった斜面を登り詰めると傘峠の稜線だ、この登りが今日唯一の体が暖かくなった瞬間であった。反対側の林道に下りケヤキ坂に向かう、次第に雪は収まり時々薄日さえ漏れるようになってきた。

ケヤキ坂からは忠実に林道を歩く、法面はシカの採食から逃れた植物が残る数少ない避難所的存在、ここを見ながら歩いていると、時々滅多にお目にかからなくなった植物を発見することがある。今日はサイコクキツネヤナギとムラサキマユミを見つけた、そのほか陽当りのいい場所では早くもオオイワカガミが花を咲かせていた。

幽仙橋からは内杉谷沿いの林道となる、ここでも観察を続けながら歩いた。あまり早く歩かなかったために、須後に到着する頃はすっかり体が冷え切っていた。


須後=3時間05分=七瀬=3時間05分=傘峠稜線=3時間10分=須後
『今日の出会いと目撃』牝シカ1頭(七瀬谷ヤケ谷出合)、人間0人

3月31日 櫃倉谷・権蔵谷・中山谷山

櫃倉谷 ナメ谷出合櫃倉谷 ナメ谷出合





櫃倉谷 ナメ谷出合櫃倉谷 ナメ谷出合





権蔵谷権蔵谷





権蔵谷権蔵谷





中山谷山付近から坂谷~櫃倉谷中山谷山付近から坂谷~櫃倉谷





中山谷山付近中山谷山付近





中山谷山付近から八ケ峰と若狭湾方面中山谷山付近から八ケ峰と若狭湾方面





中山谷山付近から若狭方面中山谷山付近から若狭方面





イワナシイワナシ





ヒサカキ雌花ヒサカキ雌花





ヒサカキ雄花ヒサカキ雄花





キブシキブシ





キンキマメザクラキンキマメザクラ





ダンコウバイダンコウバイ





タムシバタムシバ





タムシバタムシバ





タムシバタムシバ





タムシバタムシバ





アセビアセビ





タチツボスミレタチツボスミレ





トキワイカリソウトキワイカリソウ





ミヤマカタバミミヤマカタバミ





イワウチワイワウチワ





タチネコノメソウタチネコノメソウ





サンインシロカネソウサンインシロカネソウ





エンレイソウエンレイソウ





ショウジョウバカマショウジョウバカマ





新緑のトリカブトが群生 雪国の春らしい情景新緑のトリカブトが群生 雪国の春らしい情景





アズマヒキガエルの卵塊 林道の水溜りにあったアズマヒキガエルの卵塊 林道の水溜りにあった 最近雨が降らないため、一部干乾びていた




トチノキの冬芽に引っ付いてしまった昆虫 名前は?トチノキの冬芽に引っ付いてしまった昆虫 名前は?





タヌキのタメ糞場 ササが元気タヌキのタメ糞場 ササが元気





タヌキの糞にはケンポナシの種子が多い シカの毛がないタヌキの糞にはケンポナシの種子が多い シカの毛がないのは死体がないからだろう。タヌキの糞を調べることにより、シカの死体数が推定できるかもしれない。



櫃倉ゴルジュの巻道付近は倒木が酷い櫃倉ゴルジュの巻道付近は倒木が酷い





中山谷山付近でスギの根返り倒木が6本並んでいた中山谷山付近でスギの根返り倒木が6本並んでいた





倒木で塞がれた歩道倒木で塞がれた歩道 このような場面に遭遇すると、どうやって越えようかと途方に暮れてしまう。




倒木処理後倒木処理後





倒木で塞がれた歩道倒木で塞がれた歩道





倒木処理後倒木処理後





天候:快晴
田歌の水位16時:47cm
須後~中ノツボ谷出合~ナメ谷出合~権蔵峠~中山谷山~奥ノ谷山分岐~須後
出逢った花:<咲き始め>キブシ・キンキマメザクラ・ヒサカキ・タチツボスミレ・イワウチワ・トキワイカリソウ・サンインシロカネソウ・ミヤマカタバミ・エンレイソウ・ショウジョウバカマ
<盛り>ダンコウバイ・アセビ・タムシバ・イワナシ・タチネコノメソウ・バイカオウレン
<咲き終わり>マルバマンサク

佐々里峠の通行止めが解除されてから初めて佐々里峠越えで芦生に入る、道中全く雪が残っていなかったが、例年たっぷりと残雪のある佐々里峠を越えてすぐの切通しでも、一かけらの雪も残っていない。

峠付近からはタムシバの花が群生する尾根が望まれ、雪解けの早さと共に開花の早さも「こんな年は初めてだ」と思うのであったが、帰宅して過去の記録を見てみると、2年前の雪解けは今年以上に早かったし、また開花時期も例年とそれほど変わっていない、人間の記憶というのは本当に当てにならないものだ。

須後の駐車場に車を停め出発する、気温は0℃くらいだろう手袋がないと手が冷たい。内杉林道から櫃倉林道へと辿っていく、道中花を探し写真を撮っていると時間がすぐに過ぎてしまう、今日はそれほどハードなコースではないので気分的にもゆっくりしてしまうのだろう。

横山峠を越えずに谷沿いに中ノツボ谷出合へ入り、その後は歩道を伝って奥へ入っていく。「2018年1月14日」に入った時に、櫃倉ゴルジュの巻道が倒木で通過困難なっていることを知っていたため、今日はノコギリを持参した。

櫃倉谷の水量はいつもの2倍程度あり、長靴でも岩を跳ばないと渡れない場所が時々出てくる。櫃倉ゴルジュの巻道に入り、倒木のあったところまで来ると、やはり簡単には通過できないほど酷いことになっており、普通であれば引き返すところである。

しかし今後のことも考え、通過しやすいように倒木を処理することにし、ノコギリで倒木の枝を切り始めた。大小50本くらいは切ったのではないだろうか、ようやく何とか通過することができるようになった、しばらく時間が経てば崩れた土砂も落ち着いてくるだろう。

ここで時間を大きく使ってしまったため、既に昼を過ぎてしまっている、この状態だと予定地である杉尾峠への登り口までは行けそうにない。そこでとりあえずナメ谷出合まで行って昼食にすることにした、今日はラーメンと赤飯そしてミルクティー。

食事を済ますと午後1時を過ぎてしまっている、もう引き返さないといけない時間である。そこで権蔵谷出合まで下り続いて権蔵谷を遡る、新緑にはもう少し時間が必要だが、明るい谷の中は初冬とは違って力強い光が谷底まで差し入り、生き物たちの蠢き始めたざわめきが聞こえてくるようである。

若丹国境稜線まで上がって国境稜線を西へ向かう、午後2時を過ぎてもまだまだ陽は高く、焦る気持ちは全く起こらない。アップダウンの続く単調な稜線を歩き続け、五波峠からの歩道と合流して中山谷山に向かいだすと、両側にブナの森が広がりようやく単調な稜線歩きから解放される。

中山谷山山頂でミルクティーを作って休憩を摂る、傾き始めた陽から届く光に強さがなくなってくると、ようやく夕方が近いことを感じることになる。そろそろ急がなければならない、その後はほとんど休むことなく歩き続けた。

途中タヌキのタメ糞場を見て歩く、10ケ所あるのだが実際に糞が残されていたのは4カ所だけ、そのいずれの糞にもケンポナシの種子が含まれており、昨年落下したまま雪の下で冬を越した果実を食べたものと推測された。だが、シカの毛は全く含まれておらず、この辺りでは死んだシカがいなかったのではないかと考えられる。

奥ノ谷山分岐から下って来ると、こんなにあったのかと思うほどタムシバがたくさん咲いていた。日当りのいい場所ではほぼ満開状態で、下り着く直前までタムシバの花の下を歩き続けることになった。きっと向かい側の山から眺めると、白い帯状にタムシバの花が続いているのが見えることだろう。

駐車場に戻り着くと午後6時を少し過ぎており、さすがに少し暗くなり始めていた。


須後=1時間55分=中ノツボ谷出合=3時間(内倒木処理1時間40分)=ナメ谷出合=1時間10分=権蔵峠=1時間40分=中山谷山=1時間30分=奥ノ谷山分岐=1時間=須後
『今日の出会いと目撃』人間0人

3月24日 P941m周辺

P941m西尾根分岐から北西側 遠く薄っすらと白山も見えたP941m西尾根分岐から北西側 遠く薄っすらと白山も見えた




P941m西尾根分岐付近から百里ケ岳P941m西尾根分岐付近から百里ケ岳





P941m西尾根分岐付近から琵琶湖方面P941m西尾根分岐付近から琵琶湖方面





P941mの東側P941mの東側





山上部は2cmほどの新雪山上部は2cmほどの新雪





バイカオウレン 以前よりも少なくなったような気がするバイカオウレン 以前よりも少なくなったような気がする





フキノトウフキノトウ





ジャゴケの雌器托ジャゴケの雌器托





ホソバミズゼニゴケの胞子体ホソバミズゼニゴケの胞子体





ナツエビネにあったシカの食痕ナツエビネにあったシカの食痕 今年は雪解けが早く、シカ、の戻りも早まったため、常緑の植物は早速食べらてしまった。




天候:快晴
田歌の水位13時:80cm
古屋~岩屋峠~P941m西尾根分岐(作業)~岩屋峠~古屋

先週に引き続き、春の作業をするためP941m周辺に入る、この1週間雨が降り続いたものの、気温が低い状態が続いたためだろう、季節は止まったままかのように、木々の姿は先週とほとんど変わらない。

そんな中で、先週出会うことができなかったバイカオウレンの花2輪を見つけることができた。以前は普通にあったように記憶しているが、今は足元を注意深く見ながら歩かなければ見つけることができない。シカは採食しないと考えるため、もしも本当に減少しているとすれば、それは人間による採取が疑われる。

今日は終日素晴らしい天候に恵まれ、作業を終えてからも下山するのが惜しまれた。休んでいると野鳥の囀りが間断なく聞こえ、彼らに繁殖の季節がおとずれたことを教えられる。

作業は1ケ所だけ雪が残っていたためにできなかったが、それ以外はすべて終了することができた。次週からはシカの死体捜しとタヌキのタメ糞場巡りを始めるつもりだ、これからますます陽が長くなり、夕方遅くまで森の中に留まることができるようになることがとても嬉しい。

古屋=2時間10分=P941m西尾根分岐(作業6時間)=2時間=古屋
『今日の出会いと目撃』人間0人

3月18日 P941m周辺

P941m東側P941m東側





P941m東側P941m東側





P941m北側P941m北側





P941m西側P941m西側





マルバマンサクマルバマンサク





ほころび始めたダンコウバイほころび始めたダンコウバイ





タマゴケタマゴケ





ヒオドシチョウヒオドシチョウ





雪に押えられている枝雪に押えられている枝





雪を跳ね返した後の枝雪を跳ね返した後の枝





タヌキの糞タヌキの糞 シカの毛がたくさん入っているのはシカの死体を食べたのだろう。今年もシカは死んでいるようである。




天候:晴れのち曇り
田歌の水位13時:56cm

古屋~岩屋峠~P941m西尾根分岐(作業)~岩屋峠~古屋

15日には佐々里峠の通行止めも解除され、芦生へのアプローチの選択肢が増えてきた。今回は、残雪の状態とシカの回帰及び採食を確認することと共に、雪解け後の調査作業をするために三国岳方面に入る。

古屋から保谷林道を歩く、谷底には残雪が見られるが、山の斜面や尾根などではほとんど雪がない。そろそろ花の咲き始める季節、足元などを探しながら歩いたが、マルバマンサクの花を見つけただけ、バイカオウレンの花も楽しみにしていたのだが、登山道に入ってからも出会わず少しがっかりした。

登山道では所々倒木があって歩道を完全に塞いでおり、これを除去したり、倒れ掛かっている低木に支えを立てたりしながら登って行く。岩谷峠に上がると冷たい風が吹きつけ、脱いだ上着を再び着直すことになった。

青空が広がっているが幾分霞がかかり、遠くの山波は輪郭さえはっきりとしない、いかにも春らしい眺望だ。P941m西尾根分岐に登り着くと、残雪の森が眼前に広がり、春めいた光景から一変して冬景色へと舞い戻る。この辺りは芦生でも最も積雪量の多い場所であり、且つ標高が最も高いこともあって雪解けが芦生では一番遅い。

これより調査かたがた作業開始である、京阪神周辺とは異なり芦生は積雪が多いため、調査地では冬期の積雪対策が避けられない。万一これを怠ると、翌年の調査が困難となり再度やり直しを強いられることになる。

調査地は点在しており、また作業量も多く一人黙々と続けているとだんだんと飽きてくる。しかし、早春の森の中に居ることの心地よさ、野鳥のさえずりが遠く近く聞こえ、もう少し暖かければウトウトと眠ってしまうことだろう。

定番のラーメンと卵焼き入り「お握らず」の昼食を摂り、再び作業を続ける。残雪に埋まったままの調査地もあり、また時間的にも全てを終える余裕がなかったため、区切りのいいところで止めて下山することにし、残りは来週末にでももう一度来ることにしよう。

下山する頃には空一面の青空もすっかり消えて雲に覆われていた、しかし視界は反対に少し利くようになり、琵琶湖や奥美濃の山々まで望むことができるようになっていた。この冬福井方面は大雪だったため、奥美濃の山々はまだまだ真っ白だ。

10年ほど前には、真っ白い山を見るとムズムズしたのであるが、今日は微かに感じるものがあるだけ、10年という歳月は感動さえも消してしまうのか。残雪の山に強い憧れを抱いたあの頃は再び戻らないだろう、そう思うと過ぎ去った日々が愛おしく、残雪を踏みしめて歩いた一つ一つの山が懐かしく思い出された。

保谷林道まで下ったところでミルクティーを作って一休みする、再び歩き始め、見上げると、冬枯れの木々が様々な形で枝を広げているのが見える。枝の出し方が観察できるのもあと少しだけ、眩しいほどの新緑に包まれる頃にはもう見られなくなるだろう。

春の来るのが待たれる反面、去りゆく冬を寂しくも感じながら、夕方の山里、古屋にたどり着いた。


古屋=2時間40分=P941m西尾根分岐(作業5時間30分)=2時間=古屋
『今日の出会いと目撃』人間0人
『シカの越冬状況』岩谷峠への登山道を含め、残雪の上にはシカの足跡が残されている。個体数はそれほど多くはなさそうであるが、確実に山上部へ上がってきている。

ミヤマカンスゲなどに新しい食痕があまり見られないのは、個体数が少ないということと、上がって来てからまだ日数が経っていないということだろうか。



3月11日 三国峠・若丹国境稜線・上谷

三国峠から百里ケ岳三国峠から百里ケ岳





枕谷の源流枕谷の源流





枕谷源頭から百里ケ岳枕谷源頭から百里ケ岳





野田畑谷源流野田畑谷源流





上谷 杉尾峠を少し下った辺り上谷 杉尾峠を少し下った辺り





モンドリ谷モンドリ谷





下ノ池下ノ池





ウツロ谷ウツロ谷





野田畑野田畑





野田畑野田畑





シカの採食に遭ったイヌツゲシカの採食に遭ったイヌツゲ





シカの食痕 ツタウルシシカの食痕 ツタウルシ





シカの食痕 ヤドリギシカの食痕 ヤドリギ





シカの寝床 5頭分あったシカの寝床 5頭分あった





天候:晴れのち曇り時々晴れのち小雨
積雪量:三国峠新雪が5cmだけ、モンドリ谷出合65cm、ウツロ谷出合60cm、地蔵峠35cm
田歌の水位15時:79cm
古屋の積雪14時:0cm

生杉ブナ原生林登山口~三国峠~中山神社裏尾根・若丹国境出合~野田畑峠~杉尾峠~地蔵峠~生杉ブナ原生林登山口

先週、講演会があったために1週間空いての芦生入りとなった。気温の高い状態が続き、しかも雨が降ったために道中はほとんど雪を見る事がなかった。

生杉ブナ原生林の少し手前に駐車し、生杉ブナ原生林登山口から三国峠に向かって登って行く、歩き始めからの急登は辛いものがある。一昨日降ったらしい雪が少し積もっているが、スリップしやすくなるというほどの量ではなく助かる、だがそんな状態の歩道でも、歩き続けていると少なからず負荷がかかっているのだろう、次第に足が重くなってきた。

尾根に上り着いてようやく急登から解放されホッと一息、残雪も固く凍っているためその上を歩いても無積雪期と変わらないほどだ。ところが傾斜が急になるとそれが災いし、長靴で蹴り込んでもつま先がなかなか雪面に食い込まず、何度も繰り返して辛うじてつま先が引っかかる程度。

そんなわけで、傾斜が強くなる三国峠山頂近くになって急にくたびれ始めた。山頂に立ち寄って若丹国境稜線を西へ向かう、アップダウンの続く稜線を避けて枕谷側に回り込んで越える予定が、下りすぎて枕谷まで下ってしまったため、仕方がないのでそのまま枕谷を遡ることにした。

最初は傾斜も緩く問題なく歩けたが、詰めに近づくと急に傾斜が強くなり、ここでも長靴でのキックステップを余儀なくされる。しかし、三国峠付近よりも傾斜が強くその上距離も長いために、ここで神経とエネルギーをかなり消費してしまった。

中山神社裏尾根分岐に登り着き、呼吸を整えるために立ったまま一休み、少し体力と気力が回復し、再び若丹国境稜線を野田畑峠に向かって進む。しかし残雪上の下りは登り以上に気を遣う、踵でキックステップしてもわずかしか雪面に靴が食い込まずなんとも心もとない。そこで、できるだけ接地面積を増やしてスリップしにくくしようと、ジグザグに歩いた。

二つコブを乗り越えて野田畑峠到着、その先は暫く野田畑谷の中を歩き、国境稜線が谷と同じ高さになるところから再び稜線に上った。シンコボ分岐から一旦下って登り直したピークで休憩しようと思ったが、その頃には青空が消えて空一面を雲が覆っていたため、休憩する気も失せそのまま国境稜線を西へ歩き続けた。

大きなコブを二つ越えて杉尾峠に到着する頃には、かなり疲労感を覚えるようになっており、そこで少し早いが昼食を摂りながら休憩することにした。ラーメンと魚のフライそしてミルクティー、あまり変化はないが疲れているとミルクティーが何よりうまい。

食事を済ませて少し若狭湾の見えるところまで行ってみたが、霞が懸っているのかはっきりとは見えなかった。荷物を片付けて出発、これからは上谷を下るだけ、今までのような上り下りはなく気分も軽やかになっている。

上谷は、谷底こそ50cm程度の残雪があるが、尾根にはほとんど残雪らしいものは見られず、一昨日の降雪が無ければ黒々とした地肌が見えている事だろう。水量はいつもの倍程度あるが、残雪が固く凍っているため流れの中を歩かずとも済むのは何ともありがたい。

無積雪期よりも歩き易いのでは、と感じるほど固く凍った雪の上を歩くのはとても楽しく、自由気ままに広い谷底を歩き続けるうちに野田畑まで来てしまっていた。この頃になり少しは日差しが甦ってきたが、朝方の空一面に広がった青空とは比較にならないほどわずかな日差しであった。

地藏峠を越えて少し下ったところでミルクティーを作って最後の休憩、残雪の山を楽しむことさえできないほど、わずかになった積雪に、冬が終わってしまったことをしみじみと感じた。


生杉ブナ原生林登山口=40分=三国峠=1時間05分=中山神社裏尾根分岐=25分=野田畑峠=1時間45分=杉尾峠=2時間15分=地蔵峠=50分=生杉ブナ原生林登山口

『今日の出会いと目撃』メスシカ2頭(野田畑峠の東側)、人間0人
『シカの越冬状況』生杉ブナ原生林登山口から登り着いた尾根上に3頭程度の足跡、三国峠の西側小ピークで5頭の寝床、野田畑峠とシンコボ分岐の中間付近では5頭程度の足跡、シンコボ分岐の南側ピーク付近では6頭程度の足跡、杉尾峠付近では2頭の足跡、モンドリ谷出合付近では3頭の足跡が見られ、それらは連続しているため別々の群れかどうかは分からない。

桝上谷付近で2ケ所、キエ谷付近、ウツロ谷付近でそれぞれ2~3頭の足跡が上谷を横切っていた。野田畑付近でも3頭程度の足跡が見られ、地藏峠でも3頭の足跡が見られた。これらは連続してないためそれぞれ別の群れではないかと思われる。

以上のことから、芦生に戻って来ているシカは既に30頭くらいはあると思われるが、その半分くらいはまだ若丹国境稜線周辺を中心に行動しているようである。

昨年3月19日に同じルートで歩いた時には「2017年3月19日」地蔵峠の積雪が148cmもあり、上谷や野田畑ではシカの足跡が全く見られなかった。それから考えると、この冬の積雪が少なかったために融雪も早くなり、越冬地からシカが戻ってくるのも早くなったと言える。

3月4日 「芦生研究林における希少植物の現状」講演会

講演会講演会





「芦生研究林における希少植物の現状」という講演会が。京都府立植物園で開催され、1時間半ほどお話をさせていただきました。定員60名に対し120名ほどの方がお集まりになり、最初は慣れない環境で緊張しましたが、徐々に緊張も解け、マイペースでお話ができました。

絶滅に瀕する植物が多数あることと、今何とかしておかなければならないという現状を、うまく伝えられたか心配ですが、皆さんには最後まで真摯に聞いていただき、何とか思いが伝えられたのではないかと思っています。

天気がよくて、本当でしたらフィールドに出て歩きたいと思うような条件でしたが、わざわざこのために足を運んでいただきました皆様には感謝いたします。これからも、芦生の森が本来の姿を取り戻すまで、できる限り力を尽くしたいと思いますの、どうぞご支援くださいますようお願いします。



2月25日 由良川 岩谷出合から枕谷出合まで      写真展と講演会のお知らせ

南斜面は雪解けが早い 保谷・倉ケ谷出合南斜面は雪解けが早い 保谷・倉ケ谷出合





岩谷を見下ろす岩谷を見下ろす





岩谷下流岩谷下流





由良川 岩谷出合由良川 岩谷出合





由良川 岩谷出合の下流由良川 岩谷出合の下流





由良川 岩谷出合の下流由良川 岩谷出合の下流





由良川 岩谷出合の下流由良川 岩谷出合の下流





由良川 岩谷出合の上流由良川 岩谷出合の上流





寒い日が続いていた頃は氷瀑になっていたかもしれない寒い日が続いていた頃は氷瀑になっていたかもしれない




由良川 小ボケ出合の下流由良川 小ボケ出合の下流





スケン谷でスケン谷で





由良川 スケン谷出合の上流由良川 スケン谷出合の上流





トチノキ谷トチノキ谷





由良川 トチノキ谷の上流由良川 トチノキ谷の上流





天候:曇りのち晴れのち曇り
積雪量:江丹国境稜線80cm、岩谷出合110cm、地蔵峠88cm
田歌の水位13時:38cm
古屋の積雪17時:55cm
古屋~江丹国境~岩谷出合(ホウ谷出合下流往復)~スケン谷~中山~地蔵峠~生杉最終除雪地

生杉午前7時ちょうど発の朽木支所前行高島市営バスに乗るため、いつもより早く家を出る、まだ真っ暗だ。いつもの最終除雪地から先もしばらく除雪されていたが、除雪直後は雪崩れる心配があり、奥まで入っていて雪崩に遭うと除雪に大変な思いをしなければならなくなる。

そこで、いつもの場所に車を停め、生杉のバス停まで歩いた。発車5分ほど前に到着したので中に入れていただき出発を待つ。このバスは、全区間同一料金の220円、始発から終点まで1時間余りかかるため、これだけ乗っても220円はとても安い。旅行好きの人であれば、このバスで往復すると440円で2時間余りの旅が楽しめることになる。

古屋の保谷林道起点で下ろしていただき林道を歩く、この林道も除雪が始まっており、除雪された雪の状態を見ると既に2~3日経っているように見える。そうすると水道施設近くまで除雪が進んでいると思われる、そこで今日は林道経由で江丹国境稜線に上ることにした。

雪の上と違って土の上は歩き易い、結局モチノキ谷を過ぎた辺りまで除雪されており、しかもその先水道施設までキャタピラの跡が付いていた。これを辿れば水道施設まで楽々と入ることができた。

ここでワカンを着け施設の裏尾根を登る、今日は由良川を歩く予定にしているので胴長を持ってきた。そのためザックも大きめのものを用意し、荷物もいつもより重い。朝方は雪が締まっていると思っていたが、表面がクラストしているだけで単純な雪より「性質(たち)」が悪い。

足を置くたびに、スボッ、スボッと10cmほど急に沈む、体験された方はお分かりいただけると思うが、とても疲れるのだ。これさえ登れば後は登りらしい登りがないと、自分に言い聞かせ、国境稜線までできるだけ休まず登った。

稜線に登り着き少し岩谷峠側に歩いてから、岩谷の下流へ続く尾根を下って行く。最後は傾斜がきつくなるが、少し緩み始めた雪は下るのにちょうどいい、無事到着しそのまま由良川出合まで雪の上を歩いた。

ここで胴長に履き替える、防水に難があるためカッパのズボンとスパッツを2枚重ね、厳重装備に衣替えだ。1年ぶりに履く胴長はやはり歩き辛い、一旦ホウ谷出合の少し下流まで由良川を下り、引き返して由良川を遡る。

この付近の積雪は1m程度と例年より少なく、しかも由良川の水量もいつもより少ない。今年は降雪量が少ないが、気温も低かったために解ける速度が遅く、その上雨もほとんど降らなかった、その結果が今日の状態に繋がっているのだろう。

お陰で遡行もずいぶん楽で、いつもは苦労する小ボケ出合下流の函の通過も、難なく越えることができた。スケン谷に到着し、少し中に入ったところで昼食にする、今日は荷物が多いためラーメンは止め、お握らずと鶏肉の唐揚げ、ただミルクティーだけは同じであった。

この頃は青空も覗くほどいい天気で、日差しを受けると暖かく、ゆっくりと昼食を摂ることができた。食事を済ませて再び由良川の遡行を開始する、すぐに小さな函が2カ所続くが、それを越えればその後はほとんど難所がなくなる。

緩やかな流れの中を遡っていくが、右足のほうにたっぷりと水が浸み込んでしまって、残念ながら快適とは言えなくなってしまった。今年最初の使用なのに、点検をする余裕がなかったのがこの結果になったようだ、我慢する以外ない。

中山を過ぎ、枕谷出合でようやく濡れた胴長とお別れすることができた、胴長に履き替えるのも大変だが、長靴に履き替えるのもかなり面倒だ。ミルクティーとクッキーなどで軽く行動食を摂り、ワカンを履いて雪の上を歩き始める。

先週のトレースが残っているため、これを辿れば幾分楽であるとともに、ルートファインディングをする必要がないので助かる。地蔵峠からは林道歩き、残念ながら昨日今日は誰も歩いていないようだ、先週のトレースを追えば確かにそれほど負担はないが、長時間続けるとやはり疲れが出てくる。

東屋を過ぎてしばらく行くとスキーの跡が、さらに下るとスノーシューの跡も現れるが、バラバラのトレースでちっとも楽にはならない。旧道への下り口付近になり、ようやく除雪された道路に出会うことができた、やはり雪のない道のほうが格段に歩き易い。

除雪された道路を歩き、若走路谷をショートカットして渡れば、朝方停車しておいた車に到着する、昨年や3年前と比べるとはるかに楽な行程であった。

古屋=1時間35分=江丹国境=55分=岩谷出合(ホウ谷出合下流往復)=1時間40分(内 胴長履き替えに30分)=スケン谷=1時間45分=中山=1時間20分=地蔵峠=1時間05分=生杉最終除雪地
『今日の出会いと目撃』リス1匹、人間0人
『シカの越冬状況』全行程で足跡も見られなかった。普通であれば岩谷~中山間で何頭かは越冬しているのであるが、今年はどうしたのだろう。



写真展と講演会のお知らせ
3月2日(金)~ 6日(火)京都府立植物園で、私の撮った写真を使って「芦生研究林の植物」の写真展が開かれます。また、期間中の3月4日(日)には、「芦生研究林に於ける希少植物の現状」について、私も講演をさせていただくことになりました。興味がおありの方がおられましたら、おいでくださいますようご案内させていただきます。詳細は次のサイトでどうぞ。
芦生研究林の植物「写真展」


2月16日~18日 冬季シカ・カモシカ調査に参加する     写真展と講演会のお知らせ

長治谷小屋に到着長治谷小屋に到着





中山方面中山方面





中山橋の下流中山橋の下流





桝上谷桝上谷





モンドリ谷出合モンドリ谷出合





モンドリ谷出合モンドリ谷出合





上谷上谷





野田畑野田畑





ツルアジサイの果実が落ちているツルアジサイの果実が落ちている





ツルアジサイの果実は雪面を転がりながら種子を散布するらしいツルアジサイの果実は雪面を転がりながら種子を散布するらしい




獺祭獺祭 精米率が50%とランクは下だが、それでもやっぱりおいしい




(16日)
天候:曇り時々晴れ
積雪量:地蔵峠88cm
田歌の水位16時:40cm
古屋の積雪15時:66cm

生杉最終除雪地~地蔵峠~長治谷作業所(中山橋付近まで調査)

今年も、冬季のシカ・カモシカの生息調査に参加させていただいた。今年は学生さんが1名だけとなり少し寂しいが、時間をゆっくりと共有できるといういい面もある。生杉最終除雪地に集合して出発、今年は積雪量が少なく林道上では地面があちこちで現れていると予想し、全員スノーシューを履くことになった。

先日の雨で雪面が凍り、スノーシューがほとんど沈まず快適に歩くことができる、おかげで皆さん無雪期のようなスピードで歩かれるので付いていくのが辛い。途中生杉ゲート手前の東屋で休憩を摂り昼食にする、いつものようにラーメンとネギ入り卵焼きの入った「お握らず」、そしてミルクティーを作って待つのも同じだ。

食事を済ませて出発、だがこの先もペースは変わらず、付いていくので精一杯だ。結果的に地蔵峠まで地面が表れている場所はなく、スノーシューを外す必要もなかった。今年のような積雪量であれば、水の流れが幾つも現われて雪面があちこちで切断されているのが普通なのであるが今年は違った。

これは気温の低い状態が継続しているため、融雪が進まないのだろう、先生もこんな状態であればスキーを履いて来ればよかったと大変悔しがっておられた。地蔵峠で積雪深を測り長治谷へ向かう、枕谷の水量も少なく、上谷の流れに出るまでスノーシューを外さずに済んだ。

そのようなわけで予定より早く長治谷小屋に到着する、先日研究林の技官さんたちが除雪に来られ、その後まとまった降雪がなかったため、全く除雪する必要がなく小屋に入ることができた。荷物を降ろし、夕食までの時間を利用して中山橋付近までシカの調査に出かける。

私は長靴であるため上谷の流れの中を歩いた、途中新しいシカの足跡が、中山尾根から下って来て上谷を遡り枕谷まで続いているのがあったが、目的である糞は見つからず調査を終えて小屋に戻る。

夕食の用意、今夜はカレーライスとコールスロー、そして酒の肴は焼肉。私が持参した「獺祭」などを飲みながら食事を摂る、先生は疲労が蓄積しているのであろうすぐに寝てしまわれ、私と学生さんとでいろいろ話をしたような記憶があるが、飲み過ぎたのか内容をよく覚えていない。

生杉最終除雪地=1時間50分=地蔵峠=55分=長治谷作業所
『今日の出会いと目撃』人間0人
『シカの越冬状況』本文のとおり足跡があっただけで、それ以外の場所では足跡も見られなかった。

(17日)
天候:雪
積雪量:モンドリ谷出合110cm
田歌の水位13時:40cm
古屋の積雪14時:76cm

長治谷小屋~中山尾根~モンドリ谷出合~長治谷小屋

外が明るくなり起床、ちょうど雪が降り始めたところであった。朝食はみそ汁と納豆、昨夜の焼肉の残り油でみじん切りのネギを炒めチャーハンを作ると、学生さんがとても気に入ってくださった。

昼食用の「お握らず」を持って雪の降る中を出発、私はワカンを履いた。小屋の裏から中山尾根に登り稜線を西へ歩く、少し雪が積もってきたがほとんど苦にならない。途中積雪深を数ケ所で測り、最後はモンドリ谷出合に下る、稜線は吹雪状態であったが、上谷に下ると風もなく雪が降り続けるだけとなっていた。

積雪深を測ると110cm、昨年の積雪深は200cmであったのでほぼ半分だ、しかし新雪が10cmほども積もり、気温の低い状態が続いていることもあって景観は昨年とあまり変わらないように感じる。上谷の水量も少なく、キエ谷出合付近までワカンを脱ぐ必要はなかった。

途中で積雪深を測り、支流の水を採取して小屋に引き返す、時間的には昼食にする時刻なのだが、雪の降り続ける中での食事は慌ただしく、できれば小屋の中でゆっくりと摂りたいとの思いの方が強かったため、昼食は我慢した。

小屋に戻りみそ汁を作って昼食を摂る、疲れが出てきたのだろう食事が終わると学生さんは寝てしまわれた。残った私と先生とシカの話などをしているうちに、話題が2週間後に迫った講演会のことに及び、先生からとても参考になるアドバイスをたくさんいただいた。先生のお話を聞いているうちに、うまく話せるような気にだんだんなってくるのは、先生の指導が上手だからなのだろう。

そのうちに学生さんが目を覚まされたので夕食の用意をする、今夜はポテトサラダと鍋、そして先生自作のリンゴときゅうりのサラダ。昼食が遅くなったこととポテトサラダが多かったため、ご飯は炊かずに済ませた。

『今日の出会いと目撃』人間0人
『シカの越冬状況』足跡も見られなかった。

(18日)
天候:曇り時々晴れ
積雪量:新たに20cmの積雪があった
田歌の水位13時:40cm
古屋の積雪1Ⅰ時:80cm

長治谷小屋~地蔵峠~生杉最終除雪地

明け方まで降っていた雪も止み、青空も少し見えるようになってきた、ほっこりと被った新雪は風景を優しくする。昨日から降り積もった新雪はちょうど20cm、もっと積もったのではないかと半ば期待したが、意外と少なかった。

昨夜の鍋の残りでおつゆを作り、野菜炒めと漬物などで朝食を済ます。これほど積雪が無ければシカの糞探しに出かける予定であったが、とてもこの量では発見することはできないだろうとのことで、調査はせず小屋を片付けて帰ることになった。

3日間お世話になった長治谷小屋、夏季も含めてこの小屋で宿泊できる機会はほとんどあり得ない。そんな貴重な機会を与えていただいたことに感謝し、そしてまた来年も来ることができることを願いながら芦生の森を後にした。

『今日の出会いと目撃』人間1人(地蔵峠からの下りでよく知っているOさん)
『シカの越冬状況』足跡も見られなかった。





写真展と講演会のお知らせ
3月2日(金)~ 6日(火)京都府立植物園で、私の撮った写真を使って「芦生研究林の植物」の写真展が開かれます。また、期間中の3月4日(日)には、「芦生研究林に於ける希少植物の現状」について、私も講演をさせていただくことになりました。興味がおありの方がおられましたら、おいでくださいますようご案内させていただきます。詳細は次のサイトでどうぞ。
芦生研究林の植物「写真展」


2月10日 P941m周辺              写真展・講演会のお知らせ

P941m付近P941m付近





P941m付近から下るP941m付近から下る





P941m付近の尾根を歩くP941m付近の尾根を歩く





2月10日
天候:雨(午前中は小雨であったが、午後から本格的な降りになる)
積雪量:P941m付近100cm
田歌の水位13時:36cm
古屋の積雪13時:87cm

シカの関連調査のため、私を含め3名で入林する。道路沿いの温度計が氷点下2℃を示しているのに雪ではなく小雨が降っている、これは地表の温度は低いが上空に暖かい空気が流れ込んでいるためだろう。この状態であれば山の上も雨の可能性が高い、なんだか気が重くなる。

古屋のいつもの駐車スペースに車を停め出発する、出発時から雨というのは嫌なものだ。今週福井は豪雪になっていたが、芦生方面ではほとんど雪が降らず、積雪量も変わらない。今日の雪の状態であればスノーシューよりもワカンのほうがよさそうだと思われ、私はワカンで歩くことにした。

最初はほんの小雨、濡れるほどには降らなかったため、雪もそれほど重くはならなかったが、時間の経過とともに少しずつ雪に水分が吸い込まれて重くなる、それととともにワカンに雪がこびり付くようになってきた。私以外の2名の方はスノーシューであったため、ワカンのようには雪が付かず、お願いして先を歩いてもらうことにした。

P941m西尾根分岐に到着する頃にはかなり雪がワカンに付くようになり、足にも負担がかかるようになってきた。雨が強くなる前に昼食を摂ることにする、ラーメンとネギ入り卵焼きの「お握らず」、ミルクティーを作っていつものように麺が伸びるのを待つ。

食事を済ませ、1時間ほどで予定の調査を終えて下山することにしたが、ワカンに雪が増々付くようになり、まるで鉄下駄を履いているように重くなる。そのたびに雪を落として歩きなおすのであるが、その繰り返しで本当に嫌になってくる。

ようやく麓に到着するころには本降りになっていた、これで積雪がまた減ってしまう、降雪が一部の地域に偏るという変な冬である。

『今日の出会いと目撃』人間0人
『シカの越冬状況』
保谷林道からP941m西尾根分岐を経てP941mまでシカの足跡は見られなかった。

写真展と講演会のお知らせ
3月2日(金)~ 6日(火)京都府立植物園で、私の撮った写真を使って「芦生研究林の植物」の写真展が開かれます。また、期間中の3月4日(日)には、「芦生研究林に於ける希少植物の現状」について、私も講演をさせていただくことになりました。興味がおありの方がおられましたら、おいでくださいますようご案内させていただきます。詳細は次のサイトでどうぞ。
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