赤崎東谷と刑部谷の中尾根からブナノ木峠方面
赤崎東谷と刑部谷の中尾根からブナノ木峠方面 だいぶ下ってきた
小ヨモギ谷出合付近の由良川 先日の大雨でバイオフィルムが取れ、岩がきれいだ
中ノツボ岩場から
中ノツボ谷
中ノツボ谷
中ノツボ谷
中ノツボ谷 今回はこの渕を泳いで渡った
中ノツボ谷
中ノツボ谷
中ノツボ谷 最後の滝
中ノツボ最後の滝の上は緩やかな流れ
ノリウツギ
ネムノキ マメ科でありながら花弁はなく、ピンク色の花糸が花弁の代わりをしている
サワオトギリ
ノアザミ
コオニユリ
マツカゼソウ
ヒヨドリバナ
休んでいるとホオノキの果実が落ちてきた
ホオノキの果実を割ると種子が虫食いだった。それで自ら果実を落としたのだろう
コバノフユイチゴの果実
ウワミズザクラの果実(研究林事務所構内のもの)今年は豊作のような感じで、クマが喜ぶだろう
シモツケの果実 芦生にはわずかしか自生していないが、果実ができるのは正常に交配しているからか?
サルトリイバラの巻きひげは托葉が由来
ユズリハの濃密な薮には閉口する
クロホウジャクの幼虫に食べられると歩き易くなるが・・・
テツカエデの萌芽がシカに食べられていた。今まではほとんど食べなかったが
ミヤマクワガタ 久しぶりに出会った
ヒョウモンエダシャク 食草がアセビであり、最近アセビが増えてきたため本種も増えてきたのかもしれない。
生々しいタメ糞場にはお客さんがいっぱい
糞場の穴は?オオセンチコガネが掘ったものか?
タメ糞場からイチョウの実生、その下には種子が 日本に生息する哺乳類で、あの臭いイチョウの実(仮種皮)を食べるのはタヌキだけだと思う。
流れに足を浸けるとタカハヤが20匹ほど集まってきた
タカハヤ こんなところにと思うような滝の上にまでいるので、「クソモツ」とも言われるそうである。
アイタケ
アカヤマドリ
ツキノワグマ
ツキノワグマ
ツキノワグマ アリの巣を探しているようであった
(15日)
天候:晴れ
田歌の水位12時:39cm
出逢った花 昨日以外:<咲き始め>
<盛り>ノリウツギ
<咲き終わり>ハエドクソウ・キツネノボタン
須後~灰野~P840m~城丹国境稜線~P911m~小ヨモギ~須後
今日・明日とかなり暑くなるとの天気予報、「芦生山の家」さんに泊めていただくことにして、一泊二日の予定で街を脱出する。周山経由は花背峠経由よりも時間が少しかかり、しかも交通量が多いのでマイペースで運転することができない、冬期は仕方がないがそれ以外はできるだけ通りたくないのだが・・・
須後の駐車場に車を停めてトロッコ道を歩く、朝方は涼しくて気持ちがいい、灰野からは急な斜面を登ることになる、そこでTシャツを流れに付けて濡らす、これを着るとしばらくは涼しい。トロッコ道から標高差300mの急斜面の登りは辛い、途中一休みしてやっと登り切った。
この登りですっかり疲れてしまい、早速凍らせて持参したフルーツゼリーを食べることにした、これで少し元気がでる。その後は緩やかな上りとなり、時々タメ糞場も現れるためにその度に一休みできる。
佐々里峠からの歩道に出るとさらに歩き易くなってくる、よく踏まれた歴史を感じさせるいい道だが、通る人はあまりいない。P840mからは城丹国境稜線に入る、広くしかも緩やかな尾根が続き歩くのは辛くはないが、とにかく暑い、気温が高い上に風が全くないので木陰で休んでも涼しくならない。
途中小さな枝尾根にあるタメ糞場に立ち寄ったり、通り過ぎて引返したりしたために歩く距離が増え急速に疲労感が襲ってくる。そこで雷スギを過ぎる前に昼食を摂ることにした、木陰でお茶漬けを食べるが、全く涼しくはならず食欲も出ない、お茶漬けであるため流し込むことはできるが。
雷スギを越えようやくP911mに到着、これより小ヨモギに下る尾根に入っていく、登りはもうわずかしかないと思うとほっとする。そこで小休止し、温くなった水でレモネードを作って飲んだ、温くてもおいしく生き返ったような心地がした。
小ヨモギまではアップダウンの多い尾根で結構長いが、今日は特別長く感じた、途中で気力と思考力が急速に失われ、このままでは熱中症になってしまうのではと心配になる。何とか意識のはっきりした状態で小ヨモギに到着、トロッコ道を横断して真っ直ぐ由良川へ。
衣服を脱いで流れに身を沈める、水温がそれほど上がっていないために長い時間水に入ってはいられないが、水から上がってゆっくりしていると、徐々に気力が回復してくるのが分かる、それほどバテてしまっていたのだ。
流れで洗ったTシャツを着直してトロッコ道を歩く、最初は涼しかったが次第に暑さがぶり返し歩くスピードも遅くなっていった。今日一日で夏バテしたようである、山に入って夏バテするとは初めての経験だ。
今夜は「芦生山の家」さんに泊めていただく、食後散歩に出かけると、ヒメボタルが2匹、ゲンジボタルが1匹光っていた、今年最初で最後の蛍になりそうだ。
須後=3時間25分=P840m=2時間50分=P911m=2時間=小ヨモギ=1時間45分=須後
『今日の出会いと目撃』牝シカ1頭(P911と小ヨモギの中間付近)、シカの警戒音1回(灰野付近)、人間2人(城丹国境稜線で、佐々里峠の小屋の方)
(16日)
天候:晴れ
田歌の水位13時:36cm
出逢った花 昨日・一昨日以外:<咲き始め>マツカゼソウ(早すぎるような気もするが)・ツユクサ・ヒヨドリバナ
<盛り>ネムノキ・アカショウマ・コオニユリ・オオバギボウシ
<咲き終わり>7月咲きヤマツツジ・ドクダミ・サワオトギリ・コナスビ・ノアザミ
須後~中ノツボ谷出合~中ノツボ谷大滝上~中ノツボ谷二俣~落合橋~須後
疲れが溜まっているのだろう、昨夜は早く寝たのに今朝は午前7時近くまで寝てしまった。慌てて朝食を頂き早々に出発する、朝は少し涼しいが歩き始めるとすぐに暑くなってくる、こんな調子じゃ今日一日が思いやられる。
櫃倉谷の林道終点で流れを渡る、ここで早速Tシャツを流れに浸して濡らした。横山峠を越えて中ノツボ谷に入ると、出合付近の流れの傍で「H」さんがスケッチされていた、ひと声掛けて通り過ぎ、しばらく遡ったところから急斜面を登り始める。
昨日と同じような斜面であるが今日は二次林でスギがほとんどなく、土が少ないために足場に苦労する。すぐに息苦しいほどの暑さに纏わりつかれ、昨日の疲れが一気に噴き出す、辛い苦しいバテバテだ。
何度も立ち止まりながらも登り続け、何とか傾斜が緩やかになるところまで登ってきた、そこでレモネードを作って飲む、少しだけだが登り続ける気力を取り戻した。小さなコブを乗り越えたところから急斜面を下って行く、立木が皆無でロープが欲しいほどだが、いつもロープなしで何とか歩いてきた。
岩場まで下って来て、今回の目的である作業を始めることにするが、とにかく暑さのために気力が失われており、思考力もすっかり低下しているので、十分な作業ができない。それでも何とか妥協できる量の作業を済ませ、岩場を横断して中ノツボ谷に下ることにした(これもロープを必要とするほどで簡単ではないが)。
歩きながら、「こんな暑い日はエアコンの効いた部屋でゆっくり読書でもしているのが一番だ。」などと真剣に思われ、こんな日を選んだことが悔やまれた。また、予定では谷を下ってから流れを遡ることにしていたが、こんな状態で登れるだろうかと心配になってきた。
岩場を上り下りしながら大滝の上流に下り着く、流れの傍には冷気が漂い今までの暑さが嘘のようだ。早速衣服を脱いで流れに身を沈める、さすがにこの辺りだと水温が低くゆっくりと浸かっていられない。
昼食用のパンを齧りながら流れに足を浸していると、5~15cmほどのタカハヤが20匹ほど群れて集まり私の足をつつく。くすぐったいほどの感触ではあるが、生き物と生で接する事の充実した喜びを感じ、左右の足を交互に水に浸して感触を楽しんだ。
またパンをちぎって投げ入れると競うように飛びついて食べる、何度も繰り返しながら眺めているうちに、なんだか気力が回復してきたようだ。そこで沢足袋に履き替え、予定どおり谷を遡っていく、やはり暑い夏は流れを歩くに限る、疲れを感じることなくどんどん滝を乗り越え、気が付けば最後の滝も快適に乗り越えていた。
本来であればこの辺りで長靴に履き替えるところであるが、水の中からなかなか離れ難く、沢足袋のまま二俣を右に入って行った。しばらく歩いたところで、倒木の向こうに黒い塊を見出す、「クマだ」、私に気付いたのかどうか分からないが、私の方を見たクマは走って逃げて行った。
普通であれば一目散に山の上の方に駆け上がっていくのであるが、今日のクマは少し走っただけで立ち止まり、何も見なかったかのように餌を探しながらゆっくりと上流側へ歩いていくのである。
ドキドキしながらも30~40mほどの距離を維持してクマの後を追った、風が無いため人間の臭いがクマのところまで届かないこと、沢足袋を履いているのでほとんど足音がでないことが幸いして、5分余り追跡することができた、何という幸運だろう。
しかし残念ながら、枯れた落枝を踏んだ時に折れる音がして、それを聞いたのだろうクマは走って尾根の方へ移動した。しかしこの時も少し走っただけで立ち止まっており、その後もゆっくりと尾根の方へ移動して行くのである。
この様子から考えられるのは、人間をそれほど恐れていないのではないかということ。昨年2回出逢ったクマは今日のクマと同一個体である可能性が高く、上谷周辺の比較的人間がよく訪れる場所を生息域にしているため、人間をよく見かけて慣れているのではないかと考えられる(人間は気付かないことが多いと思われるが)。
一昨日カメラを叩き落していたのもこのクマである可能性が高く、今後上谷周辺を歩くときは十分気を付けないといけないのかも知れない。
その後は内杉谷との分水嶺に上がり、落合橋に向かって長いしかもユズリハの薮の多い尾根を下った。落合橋付近の内杉谷の流れで今日最後の水浴び、この辺りだと水温もそれほど低くはなく、ゆっくりと水の中に浸かっていることができた。
須後=1時間30分=中ノツボ谷出合=2時間30分=中ノツボ谷大滝上=1時間10分=中ノツボ谷二俣=2時間55分=落合橋=55分=須後
『今日の出会いと目撃』牝シカ1頭(中ノツボ谷二俣と内杉谷の上部、位置的に同一個体と思われる)、ツキノワグマ1頭(中ノツボ谷右俣)、人間1人(Hさん)
赤崎東谷と刑部谷の中尾根からブナノ木峠方面 だいぶ下ってきた
小ヨモギ谷出合付近の由良川 先日の大雨でバイオフィルムが取れ、岩がきれいだ
中ノツボ岩場から
中ノツボ谷
中ノツボ谷
中ノツボ谷
中ノツボ谷 今回はこの渕を泳いで渡った
中ノツボ谷
中ノツボ谷
中ノツボ谷 最後の滝
中ノツボ最後の滝の上は緩やかな流れ
ノリウツギ
ネムノキ マメ科でありながら花弁はなく、ピンク色の花糸が花弁の代わりをしている
サワオトギリ
ノアザミ
コオニユリ
マツカゼソウ
ヒヨドリバナ
休んでいるとホオノキの果実が落ちてきた
ホオノキの果実を割ると種子が虫食いだった。それで自ら果実を落としたのだろう
コバノフユイチゴの果実
ウワミズザクラの果実(研究林事務所構内のもの)今年は豊作のような感じで、クマが喜ぶだろう
シモツケの果実 芦生にはわずかしか自生していないが、果実ができるのは正常に交配しているからか?
サルトリイバラの巻きひげは托葉が由来
ユズリハの濃密な薮には閉口する
クロホウジャクの幼虫に食べられると歩き易くなるが・・・
テツカエデの萌芽がシカに食べられていた。今まではほとんど食べなかったが
ミヤマクワガタ 久しぶりに出会った
ヒョウモンエダシャク 食草がアセビであり、最近アセビが増えてきたため本種も増えてきたのかもしれない。
生々しいタメ糞場にはお客さんがいっぱい
糞場の穴は?オオセンチコガネが掘ったものか?
タメ糞場からイチョウの実生、その下には種子が 日本に生息する哺乳類で、あの臭いイチョウの実(仮種皮)を食べるのはタヌキだけだと思う。
流れに足を浸けるとタカハヤが20匹ほど集まってきた
タカハヤ こんなところにと思うような滝の上にまでいるので、「クソモツ」とも言われるそうである。
アイタケ
アカヤマドリ
ツキノワグマ
ツキノワグマ
ツキノワグマ アリの巣を探しているようであった
(15日)
天候:晴れ
田歌の水位12時:39cm
出逢った花 昨日以外:<咲き始め>
<盛り>ノリウツギ
<咲き終わり>ハエドクソウ・キツネノボタン
須後~灰野~P840m~城丹国境稜線~P911m~小ヨモギ~須後
今日・明日とかなり暑くなるとの天気予報、「芦生山の家」さんに泊めていただくことにして、一泊二日の予定で街を脱出する。周山経由は花背峠経由よりも時間が少しかかり、しかも交通量が多いのでマイペースで運転することができない、冬期は仕方がないがそれ以外はできるだけ通りたくないのだが・・・
須後の駐車場に車を停めてトロッコ道を歩く、朝方は涼しくて気持ちがいい、灰野からは急な斜面を登ることになる、そこでTシャツを流れに付けて濡らす、これを着るとしばらくは涼しい。トロッコ道から標高差300mの急斜面の登りは辛い、途中一休みしてやっと登り切った。
この登りですっかり疲れてしまい、早速凍らせて持参したフルーツゼリーを食べることにした、これで少し元気がでる。その後は緩やかな上りとなり、時々タメ糞場も現れるためにその度に一休みできる。
佐々里峠からの歩道に出るとさらに歩き易くなってくる、よく踏まれた歴史を感じさせるいい道だが、通る人はあまりいない。P840mからは城丹国境稜線に入る、広くしかも緩やかな尾根が続き歩くのは辛くはないが、とにかく暑い、気温が高い上に風が全くないので木陰で休んでも涼しくならない。
途中小さな枝尾根にあるタメ糞場に立ち寄ったり、通り過ぎて引返したりしたために歩く距離が増え急速に疲労感が襲ってくる。そこで雷スギを過ぎる前に昼食を摂ることにした、木陰でお茶漬けを食べるが、全く涼しくはならず食欲も出ない、お茶漬けであるため流し込むことはできるが。
雷スギを越えようやくP911mに到着、これより小ヨモギに下る尾根に入っていく、登りはもうわずかしかないと思うとほっとする。そこで小休止し、温くなった水でレモネードを作って飲んだ、温くてもおいしく生き返ったような心地がした。
小ヨモギまではアップダウンの多い尾根で結構長いが、今日は特別長く感じた、途中で気力と思考力が急速に失われ、このままでは熱中症になってしまうのではと心配になる。何とか意識のはっきりした状態で小ヨモギに到着、トロッコ道を横断して真っ直ぐ由良川へ。
衣服を脱いで流れに身を沈める、水温がそれほど上がっていないために長い時間水に入ってはいられないが、水から上がってゆっくりしていると、徐々に気力が回復してくるのが分かる、それほどバテてしまっていたのだ。
流れで洗ったTシャツを着直してトロッコ道を歩く、最初は涼しかったが次第に暑さがぶり返し歩くスピードも遅くなっていった。今日一日で夏バテしたようである、山に入って夏バテするとは初めての経験だ。
今夜は「芦生山の家」さんに泊めていただく、食後散歩に出かけると、ヒメボタルが2匹、ゲンジボタルが1匹光っていた、今年最初で最後の蛍になりそうだ。
須後=3時間25分=P840m=2時間50分=P911m=2時間=小ヨモギ=1時間45分=須後
『今日の出会いと目撃』牝シカ1頭(P911と小ヨモギの中間付近)、シカの警戒音1回(灰野付近)、人間2人(城丹国境稜線で、佐々里峠の小屋の方)
(16日)
天候:晴れ
田歌の水位13時:36cm
出逢った花 昨日・一昨日以外:<咲き始め>マツカゼソウ(早すぎるような気もするが)・ツユクサ・ヒヨドリバナ
<盛り>ネムノキ・アカショウマ・コオニユリ・オオバギボウシ
<咲き終わり>7月咲きヤマツツジ・ドクダミ・サワオトギリ・コナスビ・ノアザミ
須後~中ノツボ谷出合~中ノツボ谷大滝上~中ノツボ谷二俣~落合橋~須後
疲れが溜まっているのだろう、昨夜は早く寝たのに今朝は午前7時近くまで寝てしまった。慌てて朝食を頂き早々に出発する、朝は少し涼しいが歩き始めるとすぐに暑くなってくる、こんな調子じゃ今日一日が思いやられる。
櫃倉谷の林道終点で流れを渡る、ここで早速Tシャツを流れに浸して濡らした。横山峠を越えて中ノツボ谷に入ると、出合付近の流れの傍で「H」さんがスケッチされていた、ひと声掛けて通り過ぎ、しばらく遡ったところから急斜面を登り始める。
昨日と同じような斜面であるが今日は二次林でスギがほとんどなく、土が少ないために足場に苦労する。すぐに息苦しいほどの暑さに纏わりつかれ、昨日の疲れが一気に噴き出す、辛い苦しいバテバテだ。
何度も立ち止まりながらも登り続け、何とか傾斜が緩やかになるところまで登ってきた、そこでレモネードを作って飲む、少しだけだが登り続ける気力を取り戻した。小さなコブを乗り越えたところから急斜面を下って行く、立木が皆無でロープが欲しいほどだが、いつもロープなしで何とか歩いてきた。
岩場まで下って来て、今回の目的である作業を始めることにするが、とにかく暑さのために気力が失われており、思考力もすっかり低下しているので、十分な作業ができない。それでも何とか妥協できる量の作業を済ませ、岩場を横断して中ノツボ谷に下ることにした(これもロープを必要とするほどで簡単ではないが)。
歩きながら、「こんな暑い日はエアコンの効いた部屋でゆっくり読書でもしているのが一番だ。」などと真剣に思われ、こんな日を選んだことが悔やまれた。また、予定では谷を下ってから流れを遡ることにしていたが、こんな状態で登れるだろうかと心配になってきた。
岩場を上り下りしながら大滝の上流に下り着く、流れの傍には冷気が漂い今までの暑さが嘘のようだ。早速衣服を脱いで流れに身を沈める、さすがにこの辺りだと水温が低くゆっくりと浸かっていられない。
昼食用のパンを齧りながら流れに足を浸していると、5~15cmほどのタカハヤが20匹ほど群れて集まり私の足をつつく。くすぐったいほどの感触ではあるが、生き物と生で接する事の充実した喜びを感じ、左右の足を交互に水に浸して感触を楽しんだ。
またパンをちぎって投げ入れると競うように飛びついて食べる、何度も繰り返しながら眺めているうちに、なんだか気力が回復してきたようだ。そこで沢足袋に履き替え、予定どおり谷を遡っていく、やはり暑い夏は流れを歩くに限る、疲れを感じることなくどんどん滝を乗り越え、気が付けば最後の滝も快適に乗り越えていた。
本来であればこの辺りで長靴に履き替えるところであるが、水の中からなかなか離れ難く、沢足袋のまま二俣を右に入って行った。しばらく歩いたところで、倒木の向こうに黒い塊を見出す、「クマだ」、私に気付いたのかどうか分からないが、私の方を見たクマは走って逃げて行った。
普通であれば一目散に山の上の方に駆け上がっていくのであるが、今日のクマは少し走っただけで立ち止まり、何も見なかったかのように餌を探しながらゆっくりと上流側へ歩いていくのである。
ドキドキしながらも30~40mほどの距離を維持してクマの後を追った、風が無いため人間の臭いがクマのところまで届かないこと、沢足袋を履いているのでほとんど足音がでないことが幸いして、5分余り追跡することができた、何という幸運だろう。
しかし残念ながら、枯れた落枝を踏んだ時に折れる音がして、それを聞いたのだろうクマは走って尾根の方へ移動した。しかしこの時も少し走っただけで立ち止まっており、その後もゆっくりと尾根の方へ移動して行くのである。
この様子から考えられるのは、人間をそれほど恐れていないのではないかということ。昨年2回出逢ったクマは今日のクマと同一個体である可能性が高く、上谷周辺の比較的人間がよく訪れる場所を生息域にしているため、人間をよく見かけて慣れているのではないかと考えられる(人間は気付かないことが多いと思われるが)。
一昨日カメラを叩き落していたのもこのクマである可能性が高く、今後上谷周辺を歩くときは十分気を付けないといけないのかも知れない。
その後は内杉谷との分水嶺に上がり、落合橋に向かって長いしかもユズリハの薮の多い尾根を下った。落合橋付近の内杉谷の流れで今日最後の水浴び、この辺りだと水温もそれほど低くはなく、ゆっくりと水の中に浸かっていることができた。
須後=1時間30分=中ノツボ谷出合=2時間30分=中ノツボ谷大滝上=1時間10分=中ノツボ谷二俣=2時間55分=落合橋=55分=須後
『今日の出会いと目撃』牝シカ1頭(中ノツボ谷二俣と内杉谷の上部、位置的に同一個体と思われる)、ツキノワグマ1頭(中ノツボ谷右俣)、人間1人(Hさん)
毎回演習林の記事を楽しんで拝読しております。
所で、中ノツボ谷遡行の記事を懐かしく拝読致しましたが、調査と言う名目なら遡行しても良いのですか?
また、単独で遡行されたのですか?
以前私が友人と2人で遡行して、きつく非難されました。
演習林事務所に山行き届けを出していませんでしたから非難されて当然と認識はしております。
暑い時期に、低山で調査されている姿勢には頭が下がります。