2008年09月29日

赤と白

bec1aa75.jpg 昨日は本公演の東京最終日。昼と夜の2回公演で、その後3時間程のバラシ、さらに打ち上げもあったんで、寝不足ですよ。裁判所行くのは休もうかと思ってたんだけど、行って正解。

 今日は大きな裁判はないんだけど、知り合いの法廷画家がロビーにいたんですよ。


    ニュースになるような裁判は無いはずなのに…


 すると、法廷画家の人が俺に話し掛けてきて、
法廷画家「今日、Uの民事裁判があるんですよ。傍聴券出ないんで、(法廷前に)並ばないと」
阿曽山「(法廷画を描くって事は)本人が来るんですか?」
法廷画家「そう!」
 と、素晴らしい情報を教えてくれました。
 これは、吉祥寺の住宅街に赤白のボーダー柄の家を建てるな、と近所の住民にU氏が訴えられてる裁判です。民事の方はノーチェックだから、全く知らなかった。U先生が来るなら、傍聴するしかないでしょ。

 開廷40分前に法廷前に行くと、傍聴希望者がすでに10人程並んでました。皆、情報通だよなぁ。ま、ほとんどが記者だったけど。

 列に並んでいると、弁護士と共に被告であるU氏がやって来ました。「いつもの赤白ボーダーシャツ着て来るのかな?」と思ってたら、スーツでした。流石に、裁判という厳粛な場所じゃ仕方ないか……、と思ったら、赤白ボーダーのネクタイ姿!自己主張を忘れないU先生は凄いな。

 報道カメラによる2分間の撮影が終わり(何故かU被告も映る事に)、開廷です。

 今回は、原告と被告に話を訊くだけじゃなく、色彩研究所理事長の証人も予定されてました。

 まずは、色彩研究所理事長への証人尋問から。
 これが、研究結果をまとめたグラフを使っての証言だったので、半分も理解出来ず…。傍聴人にはグラフを見せてくれないからね。
 証人曰く、赤と白の組み合わせは、多少の個人差はあれど不快に感じるらしい。繁華街には赤白(の看板とか)が沢山あるので、繁華街で暮らしてる人は不快な中、生活してるんだってさ。
 って事は、紅白歌合戦とか不快に感じる番組なんですね。確かに、結婚式とかもやたら長くて不快になるしな。

 証人の話が難しいというか、理屈っぽかったので眠気が…、と思ったら、U被告も頬杖ついて目を閉じてました。司法記者もあんまりメモとってなかったし、皆興味なかったのかも知れません。


 次は、原告への質問です。
 原告代理人からの質問で、赤白の家が建つ事を知った経緯・49世帯から建設反対の署名を集めた事・9月26日から赤白の家の目の部分が点滅するようになり不快な事が増えた、などが明らかになりました。

 そして、被告代理人からの質問。
被告代理人「赤白の家を見て不快って、ワイセツな事を想像します?」
原告「それはありません」
被告代理人「暴力的な事を連想します?」
原告「それはないです。強烈な色だな、と」
被告代理人「じゃあ、赤白がイヤなんですか?それともボーダーがイヤ?赤白のボーダーがイヤ?どれがイヤなんですか?」
原告「住宅街にそれがあるのが問題なんです。」
被告代理人「私が訊いてるのは、どれがイヤなのかですよ」
原告「ま、常に赤を見せられるのが…」
被告代理人「じゃ、青白のボーダーならいいんですか?」
原告「ん〜…、考えた事ないですねぇ…」
 なんとも大人気ない質問を連発する被告代理人。そして、
被告代理人「書面には、あの家はUさんのエゴと書いてますけど、他人の家に文句を言うのは原告のエゴではないですか?」
原告「全くありません!」
 と、どっちもどっちでしょ、というような事を吐き捨てて、質問終了です。


 次は、U被告への質問です。
被告代理人「赤白の家を建てたのは?」
U被告「私のトレードマークです」
被告代理人「それはいつからですか?」
U被告「高校卒業してからです」
被告代理人「赤白ストライプ(ボーダーの間違いだと思われる)には、どんな意味があるんですか?」
U被告「赤は、元気で生きてる証。白は無垢を表してるんです。それで、ストライプは元気が出ますから」
 ちゃんと意味があって、あのシャツを着てたんですね。
被告代理人「完成した家はどうですか?」
U被告「大変美しく素晴らしいと思います」
被告代理人「不快だと近隣住民に言われた事はありますか?」
U被告「私は指摘された事がありません。あの家を見て、夢があるとか、誇りだと言ってくれる人もいます」
 「夢がある」が悪夢だったり、「誇りだ」が「埃だ」の間違いじゃなければ、気に入ってる人も沢山いるんいるようです。
被告代理人「先程、証人が、赤白は不快だと言ってましたが…」
U被告「あれは、私に対するイジメのようなものだと思っています」
 U被告にとってはトレードマークを否定されたようなもんだからねぇ。

 次は、原告代理人からの質問です。
原告代理人「住民は、面白さより心地好さや平穏を求めているという気持ちは分かります?」
U被告「それは分かります」
原告代理人「建てる時、近隣との調和を考えたという事ですが、どの部分ですか?」
U被告「家の形ですね」
原告代理人「色は?」
U被告「バランスのいい感じです」
 U被告的には、家の形に合わせた色って事なんでしょう。
 そして、凄い質問が出されました。
原告代理人「以前、黄色の家を建ててTV取材を受けてましたよね?私も見ましたけど」
 見てんのかよ!敵のはずなのに、U先生のファンなのか?さらに、
原告代理人「そこで、『ホントは赤白ボーダーにしたかったけど、そんなことしたら近所の人に石投げられるから』とコメントしてませんか?」
U被告「言ってますね」
原告代理人「吉祥寺なら、石は投げられないと思ったんですか?」
U被告「いや、時代も家の形も違いますので…」
 なんか子供のケンカみたいな裁判ですよ。TVでの発言を真に受けられてもねぇ。
 TVでのコメントを覚えているU先生ファンの原告代理人は、さらに質問です。
原告代理人「朝日新聞の取材で、『(家は)普通過ぎるとつまらない』と答えてますよね。あの家は、普通ではない建物なんですか?」
U被告「普通です」
原告代理人「じゃ、つまらない建物?」
U被告「つまらなくはないです。素晴らしい建物です」
 この裁判、くだらないっ。くだらな過ぎて面白い!


 結果はどうなるのか分からないけど、こういう訴えがあるって事は、没個性が求められる国なんだろうなぁ。

 ふと気付くと、法廷の中で不快な色を身に付けてたのは、U先生と俺(写真)だけ…。



○本日の傍聴
・常習累犯窃盗
・傷害致死
・薬事法違反、薬剤師法違反、詐欺
・工事差止等


asozansaibanin at 17:19トラックバック(0) 

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