2012年06月11日

リバウンドのチャンス

ブログ再開後、株式市場を前向きに見る話はしてきませんでした。なぜなら、欧州経済が極めて不透明な上に、長期的な円高トレンドは継続していると判断してきたからです。とても株式を買えるような状況ではありませんでした。

しかし、状況は少しずつ変わりつつあるように思われます。世界の株式市場が大幅に下落することによって、欧州の先送り政治を待ってくれない催促相場の様相を呈してきています。

とりわけ日本株の割安さは際立っています。6月4日に日経平均株価の終値は8295円と年初来安値を更新し、TOPIXにいたっては695ポイントと、リーマンショック後の安値を更新しました。株価指標としてよく使われるものに、PBRとPERという二つの指標がありますが、4日時点のPBRは0.87倍、PERは11倍を割れるまで低下し、いずれもリーマンショック後の最も低い水準にあります。

スペインがデフォルトに追い込まれるような最悪の展開にならない限り、たとえギリシャがユーロを離脱したとしても、日本株は明らかに売られ過ぎであり安いと思われます。余裕を持って、今の水準から少しずつ買っていくのであれば、報われる可能性が高いと言えるでしょう。

そもそも、ギリシャの再選挙が懸念されていた根本的な理由は、大国のスペインやイタリアの国債利回りが急騰して、国債の消化ができなくなってしまうことだったのです。そのギリシャより遥かに大きいスペインの問題が、18〜19日のG20、21〜22日のEU財務相会議で立て続けに議論される予定です。

抜本的な解決策が示されるのかどうかは別にして、世界全体がスペインを救済する方向に傾いてきています。そうなれば、ギリシャの再選挙で悪い結果が出たとしても、株式市場は一時的なショック安で収まる可能性が高いと思われます。下値は限定的と見ていいでしょう。ただし、あくまでリバウンド相場と見て対応しなければなりません。

その意味で、4月9日の記事で書きましたように、「QE3を待って買う」必要はありません。もちろん、私の見通しが当たるかどうかは分かりませんので、売買は自己責任でお願いいたします。

(お知らせ)これまでずっと2人分〜3人分の仕事をこなしてきたせいか、あるいは年のせいか、体に無理が利かなくなってきました。たいへん申し訳ないのですが、今回の記事を以って『資産運用塾』は無期限のお休みをいただきたいと思っております。

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2012年06月05日

3月21日の記事の検証

『中小型株に妙味あり』(3月21日の記事)では、私なりの中小型株へのアプローチの方法をお話しました。

その過程において、財務の健全性やキャッシュリッチ度が高い中小型株を優先しましたが、その理由として「財務が良い企業は増資をするリスクがほぼないと言っていいのに加えて、株主還元を行う可能性が高まっている」「たとえ日経平均が10000円を超えた現状から中々上がりにくくなっても、上昇余地が残されていると同時に下がりにくい」と考えていることも述べました。

その上で、「その後の検証の意味でも、結果が良くても悪くても、そのリストを4月末〜5月初旬には公開する」とも述べていたのですが、5月の連休明けに結果だけ計算をしていて、ブログで公表するのをすっかり忘れておりました。それから1カ月あまり経ってしまいましたが、ご指摘をいただいたので最新のデータで再計算したものをお知らせします。

まずは、3月16日現在で抽出した76銘柄をコード番号順に列記すると、以下のようになります。

1661関東天然瓦斯開発・1723日本電技・1736オーテック・1738NITTOH・1793大本組・1841サンユー建設・1989北陸電話工事・2573北海道コカコーラ・2790ナフコ・2898ソントン食品工業・3352バッファロー・3396フェリシモ・3426アトムリビンテック・3439三ツ知・3515フジコー・3553共和レザー・3599コーコス信岡・3648AGS・3766システムズデザイン・4624イサム塗料・4627ナトコ・4636T&K TOKA・5395理研コランダム・5446北越メタル・5453東洋鋼鈑・5484東北特殊鋼・5821平河ヒューテック・5900ダイケン・5918瀧上工業・5941中西製作所・5973トーアミ・5984兼房・6286靜甲・6303ササクラ・6357三精輸送機・6626SEMITEC・6736サン電子・6785鈴木・6896北川工業・6916アイオーデータ機器・6935日本デジタル研究所・6964サンコー・7249尾張精機・7299フジオーゼックス・7314小田原機器・7416はるやま商事・7444ハリマ共和物産・7488ヤガミ・7521ムサシ・7539アベルコ・7559ジーエフシー・7598ナイスクラップ・7841遠藤製作所・7871フクビ化学工業・7885タカノ・7887南海プライウッド・7928旭化学工業・7983ミロク・7989立川ブラインド工業・8148上原成商事・8191光製作所・8249テクノアソシエ・8718JPNホールディングス・9036東部ネットワーク・9040大宝運輸・9085北海道中央バス・9193東京汽船・9405朝日放送・9476中央経済社・9608福山コンサルタント・9632スバル興業・9760進学会・9866マルキョウ・9986蔵王産業・9992理研グリーン・9996サトー商会

昨日の6月4日は日経平均が年初来安値を更新し、TOPIXがリーマンショック後の安値を更新しましたが、3月16日からの日経平均の下落率は−18.1%、TOPIXは−19.7%でした。これに対して、同じ期間における76銘柄の平均下落率は−8.3%でした。また、公表し忘れていた5月11日時点での76銘柄の平均下落率は−2.4%だった一方で、日経平均とTOPIXの下落率はそれぞれ−11.6%、−12.5%でした。

日経平均やTOPIXとの差はいずれも10%前後となりました。この結果をどう判断するかは、読者の皆さんに委ねたいと思います。

なお、資産運用メールマガジン無料版においては、この76銘柄の中から有望な銘柄として2銘柄(6303ササクラ・7598ナイスクラップ)を選択しましたが、同じ期間の平均上昇率は+15.7%となっております。(資産運用メールマガジン無料版は来年3月末までのサービスであり、新規には受付しておりませんのでお問い合わせはお控えください。)

次回は、4月9日の記事の検証を行う予定です。

(お知らせ)これまでずっと2人分〜3人分の仕事をこなしてきたせいか、過労が蓄積したため、体に無理が利かなくなってきました。たいへん申し訳ないのですが、近いうちに『資産運用塾』は無期限のお休みをいただきたいと思っております。

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2012年04月26日

不安は少し和らいだが…

欧州の政治リスクはどうしても意識しなければなりませんが、明るい兆しが見えてきていない訳ではありません。

フランス大統領選ではオランド優位サルコジ劣勢の情勢に変わりはありませんが、オランド氏は金融市場が警戒する大きな政府を志向する公約を何とか弱めたいと、ドイツや金融市場との妥協策を探っているらしいからです。財政規律強化の条約についてはドイツが求める現行案をそのまま認め、その代わりにユーロ共同債の導入をドイツに呑ませたいという思惑があるようです。

拙書の中でも主張しているように、ユーロ共同債は財政統合の前段階としてどうしても必要な対応策です。将来的に見て最善の策は、経常黒字国が経常赤字国に財政的な補填をする仕組みをつくることです。しかしながら、現時点でその仕組みづくりを実現できる可能性は、ゼロに近いと言っても過言ではありません。

だからこそ、その前段階として、財政補填の仕組みよりはずっとハードルが低いユーロ共同債の導入を、何としても実現しなければならないのです。その意味では、金融市場の予測するオランド新大統領誕生という「災い」が転じて「福」となす可能性も出てきています。

また、ギリシャの地元メディアが伝える最新の世論調査によると、連立与党が過半数を大幅に上回るという結果が出てきています。ギリシャ国民もそこまで馬鹿ではなかったということです。

5月にはドイツで来年の連邦議会選挙を占う州議会選挙、6月にはオランダで総選挙が行われる予定ですが、オランド氏が現実路線に方針を転換し、EUに緊縮財政を約束したギリシャの連立与党が勝利すれば、当面の政治リスクは回避されることになるでしょう。

ただし、それは現状の枠組みを壊さずに維持したに過ぎません。歴史的に見ても、5月〜10月は用心して金融市場に臨む必要があるでしょう。

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2012年04月09日

大型株は4月に一回手仕舞うべきか

潤沢なマネーが買い上げる金融相場は、「持続したとしても4月までなのか」という雰囲気になりつつあるようです。昨年もQE2の効果により1月〜3月に楽観論が優勢になり、5月から市場環境と経済環境がともに悪化していったことを、私たちは念頭に置いておく必要があります。

今年も昨年と同じように金融緩和の効果は徐々に失われていくものと思われます。どこかで突然、マネーが逆流し始めることも想定しておいたほうがいいでしょう。それでなくても、これから約1カ月間は、否が応でも政治的リスクが高まっていきます。

フランス大統領選挙でサルコジ氏が敗れれば、欧州各国は債務危機解決のまとめ役を失うことになってしまいます。ギリシャの総選挙でも連立与党が敗れれば、ギリシャ危機解決へのこれまでのプロセスが全く無駄になる可能性もありえます。

世界経済および金融市場にとって、フランス大統領選挙の決選投票とギリシャの総選挙が重なる5月6日は、今年最大の山場になると言えるでしょう。(詳しくは、『経済を読む』4月9日の記事をご覧ください。)

株式投資には「11月に買って、4月に売れ」という経験則があります。実際、米国でも日本でも、株価は11月〜4月は順調に上昇し、5月〜10月は軟調に推移する傾向があります。2010年、2011年の過去2年も主要先進国では同じ傾向を辿りました。(2011年は日本だけが、大震災の影響で主要国より1カ月早く、3月に高値を付けました。)

しかし、株価が1カ月〜2カ月軟調な展開に陥れば、FRB内でQE3実施に向けてアナウンスがされる可能性が高いので、NYダウが10000ドルを割り込んだり、日経平均が8000円に迫るようなことは、今年に限ってはあまり考えなくても良いでしょう。ということは、「4月に売って、QE3で買う」という戦略が成り立つかもしれません。

(お知らせ)福永博之さんから『株式手帳』を献本いただきました。スケジュールを睨みながら投資するには、良いアイテムになると思います。詳しくは以下のURLをご覧ください。
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2012年03月21日

中小型株に妙味あり(『経済を読む』からの続編)

久しぶりの更新になります。この記事を読むには、『中原圭介の経済を読む』(3月21日)の記事を読んでからのほうが、理解が深まると思います。

さて、本題に入ると、2月から株価が急激に上昇する過程で、実はもっと評価されてもいいはずの中小型株が未だに散見される状況にあります。東証2部や大証2部、名証2部、ジャスダックには依然として割安な企業があると言えます。

そこで、最新の四季報ベースで、〕益剰余金から有利子負債を差し引いた金額が3月16日時点の時価総額に対して1.5倍以上、PBRが0.5倍以下、3主持分比率が50%以上、て団螻比率が50%以上であることを条件にリストアップしたところ、120以上もの企業が残りました。

さらにその中から、3月15日、16日の2日間で1日でも売買が成立しなかった企業、∈8紊盒叛喞稾造ら抜け出せそうもない企業、2甬遒肪澆┐織ャッシュをここ数年は食い潰している企業、づ杜浪饉劼鯊膤主に持つ企業や電力会社の下請け企業、の4つの条件に当てはまる企業を除外しました。その結果、最終的にそのリストには76の企業が残りました。

中には中小型株というには時価総額が大きい銘柄もありますが、その内訳は東証1部が10、東証2部が14、大証2部が12、名証2部が5、札幌が1、福岡が1、ジャスダックが33となりました。

成長性よりも財務の健全性やキャッシュリッチ度を優先したのは、財務が良い企業は増資をするリスクがほぼないと言っていいのに加えて、株主還元を行う可能性が高まっているとも言えるからです。

その他にも、これらの中にはMBOやTOBの対象になるものも出てくるでしょう。これらの中小型株はたとえ日経平均が10000円を超えた現状から中々上がりにくくなっても、上昇余地が残されていると同時に下がりにくいと考えております。

ブログで個別の銘柄をフォローするのは不可能であるため、具体的な銘柄については申し上げませんが、中小型株へのアプローチの方法だけでもお知らせしたいと思い、この記事を書きました。

ただし、その後の検証の意味でも、結果が良くても悪くても、そのリストを4月末〜5月初旬には公開する予定です。

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asset_station at 18:33|この記事のURLレベルアップ投資法