2007年07月

2007年07月29日

暴落相場の対処方法

暴落相場の究極の対処方法は、事前に察知してポジションに余裕を持たせておくことです。

今回の暴落の予兆を感じ取ることができたのは、20日(金)に発表されたキャタピラーの4-6月期決算が前期比21%減の減益決算であったことでした。キャタピラーは売り上げの半分以上を海外で稼ぐグローバル企業ですが、海外の売り上げの伸びだけでは国内の売り上げ減少をカバーできないほど、国内の住宅市場の低迷が深刻であることが今回の決算で浮き彫りとなりました。

このキャタピラーの決算は、他の住宅メーカーや住宅ローン会社の決算も暗示していることは予見できましたし、やがてはその連想売りがすべての金融機関にも波及し、サブプライムローン問題が蒸し返されるだけでなく、アメリカの株価に大きな激震を及ぼすことを想像することは難しくありませんでした。

また、その他の懸念材料として、株価がひとたび大きく下落すると、今まで悪材料視されなかった原油相場の高止まりも悪材料視される可能性が高くなりますし、アメリカの住宅市場の低迷は急激な円高への引き金になることも心配されました。二重、三重に悪材料が重なることが予想され、株価の暴落に備える必要性は嫌でも感じなければならない状況でした。

こういうリスクがあるときの対処方法はひとつです。すなわち、ポジションを整理し、余裕を持って暴落相場に臨む体勢を整えることです。私自身は保有している新日鉄やオリンパスなどの優良株の大半(ポジションの9割弱)を利益確定し、優良株で残しているのは新日鉄の5000株のみとなりました。年初来高値を付けた日に売ることができませんでしたが、十分満足できる結果であったと思います。

もちろん、今回のように察知できるケースもあれば、2月の世界同時株安のように察知したときには既に手遅れになってしまっていたケースもあります。ですから、手遅れになっても良いように、常にポジションに余裕を持たせておくことが大事です。

ポジションに余裕を持たせることの重要性は、『日本より世界を見よ!株式投資再入門』のなかで詳しく説明してありますので、興味がありましたら参考にしてみてください。

次回は、せっかくの機会なので、今回の暴落相場を手ぐすね引いて待っていた「相場の強者」について書いてみようと思っています。


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2007年07月18日

『仕手株でしっかり儲ける投資術』

(日本実業出版社) 2005/9/15発売


仕手株は短期間で大きな値動きがある分、大きな儲けが期待できる一方で、大きな痛手を負うこともありえます。負けを最小限にし、儲けのチャンスを掴むためには、仕手筋は何を考え、どう行動するのかを理解する必要があります。一般的な「仕手筋の手口」を理解して、そのうえで「仕手株投資の心構え」をしっかり叩きこんでおけば、仕手筋の仕掛けに踊らされたり、自分を見失って無謀な売買をしたりといったことはなくなるはずです。自分の心をしっかりコントロールすることで、仕手株で儲けられる勝ち組投資家への一歩が踏み出せます。

仕手株投資に求められる行動は、いち早くあやしい動きに気づき、大胆に買い出動することです。初動の段階で乗れば、儲けは大きく、リスクは小さくなります。まずは、仕手株を探し出すのが先決ですが、頼りになるのは情報などではなく、市場(株価と出来高)の動きそのものです。では、どのように仕手株を見つけ出すのか、本書では私が実践している方法をお教えしています。

仕手株を見分ける方法を身につければ、あとは実践あるのみです。しかし、仕手株投資のリスクを軽減するためには、買いのタイミングが重要です。まず仕手株が活躍する地合いであることを確認し、仕手株とおぼしき動きを発見したら、「初動で素早く打診買いをすること」が基本となります。本書ではさらに、できるだけ安く買う方法、仕手筋の動きを素早く読んで買う方法など、具体例に基づいて解説しています。

売りは買いよりむずかしい−これは仕手株に限らず株式投資一般にいえることでしょう。売った直後に急騰、あるいはもっと上がるだろうと持続したらいつのまにかピークを過ぎていた。誰しも一度ならずこうした経験をしているはずです。値動きのダイナミックな仕手株投資では、天井で売るような理想論ではなく、実際に使えて、しかも簡単な売りのタイミングの掴み方を学んでもらいたいと思います。

本書では「仕手株投資」に限定して述べていますが、私も「仕手株投資」をメインにやっている訳ではありません。「優良株投資」もやりますし、「材料株投資」もやります。「仕手株投資」は投資手法のひとつにすぎませんので、仕手株が動きやすい地合いのときにしか極力やらないようにしています。

本書は、私が書いた本のなかで唯一のテクニック本であります。出版してもうすぐ2年になりますが、おかげさまでロングセラーとなっており、これまで10回の増刷を重ねております。

私は原稿を書いているときは、「売れる本」より「役に立つ本」を書こうという気持ちを忘れないようにしています。読者のみなさんから「良かった」といってもらえるのが、一番の励みになるからです。だから、先月出版したばかりの新著2冊も最初から最後まで妥協はしませんでしたし、そのために締め切りから5ヶ月も遅れてしまいました。

拙書の紹介はこれで終わりです。次回からは、拙書に対する質問にお答えしたり、補足を加えたりしていきたいと思います。宜しくお願いいたします。


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2007年07月11日

『株の勝ち方はすべて外国人投資家が教えてくれる』

(日本実業出版社) 2006/5/18発売


本書では、初めに私の投資スタイルについて詳しく説明し、その次に外国人投資家の売買方法や考え方を解説しています。私の投資スタイルは、相場のトレンドに応じて投資対象や投資期間、ポジションの大小を柔軟に変化させていくスタイルで、私の株式投資における核になる考え方でもあります。そのため、全体のおよそ3分の2はこの説明に割いています。そして実は、相場のトレンドと外国人投資家の売買動向は表裏一体の関係にあることが具体的な事例をもとに明かされていきます。

まだ本書を読んでいないという方のために、本書の「はじめに(前書き)」からの文章を、以下にそのまま引用して紹介したいと思います。


(以下、「はじめに」より引用)

はじめに

日経平均株価は2003年4月から2006年3月までの3年間で2倍以上になりました。個人投資家にとってはまさに黄金の3年間であったと思います。株式投資の基本に素直に従って売買するだけで、資産を2倍以上にできるのは当たり前だったでしょうし、オリジナルの投資方法を確立した個人投資家のなかには、資産を10倍以上さらには100倍以上にした人も決して珍しくない状況を生み出しました。

私も3年半あまりで運用資金を大きく増やすことができましたが、それは多少リスクを大きめにとっても大丈夫な上昇トレンドに2回も乗ることができたからです。

これが逆に下降トレンドの期間とほとんど重なっていたら、大きく増やすことはできなかったかもしれません。その意味では、株式投資においては実力だけでなく運も少しは必要になります。

人間は慣れる生き物です。どのトレンドのときに株式投資を始めたかによって、私たちの考えは固定されてしまいます。そのことをしっかりと自覚していないと、相場のトレンドが変わったときに上手く対応できず、大きな損失を負うことになりかねません。特に上昇トレンドのときに株式投資を始めた個人投資家のみなさんは、自分の実力を過大評価しないように注意してください。ここ数年は儲けられて当然の相場だったからです。株式投資は、簡単に儲けられると慢心していると、いつか足元をすくわれてしまいます。

相場の世界では9割の個人投資家が負け組といわれてきましたが、この数年に限っては負け組は2割から3割程度しかいないと新聞等のアンケート記事からも推測されます。しかし、現在の上昇トレンドが終わったあとは、再び9割の個人投資家が負け組、1割が勝ち組という構図に逆戻りするでしょう。

今後どんな相場になっても勝ち続けるためには、トレンドをしっかりと見極めて、トレンドに従って投資スタイルを柔軟に変化させていくことが必要です。いつも同じ投資スタイルで勝てるほど株式投資は甘くはありません。そして、そのトレンドをつくりだしている張本人は、実は外国人投資家であることを知っておかなければなりません。

本書の趣旨は2つあります。ひとつは、読者のみなさんに私の投資スタイルを公開することで、いつも同じ方法ではいずれ行き詰まってしまうことを理解してもらうことです。もうひとつは、みなさんに外国人投資家の投資に対する考え方や売買パターンを学んでもらい、投資のレベルを向上させる手助けをすることです。

本書では序章から3章までで「優良株」や「仕手株」、「材料株」を含めた私の投資スタイルについて、4章、5章で外国人投資家の動向や売買手法について、そして6章で個人投資家に人気の高い「新興市場株」について述べています。優良株や材料株、新興市場株については、本来ならそれぞれで一冊の本を書けてしまう内容のため、本書では至極簡潔なまとめ方になっています。機会があれば、材料株や新興市場株についても詳細に解説した本を書いてみたいと考えています。

また、本を出版しただけでそれで終わりというのも無責任な感じがしますので、私自身のブログのなかで、ページ数の都合で書ききれなかった補足的な説明や今後の展望を徐々に加えていくつもりです。本書を読んだうえで、ブログも参考にして理解を深めていただけたらと思います。

最近の株式ブームでは、「儲かる」ということだけがことさら強調され、「リスク」が説明されない風潮に危惧を感じています。先の「ライブドアショック」で信用取引をしていた個人投資家の大半の方が大きな損失を負い、大手のネット証券では取り立て不能者が急増していると聞いています。ページの都合でリスクの説明があまりできなかったことが心残りですが、前作「仕手株でしっかり儲ける投資術」でリスク管理の方法については詳しく説明しているのでそちらを参考にしていただければ幸いです。

最後に、本書の執筆に多大な協力をしてくださった日本実業出版社編集部と関係者の方々に感謝の意を表したいと思います。

2006年4月 中原圭介

(以上、「はじめに」からの引用 終わり)


投資テクニックは有用なときと有用でないときの差が甚だしく、廃れてしまうことも多々ありますが、骨太の投資スタイルは微調整をすることで、どんな相場でも通用します。

おかげさまで本書はロングセラーとなっております。韓国の経済財政研究所からも高い評価を受け、今年になって翻訳出版されました。

韓国語版 『株の勝ち方はすべて外国人投資家が教えてくれる』
韓国語版 『株の勝ち方はすべて外国人投資家が教えてくれる』








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2007年07月07日

『中原圭介の資産運用塾』

(アスペクト) 2007/6/26発売


本書は、当ブログの昨年5月から今年3月までの記事を、そのままブログ形式にまとめたものです。各記事のポイントを簡潔にまとめたうえで、ブログでは挿入できなかったチャートや図表、補足を加えることにより、より理解しやすい仕上がりとなっています。

ブログ形式のため日付順に記事が掲載されており、体系的な構成とはなっておりませんが、『日本より世界を見よ!株式投資再入門』とともに、読者のみなさんにとって再入門書的な役割を担ってくれれば幸いであると思っております。

しかし、出版社の方には怒られるかもしれませんが、少し価格が高いと思いました。

あと2回は拙書の紹介をさせていただき、その後に拙書に対する質問や補足をしていきたいと思います。宜しくお願いいたします。


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2007年07月04日

『株式市場 強者の論理』

(ナツメ社) 2007/6/19発売


株式市場でのプレイヤーは、「強者である一部の大口投資家」と「弱者である大多数の小口投資家」の二つに大別されます。そして、株式市場は前者の「強者である一部の大口投資家」によって、思いのままに動かされているのが日常です。

国のシステムでは、税金を徴収して経済的強者から経済的弱者へと所得の再分配をしていますが、これとは反対に、マーケットのシステムでは、不公平さを放置したままで小口の弱者から大口の強者へと資金の集積が行われています。個人投資家の大多数がマーケットに買いのエネルギーを供給し、大口投資家にその資金を奪われていきます。

マーケットにおいて、私たち個人投資家はとても不利な状況に置かれています。しかしながら、「マーケットの強者の論理」を知ることや、私たちが陥りやすい行動パターンを冷静に見つめ直すことで、個人投資家ひとりひとりがこの状況を打開できるようになると私は信じています。

本書の「はじめに(前書き)」からの文章を、以下にそのまま引用して紹介したいと思います。


(以下、「はじめに」より引用)

はじめに

2006年から混迷の相場が続き、個人投資家が好む新興市場は何回も暴落を繰り返し、リタイアした個人投資家も多いことと思います。私も2006年からは増やしては減らし、また増やしては減らしと、一進一退の売買を強いられています。

新興市場の長期低迷が苦戦を強いられていることの原因ですが、大怪我をしなければ、マーケットは何回でもチャンスを与えてくれます。厳しいときでも10%や20%の損失で抑えることができれば、立て直しが十分できます。

しかし、資金が2分の1や3分の1になってしまうと、そこからの立ち直りは難しくなります。まして、信用取引を使って資金を全部なくしてしまっては再起も不可能です。

大怪我をしない方法をあげると、
・ 信用取引を使わない、あるいは信用取引の使い方を学ぶこと
・ 高値で全力買いをしないこと
・ 自分の技術に見合ったポジションの取り方を学ぶこと
の三つになるでしょうか。

マーケットで失敗することは頻繁にありますが、大怪我をしない方法を知って実践することができれば、マーケットから退場させられることはありません。

2007年になってからは、新興市場株が底なし沼のように下げており、私自身も新興市場株に関してはある程度の損失を出しています。

しかし、立て直す自信は持っています。

マーケットには、強者である大口投資家と弱者である大多数の個人投資家の2種類の投資家が存在しています。本書の前半部(第1章〜第3章)では、その強者に惑わされずに売買をするためには、どのようなことを知り、どのような売買をすればよいのかを、簡単明快に書きました。本書の核となる部分になると思います。

後半部となる第4章では、心理学的なアプローチから個人投資家が陥りやすい間違いを解説し、第5章では強者の中の強者である外国人投資家の売買動向について書きました。最後の第6章では、株式投資の基本に添って、20年の計画で「資産を数十倍にする方法」を書きました。

株式投資の王道は、上昇相場のときにリスクを取ってできるだけ利益を膨らませ、ボックス相場や下降相場のときはリスクを抑え、損失を抑えるように心がけることです。ずっと勝ち続けることは不可能ですし、資産の倍々ゲームはありえません。

株価は5年〜10年という長いサイクルで見れば、業績に収斂した動きをするのですが、1年〜2年くらいのスパンではまったく説明できないような動きをすることが多々あります。

物事には必ずサイクルがあります。人生にしたって、投資にしたって同じです。良いサイクルのときには流れに乗り、悪いサイクルのときには謙虚な態度を取ってじっと我慢することが大切です。

2007年5月  中原 圭介

(以上、「はじめに」からの引用 終わり)


テクニック本といわれる株式関連書籍は多くの個人投資家が読めば読むほど、その有用性は徐々に薄れ、効果を発揮できなくなっていきます。しかし、本書は多くの個人投資家が読めば読むほど、個人投資家が有利になる本です。大口投資家に対抗する方法を身に付けることができるからです。読めば納得いただけるものと信じています。本書は個人投資家を守るという観点から書きました。

本の価格は出版社が決めるのでよくわからないのですが、他の私の著書との価格・内容から比較して、著しく割安な本だという認識を持っております。そのせいか、おかげさまで、発売後1週間も経たずに増刷が決まりました。


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