2008年06月

2008年06月11日

資産運用に必要な学問とは

私はよく経済学部出身と勘違いされているようで、実は文学部で歴史学を専攻していたとお話するとよく驚かれます。しかし、経済予測やその他の分野での予測ができるのは、歴史学的なアプローチから予測を試みているからだと確信しています。

経済学部と商学部を蹴って文学部に入学したときは、周囲の人たちからは 「就職に不利だよ」 と散々言われましたが、文学部に属する学問(歴史学、哲学、心理学、社会学等)のほうが経済学や商学より実社会において役に立つという思いがありましたし、これらの学問を欧米のように実学のレベルまで引き上げることを目標にもしていました。

その目標が達成できたとは全然言えませんが、読者のみなさんには、ぜひ歴史学や哲学、心理学を学んで欲しいと思います。何も歴史オタクや哲学バカになれと言っているわけではありません。歴史学や哲学は、物事を分析・予測する能力を鍛えてくれますし、多角的な物の見方を教えてくれます。心理学は歴史学や哲学で磨いた能力を補完する考えを与えてくれ、人間の心理が経済や金融市場に大きな影響を与えていることも教えてくれます。

これらの三つの学問で身につけた能力や考え方が融合したときに、経済・市場の予測はもちろん、私たちを取り巻くありとあらゆる社会的事象を精緻に分析・予測することができるようになる可能性がとても高まるように思われます。

サブプライム関連商品で巨額の損失を出した金融機関は、プロとして失格であります。多くのプロが経済学や金融工学という狭い学問に閉じこもっているために、大局的なものの見方ができなくなっているように思われます。経済や市場の歴史がわかっていれば、そのような商品には手を出さないはずであります。

私たちが生きる世界には、確実なことはほとんどなく、どう転ぶか分からないことのほうが多くを占めています。そのなかで、たった一つの固定観念によって動くことは危険であります。大切なことは、不確実性の存在を認識し、あらゆる可能性の正体を分析し、それに備えることであります。

私たちには、経済学をしっかりと理解したうえで、経済学という狭い学問の殻から飛び出すことが求められています。物事を多角的に捉え、分析・予測することができて初めて、資産運用だけでなく、仕事や恋愛、さらには人生すべてにおいても、より良い方向性が導き出せると、私は信じています。


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2008年06月07日

読者からの質問

数人の方から同じような質問をいただきました。原則として個別のご質問にはお答えしないのですが、今回は最大公約数の質問と捉えてお答えしたいと思います。

質問内容を集約すると、以下のようになります。

『株の勝ち方はすべて外国人投資家が教えてくれる』と『株式市場 強者の論理』に書いてある内容を実践すると、4月に買いのシグナルが出て、かつ上昇トレンドになっている。著書でも、上昇トレンドでは積極的な運用をする時期と書いている。しかし、ブログでは慎重な見方をされている。この違いについて、ブログで見解を書いてもらえるとありがたい。

まさにこのブログの存在理由は、このような質問の核心を突いています。拙書では、市場のすべての出来事を想定して、すべての対応策が完璧に書かれているわけではありません。そこで、その時その時で拙書に足りないと思う部分を補おうというのが、このブログの趣旨となっています。

確かに、拙書に書いてある方法に従うならば、4月は買いの条件をすべて満たし、積極的な運用を目指す時期であったでしょう。しかし、現在は「アメリカの住宅バブル崩壊」という特殊要因があるので、このブログでは、株式のポジションを積極的に持つことに対しては控えめな姿勢を取ってきました。

住宅バブル崩壊の影響により、これから起こりうることが大体は想像できるので、アメリカの住宅価格が底打つまでは安全策で行きたいという考えに変わりはありません。現在の状況で株式に積極的な投資をすることは、投資ではなく博打になってしまいます。

アメリカの経済情勢や住宅市場動向が、ブログで昨年から書いてきたとおりになってきています。予想と少しだけ違ったのは、日経平均は14000円あたりが上値になるだろうとしたことです。日経平均が14500円まで上昇した背景には、FRBの大胆な金融緩和策が市場に予想以上の歪みを与えたことがあります。

現在のアメリカの株価が、昨年6月のG7で「世界経済はこの数十年でいちばん力強い成長を続けている」と声明を出したときの株価から7%しか下がっていないことに、強い違和感を持っています。FRBの金融緩和によって、FRB自体が意図したところにマネーが流れずに、ジャブジャブになったマネーが商品市場や株式市場に流れ、一種のバブル的な動きをしています。

私のすべての著書では、上昇トレンドで株式を積極的に保有するという考えが貫かれています。しかし、4月からの上昇トレンドは、これまでの上昇トレンドとは景気拡大を伴っていない点で、質が違います。

景気後退期の上昇トレンドでは、短期投資と割り切れば積極姿勢でも良いのですが、中長期の投資を考えた場合はそれなりのリスクを覚悟しなければなりませんし、失敗したときに取り返しがつかないことも頭に入れておかねばなりません。景気後退に逆らって上昇した株価が、その勢いを失いひとたび弱くなると、その反動は大きいものとなります。

今回のように、景気拡大期ではないときに、上昇トレンドに入り、株式相場が上昇するときがあります。各国の中央銀行が景気悪化を懸念して、金融緩和策を打ち出すときに起こりうる相場で、これは一種の金融相場であると呼ばれています。

金融緩和により世界で金余りの状態になり、余った資金が株式市場に流れて世界的な株高になりますが、決して他の金融商品より株式に投資妙味があるという判断から株式が積極的に買われているわけではありません。一時は気分の良い上昇相場を演じますが、長続きはせずに終わる傾向があります。金融相場ではたとえトレンドが上向きであっても、株式の保有比率は通常より控えめにする必要があります。

拙書の内容に忠実に従って、4月(第2週)に買っている読者のみなさんは、14000円を超えている局面では、利益確定を優先して良いと判断しています。

ブログでこう断言することはかなり勇気がいることですが、私の経験からはここは欲を抑えないと危ないところだと考えています。これから出てくるアメリカの経済指標がリアルに予想できるなかで、市場の楽観が悲観に変わるのは一瞬であると思います。


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2008年06月04日

読者のみなさまへ

仕事が忙しく、判断が難しい局面で、なかなか更新できずに申し訳ございません。

読者の方々から最大公約数と思われる質問が来てますので、今週中に気合いを入れて更新しようと決心いたしました。

本日は時間がないので、要点だけを以下に書きます。きちんとした内容の文章は今週中に更新します。

(要点)

景気拡大期ではないときに、上昇トレンドに入り、株式相場が上昇するときがあります。各国の中央銀行が景気悪化を懸念して、金融緩和策を打ち出すときに起こりうる相場で、これは金融相場と呼ばれています。

金融緩和により世界で金余りの状態になり、余った資金が株式市場に流れて世界的な株高になりますが、決して他の金融商品より株式に投資妙味があるという判断から株式が積極的に買われているわけではありません。一時は気分の良い上昇相場を演じますが、長続きはせずに終わる傾向があります。金融相場ではたとえトレンドが上向きであっても、株式の保有割合は通常より控えめにする必要があります。

それが投資の世界で生き残る秘訣であると思います。


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