2010年12月

2010年12月15日

2010年の総括

今年も残りは2週間あまりとなりました。そこで今回は、2010年の予想の総括をしたいと思います。

全体の流れを俯瞰すると、ブログでは以下のような予想をしていました。

〔1月〕過剰流動性相場を侮ってはいけないとし、春先までは国際優良株が買われる展開を予想(1月6日の記事

〔2月〕ギリシャの財政問題が他のEUの高債務国にも波及し、今後の世界経済の大きなリスクになるだろうと予想(2月15日の記事

〔4月〕世界的に株価が高いのは4月中までで、5月からは軟調になるだろうと予想(4月5日の記事4月19日の記事

〔5月〕株式は利益確定し、相場を休むことを提案(5月7日の記事)する一方で、マネー経済の復活が欧州の財政悪化国を次々と攻撃すると予想(5月19日の記事)し、米国経済が再び後退に向かうだろうとも予想(5月27日の記事

〔6月〕当面のNYダウ平均のレンジを11258(10507)ドル~9757ドル、日経平均のレンジを9000円~10000(10393)円と予想(6月23日の記事

〔8月〕9月の日本株は様々な要因から警戒する必要があると注意を喚起(8月25日の記事

〔10月〕米国の金融緩和の長期化は結果的に実体経済を悪化させると予想(10月25日の記事

〔11月〕個別銘柄では下げ過ぎなものが多く、年内はワンチャンスあるだろうと指摘(11月2日の記事)する一方で、欧州の財政危機は2011年以降も蒸し返されると予想(11月29日の記事

中にはまだ結果が出ていないものもありますが、経済や株価については大きな流れは当たっていたと思います。

確かに、政治的なイベントや中央銀行の金融政策を読み間違い、実体経済や株価の動向にズレが生じたこともあります。

しかし、実体経済の大きな流れが理解できていれば、資産運用で大きな失敗をすることはありませんし、いつも冷静に余裕を持って対処できるでしょう。

(セミナーのお知らせ) 12月22日(水)にスタンダードチャータード銀行で『2011年以降の世界経済』と題するセミナーを行います。ふだんセミナーではしないような内容のお話もする予定です。興味のある方は、以下のURLをご覧ください。
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⇒12月15日を以て募集は締め切りとなりました。ご了承ください。

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asset_station at 11:10|この記事のURLその他 

2010年12月06日

スペイン・イタリアに財政危機の問題は波及するのか?

ECBは2日に、欧州の金融機関を支援するために、2011年以降も短期資金を潤沢に金融市場へ供給するとともに、高債務国の財政危機を防ぐために、国債の買い取りも継続することを決定しました。

EUやIMFによる欧州金融安定基金を使ったアイルランドへの支援策にしても、ECBによる短期資金の供給と国債買い取りの継続にしても、一時しのぎの対処方法であって、問題の先送りに過ぎません。

それでも、ECBの支援策を受けて、高債務国の国債利回り急騰が一時的には止まっています。アイルランドの国債利回りは9.4%台から8.1%台へ、ポルトガルは7.1%台から5.9%台へ低下しています。

しかし、アイルランドの金融機関が抱えるリスクを黙認していたことを見ても、7月に実施した欧州のストレステストがデタラメだったことは金融市場で明白になりました。このデタラメに対する金融市場の不信感は、いずれ欧州の金融機関全体への不信感につながり、高債務国の国債市場への不透明感とともに、再び投機マネーの攻撃対象になるでしょう。

遅かれ早かれ、財政危機の問題がポルトガルやスペインだけでなく、イタリアにまで波及する可能性はかなり高いと思われます。

現在のイタリアでは財政問題に加え、政局も混迷を深めています。ベルルスコーニ首相の不信任決議案の採決を14日に控えており、不信任案が可決されれば首相は辞職に追い込まれます。もしそうなれば、金融市場がポルトガルやスペインに次いで、イタリアへも攻撃の手を広めてくることは十分に考えられます。

世界的な金融相場はまだ続いているので、今回のアイルランドの問題が顕在化しても、欧米の株式市場は大幅に下落することはありませんでした。悪い材料には大して反応せず、良い材料にだけ反応するのが金融相場の特徴です。金融相場が続くあいだは、株式市場にある程度の資金を入れておくことは必要でしょう。

とはいっても、スペインやイタリアに財政危機の問題が波及すれば、話は別です。ギリシャやアイルランド、ポルトガルと比べると、両国はあまりにも経済規模が大きいからです。

11月29日の記事でも述べましたように、EUが財政危機を防ぐための解決策は、経常黒字国が経常赤字国に補填をするしくみを作るしかありません。

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asset_station at 12:38|この記事のURL経済・相場分析