レベルアップ投資法

2012年06月05日

3月21日の記事の検証

『中小型株に妙味あり』(3月21日の記事)では、私なりの中小型株へのアプローチの方法をお話しました。

その過程において、財務の健全性やキャッシュリッチ度が高い中小型株を優先しましたが、その理由として「財務が良い企業は増資をするリスクがほぼないと言っていいのに加えて、株主還元を行う可能性が高まっている」「たとえ日経平均が10000円を超えた現状から中々上がりにくくなっても、上昇余地が残されていると同時に下がりにくい」と考えていることも述べました。

その上で、「その後の検証の意味でも、結果が良くても悪くても、そのリストを4月末〜5月初旬には公開する」とも述べていたのですが、5月の連休明けに結果だけ計算をしていて、ブログで公表するのをすっかり忘れておりました。それから1カ月あまり経ってしまいましたが、ご指摘をいただいたので最新のデータで再計算したものをお知らせします。

まずは、3月16日現在で抽出した76銘柄をコード番号順に列記すると、以下のようになります。

1661関東天然瓦斯開発・1723日本電技・1736オーテック・1738NITTOH・1793大本組・1841サンユー建設・1989北陸電話工事・2573北海道コカコーラ・2790ナフコ・2898ソントン食品工業・3352バッファロー・3396フェリシモ・3426アトムリビンテック・3439三ツ知・3515フジコー・3553共和レザー・3599コーコス信岡・3648AGS・3766システムズデザイン・4624イサム塗料・4627ナトコ・4636T&K TOKA・5395理研コランダム・5446北越メタル・5453東洋鋼鈑・5484東北特殊鋼・5821平河ヒューテック・5900ダイケン・5918瀧上工業・5941中西製作所・5973トーアミ・5984兼房・6286靜甲・6303ササクラ・6357三精輸送機・6626SEMITEC・6736サン電子・6785鈴木・6896北川工業・6916アイオーデータ機器・6935日本デジタル研究所・6964サンコー・7249尾張精機・7299フジオーゼックス・7314小田原機器・7416はるやま商事・7444ハリマ共和物産・7488ヤガミ・7521ムサシ・7539アベルコ・7559ジーエフシー・7598ナイスクラップ・7841遠藤製作所・7871フクビ化学工業・7885タカノ・7887南海プライウッド・7928旭化学工業・7983ミロク・7989立川ブラインド工業・8148上原成商事・8191光製作所・8249テクノアソシエ・8718JPNホールディングス・9036東部ネットワーク・9040大宝運輸・9085北海道中央バス・9193東京汽船・9405朝日放送・9476中央経済社・9608福山コンサルタント・9632スバル興業・9760進学会・9866マルキョウ・9986蔵王産業・9992理研グリーン・9996サトー商会

昨日の6月4日は日経平均が年初来安値を更新し、TOPIXがリーマンショック後の安値を更新しましたが、3月16日からの日経平均の下落率は−18.1%、TOPIXは−19.7%でした。これに対して、同じ期間における76銘柄の平均下落率は−8.3%でした。また、公表し忘れていた5月11日時点での76銘柄の平均下落率は−2.4%だった一方で、日経平均とTOPIXの下落率はそれぞれ−11.6%、−12.5%でした。

日経平均やTOPIXとの差はいずれも10%前後となりました。この結果をどう判断するかは、読者の皆さんに委ねたいと思います。

なお、資産運用メールマガジン無料版においては、この76銘柄の中から有望な銘柄として2銘柄(6303ササクラ・7598ナイスクラップ)を選択しましたが、同じ期間の平均上昇率は+15.7%となっております。(資産運用メールマガジン無料版は来年3月末までのサービスであり、新規には受付しておりませんのでお問い合わせはお控えください。)

次回は、4月9日の記事の検証を行う予定です。

(お知らせ)これまでずっと2人分〜3人分の仕事をこなしてきたせいか、過労が蓄積したため、体に無理が利かなくなってきました。たいへん申し訳ないのですが、近いうちに『資産運用塾』は無期限のお休みをいただきたいと思っております。

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asset_station at 15:35|この記事のURL

2012年03月21日

中小型株に妙味あり(『経済を読む』からの続編)

久しぶりの更新になります。この記事を読むには、『中原圭介の経済を読む』(3月21日)の記事を読んでからのほうが、理解が深まると思います。

さて、本題に入ると、2月から株価が急激に上昇する過程で、実はもっと評価されてもいいはずの中小型株が未だに散見される状況にあります。東証2部や大証2部、名証2部、ジャスダックには依然として割安な企業があると言えます。

そこで、最新の四季報ベースで、〕益剰余金から有利子負債を差し引いた金額が3月16日時点の時価総額に対して1.5倍以上、PBRが0.5倍以下、3主持分比率が50%以上、て団螻比率が50%以上であることを条件にリストアップしたところ、120以上もの企業が残りました。

さらにその中から、3月15日、16日の2日間で1日でも売買が成立しなかった企業、∈8紊盒叛喞稾造ら抜け出せそうもない企業、2甬遒肪澆┐織ャッシュをここ数年は食い潰している企業、づ杜浪饉劼鯊膤主に持つ企業や電力会社の下請け企業、の4つの条件に当てはまる企業を除外しました。その結果、最終的にそのリストには76の企業が残りました。

中には中小型株というには時価総額が大きい銘柄もありますが、その内訳は東証1部が10、東証2部が14、大証2部が12、名証2部が5、札幌が1、福岡が1、ジャスダックが33となりました。

成長性よりも財務の健全性やキャッシュリッチ度を優先したのは、財務が良い企業は増資をするリスクがほぼないと言っていいのに加えて、株主還元を行う可能性が高まっているとも言えるからです。

その他にも、これらの中にはMBOやTOBの対象になるものも出てくるでしょう。これらの中小型株はたとえ日経平均が10000円を超えた現状から中々上がりにくくなっても、上昇余地が残されていると同時に下がりにくいと考えております。

ブログで個別の銘柄をフォローするのは不可能であるため、具体的な銘柄については申し上げませんが、中小型株へのアプローチの方法だけでもお知らせしたいと思い、この記事を書きました。

ただし、その後の検証の意味でも、結果が良くても悪くても、そのリストを4月末〜5月初旬には公開する予定です。

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asset_station at 18:33|この記事のURL

2010年06月30日

悪材料出尽くしという勘違い

7月中旬まで超多忙につき、今回も6/20のメルマガの転載により、「株価だけを見ていると、経済の大きな流れを見失う例」について述べたいと思います。

(以下6/20のメルマガより一部転載)

悪材料出尽くしによる反転相場が始まったように見える方もいるかもしれませんが、これまでのメルマガでも予測してきましたように、欧州経済の大きな流れは後退に向かっています。悪材料はまだ出尽くしていません。長い期間をかけて、徐々に新たな悪材料が出てくる見通しです。例えば、スペインの長期国債入札が困難になる事態も考えられます。

欧州だけでなく、アメリカの企業業績の見通し悪化もクローズアップされてくるかもしれません。アメリカ企業の輸出の25%が欧州向けであるというだけでなく、国際優良企業の海外収益の50%が欧州からであり、ユーロ安によるドル建て収益の減少も大きいからです。

実際に、アメリカの経済指標も悪い内容のものが目立ってきています。代表例では、5月の住宅着工件数、住宅着工許可件数の両件数とも市場予測の平均を大きく下回りましたし、公共事業や減税策などの景気対策による下支え効果は今年後半から縮小し始めることが予想される中、この両件数の下落はまだ景気後退の予兆にすぎません。

確かに、5月の鉱工業生産指数が上昇したこともあり、景気拡大は順調に続いているという楽観論が根強いですが、景気の先行きを見る上では、鉱工業生産指数よりも住宅関連指標と消費関連指標のほうがより実践的です。鉱工業生産指数が増加しても、その製品が売れなければ将来の在庫増につながるからです。

その意味で、先週発表された5月の小売売上高が8カ月ぶりにマイナスに沈んだことは重視すべきであり、22日の中古住宅販売件数、23日の新築住宅販売件数、そして6月の小売売上高の結果が市場のマインドを大きく変える可能性が高いと見ています。

悪材料が出ても相場が下げに反応しないうちは、悪材料出尽くしから上昇基調に入ったという強気な解説も聞かれるようになります。しかし、株価が大きく売り込まれた後、自律反発する局面においては、相場は悪材料に対する耐性を付けることがあります。先週の半ばからの相場はまさに相場の耐性が働いていて、さらに悪材料が出ても相場が無視できているうちは良いのですが、それはいつか耐えきれなくなります。

私はこんな光景は何回も見てきましたし、耐えきれなくなったら下への動きは速くなると思われます。中古住宅販売件数はそれほど落ちないかもしれませんが、新築住宅販売件数が悪い結果であっても相場が耐えきれるのか、あるいは欧州発の新たな悪材料が出てきても相場の底は抜けないのか、そのへんを注視していかなければなりません。

(転載終わり)

補足をすると、経済の大きな流れを無視して、目先の株価だけを見ていると、相場の大きなトレンドを見失ってしまいます。だから、単なる自律反発相場を悪材料出尽くしによる反騰相場と勘違いしてしまうケースが後を絶たないのです。

株価の上昇がごく短期間でも続くと、経済メディアや投資家のあいだでは楽観的な意見が増えていきます。それは、「相場の上昇が続くと強気になり、下落が続くと弱気になる」という人間心理に根ざしています。

しかし、株価自体の動きよりも経済の流れを意識することにより、私たちはそういった誤った見方から解放されると思われます。

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asset_station at 10:52|この記事のURL

2010年06月11日

セミナーでいつも話すこと(5)

五つめは、「株価指標やテクニカル指標に頼りすぎる投資家が多い」ということです。

私は売買を判断するにあたって、株価指標やテクニカル指標は参考程度にすることはあっても、ほとんど当てにはしてはいません。それは、これらの指標に依存すると、大きな利益を得られないばかりか、大きな損失を抱えることがわかっているからです。

確かに、株価指標・テクニカル指標が一部の機関投資家にしか知られていない時代には、それなりの有効性を発揮したと言えるでしょう。

しかし、インターネットが普及し、誰もが様々な株価指標・テクニカル指標を知りえる今となっては、これらの指標で大きな利益を上げることはできません。みんなと同じことをやっていては少数の勝ち組になることはできないので、当然の結論かもしれません。

なぜ、専門家の人たちがあれほど相場の読みを外すのかというと、株価指標やテクニカル指標にばかり目を奪われ、実体経済やマネーの大きな流れに目が向いていないからだと思われます。

2008年9月〜10月における多くの専門家の株価分析では、まさに彼らの株価指標・テクニカル指標への過信が表れていました。日経平均が12000円に接近したとき、多くのアナリストが「PERが歴史的に低い水準で割安である」あるいは「テクニカル的にも売られすぎである」という理由から「絶好の買い場である」と解説をしていました。

さらに株価が下落し、日経平均が11000円を割ったときにも、彼らは同じようなことを繰り返し言っていましたし、中には当時流行になり始めたVIX指数を持ち出し、「今が大底の可能性が高い」と解説する専門家まで出てきました。

ですが、日経平均が9000円を割り込むと、彼らは口をそろえて「今回の暴落は異常だ」と言い始めました。結局、日経平均は一時7000円を割り込む水準まで下がり、彼らの予測はことごとく外れる結果となりましたが、私は当時、この暴落は起こるべくして起こったと考えていました。

私はサブプライム問題が明るみに出た当初から、この問題は非常に根が深く、経済と金融の両面から多方面に飛び火していき、世界的な危機へと発展していくと、マスコミ取材やブログ、著書等でも一貫して訴えてきました。

世界の経済・金融をひとつの器に入っている水と見なし、その水の大局的な流れを見定めることができれば、みなさんも私がこのブログで述べてきたような経済・金融の予測ができるようになると思っております。(もちろん、すべての予測がぴったりと当たるわけではありませんが。)

株価指標やテクニカル指標は、参考程度に使えば良いのです。過信してはいけません。

私の経験では、これらの指標を参考程度にしか使わなくなってから、大きく株価が動いたときに適切な対応ができるようになりました。そして、株価がこれらの指標では説明できない動きをしたときにこそ、大きな利益を得るチャンスになると同時に、大きな損失を回避するタイミングになることも理解できました。

今回の記事で、「セミナーでいつも話すことシリーズ」も終了となります。

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asset_station at 14:42|この記事のURL

2010年06月03日

セミナーでいつも話すこと(4)

4月〜5月は相場の転換点になると予測していたので、「セミナーでいつも話すことシリーズ」(3月10日3月16日3月25日の記事参照)をお休みしておりましたが、その続編を再開したいと思います。

私が初心者向けのセミナーでいつも話すことの四つめは、「投資家は利益を中心に考える傾向が強い」ということです。

利益への執着心が強すぎると、上昇相場が続いているあいだは上手くいったとしても、ひとたび下降相場を経験すると、大きな損失を抱えてしまう…そんなケースが後を絶ちません。利益にばかり関心が向き過ぎると、損失リスクへの感応度が著しく落ちてしまうからです。 

その典型例が「目いっぱい相場を張る行為」です。ある程度の相場度胸は必要かもしれませんが、すべての資金を一時期につぎ込むのは度胸ではなく、単なる無謀な行いです。たった一回の失敗で大きな損失を抱え、身動きが取れなくなってしまいます。

これが現物取引の場合はまだ救いようがありますが、信用取引の場合は資金の殆んどまたは全てを失ってしまい、株式市場からの退場を余儀なくさせられます。
  
投資においては、人間は愚かな生き物です。取り返しがつかない状況に陥って、初めて自分の愚かさに気づきます。

それは相場の歴史が証明しています。17世紀のオランダのチューリップ投機に始まり、人間は数々のバブルをつくり出しては崩壊させてきました。そのたびに、多くの人間が恐怖と絶望を味わってきました。

人間に欲深い心がある限り、歴史の教訓は生かされず、歴史は同じように繰り返して行くでしょう。

冷静になって考えてください。儲けたときの計算ではなく、損したときの計算をしながら、リアルにシミュレーションしてください。そして、無理な投資には莫大なリスクが伴うことを理解してください。

投資の世界では、「損失を中心に考える投資家が成功できる」と思います。

誤解を恐れずに私なりに解釈すると、バフェットも投資の大原則として、同じようなことを言っています。「大事な原則が二つある。一つめは、損をしないこと。二つめは、一つめの原則を守ること」と…。

大きな失敗さえしなければ、相場の世界は何回でもチャンスを与えてくれます。そして、その何回ものチャンスの中に、大きなチャンスが隠れているはずです。

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asset_station at 15:38|この記事のURL