こんにちは、横浜の商標弁理士Nです。


さて、今更なネタで、かつ、他のブログでも同じような記事を書かれている方も多くいるとは思いますが、さすがに当ブログでも言及しておいた方が良いと思いましたので、周回遅れながら投稿します。

報道によれば、「政府は、2019年1月1日に皇太子さまが新天皇に即位し、同時に元号を改める検討に入った」とのことで、「新元号は改元の半年以上前に公表する」方向のようです。

そうすると、まだ「平成」の時代であるにもかかわらず、次の元号が明らかになるという、これまでには想定できなかった状況が生じることが考えられます。

ここで、商標実務家として気になるのは、「そうなったら、絶対に新元号を先取り的に商標登録しようとする人が現れるよね」ということです。ほぼ、100%出てくるだろうと予言してもハズレないと思います(笑)。

ところで、商標実務家であれば誰でも知っているように、特許庁編纂「商標審査基準」では、「商標が現元号として認識される場合は、商標法3条1項6号に該当すると判断する」とされています。今、私が「平成」という商標を商標登録出願したとしても、識別力がないという理由で登録は拒絶されることになるわけですね。

ただ、気になるのは、上記の「現元号として」の文言です。素直に解釈すれば、「過去の元号なら登録し得る」ということになります。今、私が「昭和」という商標を商標登録出願すれば、登録できる余地はあるということです。

じゃあ、未来の元号はどうなんだ?というのが今回の論点です。商標審査基準的には、おそらく未来の元号が事前にわかることなど想定していないでしょうから、ここをどう判断するの?という話です。

結論としては、現元号と同様に、当然に登録できないと考えてほぼ間違いないと思います。

商標審査基準に未来の元号のことが書いていなくとも、3条1項6号とか、4条1項7号で拒絶されるでしょう(拒絶理由がどのように書かれるのかは興味のあるところですが…)。ただ、今のうちに商標審査基準に手を加えておかないと、意見書などで揚げ足取り的に反論されてマズイんじゃないのかなとも思います。このへん、将来的にどう手当てするのか気になるところです。

ちなみに、仮に何かの間違いで新元号が登録されることがあっても、これを使うことについて実質的に問題となる可能性は低いでしょう。商標的使用となるケースなどほとんどないと考えられるからです。

というわけで、新元号を先取り的に商標登録しようなどというバカげた考えは捨てましょうね!!ビジネスチャンスにもお金にもなりませんし、きっと関係者に嫌われるだけですよ(苦笑)。

おわり