こんにちは、横浜市の商標弁理士Nです。


前回に引き続き、特許事務所に入所して初めて実務に携わる方に、知っておくと良いと思われる点について、私自身の経験に基づきご紹介いたします。
ちなみに、前回の記事はこちら


今回は、語学力について。


弁理士の求人情報を見ると、TOEIC何点以上だとか、応募資格になかなか高いハードルを設けていることが少なくありません。今までの仕事では英語なんて使っていないよといった、語学にご無沙汰という方は、ビビってしまうかもしれません。


結論から言うと、語学力はあったにこしたことはないと思います。


ただ、結局のところ、

1.入所した特許事務所が、あなたに何を求めているか?
2.自分が弁理士として、どういった方向性を目指すのか?


によると思います。


たとえば、入所した特許事務所に依頼される仕事が、内内案件ばかりで、内外案件や外内案件がほとんどないというのなら、語学力はそれほど必要ないかもしれません。必要とされるのは、むしろ処理スピードや営業力ということになるでしょう。


一方、内内案件よりもむしろ、内外案件や外内案件が多い特許事務所で仕事をするなら、語学力は必須になると言えるでしょう。求人で高い語学力を求めている特許事務所は、おそらくこちら寄りの仕事が多いということだと思います。


ちなみに、内外案件ではこちらが現地代理人の「お客さん」になりますが、外内案件では現地代理人や現地企業が「お客さん」になりますので、後者の案件の方がより正確できちんとした語学力が必要になると言えると思います


特許や意匠は経験がないのでわかりませんが、商標に関しては、特許事務所の規模に比例して、内外案件の割合が多くなる傾向があるように思います。まぁこれは、「外国にまで出願するのは資力のある大企業が多い→大企業は比較的規模の大きな特許事務所に依頼することが多い」というのが要因かもしれませんが。逆に、小さな個人事務所の弁理士は、内外案件の経験がほとんどないという人も少なくないのかもしれません。


あとは、自分がどのような弁理士になっていきたいか、ということだと思います。


将来、内外案件や外内案件を専門とする弁理士として、ほかの弁理士と差別化を図っていきたいというのであれば、少なくとも英語の読み書きは自由自在にできるようになる必要があるでしょう。国際会議に出席したり、現地代理人と生のコミュニケーションをとったりして、グローバルに活躍したいというなら、これに加えて英会話のスキルも必要です


一方で、「俺は内内案件しかやらん!」というポリシーであれば、その分、判決・審決、ネーミングや経営・マーケティング等の勉強を強化した方が良いと思います


こう考えてみると、最初に自分の将来の方向性を定めた上で、それを求める特許事務所に就職する・・・というのがベストなのかもしれませんね。ただ、いざやってみると「思っていたのと違った」ということもあります。面倒くさそうでやだなーと思っていた内外案件にやりがいを感じる人もいれば、内内案件ばかりだと飽きてつまらないという人もいると思います。結局のところ、方向性も数年やってみないと定まらなかったりします。


というわけで、まずはどんな仕事でも正面から飛び込んでいくことが大事なのではないかと思います。


私個人の経験からいうと、商標弁理士の場合は内内・内外・外内のすべての案件をそれなりに経験できる特許事務所に最初に入るとベターだと思います。内外を多くこなすことで外内のスキルは上がりますし、そもそも内内ができなければ外内はできないですし、内外のことも考えて内内を検討する必要もありますしおすし・・・といったように、それぞれに必要とされるスキルがリンクしているからです。


ちなみに、(私の周りだけかもしれませんが)商標弁理士にはTOEIC900点以上の人がゴロゴロいます。中には満点近い人もいます。もちろん、語学の勉強を日々努力している人も多いのでしょうが、「普段の実務をこなす中で、気付いたら語学力が伸びていた」という人も少なくないと思います。内外案件が多い事務所で働くと、日本語より英語を使う方が多い日も少なくなく、「今日はEメールを英語でしか書いてない」なんてこともあるのです。


あ、私はTOEICを嫌がって受けていないので、現在どれくらいの点数が取れるかわかりません笑。たぶん、しょぼい点数しか取れないと思います


今回はそんな感じでしょうか。
何か少しでもご参考になれば幸いです。


次回は、特許事務所に入ったばかりの超新人の頃、「英語がさっぱり」だった私が最初に何を勉強したかなどを思い出してみたいと思います。


おわり