こんにちは、横浜市の商標弁理士Nです。


さて、前回も触れましたが、弁理士試験の最終結果が出ましたね。
今後、特許事務所に就職・転職して、はじめて知財業界で仕事をする方も少なくないと思います。


やっぱり難しいのかな、自分にやっていけるのかな・・・
はじめての方は、きっとこんな心境なのだと思います。
私もこの業界に入ったのは弁理士試験合格後だったので、その気持ちよくわかります。


そこで、特許事務所に入所し、弁理士としてはじめて実務に携わる前に、知っておくと良いと思われる点について、自分の経験をもとに、何回かに分けて紹介したいと思います。


なお、私は最初から商標弁理士で、商標案件の経験しかありませんので、主に商標実務での話となりますが、基本的には特許や意匠でも同じだと思います。


で、今回は第1回として、「案件のタイプ」について紹介します。


これ、当たり前すぎるせいか、特許事務所に入所したての頃、意外と誰も教えてくれなかったりします(笑)。私もスッキリ整理ができたのは、少し経った頃でした。


さて、案件のタイプとしては、主に以下の3つがあります。


1.内内案件(国内案件)
2.外内案件
3.内外案件(外国案件)


事務所や人によって、呼び方は違うかもしれません。
(が、だいたいこんな分類だと思います。)


1.内内案件(国内案件)
日本国内の依頼人から、日本での商標登録等を依頼された場合が当たります。


もっともオースドックスなケースと言えます。
実務経験がない方でも、受験勉強中にイメージするのはこちらでしょう。


2.外内案件
外国の依頼人から、日本での商標登録等を依頼された場合が当たります。

外国の現地代理人(弁護士や弁理士)を通じて依頼が来る場合と、外国企業から直接依頼が来る場合があります。


日本を指定国にした外国からのマドプロ出願も、これに含まれます。


3.内外案件(外国案件)
日本国内の依頼人から、外国での商標登録等を依頼された場合が当たります。


基本的に日本から直接手続はできないので、当該国の現地代理人(弁護士や弁理士)を通じて(依頼して)、手続を進めてもらいます。
よって、費用としては、外国の現地代理人のサービス手数料等もかかる点に注意です。


マドプロ出願の場合は、日本の特許庁を通じてWIPOに手続をすることになります。
(ただし、各国の審査で拒絶理由通知等が出された場合は、当該国の現地代理人に対応を依頼する必要があります。)


日本の弁理士は、直接手続は行なわず、依頼人と現地代理人のパイプ役となります。
よって、どちらかというと事務的な仕事多めとなります。
というわけで、弁理士の仕事としては、結構好き嫌いが分かれると思います。


なお、外国の依頼人から、外国での商標登録を依頼される「外外案件」もごく稀にありますが、日本の商標実務では、まずないと思います。(たとえば、ドイツの企業から中国での商標登録を依頼される場合)


<やりとりに関する補足>
「2.外内案件」は、依頼人が外国の現地代理人や企業となりますので、やりとりは英語でということになります。英文の依頼レターや依頼メールが送られて来ます。


これに対して、特許庁から拒絶理由通知が来たり、登録査定になったりした場合には、英文の報告レターや報告メールを作成して、これら外国の依頼人に送ります。


「3.内外案件(外国案件)」は、現地代理人に依頼することになりますので、こちらもやりとりは基本的に英語でということになります。自分で英文の依頼レターや依頼メールを作成して、現地に送ります。なお、現地代理人の中には、日本語OKの特許事務所もあります。日本語レベルは様々ですが、中国、韓国、台湾には日本語OKの特許事務所が多い印象を受けます。


これに対して、当該国で拒絶理由通知が来たり、登録査定になったりした場合には、現地代理人から英文で報告が来ますので、これを日本語にアレンジ等して、日本国内の依頼人に報告することになります。


と、いった具合でしょうか。

特許事務所に入りたての頃は、覚えることが多すぎて、意外と混乱するものです。
自分の振られた仕事が、いずれに当たるかをまず認識することで、着手しやすくなるのではないかと思います。


以上、ご参考になれば幸いです。


おわり

※2017/11/14
「内々」→「内内」の表記に修正しました。
多分、どちらでも良いとは思いますが。