こんにちは。横浜の商標弁理士Nです。


さて、最近、「えっ!?」と、思わずのけぞった報道を目にしました。


それは・・・。


「マンションでのあいさつが禁止される動きがある」


というものです。


最近、小さな子どもたちの間では、「マンションで知らない人からあいさつをされても、あいさつしない、逃げる」と教育されている傾向があるそうなのです。

そこで、保護者がこのように「そもそも、マンションでのあいさつ禁止」を提案したとか。


そういえば、2、3日前の新聞の投書にも似たような内容を見かけました。

(たしか)小学生の通学路に立って、通学を見守る年輩の方がいるらしいのですが、その方が子どもたちに「おはよう」とか言っても、あいさつを返す子が少ないらしいのです。

その光景が悲しい、といったことが書かれていました。まったく同感です・・・


もちろん、近年は子どもたちが巻き込まれる凶悪犯罪や事件事故が多発していることから、これらが防犯や安全を考えてというものなのは理解できます。しかし、防犯や安全対策として本当に必要なことが、このように「知らない人との関わりを断つこと」なのかは私には疑問です。


たしかに、知らない人との関わりを断てば、それなりの効果はあると思います。しかし、年長者を敬う礼儀・マナーといった日本文化特有の素晴らしさや、子どもたちが自ら考えて行動するという学習機会を失う問題点の方が大きいように思うのです。


今の子どもたちが社会に出た時、多くの「知らない」年輩者と関わることになるでしょうが、こういった礼儀・マナーを身に付けておらずに、うまくビジネスをやっていけるでしょうか。また、自分でリスクを考えて行動できる頭を持っていなければ、他の社会的なワナに簡単に引っかかり、人生を台無しにすることが簡単に予測されます。


正直、本末転倒だと思います。


子どもたちに教育すべきことは、知らない人に話しかけられた時の判断方法と対処方法でしょう。もちろん、小さな子どもたちにこれが難しいことはわかります。事件や事故に巻き込まれてからでは遅いという、保護者の心配もわかります。ですが、これからの厳しい世の中を生き抜いていく応用力をつけるためにも、本来的に教育すべきは人間力なのではないかと思うのです。


ところで、「ノロウイルス感染のおそれがあるため、餅つき大会が禁止される動きがある」という報道も最近見かけました。これもまた本末転倒で、根本は同じ問題だと思います。餅つき大会を禁止してしまえば、そこで感染する人はいないでしょうが、世の中のノロウイルス感染者の数が減るわけではありません。


本当に必要なのは、そもそも感染しないためにはどのようにすればいいのか、感染してしまったら他人に移さないようにどうすればよいのか、安全に餅つきをするにはどのような対策があるのか、といったことを考え、教育することではないでしょうか。


なんだか、最近の世の中は、このような本末転倒な考え方が多くてゲンナリしますね・・・。


極端なたとえではありますが、「模倣品業者に弊社の商標を使われたくないのですが、どうすればよいですか?」と問われて、「じゃあ、商標なんて最初から付けなきゃいいじゃん」と答えるようなものです。商標権を侵害されることはなくなりますが、模倣品自体は変わらず出回りますので、根本的な問題点は何ら解決していません。


技術は進歩し続ける一方、人間のレベルが低下しているなんて言われています。
子どもたちを育む我々大人が、もっとしっかりしなきゃいけない気がします。


おわり