お小夜は牢の隅に座り改めて牢の中を上目遣いに見渡した。

牢名主と呼ばれたお龍は畳を何枚か重ねた上にドカッと腰掛け、その周りに数人の女達が囲んでいる。その中にはお小夜に話し掛けて来たお駒も混じっていた。

その他の女達は壁に持たれ各々何か思いに耽る様に、黙って座っている。この牢の中には連れ出されたお香と自分も含めて、九人の女が閉じ込められている様であった。皆、それなりに太々しそうな女達が揃っていたが、お小夜の反対側の壁際に、まだあどけなく幼そうな少女と言っても良いくらいの女がオドオドした表情をさせ正座して座っていた。

お小夜はこんな少女の様な女が何をしてここに入れられたのかと不思議に感じていた。そして、ついお小夜はその少女の様な女をチラッチラッと見てしまっていた。その少女の様な女はお小夜の視線に気付き哀しそうに俯いてしまった。

そこにまたお駒がお小夜の側にやって来た。そして

「お前さんっあの幼い美代が気になるかいっ、まだ15なんだよね。しかし、あの娘はとんでもない事をしでかしてお縄になったのさ」

「とんでもない事っ」

お小夜が怪訝そうにお駒に答えた。

「ああっあの美代は親殺しさっ、まあ厳しいお沙汰がくだされるこったな」

「厳しいとはっ」

お小夜が答える。

「磔は間違いないだろうな」

そう言ってお駒は美代を見つめた。

「ひいっ」

そのお駒の声に美代が怯える声を発した。

「おいっお駒っ、余計な事を話すんじゃないよっ、見ろ美代が震えてるじゃないかっ本当にお前さんはお喋りだね」

お龍がお駒を睨んで声をあげた。

「あっこれはお龍さん、申し訳ありやせんっ」

お龍は立ち上がるとゆっくりと美代の側に行った、そして美代に優しく話し掛けた。

「美代やっちまった事はもう後悔しても仕方ないんだから、どんなお裁きが出ても素直に受けるんだよ。ただ、お上だって血も涙も無い訳じゃないんだからお情けだってあろうに、だからお上のお情けにすがるんだよ」

「はい、お龍さん」美代が頷く。

「だけどお龍さんっ、あいつらに情けなんてっありゃしないさ。お龍さんだって磔のお裁きが下ったじゃないですかっ」

お駒がお龍にそう言った。

「それを言うなっお駒、あっしは磔になってもしょうがない事を娑婆でやって来たから当然の報いなんだよ。だけど美代は相手の親の方が悪いんだよっだから美代は本当はお咎め無しになっても良いのさ」

お龍はお駒にキッと答えた。

お小夜が驚いた風に

「はっ磔ですかっお龍さんは」

「ああそうさっ、あっしは後5日の命さねっ、もう覚悟は出来てるけど最後にもう一度辰吉に会いたかったねえ」

「辰吉さんって」

「あっしの男さっ、立派な魔羅で散々良い思いをさせて貰ったもんさ。だけどもうとっくに首と胴が離れてるんだろうな。今は早く辰吉の元に行きたいと願ってるんさ」

「・・・・」

お小夜はお龍の言葉に何も返せなかった。

そこへお香が吟味を終えて戻って来た。

「はあはあ」と荒い息遣いをしているお香が、牢の中に投げ入れられた。お香はフラフラとしてバタリと床に倒れ込んで気を失った。手首足首には縄の跡がくっきりと刻まれていた。それは、お香が過酷な吟味を受けた証であった。

「おいっ役人さん、いつもいつもお香を酷い目に合わせてっ許せませんぜ。また助平な吟味をお香にしたんだろうっえっ」

お龍が叫んだ。

同心の伊達がギロリとお龍を睨んだ。

「お龍かっ、相変わらず元気が良いのう。お龍お前の仕置の日も間もなくじゃなあっ愉しみじゃて、お奉行様が仰るには、お龍っお前の磔は特別に素っ裸で男柱に大の字に括り付けて、お前の悩ましい股間の二つの穴を串刺しにせよとのお達しじゃてっ、えっその時も今の様に勇ましくしておられるかのう」

「このど助平野郎供っそんな酷え事は許さんぞ」

「何を偉そうに許すも許さぬもお奉行様の申し付けじゃてっ悪いがお龍っ素っ裸で仕置させて貰うぜ、はっはっは」

「ああっそうかいっ、素っ裸でも何でもしやがれっ、この夜叉のお龍っ素っ裸で堂々と串刺しになってやろうじゃないか」

「そうかいっその勇ましい啖呵、お奉行様にも伝えておくわい、その時になって泣き叫ぶんでないぞ」

お龍は悔しそうに伊達を睨んでいた。

そして、下僕の五平がニヤニヤしながらお龍に呟いた。

「お龍さんっ仕置の前の晩に、お龍さんのあそこの毛を剃りに来ますんで宜しゅう頼みますぜ」

「なっ何を馬鹿な事をっ誰がそんな事させるかっ助平野郎」

お龍が顔を真っ赤にして答えた。

「そう言われましても、磔串刺し刑のおなごは皆、毛剃りが決まりですんで素直に剃らして頂きやすぜっ、それと大きい方と小さな方の始末も一緒にさせて頂きやすっ」

「大きいっ小さいっなんだよ」

「へっへっへ、そりゃあ糞と小便のことでさあ」

「ざけんなっこの変態野郎、勝手に自分で厠でやるから余計なお世話だ」

お龍は汚い物でも見るように五平を見た。

「仕置前の罪人は奉行所の奥の独房に入れられますんでっそこではもう厠も使えませんぜ」

ニヤリとする五平。

「ならもうその時は用足しはしないので構わないで結構でござんす」

「いいんですかいお龍さんっ、素っ裸で磔に架かるんですぜっ、けつの穴に槍を突っ込まれては溜まってる糞が放り出しますぜっ、それを大勢の皆に見られる事になりますな。死に間際に恥をお龍さんとて掻きたくないでしょうに。女は糞を放り出すと必ず小便も飛び出す事になりやしょう、ですからわし達がそうならんように両方を始末してあげますぜっへっへっ」

「うっ・・・・」

お龍は五平の言葉になんて答えて良いか分からず絶句した。

「まあお龍さんよっ毛剃りも糞も小便もわし達が丁寧に始末いたしますんで、宜しゅうに」

伊達と五平が愉しそうにその場を去った行った。

お龍の目から涙が溢れるのをお小夜は気付いた。どんなに気丈にしていてもお龍は女である。素っ裸にされ女の恥ずかしい部分を串刺しにされる、しかも排泄の処理まであの悍ましい奴らにされるとは、お龍は屈辱的な役人達の仕置きにその身を震わせた。

お小夜はこの場の会話に驚き慄いていた。そして間も無くお小夜の吟味も始まろうとしていたのであった。

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続く



館の門前にある広場に引き立てられて来たお雪と小夜。二人の目の前には残忍な期待に目を血走らせて、これから惨たらしく殺される二人の女の裸身を卑猥な目付きで見つめる男達が勢揃いしていた。

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「おっ来たぞっ来たぞ、うむっなかなか唆る身体付きでなんとも美形な女だな」

「ほーっ、串刺しで殺すのは惜しい気もするがな」

「しかし、女が良い女であればあるほど、死に様がゾクゾク致すぞ」

男達の血も涙も無い非道な声の中、お雪と小夜が男達の正面、そして不気味に横たわる磔柱の前に引き出された。

女達を引き連れて来た奉行の遠山が、皆の前でお雪と小夜を待ち構えていた光忠
に軽く会釈をして

「光忠様っ、本日の磔の主役お雪と小夜を引っ立てて参りました。それでは刑の執行を宜しくお願い致します」

「うむ、しかと承った御苦労っ」

光忠が威厳のある口調で答え、そしてこの場に集まった者達の前に進み出た。

「本日は各々方、この二人の女の磔にお集まり頂き誠に執着。拙者、この光忠っこの島の名主に就任した最初の仕事で御座る。皆様っこの二人の女の美しくも無惨な死に様をじっくりと堪能して頂きましょう」

「光忠様っ、しっかと堪能させて頂きましょうぞ」

それから暫くしてお雪と小夜はキの字の形の磔柱にキッチリと括られていた。二人の股は、もうこれ以上は拡げられない程に限界に拡げられてしまった。腰に巻かれた腰巻は既に剥ぎ取られ、二人は眩しい光の下、女の全てを剥き出しにしていた。

まだ生えきらない淡い翳りの小夜の秘所は、女陰の悩ましい盾の亀裂がクッキリと確認でき、限界まで股が拡げられたことにより、桃色の肉穴はパックリと拡がり、奥の肉壁までが剥き出しにされている。その幼い割れ目に間も無く鋭い槍先を突き刺されて、絶命させられることになるのである。

お雪の女陰は、削ぎ落とされた敏感な豆と割れ目のビラビラの跡には血の塊ができ、無惨な様を晒している。その痛々しい割れ目にお雪もまた、鋭い槍先を突き刺され絶命することになるのである。

磔柱がいよいよ立ち上がり、お雪と小夜は大の字に開かれた裸身を余すことなくこの場の男達の残忍な目に晒すことになった。

ゆっくりと立ち上がる磔柱、お雪は観念した表情で遠くを見つめている。小夜は目を閉じ唇を噛み締め両手を握り締め、恥ずかしさに身体を震わせていた。

磔柱が垂直に立ち上がった。その時、二人の裸身がグイッと一瞬沈み込んだ。

「うっうぐぐ」

二人同時に呻き声があがった。

「おいっ見ろ、二人とも腰を突き出し、さあ突いてくれって格好をしておるぞ」

「ほんとじゃのう、どうなっておるのじや、しかしなんとも卑猥な格好だのう」 

それは遠山の考えた細工であった。女の腰と尻の部分に厚みのある板が添えられてあり、そのため二人は意に反して腰を突き出す姿で括られたのであった。股の奥の肛門までしっかりと覗ける、女にとって耐え難い屈辱の細工であった。二人の女の肛門の皺がヒクヒクと蠢いているのも観衆の男達にはよく見て取れた。

小夜が閉じていた目を開いた。視線の先には卑猥な目付きで自分の股間を眺めている男達の顔があった。

思わず小夜が

「あっあああ、はっ恥ずかしい」と呟いた。

その声にお雪が

「小夜ちゃんっごめんね。私のせいでこんな事になって、本当にごめんなさい」

小夜が頭を左右に振りながら、お雪を見つめた。

「お雪さんっ」

お雪も小夜の顔を見つめてゆっくりと頷いた。そして微笑んだ。

その時、光忠が二人を見上げゆっくりとそして低い声で話し掛けた。

「ではそろそろ始めると致すか、どっちから先に串刺しに致すかのう」

その声にお雪と小夜がまた互いの顔を見つめ合った。

「あっあたしからやって」

小夜が光忠に向かって吐き捨てるように言った。

「駄目っ小夜ちゃん、こっこのお雪から先に始めてくださいっお願いします」

「ほうーっ二人ともそんなに死に急ぎたいかっ、股ぐらに槍を咥えたいのかっどうしたものかのう」

「光忠様っもう私たちは充分に恥をかきました。女としてこれ以上ない程の恥辱を受けました。どうかこの先は苦しまずに死ねるように、どうかどうか心の臓を一突きにして果てさせてください。お願いでございます」

お雪が磔柱の上から哀しい懇願をした。

「うーんそれは聞けぬなっこの島の掟で磔された女は、女の大事な二つの穴を串刺しにされて死んで行くのが決まりでなっ覚悟致せ」

「あっあああ、そこを何とか光忠様の御慈悲でどうかお願い致します」

「女っ観念せい」

「そっそれではわたくしお雪はその槍を二つの穴で受けましょう。でもっでも小夜ちゃんはっ小夜ちゃんは苦しませずにあの世に送ってください」

「お雪さんっもうヤメテ、こんな奴らに何を言っても無駄だよっこんな外道にお願いするのはヤメテ、あたいはどこを突かれても平気だよっ、さぁこの助平おやじっあたいから先にどこでも突き刺して頂戴」

「むっむっむむ、助平おやじだとっ何とも小憎らしいガキじゃてっ、分かったお前の望むように、そのパックリと開いておる穴に槍の先を呑み込ませてやろうぞっ小夜とやらお前から先に串刺しに致してやるっ、槍の味っじっくりと味わうんだな」

それは何とも奇妙な掛け合いであった。磔柱の上で屈辱の全裸大の字姿でいる女と、権力ではある意味、この時代の頂点に君臨する徳川御三家の一角水戸家の殿様との掛け合いであった。

小夜の磔柱の下に長槍を持った執行人が二人現れ、剥き出しにされている小夜の女陰と肛門の穴を見上げた。

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続く





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