お龍、お香、そして美代の苛酷で無残な磔刑をまざまざと見せられたお小夜が、奉行の遠山の前に引き出されていた。
「どうだなお小夜とやらっ、磔され串刺しで死んで逝った女どもの死に様を見て、恐れいったかっ、お前もあんな死に様はしたくなかろうっ、一揆の首謀者の潜伏先を喋って貰おうかのう」
遠山がお小夜の顔を覗き込み、ニタリとしながら声をかけた。
「お奉行様っわたしは本当に知らないので御座いますっ、そのことは何度も何度もお話ししております」
お小夜は必死の形相で答える。
「そうかっまだしらを切るのじゃなっ、仕方ないっ・・・おいっ例の女を引っ立ていっ」
同心の佐竹に引っ立てられて一人の女が現れた。
「あっ」とお小夜がその女を見て驚きの声をあげた。
その女は、なんとお小夜に瓜二つの女であった。
その女もお小夜の顔を見つめ驚いた表情をした、そして
「お姉ちゃんっ、お姉ちゃんでしょ、わたしは双子の妹のお多喜ですっ」
お多喜は一揆の首謀者宗兵衛の娘であった。そして、お小夜の双子の妹であった。まだ幼い時に、育ての親の千吉の元に養女にお小夜は出されていて、お多喜の事は聞かされていなかった。
「おっお多喜っ、そんなわたしに双子の妹が居たなんてっ」
「お小夜姉さんっ」
「おっお多喜っあんたは私の妹なんだね」
「はいっ」
互いに相手を名を呼ぶと二人はヒシッと抱き合った。
「ほほおーっ感動のご対面だなっ、しかし本に瓜二つよのう」
奉行の遠山はニタリとして二人の顔を代わる代わる見ながら、声を発した。
「してっお小夜っ、何故ここにお前の妹が居るか分かるかのう、ひっひっひっ」
その卑猥な遠山の声に、お小夜はハッとして遠山を見つめた。
「そっそんなっ、このお多喜に酷い事をするつもりではっ、やめてください」
「ひっひっひ、このお多喜とやらがどうなるかはっ、お小夜っお前の心掛け次第だなっ」
「ひぃっ、そんなっ無体な」
遠山とお小夜の会話を何事かとお多喜は聞いていたが、これから只ならぬことが起きそうでお多喜は不安な表情をした。
勿論、奉行所に連れて来られたと言うことは、一揆を先導した父、宗兵衛の件である事はお多喜にも分かっている。死罪も覚悟の上で奉行所に来たのである。
そしてその後も、お小夜はお多喜が現れても宗兵衛の隠れ家は吐かなかった。と言うよりお小夜は知らないのであるから、白状しようがなかった。
遠山は焦っていた。老中の板垣掃部頭より一揆の始末を早く付けろと厳重に言い渡されていた。そこで遠山はお小夜とお多喜を一揆の一味として、仕置する事にした。老中には首謀者の宗兵衛は既に死亡、その一味として二人の女を死罪にする事でこの一揆騒動の決着をつけると報告した。
美形の双子の姉妹の磔の噂は、一気に知れ渡った。当然、奉行の遠山の仕切る磔である。今まで通り、双子の姉妹は素っ裸で磔に架けられる事になるであろう。双子の姉妹の体は、何処が似て何処が違うのか見てみたいと、助平な男達の妄想を駆り立てていた。
お小夜とお多喜の思いがけない再会も、遠山のおぞましい欲望を満足させるだけの哀しい再会になってしまった。
処刑の朝二人の女は、各々の牢から引き出されると奉行所の中庭に連れて来られていた。其処には目をギラギラさせた遠山が待っていた。
「お小夜っお多喜っ、本日お前達の刑を執行する覚悟は良いなっ」
「なんと非道なっ私たち姉妹になんの罪があるのですかっ」
お小夜が遠山を睨みつけ恨みの声を発した。
「よく聞けっお前達は一揆の一味として、これより磔の刑に処せられるっ、刑場まで素っ裸で引き回すっうっひっひっひ」
「ひぃっひぃっーっ、そんな惨めな事はお許しをっ」
お多喜が顔を青ざめさせて懇願する。
「双子の姉妹の素っ裸の引き回しを町の皆が愉しみに待っておるぞ」
「嫌っいやっ嫌っ、そんな恥ずかしい事はお願いですっ許して」
お多喜が叫ぶ。
「お多喜っこの助平奉行に何を言っても許さないよっ、今まで散々私は見せられて来たからね」
「そっそんなっ・・・・」
「お小夜はもう観念しておるなっ、うむっ良い心がけじゃ、観念ついでにのう、此度の磔は一昼夜見せしめの為に素っ裸で磔柱の上に大の字で晒した後に、女の二つの穴を串刺しにしてくれようぞ」
「ひぃっひぃっ、いやーーーっ」
お多喜の悲痛な叫び声が奉行所の中庭にこだました。
「出立っ」
奉行所の門が開き、お小夜とお多喜の引き回しが始まった。
二人の女は一糸纏わぬ素っ裸にされ、両手を後ろに回され厳しく縛られていた。豊かな乳房にもキリリと縄が掛けられ、二人の乳房は痛いほど突き出されている。この惨めで恥ずかしい姿でお小夜とお多喜は街中の目抜き通りを素足で歩いて引き回されて行くのである。、
「良いかっしっかと顔を上げ、お前達の顔を沿道の者に見てもらえっ、ひっひっひっそれからその嫌らしい体も良っく見て貰うんだぞ」
遠山が二人に叫んだ。
「姉さんっはっ恥ずかしい、死にたいっ」
「お多喜とやらっなんの磔柱の上でっ、間違いなくあの世に逝って貰うで心配致すなっ」
同心の佐竹がすかさずお多喜に声を掛けた。
「ひぃっこっ怖いっあっあああ助けて」
「お多喜っごめんねっ、姉さんを許してっ辛抱してっ本当にごめんね」
女に取って耐え難い惨めな引き回しが始まった。顔も瓜二つ、そして体つきも全く同じ二人の女がゆっくりと歩く、すると同じ形の乳房がフサフサと揺れ、同じ引き締まった尻たぶがプルンと揺れる。
風に吹かれサワサワとたなびく陰毛さえ、同じようにさわつく。
素っ裸に剥かれ、何処もかしこも瓜二つの二人の女の歩く姿は、なんとも不思議で淫猥な光景である。
二人の引き回されて行く先に群衆が待っていた。
「おっ来たぞっ、素っ裸の双子が来たぞっ」




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