Gronkiewicz KM., et al. 
"Effects of topical hyaluronic acid on corneal wound healing in dogs : a pilot study 

Vet Ophthalmol. 2017 Mart;20(2):123-130.

 PMID:27061134

タイトル
:ヒアルロン酸点眼が犬の角膜潰瘍治療に及ぼす影響:パイロット研究

研究デザイン
前向き研究

目的
   P:角膜潰瘍を有する犬を
   E:0.2%ヒアルロン酸が添加された点眼薬で治療した場合
   C:カルボキシメチルセルロースが
添加されヒアルロン酸を含まない点眼薬と比較し
   O:角膜が創傷から治る速度に差があるのか

動物
:健康なビーグル犬6頭

方法:対象犬を無作為にA群とB群に分類し、以下の点眼薬を使用した
   A群:0.2%ヒアルロン酸添加点眼(KINETICVET社製品OPTIMEND)
   B群:対照点眼薬(0.2%ヒアルロン酸の代わりに
       カルボキシメチルセルロースを添加したOPTIMEND)

   調査員には、点眼薬の成分および割り当てについて詳細を伏せた。
   対象犬には鎮静・局所麻酔が施された後、左眼に6mm軸で角膜切除が実施され、
   創傷部が完治するまで1日3回の点眼処置が行われた。

   スリットランプ生体顕微鏡にて、創傷の6時間後、以降12時間毎に角膜が確認され、
   修正 
McDonald-Shadduck scoring systemにより創傷部が評価された。
   全ての角膜確認時にフルオレセイン染色後の角膜外貌および創傷部を撮影し、
   NIH image j softwareを用いて角膜上皮再生速度を定量化した。
   各観察時における涙液中のmatrix metalloproteinase (MMP) 2 および 9 の
   発現を分析するために
Gelatin zymographyが使用された。
   

結果
:いずれの観察点においても、A群とB群に統計学的有意差は認められなかった。
   (臨床眼科検査スコア、角膜上皮再生速度、MMP2・MMP9の発現に差はなかった)

結論
:0.2%ヒアルロン酸点眼を角膜潰瘍の治療へ適用することは容認されるが、
   同様の粘稠度と生化学的特性を有する対照点眼薬と比べると、
   角膜創傷治癒に差はないようだ。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27061134
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/vop.12379


<訳者コメント・蛇足>
補足① 今回使用した点眼薬の粘稠度は「とんかつソース」程度

粘稠度指標のcps(センチポアズ)、あまり聞きなれないので調べました。
粘稠度が高いほど数値は高くなります。
水:0.89cps
サラダオイル:80cps
とんかつソース:1000cps
ケチャップ:2000cps
マヨネーズ:8000cps
参考資料
http://www.anest-iwata.co.jp/coating/option/ta2vfs0000000y4p-att/viscositychart1a.pdf

今回の文献で使用された点眼液はA・Bともに1150cps、
とんかつソース程度のとろみのようです。


補足② 対照群添加物にもヒアルロン酸同様の角膜治癒効果がある

対照の点眼薬にはカルボキシメチルセルロースが添加されています。
添加目的は、対照点眼の粘稠度を0.2%ヒアルロン酸点眼と同じにするためです。
しかし実はカルボキシメチルセルロースにも、角膜障害への治癒効果があると本文に記載がありました。
対照点眼にも角膜治療効果があるならば、著者の考察は言えるのかな??と思ってしまいました。