健康サプリ

自称「黄昏の薬剤師」が、医薬品等を通じて人々の幸せを追求していきます。

HI3G0146
先日の手荒れの記事は、季節柄そこそこ読んでいただけたようです。読んで頂いた読者の方から、またいくつかのご質問を頂きましたので、お答えしていきたいと思います。
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尿素入りのハンドクリームって
いいのかなー?
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尿素は保湿剤として医療用外用剤に医薬品として使用されています。含有量が20%以上になると医薬品として扱われます。保湿効果に優れ、アトピー皮膚、進行性指掌角皮症(主婦湿疹の乾燥型)に効果があります。注意点として、傷口があると刺激感があり、しみることがあります。ケラチナミンクリームが有名だと思います。
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ハンドクリームのユースキンA
これいいみたいだー
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医薬品ではないようですので、調べてみました。
有効成分として、
* ビタミンE酢酸エステル(血流改善)
* グリチルレチン酸(消炎成分)
* dl-カンフル(消炎成分)
* グリセリン(柔軟保湿成分)
を含んでいるようです。普段のハンドケアとして適しているようです。血行改善成分、消炎成分を含んでいますが、dl-カンフルを含んでいるようですので、傷がある方は少々しみるかもしれません。
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チューブがいいなんだけどなぁ。
無難にヴァセリンの方が、コスパもいいし水も弾くし保湿OK。
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チューブタイプは携帯性が良いので、外出先での使用に向いています。ワセリン(Vaseline)は、軟膏の基材として一般的に使用されています。保湿性、皮膚保護性に優れていますが、ベトつきがありますので、気になる方には不適です。ただし、治療効果は高いので、乾燥からくるひび割れ、あかぎれを治療したい場合は積極的に使用したほうが良いでしょう。口唇や陰部などにも使用できるので、安全性も高いと思われます。
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うーん。L'OCCITANEは香り重視
自分は、いま香りとかじゃなくて
手荒れ治す。ことなのだ
香りつきも、つけたいけど…
それはお出かけ用とかだし
悩みますなあ(*´∵`*)
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これも医薬品ではないようですので調べてみました。化粧品の部類に入るようで、シアバターを配合しているそうです。シアの木(アカテツ科シアバターノキ)の実から採れる植物性油脂で、古くから原産諸国では、食料や民間療法のひとつとして使用され、筋肉痛に使われたり、生後間もない赤ちゃんの肌に塗って紫外線による乾燥から皮膚を保護するなどの用途に使われていたようです。普段のスキンケアには問題ないと思われます。ただし、治療を必要とする皮膚の炎症がある場合は、医薬品の使用が必要となります。

湿度が低く、乾燥が気になるこの季節、黄昏の薬剤師は、指先のささくれに悩んでいます。剥くか剥かないか、切るか切らないか、悩んでいるうちに、知らないうちにどこかに引っ掛けて、そこら中が血だらけになっております・・・

HI3G0171
大変ご無沙汰しております。
最後に投稿したのは、3年前のようでした。暫くほっておいたブログですが、気が向いたので書いてみます。何事に対しても飽きっぽく、何かを始める時も、いつも動機が不純な黄昏の薬剤師です。今回は、ある女性のお悩み事のつぶやきに答えてみようと思います。
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最近手荒れひどくて、ついに今日
お水がしみて激痛…(´;ω;`)

どこのハンドクリームにしよー
ハンドクリーム塗ってるのに
防げない…

冬は、手荒れ酷くなる時期
ちゃんとケアしてるつもりが…
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手荒れの原因の第一位に挙げられるのは、水仕事だと思います。家庭の炊事・洗濯、美容師さんのシャンプー、飲食店従業員の食器洗い、などなど、水を使う仕事をしていると、大体の方は手荒れに悩ませられると思います。
恐らく、水仕事をしたあと、洗剤などによって皮膚の保湿成分が失われ、乾燥することが主な原因と考えられます。いわゆる乾燥肌(ドライスキン)の状態です。ですので、辛い手荒れを治すには、まず保湿することが重要になってきます。
まず、いま起こっている酷い手荒れを治すには、皮膚科の専門医による適切な外用皮膚剤、いわゆる塗り薬で治療する必要があります。皮膚科を受診するのは、手荒れの原因を適切に診断し、他に病気がないことを確認することが大事だからです。
手荒れの治療は、ステロイド外用剤を使うのが一般的です。あかぎれ、ひび割れ、発赤は、皮膚が炎症を起こしている状態ですので、まず、ステロイドの塗り薬を使って炎症を抑えます。通常は2〜3日で改善してきます。ステロイドは、強い薬ですので、炎症がよくなったら、今度は保湿に切り替えます。
保湿剤は、手荒れのない良い状態を維持するためのものなので、手荒れが良くなったあとも、基本的に続ける必要があります。症状が良くなってくると、ついついやめてしまいがちですが、手荒れを繰り返す方は、適切な保湿剤を続けることをおすすめします。そして、手荒れがひどくなってきたら、また、ステロイドに戻して炎症を抑えるという治療を繰り返して、手荒れをケアしていくことになります。
ステロイドと保湿剤を適宜切り替えて使う理由は、ステロイドの副作用を防ぐためです。ステロイドは切れ味が良く効果が抜群に良いので、ついつい常用してしまいがちです。ですが、自己判断で長期に渡って使用すると、皮膚の菲薄化、感染症の誘発といった副作用を引き起こすことがあります。ただし、これは希な場合で、医師の指示通りに使用していれば、副作用が起こることはほとんどありません。つまり、ステロイドと保湿剤を適宜切り替えて使うことをきちんとやっていれば、大きな心配もなく、安全に手荒れのケアができるのです。ステロイド外用剤の副作用のほとんどは、医師の指示を守らず、自分勝手に効果が強いステロイドだけを長期間使用し続けた場合に起こったたものです。
手荒れにお悩みの皆さんは、皮膚科の専門医の診断のもとに、それぞれの症状に応じた適切な塗り薬をお使い下さい。自己判断で高価なハンドクリームを購入しても、効果がいいとは限りません。確実に手荒れを治療できる薬はステロイドだけだと考えて頂いても良いと思います。効果が強いステロイドを必要最低限の短期間だけ使用し、改善してきたら保湿剤で手荒れを予防する、これが、現在考えられている最も効果的で安全・確実な治療法だと思われます。
黄昏の薬剤師は、若い頃はやたらと脂ぎっていましたが、年々肌の潤いがなくなってきているのを痛感しております。手先が乾燥しているので、書類をめくったり、レジ袋を開いたりするのが大変です。うっかり指を舐めてやろうものなら、周りの冷たい視線が突き刺さり、「ほんと、おじさんてやだね〜」という心の叫びが聞こえてきます。

Lighthouse
日経DI onlineの2014/5/29の記事を転載致します。
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一般用医薬品の新販売制度に対応した資料をウェブ上で公開
日薬、改正薬事法・薬剤師法の順守を呼び掛け
調剤薬は薬学的指導も義務化、「意味は重い」と児玉孝会長

中略
5月29日に開かれた記者会見で、会長の児玉孝氏は、薬事法改正に合わせて薬剤師法も一部改正されることについて言及。薬剤師法第25条の2の改正により、調剤した薬剤については「情報提供」に加えて「薬学的知見に基づく指導」も義務付けられることについて、「この意味は深い」と述べ、「今改正では一般用医薬品販売の規制強化ばかりに目が向けられがちだが、それよりもむしろ、薬剤師法改正の意味は重いということを分かってほしい」と、会員に対して理解を求めた。
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ところで、調剤薬局で行われている薬歴管理指導料の算定要件を考えてみると、昔も今も「薬学的知見に基づく指導」ではなかったでしょうか?特段、今までとは違うことを求められているわけではないような気がします。
黄昏の薬剤師は、今日も指導定型文のリスト一覧とにらめっこしながら、かっこいい指導文をコピペするのに奮闘しています・・・・

Jellyfish 地域医療に奮闘する医師を描いた『神様のカルテ』は、混迷する医療現場における理想と現実が生々しく綴られています。主人公である栗原一止は、365日24時間対応を掲げた地方の基幹病院で、容赦ない激務に日々苦悩し、医師としての自分の生き方に悩み続けています。
 クライマックスは、自分が担当した患者さんが亡くなった後、死亡診断書を書き終えて、虚無感に囚われていた時、その患者さんが生前書き残していた、先生宛の手紙を見つけた場面です。
 “拝啓 私の大切な栗原一止大先生様” で始まる手紙には次のように書かれていました。
“先生がこの手紙を読んでいらっしゃるということは、私はもう夫に会いに旅立ってしまったあとのことなのでしょう。〜中略〜 私は先生に会えたことを本当に感謝しています。ずっと運命の神様を恨んで生きてきましたが、最後の最後に恨みを全部返上して何百倍もの感謝をしています。〜中略〜 病むということは、とても孤独なことです。先生、どうかご苦労の絶えぬ身とは思いますが、私にくださった温かい時間をこれからも多くの孤独な人たちにつくってあげてください。〜中略〜 私は先生のおかげでこんなにも楽しい時間をすごせました。もしかしたら、夫が亡くなってからの三十年でもっとも楽しい時間ではなかったか、と。天国より、めいっぱいの感謝をこめて・・・・”
 黄昏の薬剤師が、薬剤師を始めて数年くらいたった頃でした。自分のやっている仕事がいやでいやでしょうがなかった時期が続きました。元々、割がいいという打算的な気持ちで薬局薬剤師に転職したわけですから、端から先が見えていたにもかかわらず、やっているうちに少しずつ自分なりに入れ込むようになっていました。栗原一止先生と同様に、医療現場における理想と現実の大きなギャップに、日々思いを巡らせていました。そんなある日、薬剤師をやっていてよかったと思える出来事がありました。患者さんから「あなたのお話がよくわかりました。ありがとうございました。」と言われた時のことです。人から感謝されることの喜びを感じた瞬間でした。以来、年に一回、いや数年に1回くらい、患者さんから感謝の言葉を頂くことがあります。その度に、ああ、やっててよかった、とつくづく思うことがあります。
 日々の業務の中で、一人一人の患者さんに入れ込むことは、はっきり言って仕事になりません。一人の患者さんに入れ込んだ結果、多くの他の患者さんの不満をかったり、ひいては、同じ職場の同僚にまでしわ寄せがいった挙句、ひんしゅくをかうことまであります。理想的な医療は、単なる自己満足に過ぎないのかと自己嫌悪に陥ることの繰り返しです。小説のように、口では迷惑してるようなことを言っていても、内心は温情と理解の心でスタッフ同士が協力しあいながら病院の激務をこなしていくという姿は、限りなくフィクションで、だからこそ、この『神様のカルテ』が感動を呼ぶのだと思います。
 黄昏の薬剤師が目指している「神様の薬歴」は、やればやるほど、現実の業務と乖離してしまいます。気がつくと、自分だけが悦に入り、周りのスタッフから仕事が遅い、協調性がない、自分勝手だと多大な迷惑を引き起こすことにつながります。患者が喜んでくれるのが何よりだと、いくら自分に言い聞かせても、現実的に同僚の理解が得られない状況では、業務が成り立たなくなってしまいます。
 「神様の薬歴」は、神様にしかできない雲の上の世界の話しかもしれません・・・・

Hydrangeas日経DIオンラインからの転載です。
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2012. 3. 6

2012年調剤報酬改定、算定要件の詳細が明らかに
お薬手帳の算定はシールの交付でも可
 2012年度調剤報酬改定に関する通知などが3月5日に発表され、算定要件に関する詳細が明らかになった。要点は以下の通り。

薬剤服用歴管理指導料 新しい薬剤服用歴管理指導料(処方箋の受け付け1回に付き41点)では、「お薬手帳の記載と情報提供」が算定要件の一つとなったが、4月以降は、お薬手帳を持参しなかった患者にシールなどの簡単な文書を渡すことでも算定が可能になる。これまでお薬手帳による情報提供を行った場合の点数である「薬剤情報提供料」(15点、2012年3月末日で廃止)は、シールを渡すだけでは算定できなかったが、今改定でその要件が緩和された格好だ。
 また、お薬手帳による情報提供に当たっては、複数の手帳を所有していないかを確認するとともに、複数所有していた場合には、患者の意向を確認し、できるだけ1冊にまとめるように勧めるように努めること、といった内容も通知に盛り込まれている。
 このほか、薬剤服用歴管理指導料の要件には、患者や家族に対する残薬の確認も新たに盛り込まれたが、確認して残薬が相当程度あると判断したら、処方医に連絡し、投与日数等の確認を行うこととされた。

基準調剤加算 門前の医療機関に合わせて開局時間を設定している場合は、基準調剤加算を算定できないことになった。具体的には、施設基準として「特定の保険医療機関からの処方せん応需にのみ対応した開局時間とはなっていないこと」が求められる。ただし、2012年3月31日時点で基準調剤の届出をしている薬局については、経過措置として、6月30日までは施設基準を満たしているものとして扱うという。

在宅患者調剤加算 訪問薬剤管理指導を普及させる観点から新設された、調剤料の「在宅患者調剤加算」(処方箋受け付け1回につき15点)は、直近1年間で(1)在宅患者訪問薬剤管理指導料(2)居宅療養管理指導費(3)介護予防居宅療養管理指導費──を合算して10回以上を算定していることが、施設基準となった。

サポート薬局制度 小規模の薬局同士が連携し、主に在宅訪問指導を担当している薬局が対応できない場合に、別のサポート薬局が対応した場合にも調剤報酬を算定できるようにする「サポート薬局制度」では、サポート薬局が訪問薬剤管理指導に加えて調剤を行った場合は、基幹薬局が在宅患者訪問薬剤管理指導料を請求し、サポート薬局が調剤技術料や薬剤料などを請求することとなった。指示を行った医師への報告は基幹薬局が行い、薬歴はサポート薬局と基幹薬局が共有する。

特定薬剤管理指導加算 ハイリスク薬を処方された患者に対して算定できる特定薬剤管理指導加算については、「薬局が得ることが困難な診療上の情報の収集については必ずしも必要とはしない」という文言が通知に追加された。血中濃度モニタリング(TDM)や臨床検査値などが想定されているものと見られる。
 また、「これまでの指導内容を踏まえて、適切な指導をする」といった文言も盛り込まれた。実情に合わせ、必ずしも毎回同じ質問をしなくてもよいことを強調する内容となっている。

■関連資料(厚生労働省)
平成24年度診療報酬改定説明会(平成24年3月5日開催)資料等について

河野 紀子=日経ドラッグインフォメーション
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 大方の予想どおり、手帳の算定要件は緩和されたようですが、これで一安心というわけにはいきません。厚生労働省の、平成24年度診療報酬改定説明会(平成24年3月5日開催)資料にも記載されているように、手帳忘れでも、薬剤服用歴管理指導料を算定してよいとは一言も言っていません。継続的に手帳の有用性を啓蒙していくという前提で、次回来局時にきちんとシールが貼り付けられているかを確認することを条件に算定して差支えないと言っているのです。
 さらに、残薬確認も(歴)の算定要件になっているわけですから、自ずと、薬局に求められる業務が見えてきます。つまり、明らかに残薬がある状況(前回来局時の投与日数より短い日数で来局した場合)で、何の確認もなされなかった場合、ほぼ間違いなく、個別指導のターゲットになり得ると言えます。しかも、手帳に重複投薬が見過ごされたままシールがはってある場合は、最悪、故意若しくは重大な過失による療坦規則違反を問われかねないとも言えそうです。突合点検と縦覧点検が本格的に実施されたら、残薬の有無はいとも簡単に、抽出できるはずです。
 黄昏の薬剤師は、本来の薬歴業務のあり方が、医療改定のたびに明確化されてきていると考えています。賢明な薬剤師の皆さんでしたら、わざわざお国から言われなくても、残薬の状況や、お薬手帳の有用性、重複や相互作用のチェックは通常業務として自然に行ってきたと思います。今回の改定は、こうした業務を薬歴の記録に残しなさいと言っているのだと感じます。この「記録に残す」方法を工夫することが、今回の改定の最重要ポイントだと思われます。
 「いつも同じ薬だから手帳はいらない」という患者さんに、黄昏の薬剤師は、今日もまた、かわいい表紙やかっこいい表紙のお薬手帳を並べて見せて、お気に入りの手帳を選んでもらい、さらに手帳カバーを無料でお付けする旨のセールスに奮闘するのでした・・・・もちろん「無料ですよ」と、にっこり微笑みながらです・・・・
 

HI3G0144
 支払基金のホームページに興味深いお知らせが載っていました。

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電子レセプト請求に係る突合点検及び縦覧点検の実施についてのお知らせ
−医療機関・薬局の皆様へ−
支払基金では、平成24年3月審査分から、同一保険医療機関・同一患者に係る同一診療(調剤)月において医科レセプト又は歯科レセプトと調剤レセプトを電子的に照合して、院内で処方しているレセプトと同じ観点により点検を行う「突合点検」、並びに同一保険医療機関・同一患者に係る当月請求分と過去複数月のレセプト及び入院と入院外レセプトをそれぞれ電子的に照合して、当月請求分レセプトの点検を行う「縦覧点検」を実施することといたしました。

なお、東日本大震災の被災地域である岩手県、宮城県及び福島県に所在する保険医療機関及び保険薬局に対しては、当面、6月間実施を猶予することとし、開始については、平成24年6月開催の支払基金理事会において協議の上、決定することとしております。

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 黄昏の薬剤師は、この記事を読んではっとしました。処方せんに、なぜ医療機関コードが記載されるようになったのかがはっきりとわかったからです。レセプトのオンライン請求がかなり普及してきたことから、医科レセプト又は歯科レセプトと調剤レセプトを電子的に照合することが容易になり、さらに、同一保険医療機関・同一患者に係る当月請求分と過去複数月のレセプト及び入院と入院外レセプトをそれぞれ電子的に照合する「縦覧点検」までもが可能になったようです。
 今まで、適応外処方や投与上限超過、漫然投与は、薬局で査定されることはほとんどありませんでしたが、「突合点検」および「縦覧点検」の実施により、薬担規則、療担規則にわずかでも抵触していたら、漏れなくピッキングされることになります。その結果、薬歴や処方せんの備考欄に、適正な疑義照会の記録がなかったら、おそらく薬局側、もしくは医療機関と薬局の両者から査定される可能性が大となると思われます。
 さらには、漢方薬の食後投与や、抗アレルギー薬の朝夕食後投与までもが、承認された用法と異なるという理由で査定されてしまうかもしれません。
 処方せんどおりに調剤・投薬すれば大丈夫という考えは、もうすでに時代遅れの感があります。黄昏の薬剤師は、今日もまた漢方薬の食後投与の処方医に「治療上必要なため食後にしてあるということでよろしいですか」と疑義照会し、医師から「いいからそのままで・・・・」という返答に、深々と頭を下げるのでした・・・・


HI3G0134
日経DIに速報が出ていました。2月10日に開催された中医協総会の答申案をまとめたものです。
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2012. 2. 10
2012年調剤報酬改定速報
【速報】新・調剤報酬の点数が明らかに
薬剤服用歴管理指導料が包括化、30点+15点→41点で実質引き下げ

 中央社会保険医療協議会総会が2月10日開催され、2012年度調剤報酬改定の答申案がまとまり、厚生労働大臣に答申された。点数を含む概要は以下の通り(一部抜粋)。

●後発品の使用促進策
 後発医薬品調剤体制加算の調剤数量の割合(20%以上[6点]、25%以上[13点]、30%以上[17点])が改められ、基準が22%、30%、35%に引き上げられるともに、点数がそれぞれ5点、15点、19点に変更される。
 今改定から、調剤数量の割合を算出する際に、漢方製剤および生薬を分母から除外するため、多くの薬局で従来の後発品使用率が2〜3%上がると予想されている。この結果、例えば、現在25%をぎりぎりクリアして13点を算定している薬局では、改定後の後発品使用率は27〜8%となるものの、新点数の15点(30%以上)には及ばないため、13点→5点でマイナス8点と大幅な減収となる。
 また、今改定と同時に、処方箋様式が再度変更され、個々の医薬品について後発品への変更の可否を明記する形になる。
 さらに医療機関に対しては、一般名処方を行った場合の加算が新設される。これは、処方箋に1剤でも一般名が書かれていれば、処方せん料に2点を加算できるというもの。これを機に、薬局では一般名が書かれた処方箋を扱う機会が急増するとみられる。

●薬剤服用歴管理指導料の包括化
 薬剤服用歴管理指導料(処方箋の受け付け1回に付き30点)の算定要件に、(1)お薬手帳の記載と情報提供、(2)残薬の確認、(3)薬剤情報提供文書による後発品の情報提供──といった新たな項目が追加され、41点に引き上げられる。
 これに伴い、薬剤情報提供料(15点)は廃止。また、後発医薬品調剤加算(一調剤に付き2点)および後発医薬品情報提供料(処方箋受け付け1回につき10点)も廃止される。
 この包括化で、これまで継続的にお薬手帳を使って服薬管理指導を行ってきた患者では、少なくとも調剤報酬が4点引き下げられることになる。
 また、今回発表された算定要件を厳密に解釈すると、「お薬手帳は不要」と断るような患者に対しては、41点の薬剤服用歴管理指導料の全てを算定できないことになる。お薬手帳による情報提供に関する要件は、今後発表される通知等で緩和される可能性がある。

●乳幼児服薬指導加算の新設
 6歳未満の乳幼児への服薬指導について、薬剤服用歴管理指導料に加算できる「乳幼児服薬指導加算」(5点)が新設される。これに伴い、調剤料の自家製剤加算および計量混合加算にある「特別の乳幼児製剤を行った場合」の項目は廃止される。

●服薬情報等提供料の新設
 調剤情報提供料(月1回限り15点)、服薬情報提供料(同15点)を廃止し、これらを統合した「服薬情報等提供料」(同15点)を新設する。

■関連資料(厚生労働省)
中央社会保険医療協議会総会(第221回) 議事次第
河野 紀子=日経ドラッグインフォメーション
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 「薬剤服用歴管理指導料が包括化、30点+15点→41点で実質引き下げ」の見出しに、眉間にしわを寄せて深刻な表情を浮かべている薬剤師の方々は多いでしょう。黄昏の薬剤師は、この2年に1度のビッグイベントが行われる度に、大多数の薬剤師の皆さんが、「いったいどうしたら算定できるのか?」をあれこれ模索し始める姿を目の当たりにしてきました。私自身も当然その一人であることに間違いありません。
 算定要件は何か? 薬歴に何を書いたら算定できるのか? を考えているうちは、現実問題として手も足も出ないというのが本音だと思います。ですが、本来の薬歴の趣旨である、処方せんのみからは判断できない投薬上の問題点を、過去の患者情報に照らしあわせて確認し、良質かつ適切な医療を提供するためのものであることを十分理解すれば、やるべきことは自然に見えてくるはずです。そのためには、幅広い医学薬学的知識や最新の知見を常に収集するための自己研鑽が必要になってきます。
 「今回発表された算定要件を厳密に解釈すると、「お薬手帳は不要」と断るような患者に対しては、41点の薬剤服用歴管理指導料の全てを算定できないことになる。」この記事を読んだ皆さんは、恐らく、(歴)の算定率が大幅に下がるだろと思い悩んでいることと察します。しかし、黄昏の薬剤師は、これを薬剤師の職能を発揮するいい機会だと捉えています。つまり、お薬手帳は不要の人だから(歴)は算定できないのではなく、お薬手帳は不要という人こそ、病識・薬識が不十分で、より適切な服薬指導が必要なはずなのです。お薬手帳の必要性を簡潔、適切に指導し、お薬手帳の有用性を自覚できるまで、来局毎に継続的に指導していくことが(歴)の算定要件の一つであるはずです。手帳を忘れてきた、シールは薬が変わった時だけでいい、などと言われ、手帳加算をわざわざ外していた薬剤師は、今年の4月から、きっと(歴)をはずすことになるでしょう。
 まさに、お薬手帳の普及からお薬手帳の活用の時代の到来となりました。一部では、スマートフォンを利用したお薬手帳も試験的に実施されているようです。現在は、カルテや薬歴簿はまだ医療機関ごとに管理されていますが、クラウドを利用した「患者ごと」の管理が現実味を帯びてきています。手帳を忘れてきたから(手)が取れないというのは、もうすでに時代遅れの発想だと思います。
 手帳を忘れてきたという患者さんにシールを手渡し、次回来局時にきちんと貼り付けがされていることを確認して、重複投薬や相互作用の問題がないことを確認する意識が常にあれば、手帳忘れなのに算定するのはいけないという発想自体、次元が違うことに気づくはずです。黄昏の薬剤師は、1ページ飛ばして貼り付けられているシールを見る度に、ただ機械的に貼っている薬局の姿を想像して「薬剤師のミタ」を演じるのでした・・・・

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 黄昏の薬剤師が薬局薬剤師になって間もないころ、先輩の薬剤師に、「前回と同じ処方のことをDoっていうんだよ」と教わりました。以来、「今日は薬変わっている?」「いいえ、Doです」とか、「前回Doで作っておいて」とか、「○月△日とDoでよろしいでしょうか?」といった、所謂「業界用語」のような会話が、ごく普通に行われるようになりました。このDoって一体どういう意味なのでしょうか?
お笑い芸人のナイツのように、ゴーグルとヤッホーで調べてみました。

1、“同”の音読みで“do”と書き、英語の動詞“do”にちなんで“ドゥー”と読む。ただし、英語では医学用語としてあるいはカルテ用語として“do.”は使わないらしい。
2、処方箋やカルテに記入する際に、「同じ」を意味する略語として使われる記号。「繰り返す、コピーする」の意味の英語「ditto(ディトウ)」に由来する。「前回do」、「Rp. do」、「do処方」などと書き、全て「前回と同じ処方」を意味する。
3、ラテン語で「同上、同前」。医療での処方や指示のこと。dittoと記載されることもある。

 諸説あるようですが、おおよそ「前と同じ処方」を意味するらしいということが見えてきました。実はこのDoの使い方で、私が困惑することが度々あるのです。
 薬歴簿に引き継ぎ事項として前回Doと書いてあるのですが、いつのことを言っているのか? 処方日数が変わっているのにDoってどういう意味か? 今回は臨時処方や処方変更がなく、定期薬のみの処方だと言いたいのか? いろんな疑問が湧いてきます。ついこの間もこんなことがありました。他の薬剤師が監査してあった薬を投薬する際、前回Doとメモがあったので、「前回と同じですね」といって投薬しようとしたところ、「いや、薬が余っているので、これとこれは少なくしてほしいと言ってあるんだが・・・」と言われました。要するに、日数は違うけど、処方薬はいつもと同じという意味だったようです。
 しょっちゅうこのようなことが起きるので、黄昏の薬剤師は、以前のコメントでも書いたように、投薬前監査を必ず行うようにしています。そうすると、前回Doと書いてあっても、1年前のDoだったり、処方監査の見誤りで、規格や用量が変更になっていたり、挙句の果てには薬袋の中の剤数が違っていたりと、油断も隙も合ったものではないと脂汗をかくことがしばしばあります。ヒヤリ・ハットを通り越して、インシデントに限りなく近いものだと感じてしまいます。同僚の薬剤師を疑うわけではありませんが、他の薬剤師の前回Doは、必ず自分が再確認するようにしています。恐らく、自分で投薬する時には何の問題もないのでしょうが、他者への引き継ぎとしては、ある意味大きな危険をはらんでいると思います。
 このような事例を教訓として、黄昏の薬剤師は、前回Doは次のように使用するようにしています。○月△日とDo、○月△日の循環器科分とDo、○月△日の◇◇医師処方とDo、などです。且つ、Doは、用法、用量、日数も含めた完全一致を指すように使用しています。薬名だけや定期薬だけといった、自分にしかわからない表記には使わないようにしています。具体的には、○月△日より28→56日分へ、○月△日より1T→2Tへ、○月△日より5mg→10mgへ、などなどです。他人が見ても理解できる表記をすることは、自分がきちんと理解していることの確認にもなります。さらに、分かり易い生きた薬歴簿の記載にもつながります。次回担当した薬剤師が、ストレスフリーで監査、投薬ができる可能性もあります。
 今日もワンランク上の薬歴(神様の薬歴)を目指し、日々是精進の精神で薬歴を書いていますが、黄昏の薬剤師の書いた「横紋筋融解症」が「黄門筋融解症」と入力されていて、悲しいやら可笑しいやら・・・

HI3G0149
 日経DIオンラインに、2012年調剤報酬改定への道《Vol.3》が載っていました。

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2012. 2. 1

2012年調剤報酬改定への道《Vol.3》
調剤報酬改定の主要項目が明らかに
進む個別点数の整理・統合、一般名処方にインセンティブも
 1月27および30日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、2012年度調剤報酬改定における主要項目が公表された。概要は以下の通り。

●薬剤師による在宅患者訪問薬剤管理指導をさらに普及させる観点から、在宅業務に十分対応している薬局が算定できる「在宅患者調剤加算」を新設する。同加算は、過去1年間の訪問薬剤管理指導の実績や医療機関への周知などを施設基準とし、在宅患者の処方箋受け付け1回ごとに算定できるようにする。

●小規模の薬局同士が連携し、主に在宅訪問指導を担当している薬局が対応できない場合に、別のサポート薬局が対応した場合にも調剤報酬を算定できるようにする。

●薬学管理および指導を充実させるため、薬剤服用歴管理指導料の算定要件に、(1)お薬手帳の記載と情報提供、(2)残薬の確認、(3)薬剤情報提供文書による後発品の情報提供──といった項目を新たに追加し、点数を引き上げる。これに伴い、薬剤情報提供料は廃止する。

●6歳未満の乳幼児への服薬指導で、薬剤服用歴管理指導料に加算できる「乳幼児服薬指導加算」を新設する。これに伴い、調剤料の自家製剤加算および計量混合加算にある「特別の乳幼児製剤を行った場合」の項目は廃止する。

●門前の医療機関に合わせて開局時間を設定している場合は、基準調剤加算を算定できないようにする。また、基準調剤1の備蓄医薬品数の要件を700品目以上(現状は500品目以上)、基準調剤2は1000品目以上(同700品目以上)に増やす。

●調剤情報提供料、服薬情報提供料を廃止し、これらを統合した「服薬情報等提供料」を新設する。

●後発品の使用促進策については、後発医薬品調剤体制加算の調剤数量の割合を22%、30%、35%に引き上げ、点数にメリハリをつける。また、処方箋様式を変更し、個々の医薬品について後発品への変更の可否を明記する形にする。医療機関に対しては、一般名処方を行った場合の加算が新設される。

●病院勤務医の負担軽減の観点から、薬剤師の病棟での業務を評価した「病棟薬剤業務実施加算」の新設をする。入院患者の持参薬の確認および服薬計画の提案、薬剤の相互作用の確認、抗癌剤のミキシングなどを行った場合に、入院患者1人当たり週1回算定できる。ただし、療養病棟と精神病棟では、入院日から4週が算定の上限となる。病棟ごとに専任の薬剤師を配置することなどが施設基準で、1病棟当たり週20時間の業務時間が想定されている。

 なお、それぞれの具体的な点数に関しては、2月中旬に開催される中医協で公表される見込みだ。

河野 紀子=日経ドラッグインフォメーション

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 なんといっても、改定の目玉は、薬剤服用歴管理指導料の算定要件でしょう。全てを満たして(歴)となるのか、はたまた、(1)お薬手帳の記載と情報提供、(2)残薬の確認、(3)薬剤情報提供文書による後発品の情報提供、それぞれが加算となるのか、あるいは、(歴1)、(歴2)、(歴3)、などと差をつけてくるのか、現時点では予断を許さない状況です。
 黄昏の薬剤師は、どの項目も、薬剤師として当然やってしかるべき業務であると考えています。ただし、毎回全ての項目を機械的にチェックすればいいのかといえば、決してそういうものではありません。かつての(特指)が、結果的には6項目への機械的な○付けに終って終焉したように、機械的にやっただけでは、またすぐに見直されてしまうでしょう。個々の患者の特性に応じ、必要な項目を必要に応じて行う、というコンセプトをきちんともって行わなければ、いたずらに作業量だけが増えてしまうだけです。6項目への○付けを忘れるのは、それが「意味のない形式的な作業」だからです。薬歴管理指導上、必要な情報であれば、当然記載されるはずです。体裁だけを整えようとするから、中身のない機械的な○付けになり、○を付け忘れる根源となってしまいます。カゼ薬を服用していた患者さんに、眠気がどの程度だったか、日常に差し支えなかったか、仕事や学業への影響がなかったか、インペアードパフォーマンスが生じていなかったか、などといったことを的確にモニタリングし、服薬状況や体調変化の項目に簡潔に記載できるか否かが、真の意味での「薬剤服用歴管理指導料の算定要件」になるかもしれません。当然、併用薬や飲食物の摂取、合併症の様子の確認も、自然な流れで確認が必要になってきます。
 以前のコメントでも触れましたが、どうしたら算定できるかを考えるのではなく、良質かつ適切な医療を提供するために必要なことは何かを考えなければなりません。カゼ薬で眠気が出たら困るという患者さんに対した時、なぜ困るのか、代替薬は何かを自信をもって処方医に提案できるような職能が、今まさに薬剤師に求められつつあります。でも・・・疑義照会の電話をもつ手がじっとりと汗ばんでいる、チキンハートの黄昏の薬剤師でした・・・
 

HI3G0147
 先日、こんな記事を目にしました。

 東京・虎の門病院の過剰投薬:薬剤師に賠償命令 医師らの責任も−−東京地裁 虎の門病院(東京都港区)で入院中に死亡した大学教授の男性(当時66歳)の遺族が、過剰投薬が原因として、病院を運営する国家公務員共済組合連合会や担当医らに約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(浜秀樹裁判長)は10日、連合会と投薬を指示した担当医や、薬剤師3人の賠償責任を認め、2365万円の支払いを命じた。医療過誤訴訟で薬剤師の責任を認める判決は異例

 判決によると、男性は肺がんで入院していた05年10月、併発した肺炎の治療薬「ベナンバックス」(一般名ペンタミジン)を通常の5倍の量で3日間投与され、11月に腎不全などで死亡した。臨床経験3年目の担当医が薬品マニュアルを見た際に、隣のページの別の薬品と見間違えて投薬を指示していた。

 薬剤師法は、医師の処方箋による指示がなければ薬剤師は薬を調剤できないとする一方で「処方箋に疑わしい点がある時は、医師に確認した後でなければ調剤してはならない」とも定める。

 薬剤師のうち実際に調剤したのは1人で、2人は投与量を確認する立場だった。判決は「ベナンバックスは劇薬で重大な副作用を生じることがある。5倍の量だったことを考えると、薬剤師は指示に疑問を抱いて担当医に確認する注意義務があった」として3人の過失を認めた。   毎日新聞 2011年2月11日

 黄昏の薬剤師は、こうした出来事を見るたびに、薬剤師の職能とは何かを自問自答します。薬を準備する、いわゆる調剤行為は、今後、どんどん機械やコンピューターに取って代わられます。もしかしたら、ASIMOがピッキングしてくれる時代がくるかもしれません。すばやくピッキングできることが薬剤師の仕事とはいえない時代がもう目の前に迫っています。その時、「この処方せんは、疑わしい点があるので、まだ調剤しないでね」と言える薬剤師になりたいと願っております。う〜ん・・・と悩んでいたら、ASIMOに「ジョウヨウリョウノ 5バイデス ホントウニヨロシイデスカ?」と、警告受けるかも知れませんが・・・・

HI3G0138
 黄昏の薬剤師の勤務する薬局は、ピッキングシステム、散剤監査システムを導入しています。導入する以前は、類似薬や規格違いをピッキングしてしまうヒヤリ・ハットが多々ありましたが、システムの導入により、インシデントは大きく減少してきました。
 ところが、このシステムにも問題がないわけではありません。ピッキングシステムによる監査支援は、処方入力と連動していて、入力とピッキングが一致した場合に○が出ます。一致しない場合は、何が一致していないかを警告してくれるものです。ここで、皆さんによく考えて頂きたいことがあります。ピッキングシステムで○がでると、かなり高い確率で、薬剤師は「薬が合っている」と、安心してしまいます。つまり、頭の中で、揃えられた薬は合っているから大丈夫だという気持ちが無意識の中に働き、本来やるべき総合監査、最終監査が甘くなる可能性が出てきます。
 最近の事例を紹介します。処方薬にサワシリン250mgが処方されていましたが、処方入力、ピッキング共にサワシリンカプセル250mgで調剤が行われました。その結果、皆さんお分かりだと思いますが、ピッキングシステムには○が表示されます。しかも当薬局ではサワシリンカプセル250mgが圧倒的に多く処方されています。これを見た監査担当者がもし皆さんだったら、この剤形違いを見抜く自信はあるでしょうか? この事例、監査を担当した薬剤師は、中途採用して半年の方で、投薬する直前、まさに寸でのところで気が付き、訂正することができました。運がいいことに、事前に処方医から「サワシリンの錠剤を在庫しているか?」という問い合わがあったことを、電話の横で偶然耳にしていました。当薬局で多く出ているのはカプセルであるという認識も、入社半年ということであまりなかったことも功を奏したかもしれません。それにしても、かなりのファインプレーだと感心致しました。
 監査システムの○は、薬が合っていることを担保したものではなく、当然そのまま投薬してよいというものでもありません。監査システムを導入した当初、処方入力した結果がプリントアウトされ、そこには「指示書」なる表題が大きく印字されていました。さらに、投与総量や棚番も印字されているため、ピッキング者は、本来やるべき処方せんによる調剤ではなく、指示書を見ながら調剤をするようになりました。結果は自ずと理解できると思いますが、「指示書」どおり調剤すると必ず○が出てしまいます。これは、いわゆる、監査システムの誤った運用であります。投薬する前に○を確認するという、監査支援システムの本来の使用方法が、○を出せば薬は合っているという、本末転倒の事態を引き起こし、処方入力と調剤行為は全て合っていたが、処方せんだけが違っていたという悲しい結末を頻発させました。
 どんなに便利なシステムでも、その運用方法が間違っていては、逆にインシデントを誘発する原因になってしまいます。黄昏の薬剤師は、監査システムの○はあまり重要視せず、警告が出た時に、その警告の原因究明に全力を注ぐようにしています。○が出たときは、監査システムは最初からなかったものとして総合監査を行います。警告を精査して、類似薬や規格違いが発覚する事例は、ほぼ毎日のように発生します。この時、「どうせスキャンミスか通信障害だろう」と決め付けた瞬間、ほぼ間違いなくインシデントが起きています。ましてや、後算定ならぬ後スキャンをしようものなら、せっかくの貴重な警告を○で上塗りして、ヒヤリ・ハットを隠ぺいする行為に等しいと感じます。「思い込んだら調剤過誤」  〜だろう調剤から、〜かもしれない調剤を日々肝に銘じ、監査に悪戦苦闘する黄昏の薬剤師ですが、ウィークリヒートは何度数えても、数える度に数が変わってしまいます・・・・

HI3G0225
 一包化された薬を監査する時、薬剤師のみなさんはどうやっていますか?ヒートの場合は当然(恐らく無意識のうちに)タグあるいはシートの薬品名や規格を確認しているはずです。ところが、一包化の場合、監査という作業が薬剤師ごとでまちまちのことが多いのではないでしょうか。
 一番多いパターンは、ヒートの殻で薬品名、規格等を監査し、次に一包中の錠剤の数を確認している場合だと思います。これって、実は大きな落とし穴を含んでいませんか?
 バラ錠を分包する時は、薬瓶のラベルを確認しているはずです。当然、ヒートの殻は存在しませんので、おのずと「錠剤の刻印」を確認しているはずです。つまり、刻印監査が、一包化された薬を確実に識別する唯一の手段であるわけです。ヒートの殻があっていても、分包紙の中に正しく入っているとは限りません。自動分包機のカセットへの充填ミスで、違う薬を投薬してしまうというインシデントは、枚挙に暇がありません。
 黄昏の薬剤師は、一包化された薬を監査する時、敢えてヒートは見ないようにしています。ヒートが合っていると、無意識のうちに「正しく分包されている」と誤解する恐れがあるからです。先に刻印あるいは錠数を確認し、違いがあればヒートを見るようにしています。
 最近、こんなことがありました。大きさと色(白色)がほぼ同じで別の錠剤が混入してたというものです。実は、分包機の中にひっかかっていた前回の錠剤が、今回の分包の際に一緒に落ちてきたというものです。たまたま、錠数が違ったため、単純に錠剤が飛んだと思っていましたが、ヒートの数と合わないため何か嫌な予感はしたのですが、再分包しました。再監査の時、まさに虫の知らせか神のお告げの様なものがあったのか、偶然最初に見た「刻印」が、別の薬剤でした。若干10数年ほど調剤をやっている黄昏の薬剤師ですが、今までの監査人生のなかでも、スーパーファインセーブに入るのではないかと感じました・・・・ 平静を装っていましたが、内心ガッツポーズでほくそ笑んでいました。
 一生懸命、真剣にヒートの殻を眺めている薬剤師は多いと思いますが、是非、その労力を「刻印」の監査にあてて欲しいと思います。因みに、黄昏の薬剤師三種の神器は、境目のない遠近両用メガネ、LEDペンライト、虫めがねでございます・・・・

PAP_0315
 薬歴管理指導料とお薬手帳が一本化されたり、ハイリスク薬の算定要件が見直されると、個別指導のターゲットが絞りやすくなります。(歴)の算定が、お薬手帳の活用を前提して算定する形になるため、算定要件を満たしていないと判断されると、まるごと返還請求されるされることになります。薬局経営自体が成り立たない可能性が大になります。
 ただシールを貼るだけで(手)を算定していた薬局は、おそらく重複投薬や相互作用はノーチェック(に等しい)でしょうから、重複・相互作用防止加算1、2、なんてものの、存在すら知らないかもしれません。最近では、かなりの薬局がオンラインでレセプト請求していると思います。非常に便利である反面、加算等がすべてデータ化されていますから、(歴)や(手)の算定件数や割合が即座に集計することが可能になります。これは何を意味するかというと、支払基金や国保連合会が、もしその気になれば、(歴)の算定率に対して重複・相互作用防止加算の算定率が著しく低いか皆無だった薬局を簡単に抽出できることになります。つまり、薬局が、きちんと手帳を確認して、重複投薬や相互作用をチェックしたのち、適正な服薬指導をしたうえで(歴)を算定しているかどうかを、数値でスクリーニングできることを表しています。
 さらに、ハイリスク薬の算定要件が明確化されると、おそらくですが、「ハイリスク薬管理指導ガイドライン」の内容が色濃く反映される可能性があります。以前、このブログの中でも触れましたが、ワーファリンを服用している患者さんに、なぜ納豆を食べてはいけないかを説明できる程度の知識や能力が、薬歴簿の指導事項に反映されていることが求められるかもしれません。また、バイタルサイン、検査値等の確認にとどまらず、そこから導き出される病態の推移、予見される副作用の発現の可能性や予防策などの考察と、それに基づく適正な指導事項が記載されているか、といったことが要求されるかもしれません。筋肉痛の有無で横紋筋融解症のチェックをしているというだけでは不十分で、CPKの数値や尿の赤褐色化の様子まで踏み込んだ、科学的かつ客観的なA(assessment)が記載されていないと、算定要件を満たしていないと判断される可能性もあります。
 黄昏の薬剤師は、血液検査の結果を持っている患者さんがいれば、極力コピーをとらせてもらっています。薬が変更になった患者さんの検査結果を見た時、AST、ALTが上昇していることがしばしば見受けられます。ARBを飲んでいる患者さんの場合、Na、K、Cl にも注意して見るようにしています。ですけど、時には「医者でもないのに何でそんなことするの?」いぶかられることもあります・・・・その時は丁寧に理由を説明しなければなりません・・・・じゃあいいです、とは口が裂けても言わないように努力している次第です・・・・

HI3G0009
厚生労働省は1月13日、中央社会保険医療協議会総会を開催し、2012年度診療報酬改定に向けた「これまでの議論の整理」(案)を示しました。以下に、調剤報酬に関する部分の抜粋を記載いたします。
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掘檻 調剤報酬について
(1)薬学的な管理・指導の充実を図る観点から、以下の見直しを行う。
お薬手帳を通じて薬剤情報を共有することの有用性が再認識されている
ことから、薬学的管理指導のさらなる質の向上を図るため、薬剤服用歴管
理指導料と薬剤情報提供料を包括的に評価する。また、医薬品のさらなる
適正使用を図るため、薬歴を活用した残薬確認についても評価する。
特に安全管理が必要な医薬品(ハイリスク薬)が処方されている場合の
算定要件を明確化するための見直しを行う。
乳幼児への薬学的管理指導に関しては、現行では、調剤技術料(自家製
剤加算及び計量混合加算)の中で調剤から薬学的管理指導に至る内容が評
価されているが、点数設定を含め、現行の扱いを整理するとともに、薬剤
服用歴管理指導料への加算を新設する。
(2)調剤報酬の中で適正化できるものについては、以下の見直しを行う。
基準調剤加算の施設基準については、算定要件である備蓄医薬品数は実
態等を踏まえた品目数とすること、また、特定の医療機関の開業時間等に
応じた開局時間を設定している薬局は算定要件を満たさないこととするよ
う見直しを行う。
薬学管理料における、調剤情報提供料、服薬情報提供料等については、
一連の調剤・薬学的管理指導行為の中で算定されるものであるため、整
理・統合する方向で見直しを行う。

効率化余地があると思われる領域を適正化する視点

検檻 後発医薬品の使用促進について
(1)後発医薬品調剤加算及び後発医薬品情報提供料については、後発医薬品調
剤体制加算の見直し等にあわせて、整理合理化するとともに、保険薬局にお
ける後発医薬品の調剤を促すため、調剤基本料における後発医薬品調剤体制
加算の要件を見直す。
具体的には、現行の加算の要件(数量ベースでの後発医薬品の使用割合
が20%以上、25%以上及び30%以上)について、22%以上、30%以上及び
35%以上に改めるとともに、評価については、軽重をつける。
なお、現状、「経腸成分栄養剤」及び「特殊ミルク製剤」は、1 回の使用
量と薬価基準上の規格単位との差が大きいため、数量が大きく算出されるこ
と、かつ後発医薬品が存在しないことから、後発医薬品の使用割合(数量ベ
ース)を算出する際に除外しているところであるが、同様の観点から、「漢
方製剤」及び「生薬」についても除外する。
(2)後発医薬品に関する患者への情報提供を充実させる手段として、保険薬局
での調剤に際し患者に渡される「薬剤情報提供文書」を活用して後発医薬品
に関する情報(後発医薬品の有無、価格、在庫情報)を提供した場合に、薬
学管理料の中で評価を行う。
(3)医療機関における後発医薬品の使用を進めるため、後発医薬品使用体制加
算の現行の要件(後発医薬品の採用品目割合20%以上)に「30%以上」の評
価を加える。
(4)保険薬局における後発医薬品の在庫管理の負担を軽減するため、医師が処
方せんを交付する場合には、一般名による処方を行うことを推進する。
なお、一般名処方を行った場合の処方せん料の算定においては、「薬剤料における所定単位当たりの薬価」の計算は、当該規格のうち最も薬価が
低いものを用いて計算することとする。
(5)現行の処方せん様式では、「後発医薬品への変更がすべて不可の場合の署
名」欄があり、処方医の署名により処方薬すべてについて変更不可となる形
式となっているが、個々の医薬品について変更の可否を明示する様式に変更
する。
(6)「後発医薬品の品質確保」については、これまでも医療関係者や患者の信
頼を確保するために、アクションプログラムに基づき、国、後発医薬品メー
カーそれぞれが取組を実施しているところであるが、今後は、後発医薬品メ
ーカーによる品質の確保及び向上への取組、情報の発信をより一層促すとと
もに、これに加え、以下の取組についても実施する。
厚生労働省やPMDA等が中心となり、医療関係者や国民向けの後発医
薬品についての科学的見解を作成する。
ジェネリック医薬品品質情報検討会の検討結果について、より積極的に
情報提供を図る。
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 要約しますと、
1、薬歴管理指導料と薬剤情報提供料(お薬手帳)を包括的に評価する。
2、薬歴を活用した残薬確認について評価する。
3、ハイリスク薬が処方されている場合の算定要件を明確化するための見直しを行う。
4、乳幼児への薬学的管理指導に関して、現行の扱いを整理し、薬歴管理指導料への加算を新設する。
5、基準調剤加算の施設基準について、特定の医療機関の開業時間等に応じた開局時間を設定している薬局は算定要件を満たさないこととするよう見直しを行う。
6、調剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の要件を見直す。22%以上、30%以上及び35%以上に改めるとともに、評価については、軽重をつける。
7、「薬剤情報提供文書」を活用して後発医薬品に関する情報(後発医薬品の有無、価格、在庫情報)を提供した場合に、薬学管理料の中で評価を行う。
8、保険薬局における後発医薬品の在庫管理の負担を軽減するため、医師が処方せんを交付する場合には、一般名による処方を行うことを推進する。
9、現行の処方せん様式では、処方医の署名により処方薬すべてについて変更不可となる形式となっているが、個々の医薬品について変更の可否を明示する様式に変更する。
10、「後発医薬品の品質確保」については、今後は、後発医薬品メーカーによる品質の確保及び向上への取組、情報の発信をより一層促すとともに、 厚生労働省やPMDA等が中心となり、医療関係者や国民向けの後発医薬品についての科学的見解を作成する。

 以上の案件が示されました。注目すべきは、お薬手帳の点数が薬歴管理料に一本化される、残薬確認にフィーが付く、ハイリスク薬が処方されている場合の算定要件を明確化する、旧態依然の門前薬局は基準調剤加算の施設基準算定要件を満たさなくなる、薬情書で後発医薬品に関する情報を提供するとフィーが付く、一般名による処方を行うことを推進する、処方せん様式を個々の医薬品について後発変更の可否を明示する様式に変更する、といった点が挙げられます。
 黄昏の薬剤師は、2年前からハイリスク薬加算はあっさりなくなると思っていましたが、どうやら見直すようです。算定要件を明確化するということは、個別指導や会計監査もやり易くなるということなので、要注意かもしれません。お薬手帳の点数が薬歴管理料に一本化されるということも、(歴)を取るということは、お薬手帳を十分活用していることが前提になることを明示するための改定と捉えられます。つまり、(歴)を算定しているのに、重複・相互作用防止加算が全く算定されていない場合、本当にお薬手帳を活用しているのか、単純にシールを貼るだけで算定してないかをチェックされる可能性があります。ハイリスク薬加算と同様に個別指導の格好のターゲットになる可能性があります。また、開局時間が門前病院と同じというだけで基準薬局にもなれなくなるようです。後発品の使用促進はさらにヒートアップしてきます。一般名処方も増えてくるかもしれません。
 時代の潮流に上手く乗れるか、流されるか、取り残されるか・・・・我々薬剤師の真の実力が試される2年に一度のビッグイベントまで3ヵ月をきっています。黄昏の薬剤師は、診療報酬改定専門薬剤師?!の認定を目指して、今日もせっせと6項目の○付けにあくせくし、手帳用紙の貼り間違いの修正に勤しんでおります・・・・ でも、渡し忘れた薬情がプリンターの上に静かにたたずんでいました・・・・

HI3G0004
 喘息だという患者さんが、「半年前からこの歯磨き粉を使っているんだが、よく見ると喘息の方は医師にご相談下さいと書いてある。大丈夫だろうか?」と言って来局しました。「これを使ってから咳がでるような気がする」とおっしゃっています。
 全く理由が分からないので、メーカーに直接電話してみました。その返答は、「メントールが含まれていますので、粘膜を刺激して咳を誘発する場合があります。注意喚起のため記載しています。」とのことでした。要は、ワサビや辛子が変なところに入ってむせるのと何ら変わりないようです。注意喚起というより、余計な不安を煽っているように感じます。気道が過敏な状態であれば、メントールに限らず、わずかな刺激でも咳が出るのですから、当たり前のことをわざわざ表記して、いったい何をしたいのかと勘ぐってしまいます。
 黄昏の薬剤師は、社会に氾濫する情報の中から、何が正しく必要な情報なのかを取捨選択する能力が、薬剤師にも求められていると感じます。医薬品の添付文書には、実に様々な情報が記載されていますが、その中から、真に重要な情報を選択し、日常の服薬指導に反映していきたいと考えています。私は喘息ではありませんが、歯磨きをすると「おえっ〜おえっ〜」となります・・・・?! メントールのせいではありませんよね・・・・

HI3G0073
 調剤薬局が込み合っていると、「どれくらい時間かかりますか?」と尋ねてくる患者さんが次々とでてきます。しかしながら、飲食店などの待ち時間と決定的に違うのは、処方内容と服薬指導の内容により、おおよその待ち時間と大幅に違いが出てくることが度々起こることです。中には、処方せんは出したものの、時間がかかりそうだと思ったら無言で席をはずし、そのまま外出してしまう患者さんも出てきます。
 病院に来院する方は、診察を受ける、薬(処方せん)をもらう、その他、事務的な手続きをするといった目的で来院するため、通常は待合室から「いなくなる」ことはまずありません。ところが、薬局の場合、目的が「薬をもらう」ことのみの場合、すぐに欲しい薬でなければ、だまって待合室で待っている必要はありません。実際、待っている方がいない場合でも、「明日来ます」と言って帰られる方も結構います。
 投薬しようと思って名前をお呼びしても、返事がない場合、保留としなければなりませんが、これが往々にしてトラブルのもとになります。次の投薬が終わった後に、保留していた方の名前を呼んでもまだ返事がない場合、再度保留になるため、いつの間にか忘れられるという現象が起こります。無言でいなくなる方は、戻ってきても大抵は無言なので、順番がどんどん飛ばされていくのに、薬剤師も患者もお互い無言のまま時が過ぎ去り、最後に一人、待合室に残っている状態になってから、「あの方は誰?」ということなり、緊迫した事態に陥ります。
 一方で、閉局の時間になっても戻ってこない方もいます。処方せんを受け取ってしまった以上、薬局にいないからキャンセルというわけにはいかないのが事態を複雑にします。こういった患者さんに限って、「いつまでたっても呼ばれないから後から来てやったのに、なんで連絡もよこさないで閉まっているんだ」と苦情を言ってきます。少々込み合っているくらいなら、待っている患者さん、席をはずしている患者さんの状況を把握することもできなくはないのですが、まさにラッシュアワーの時間帯は、誰がどこにいるのかは、ほぼ把握不能となります。受付した順番に呼んだ時にいなければ、間違いなく後回しになってしまいます。
 黄昏の薬剤師は、こうした状況を薬剤師が危機感を持って改善していくべきだと考えています。医師の治療を受けに来た患者さんは、待合室からいなくなることは普通あり得ません。しかし、薬をもらいに来た患者さんは、緊急性がなければ黙って待っている必要がありません。つまり、薬局が薬を渡すだけの場所だから、患者さんは待ち切れずにいなくなるのだと思います。薬局が薬物治療を受けるための医療提供施設になった時、黙っていなくなる患者さんはいなくなると考えられます。レジ袋にまとめた薬を、患者の顔色をうかがいながら大慌てで渡している薬局では、今日もまた保留の薬が閉店のシャッターを静かに見つめています。「お聞きしたいことがあるので待っています」 患者さんにそう言ってもらえる薬剤師になりたいと日々奮闘している黄昏の薬剤師は、今日も待ち時間にご立腹して帰宅した患者のお宅に、薬をお届けに行くのでした・・・

HI3G0085
 12月16日、国立感染症研究所感染症情報センターが、今季のインフルエンザが「流行入り」したことを発表いたしまし。メディアの報道によると、北海道ではB型か検出されているようです。
 2011.11.4 の日経メディカル オンラインに興味深い記事が掲載されていました。「今シーズンも混合流行の兆し、ワクチン株との反応性が低いAH3亜型に注意」 − 今シーズンのインフルエンザウイルス分離・検出状況をみると、前シーズン同様、AH1型、AH3型、B型の混合流行の兆しが見えている。同時に、現在優位とみられるAH3型では、今シーズンのインフルエンザワクチン株との反応性が低い株も検出されていることから、「特に高齢者や乳幼児の重症化に注意すべき」との警告も発せられている。(中略) 混合流行との見方が主流である中、亜型の株の種類が異なったり、あるいはワクチン株との反応性が低い抗原性のウイルス株が検出されるなど、昨シーズンとは内容が変化しており、今後のインフルエンザウイルス流行状況には、これまで以上に注意する必要がある −
 黄昏の薬剤師は、すでに10月のうちに予防接種を済ませました。得意(?)の手洗いうがいも気を入れて行っています。調剤薬局のカウンターも、インフルエンザ感染のホットスポットですので、身を引き締めて投薬業務にあたる所存でおります。最後にワンポイントですが、咳、くしゃみによる飛沫感染も要注意ですが、ドアノブ、テーブル、蛇口のコック等からの接触感染が、実は見えない「落とし穴」であるとアドバイスをしている医師がいます。手指をアルコール消毒したから大丈夫と油断して、その後無意識にドアノブ等に触ることにより感染のリスクに曝されるというものです。「何かに触れた手で、安易に口、鼻の近くに触れない」ことが大切なようです。そういう意味では、マスクの着用は、口、鼻に手が直接触れないようにできるので有効な予防法だと考えられます。でも・・・気にしすぎると脅迫観念に駆られて仕事になりません。何事もほどほどでしょうね。

HI3G0071
 何を思ったか、特段、小説を読む習慣のない黄昏の薬剤師が、何の気なしにこの本を手にとって読み始めました。長野県の病院にて地域医療に従事する医師、夏川草介氏の作品です。
 この中の一節に、寺の山門で仏師が仁王を彫る話が出てきます。無造作にノミを使い、一打ちごとにたちまち眉が、たちまち鼻が浮かび現れ、見物人が驚嘆するというものです。それを見たある若者が、「あれは木に仁王を彫り込むんじゃない。最初から木の中に埋まっている仁王を彫り出すだけだから、容易なものなのだ」と不思議なことを言います。土に埋まった石を掘り出すようなものだから、間違えようもないと言います。
 小説は、次のように続きます。思えば医師の仕事も同じようなものかも知れない。もとより寿命なるものは人知の及ぶところではない。最初から定めが決まっている。土に埋もれた定められた命を、掘り起こし光を当て、よりよい最後の時をつくりだしていく、医師とはそういう存在ではないか、と。つまり、医療行為によって絶えそうな命を引き延ばしているなどと考えるのは傲慢だと綴っています。
 我々薬剤師(私だけかも?)は、時として、患者さんに対し、薬を出してやってる、薬で治してあげている、と錯覚することがあります。なんでちゃんと飲まないんだ、コンプライアンスが悪いから治らないんだ、などと、あたかも自分が薬物治療をしてあげているかのような思いを抱くこともしばしばあります。だされた薬をちゃんと飲めば良くなるという考えは、実は大きな誤解を含んでいるかもしれません。患者さんは薬が欲しいのではなく、病を癒したいから病院を受診しているはずです。裏を返せば、欲しいのは薬ではなく癒しであるとも言えます。極論を言えば、薬を渡さなくても、患者さんのお話をゆっくり聞いてあげるだけで治ってしまうケースもありそうです。実際、薬でどうこうするようなものではない病状を訴えてくる患者さんは沢山いらっしゃいます。
 病気を診るのではなく患者を診るのが医療である、と口で言うのは簡単ですが、実際我々は患者を見ているのでしょうか。早く薬をくれという患者に対し、順番を飛ばして優先して薬を出すことが、はたして薬物治療なのでしょうか。患者さんが、すぐに薬をもらって帰りたいという状況になってしまっている原因を見極めることが、よりよい医療の在り方を探る解決策の一つかもしれません。手っ取り早く薬を渡すだけなら、宅配便にはかないません。
 『神様のカルテ』は、涙なくしては読み進められませんでした。地名、人物名以外、限りなくノンフィクションに近いものだと感じました。『神様の薬歴』に少しでも近づけるよう、黄昏の薬剤師も微力ながら専心努力していきたい所存でおります。6項目の○付けを忘れているようでは、まだまだ程遠いですが・・・

HI3G0036
 書店で偶然目にした『テストの珍回答!』という本に、「問 フルマラソンの距離を答えよ 」「答え 421.95km」 一体何日かかるのでしょう・・・ というのが載っていて、新年早々大笑いしました。
 ある小児科の処方せんで、ムコダインシロップ  0.6 ml  分3  4日分 というものがありました。担当した薬剤師は、最低メモリが1mlのメートルグラスで、何とか2.4 ml を量りとっていましたが、これって笑えるでしょうか? 医師が(入力した事務員かもしれませんが)6 ml と一桁間違えたものですが、量った薬剤師も律儀な人でした。
 常用量の2〜3倍(2〜3分の1)だった場合は、何かおかしいとピンとくることがあっても、一桁違う場合、一見すると何の違和感も感じないことがあります。よくよく考えると、非常に危険なケースであることが分かります。仮に、パセトシン細粒 7.5 g 分3 10日分を調剤した後、クラリスDS 6 g 分3 5日分といった処方があった時、絶対に見逃さないという自信はあるでしょうか。
 黄昏の薬剤師は、常に処方の妥当性を監査することに重点を置いて、調剤・投薬業務に当たるよう心がけています。用法・用量はもちろんですが、患者の病状、医師の処方意図まで踏み込んで監査を行います。服薬指導中も、終始患者とのやりとりの中で疑わしい点はないかを確認しながら投薬をします。服薬指導の最中に、疑義が発生して事なきを得たこともありました。「先生が出した薬なんだから、そのとおり出せばいいんじゃないの? なんで疑うの?」という患者さんは、まだまだ沢山いらっしゃいます・・・・

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 独立開業を夢見て調剤薬局に転職し、幾年かが過ぎ去りました。夢見ていた頃は、まさに調剤薬局バブルの真っ最中で、病院の門前に建てれば面白いように儲かる時代でした・・・

 私のブログが、この出だしから始まって早6年、放置していた時期がありましたが、突然またコメントを始めるようになりました。処方せんと薬を交換する程度だった当時の調剤薬局は、少しずつですが医療提供施設に近づこうと奮闘しています。しかし、解決しなければならない問題は山積みで、来る平成24年度の診療報酬改定で、今度は何が求められるのかが注目を集めつつあります。
 黄昏の薬剤師は、どんなに時代が変わっても、薬剤師として変わらないもの、それは、医薬品のプロフェッショナルであることだと考えています。「そうだ!薬のことは薬剤師に聞こう」「Get the answer」といったキャッチフレーズが提唱された時期もありました。
薬剤師なくして薬物治療は成り立たない」くらいの存在価値を目標に、チーム医療及び地域医療における一翼を担うべく、日々精進し、切磋琢磨していくことが大切だと考えています。「説明はいいから早く薬をくれ」 「いいから処方せんどおりだしといて」 「なんで薬局なのに薬がないの?」 越えなければならないハードルは果てしなく高いですけれど・・・ 来年も宜しくお願いいたします。

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 特定疾患(全身性エリテマトーデスと思われる)の処方せんを持って現れた40代の女性が、困惑した様子で黄昏の薬剤師の薬局に現れました。「いつもの薬局に処方せんのFAXをして、薬を取りに行ったら閉まっていて驚きました。この薬、ここでもらえますか?」とのこと。PM3時過ぎの出来事でした。
 レバチオ、ブレディニン、その他約10数種類の薬剤があり、残念ながら、当薬局では閉局まで準備できそうにありませんでした。その患者さん曰く、今日の夜の分から薬がないとおっしゃっています。
 黄昏の薬剤師は、複雑な思いで、薬がもらえる確率の最も高い、処方せんを発行した病院の「門前」を紹介しました。ここでも取り寄せの薬があったようですが当日中にはすべての薬がそろうようでした・・・その患者さんは、ほっとした様子で「お手数をおかけしました・・・」と当薬局を足早に後にしました。
 閉局日時を周知していなかった薬局が悪いのか、閉まっていることを確認しなかった本人が悪いのかはわかりません。もしかしたら備蓄のなかった当薬局が悪いのでしょうか・・・ 休みの薬局のFAXだけが、無言で応需してくれたことだけは間違いないようです・・・

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 調剤薬局では、処方せん入力、ピッキング、監査、投薬がすべて別の人によって行われることがあります。最終的に投薬した薬剤師が最終責任者になることが多いと思いますが、時として問題が生じることがあります。
 処方せん入力とピッキングは、監査の時にチェックがかかる(それが監査なので当たり前ですが)のですが、これがFAXによる応需、あるいは後で薬を取りに来る等、監査と投薬が別の薬剤師になることがあります。以前、私が同僚の薬剤師から、近所の患者さんに薬の配達を頼まれたことがありました。服薬指導が終わっており、不足の薬があったため、後でまとめてお届けするという話になっていました。言われたとおり薬をお届けしたところ、少し経ってからその患者さんが再び来局し、「薬が違う」という申し出がありました。
 幸い、薬を正しいものと交換することで事なきを得ましたが、ショッキングだったのは、その同僚から「なぜ患者さんの前で見せて確認しなかったのか」と言われたことです。これがもし郵送や宅配だったらどうだったのでしょうか? また、申し送りに「Do」と書いてあっても「Doじゃない」ことが多々あります。監査者が投薬しない可能性が大の時は、処方監査(いわゆる処方内容の疑義の有無)はほぼ皆無といっても過言ではありません。
 黄昏の薬剤師は、経験上(拙い経験ですが)、FAXによる応需、あるいは後で薬を取りに来る等、監査と投薬が別の薬剤師になる可能性が高い場合、例えば、明日取りに来るという患者さんの処方せんで、監査を担当した薬剤師が当日休みの場合等、監査が甘く雑になる傾向があると考えています。恐らく、投薬者が最終確認をするだろうという監査者の思い込みと、監査されているから大丈夫だろうという投薬者の思い込みが、非常に高い確率で生じている可能性がありそうです。監査と投薬を同一薬剤師が行えば問題はないのですが、複数薬剤師がいる薬局では日常茶飯事に行われている光景です。
 私が導入している投薬の流れは、処方入力→ピッキング→監査→★投薬前監査★→投薬 です。この投薬前監査で命拾いしたことは枚挙に暇がありません・・・  地域の基幹病院の廊下に大きなポスターが貼ってありました。「思い込んだら 試練の道を〜♪」ではなく「思い込んだら調剤過誤」 身の引き締まる思いで後にしました・・・

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黄昏の薬剤師が勤務する薬局は、交代で昼休みをとるので、営業時間内はいつでも処方せん応需をしています。多分、ほとんどの薬局は、病院のような「昼休み」というものを設定してはいないと思います。
 先日、ちょうど私が一人で投薬している時に、たまたま昨日処方せんを置いていった患者さんが薬を取りに来ました。薬の準備もできていて、監査も終了していて、すぐに投薬できる状態になってはいるのですが、自分1人しかいないので、対応することができませんでした。その患者さんは、「昨日処方せんを置いていってるのになんで時間がかかるんだ!」とご立腹でした。
 私一人しかいなくて、しかも他の患者さんに投薬中なのですから、対応できるはずがないのは普通の人(良識のある人?)ならわかるはずですが、どうもご本人は納得がいかないようです。
 あるコラムで「患者はなぜ待ち時間で怒るのか?」という、興味深いコメントがありました。要約すると、患者が怒っているのは、待ち時間が長いことではなく、なぜ待たされているかがわからないことに怒っているのだと書かれていました。私も全く同感だと思いました。私1人しかいなかった上、投薬中だったため対応できなかったのはちょっと運が悪かったかもしれませんが、もし一言「今、対応できる者がいませんので、順番にご対応します」と言えていれば、患者さんのお怒りも少しは軽減できたかもしれません。ただ、服薬指導を途中で中断して他の人に対応するのは、かなりの勇気がいるかもしれません。一人薬剤師の皆さんは、どうやって対応されていますか?
 黄昏の薬剤は、処方せんをもって来局した患者さんに対し、最初の一言に命がけで(ちょっと大袈裟ですが?)挑むよう心がけています。「ただいま混みあっておりますので、○○分くらいお時間がかかるのですが・・・」
処方せんを出した後、何の対応もないと、ものの数分でご立腹する患者さんも、20〜30分待ってくれたり、後から取りにくるよ、と言ってくれたりします。初期対応の良し悪しで、うるさい(?)患者もころっと良い人(都合の?)に変わります。

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 どこの薬局にも、ちょっと変わった患者はいるもですが、この患者さんは当薬局のベスト3には入るおちゃめな方です。あれを吸うと咳がでないから、テープは貼ってないんだわ、沢山残ってるんだよな・・と相変わらずコンプライアンスが悪い患者さんです。
 ずっとテオドールとホクナリンテープを使っている方なのですが、一時具合が悪化し、ひどい咳に悩まされる時期がありました。その時処方されていたのがパルミコートタービュヘイラーでした。確かにロケットみたいな形をしているなと、少々関心しました。
 「あの白い錠剤で1ってかいてあるやつ・・」「あの平べったい長ひょろい薬・・」患者さんが表現する薬はまさに様々です。薬剤師からすると、自分の薬の名前ぐらい覚えておけよと叫びたくなりますが、じゃあ自分が過去に飲んだ薬をすべて覚えているかというと・・・たぶん同じ言葉が口を突いてくるに違いありません。このロケットみたいなものが、パルミコートタービュヘイラーであることは、薬歴簿から判断できたのでよかったですが、お薬手帳の必要性が垣間見えた一例でした。
 お薬手帳に用紙を張り付けて15点を算定している薬局が、今月は算定率が低かったな・・算定もれに気をつけようだの、必ずお薬手帳を持ってくるよう声掛けを徹底しようだの、とかく15点を取ることに必死になっていますが、大事なことがなされていない気がします。以前のムコスタの3重投与の記事にも関連するのですが、貼るだけ貼って、本来の目的である「重複投薬・相互作用」の確認が全くと言っていいほどなされていません。患者さんに「この薬とあそこの薬は一緒に飲んでも大丈夫ですか?」と尋ねられ、慌てて手帳をめくってみると、全く同じ薬がでている!・・・本末転倒も甚だしい気がします。
 黄昏の薬剤師は、以前から重複投薬・相互作用防止加算というものを積極的に算定しようと試みています。10数年くらい前は、算定基準のハードルが高く、取るのが厳しい加算でしたが、お薬手帳の普及に伴い、現実的な算定基準になってきました。薬局機能評価の一つでもある「医療機関では把握しにくい、複数科受診の際の薬の重複や相互作用を管理する」という機能が、患者さんに少しでも認知されるよう努力している次第です。
 患者から「丸くてオレンジ色の薬を飲んでいるのだけど・・・」と尋ねられた時、すかさず「お薬手帳をお持ちですか?そこに薬の名前が書いてあるのですが」と言うようにしています。お薬手帳の有用性を説明できる絶好のチャンスで、うまくいけば手帳加算15点と重複防止加算1の20点、併せて35点が算定できます。ハイリスク薬の4点に四苦八苦するより、よっぽど効率的です。ただし、「なんでこんなに薬代が高いの?」と聞かれた時の理論武装はしっかりしておかないと痛い目をみます・・・

HI3G0084  血圧計がちゃんと動かないので見てほしいという初老の男性が薬局に訪れました。測定ボタンを押すと、動作音はするのですが、圧力がほとんど上昇しません。いつ購入したかを尋ねると、20年は経っているとのことでした。
 家電は、ものにもよりますが、5年もつのが一般的で、10年以上使えれば長寿(?)家電と考えられているようです。電動性の医療器具も同様と考えられるので、20年はまさにギネスもので、天寿を全うしたと思われます。
 これとはやや異なりますが、自己血糖測定機が故障していると訴えてくる原因の第一位は、測定チップの期限切れです。エラーコードの意味が理解できないからなのですが、コードで表示されるのは、実際薬剤師がみても分かりにくいものです。
 ここで注意しなければいけないことは、測定できない場合はさほど問題にはなりませんが、測定値が正しくない場合は深刻な問題が生じることです。エラーコードの意味が理解できない測定者本人は、表示された数値が正しいものであるかどうかを判断することは、ほぼ不可能であると思われます。セルフメディケーションにおいて、本人自身が測定した血圧値や血糖値を適正に判断・評価できるのは、医師、薬剤師、看護師等、医療の専門家に限られます。万が一、本来出るべき異常値が、基準値内と表示されてしまったら・・・考えただけでも背筋がぞっとします。測定できないんですが? と言われた方が、この数字ってあってますか? といわれるより全然ましです。
 黄昏の薬剤師は、こうした患者(消費者)さんのセルフメディケーションをサポートできる最も近い位置にいるのが、薬局薬剤師であると考えています。「そんなの電気屋さんでみてもらってよ・・・」という気持ちをぐっとこらえて、古すぎる血圧計は使えないことを丁寧に説明しました。当然、当薬局で売れ筋の新しい血圧計の購入をお勧めしました・・・

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 薬情を見せながら投薬をしていたら、「この説明書はお金がかかるんですよね? いつもと同じなのでいりません。」と言われました。

 薬剤情報提供書の発行が義務化されて久しいのですが、今でも患者さんは別料金がかかっていると思っているようです。それにも増して、いつもと同じなので・・・と言われてしまうことに問題がありそうです。患者の病状は、日々変化しているはずなのに、前回とDo処方というだけで、「前と同じ薬ですね」で済ませてしまっていることが如何に多いか、考えさせられる一件でした。

 黄昏の薬剤師は、なぜDoなのに毎回薬情を渡さなければならないかを、地道に説明していくことの重要性を痛感しました。何百回も見ている薬情の内容なのに、未だに「へ〜 こんなことが書いてあるんだ・・・」と自ら感心しながらですけど・・・

P7311894平成22年度 診療報酬改定で、薬歴管理指導料の加算項目として新設されたものです。

【薬剤服用歴管理指導料】
(処方せんの受付1回につき)  30点

(注)特に安全管理が必要な医薬品を調剤した場合であって、当該医薬品の服用に関し、その服用状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行ったときには、所定点数に4点を加算する。(改)
<特に安全管理が必要な医薬品>
抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗てんかん剤、血液凝固阻止剤、ジギタリス製剤、テオフィリン製剤、カリウム製剤(注射薬に限る。)、精神神経用剤、糖尿病用剤、膵臓ホルモン剤及び抗HIV薬

さて、いったい何をしたら算定要件を満たすことになるのか、薬剤師はみんな頭をひねっていると思います。

黄昏の薬剤師は、過去に設けられた特別指導加算が脳裏によみがえりました。薬歴管理指導の充実を図って新設された加算でしたが、結果は、6項目への機械的な○付けに終わったような気がします。どうしたら4点をとれるのか? このことを考えていたら、この加算はおそらく2年でなくなるか、個別指導の格好のターゲットにされて終わりだと思います。

ワーファリンやリウマトレックスが処方されたとき、薬剤師は「良質かつ適切な医療を提供する」ため何をするべきか、何をしなければならないか、まずはここからスタートしなければいけないと考えられます。ハイリスク薬管理指導のガイドラインを読むと、とてもじゃないがやってられないというのが本音かもしれません。しかし、書いてあることは、医療人として当然やるべきことばかりだと感じます。この内容を十分理解すれば、ワーファリンを服用している患者に、納豆やクロレラを食べていないかを確認したり、なぜ食べてはいけないかを指導することが、4点をとれる要件になることがわかると思います。

黄昏の薬剤師は、ワーファリンの箱の中に入っている黄色い紙を、ワーファリンを服用している全ての患者さんに渡すところから始めようと考えています。「納豆は血をサラサラにするから食べてもいいんですよね?」と訊かれたとき、ちゃんと答えられるように勉強しないといけません・・・・

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ご無沙汰しておりました。最近、こんな事例がありました。

前回、新患で来局した患者さん(の家族の方)で、次回、併用薬を教えて下さいと伝えていた方が、2度目に来局しました。今回、プレドニン(5)、ムコスタ、ザンタック(150)が処方されていて、投薬時に2つの医療機関からもらっていた薬を見せてもらいました。

1つは薬情紙の一部と一包化された薬そのもので、もう一つはヒートでもらった薬そのものでした。驚いたことに、両方の医療機関からムコスタが処方されており、今回の処方せんの薬と併せて、三重投薬されていました。2つの医療機関とも院外処方で、調剤薬局から投薬を受けていましたが、併用薬の確認がされていないようでした。

今回は、家族の方がしっかりとした方で、本人はお薬手帳を持っているのにもかかわらず、活用していなかったとのことでした。これからは、家族の方が管理するとのことでしたので、新規にお薬手帳をお渡しし、一冊で他の処方薬もすべて一元管理するよう伝えました。

限られた時間の中で、併用薬をチェックすることは結構難しいものがあります。しかも、一包化された薬そのものだけのときは至難の業となります。今回、ムコスタの刻印に見覚えがあったため、すぐに識別することができました。運よく、外来患者もその人だけで、併用薬の確認に専念できたこともラッキーだったと思います。

当薬局は後算定システムを導入していて、疑義照会後、自分で重複投薬防止加算を算定することができます。重複投薬の防止は、調剤薬局に期待されている業務の一つであると考えていますので、今回の作業に対する正当なフィーとして、また、調剤薬局として適正に機能していることをアピールする意味でも、もれなく算定すべき可算だと思います。

黄昏の薬剤師は、こうした地道な作業の繰り返しが、今後の薬局の運命を左右すると考えています。

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都会の雑踏を離れ、時間がゆっくりと流れる、静かなひと時を過ごしてきました。連休明けからは、また、日常の業務に戻ります。こころと体のリフレッシュは大切な作業ですね。

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海を見ていると、心が洗われるようで、体の疲れが癒されます・・・・
磯の香りには、人にとって何か良い作用があるように感じます。生命の起源であると考えられている海水には、不思議な力があると思います。

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