HI3G0009
厚生労働省は1月13日、中央社会保険医療協議会総会を開催し、2012年度診療報酬改定に向けた「これまでの議論の整理」(案)を示しました。以下に、調剤報酬に関する部分の抜粋を記載いたします。
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掘檻 調剤報酬について
(1)薬学的な管理・指導の充実を図る観点から、以下の見直しを行う。
お薬手帳を通じて薬剤情報を共有することの有用性が再認識されている
ことから、薬学的管理指導のさらなる質の向上を図るため、薬剤服用歴管
理指導料と薬剤情報提供料を包括的に評価する。また、医薬品のさらなる
適正使用を図るため、薬歴を活用した残薬確認についても評価する。
特に安全管理が必要な医薬品(ハイリスク薬)が処方されている場合の
算定要件を明確化するための見直しを行う。
乳幼児への薬学的管理指導に関しては、現行では、調剤技術料(自家製
剤加算及び計量混合加算)の中で調剤から薬学的管理指導に至る内容が評
価されているが、点数設定を含め、現行の扱いを整理するとともに、薬剤
服用歴管理指導料への加算を新設する。
(2)調剤報酬の中で適正化できるものについては、以下の見直しを行う。
基準調剤加算の施設基準については、算定要件である備蓄医薬品数は実
態等を踏まえた品目数とすること、また、特定の医療機関の開業時間等に
応じた開局時間を設定している薬局は算定要件を満たさないこととするよ
う見直しを行う。
薬学管理料における、調剤情報提供料、服薬情報提供料等については、
一連の調剤・薬学的管理指導行為の中で算定されるものであるため、整
理・統合する方向で見直しを行う。

効率化余地があると思われる領域を適正化する視点

検檻 後発医薬品の使用促進について
(1)後発医薬品調剤加算及び後発医薬品情報提供料については、後発医薬品調
剤体制加算の見直し等にあわせて、整理合理化するとともに、保険薬局にお
ける後発医薬品の調剤を促すため、調剤基本料における後発医薬品調剤体制
加算の要件を見直す。
具体的には、現行の加算の要件(数量ベースでの後発医薬品の使用割合
が20%以上、25%以上及び30%以上)について、22%以上、30%以上及び
35%以上に改めるとともに、評価については、軽重をつける。
なお、現状、「経腸成分栄養剤」及び「特殊ミルク製剤」は、1 回の使用
量と薬価基準上の規格単位との差が大きいため、数量が大きく算出されるこ
と、かつ後発医薬品が存在しないことから、後発医薬品の使用割合(数量ベ
ース)を算出する際に除外しているところであるが、同様の観点から、「漢
方製剤」及び「生薬」についても除外する。
(2)後発医薬品に関する患者への情報提供を充実させる手段として、保険薬局
での調剤に際し患者に渡される「薬剤情報提供文書」を活用して後発医薬品
に関する情報(後発医薬品の有無、価格、在庫情報)を提供した場合に、薬
学管理料の中で評価を行う。
(3)医療機関における後発医薬品の使用を進めるため、後発医薬品使用体制加
算の現行の要件(後発医薬品の採用品目割合20%以上)に「30%以上」の評
価を加える。
(4)保険薬局における後発医薬品の在庫管理の負担を軽減するため、医師が処
方せんを交付する場合には、一般名による処方を行うことを推進する。
なお、一般名処方を行った場合の処方せん料の算定においては、「薬剤料における所定単位当たりの薬価」の計算は、当該規格のうち最も薬価が
低いものを用いて計算することとする。
(5)現行の処方せん様式では、「後発医薬品への変更がすべて不可の場合の署
名」欄があり、処方医の署名により処方薬すべてについて変更不可となる形
式となっているが、個々の医薬品について変更の可否を明示する様式に変更
する。
(6)「後発医薬品の品質確保」については、これまでも医療関係者や患者の信
頼を確保するために、アクションプログラムに基づき、国、後発医薬品メー
カーそれぞれが取組を実施しているところであるが、今後は、後発医薬品メ
ーカーによる品質の確保及び向上への取組、情報の発信をより一層促すとと
もに、これに加え、以下の取組についても実施する。
厚生労働省やPMDA等が中心となり、医療関係者や国民向けの後発医
薬品についての科学的見解を作成する。
ジェネリック医薬品品質情報検討会の検討結果について、より積極的に
情報提供を図る。
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 要約しますと、
1、薬歴管理指導料と薬剤情報提供料(お薬手帳)を包括的に評価する。
2、薬歴を活用した残薬確認について評価する。
3、ハイリスク薬が処方されている場合の算定要件を明確化するための見直しを行う。
4、乳幼児への薬学的管理指導に関して、現行の扱いを整理し、薬歴管理指導料への加算を新設する。
5、基準調剤加算の施設基準について、特定の医療機関の開業時間等に応じた開局時間を設定している薬局は算定要件を満たさないこととするよう見直しを行う。
6、調剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の要件を見直す。22%以上、30%以上及び35%以上に改めるとともに、評価については、軽重をつける。
7、「薬剤情報提供文書」を活用して後発医薬品に関する情報(後発医薬品の有無、価格、在庫情報)を提供した場合に、薬学管理料の中で評価を行う。
8、保険薬局における後発医薬品の在庫管理の負担を軽減するため、医師が処方せんを交付する場合には、一般名による処方を行うことを推進する。
9、現行の処方せん様式では、処方医の署名により処方薬すべてについて変更不可となる形式となっているが、個々の医薬品について変更の可否を明示する様式に変更する。
10、「後発医薬品の品質確保」については、今後は、後発医薬品メーカーによる品質の確保及び向上への取組、情報の発信をより一層促すとともに、 厚生労働省やPMDA等が中心となり、医療関係者や国民向けの後発医薬品についての科学的見解を作成する。

 以上の案件が示されました。注目すべきは、お薬手帳の点数が薬歴管理料に一本化される、残薬確認にフィーが付く、ハイリスク薬が処方されている場合の算定要件を明確化する、旧態依然の門前薬局は基準調剤加算の施設基準算定要件を満たさなくなる、薬情書で後発医薬品に関する情報を提供するとフィーが付く、一般名による処方を行うことを推進する、処方せん様式を個々の医薬品について後発変更の可否を明示する様式に変更する、といった点が挙げられます。
 黄昏の薬剤師は、2年前からハイリスク薬加算はあっさりなくなると思っていましたが、どうやら見直すようです。算定要件を明確化するということは、個別指導や会計監査もやり易くなるということなので、要注意かもしれません。お薬手帳の点数が薬歴管理料に一本化されるということも、(歴)を取るということは、お薬手帳を十分活用していることが前提になることを明示するための改定と捉えられます。つまり、(歴)を算定しているのに、重複・相互作用防止加算が全く算定されていない場合、本当にお薬手帳を活用しているのか、単純にシールを貼るだけで算定してないかをチェックされる可能性があります。ハイリスク薬加算と同様に個別指導の格好のターゲットになる可能性があります。また、開局時間が門前病院と同じというだけで基準薬局にもなれなくなるようです。後発品の使用促進はさらにヒートアップしてきます。一般名処方も増えてくるかもしれません。
 時代の潮流に上手く乗れるか、流されるか、取り残されるか・・・・我々薬剤師の真の実力が試される2年に一度のビッグイベントまで3ヵ月をきっています。黄昏の薬剤師は、診療報酬改定専門薬剤師?!の認定を目指して、今日もせっせと6項目の○付けにあくせくし、手帳用紙の貼り間違いの修正に勤しんでおります・・・・ でも、渡し忘れた薬情がプリンターの上に静かにたたずんでいました・・・・