2006年09月26日

珍元

珍元いったいいつから営業されているのでしょう。古風な趣き。昭和を感じさせるお店では、永年連れ添ったご夫婦が今でも暖簾を守って営業を続けられています。
地元の人に親しまれる雰囲気。訪れたときも、「今日は残業やったん?大変やなぁ」「おたくの息子はん、元気やなぁ。いつも外、走りまわって遊んではんの、よう見かけるわ」といったご近所の会話が繰り広げられています。町内の人にとって、この上なく寛げる空間がそこにはあります。

また、伊丹十三監督が映画『タンポポ』の構想を練る際、かつて足繁く通ったことでも有名。壁には伊丹十三とその妻宮本信子の直筆のサインが掲げられていますが、今ではその筆跡も判別しがたいほどに霞んでしまっています。

中華そば(450円)を注文。価格まで昔のままのようです。

京都の豚骨醤油。鶏がらや背脂そのものも入っていそうですが、豚骨のウェイトの方が勝っているでしょう。醤油が強く、また辛子味噌も加えられているので、鉢の底のほうでは一味の辛さと味噌の風味を感じるようになります。麺は一般的なストレート麺。平ざるで丹念に湯切りされていましたが、京都の老舗を地で行く柔らかめの茹で上がり。加水はそれほど高くはなく、つるつるといける口あたり。九条ネギは醤油と豚骨でまったりしやすいスープをその辛味で引き締めています。味付けの濃いメンマ。チャーシューもまたレトロなスタイルで、固く炊かれていまずが、噛み締めると出汁と肉汁で旨味が滲み出てきます。小さめのサイズだけど、(並)で5枚も入ってくるのには驚き。

食べながら厨房の様子も拝見いたしましたが、直接シンクに湯を張り、血抜きのための豚骨が沈められていました。衛生的にはいかがなものかな...という気もしないわけではありませんが(隣のシンクは洗い物用だし...(^_^;) )、まぁそんなざっくばらんなところこそ、親しみ深い「近所の中華そば屋」たる所以です。

餃子も注文しました。小ぶりながら、たった250円で8粒も入っています。あまりにも無造作に器に盛られたので、撮影するのも憚れるくらいで、写真には納めませんでした。まぁそんな肩肘張らないところも、寛げる下町情緒ならではです。ニンニクがたくさん入っており、意外にパンチのある一品。近所の人もよく持ち帰りで買っていかれるそうです。

新しさや独創性を競い合う昨今ですが、地区にひとつくらい、こんな佇まいのお店が存続していくのも悪くない話です。

地図 

【2006年9月26日訪問】

この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/at_you_see/50717116