2006年11月22日

Parade 卵かけ魚来そば

Parade 卵かけ魚来そば『KANSAI一週間』ラーメングランプリ創作部門において優秀賞に輝いた同店。現在限定で提供されている「卵かけ魚来そば」(650円)は、創作性溢れる一品です。
Parade 卵かけ魚来そば 卵・タレ注文すると、まず二つの器が供されます。ひとつには、生卵に大きめに刻まれた青葱が浮かべられているもの。底に沈んだ黒い液体がタレのようです。これを麺にかけて食べるのですね。もう一つの器には、茶褐色の半凝固した液体が入っています。これがParadeならではの「魚来」(「魚雷」ではありません。(^^ゞ )。魚出汁による煮凝りですが、同店では「魚来」と呼称しています。舐めてみると、ザラザラとした、まだ固形化したままの節系の舌触りを感じます。あまり体験したことない食感に驚くと同時に、これをかけて食べると一体どんな感じになるんだろう? という期待が膨らんできました。縁に練り生姜が添えられていますが、いろいろな薬味の中で最適なチョイスですね。

Parade 卵かけ魚来そば 麺・具材しばらくすると麺が運ばれてきました。かなり幅が広い麺です。ひょっとしたら、通常のラーメンと同じものなのかも知れませんが、スープに隠れず、こう露出していると、なかなか存在感のある独特な麺であることを再認識させられます。上に乗るは、二種類の蒸し鶏と桜海老の粉末。ここに、前出の生卵を溶いた状態のタレをかけたのが、タイトルの写真です。これを全体にタレが馴染むように攪拌していただきます。一般的には、まず卵タレを混ぜた状態で半分ほどいただいた上で、残りにはもう一つの器で供された「魚来」をかけて、風味が変わったそれを楽しみます。ちなみに魚来を加えた時には、もうぐちゃぐちゃで、ちょっとヴィジュアル的に割愛です…。(^_^;)

タレの効き方が予想以上で旨味に満ちていました。2種類の鶏肉は、胸と腿でしょうか?肉質の違いを楽しむことができます。桜海老は食感にやや粉っぽさがありますが、独特の香りは他で代替ができないユニークなものです。ただ全体に馴染ませる媒体が「卵」であるため、ある種の偏った味になるのはいたし方のないところでしょう。

実はこのメニュー、ラーメン店の一品にもかかわらず、「出汁」が用いられていないという、かなり異色な商品です。まさに型破り。ラーメンにおいて「ダシ」と「タレ」が麺に匹敵するほど不可欠なものと思い込んでいると、足元を掬われるような驚愕が待っているのです。

まさしくジャンルに囚われない「創作」。ラーメンに「こんなもの入れてみました」とか、「こんなものを出汁に使ってみました」というような水準をゆうに越えています。こう奇抜な作品を目の当たりにすると、普通一定割合の人は、自然と拒絶したくなるものです。「新奇さ」とは常にそのリスクを孕むものではありますが、ここでふと思いを馳せました。

ラーメンという料理は、常に新参の気風があってこそラーメンなのだと。そもそも、新しいものが生まれてくる、その新陳代謝の激しさゆえにラーメンはラーメンではなかったか、と。

更に付け足せば、革新と伝統は常に対を為すものなのです。伝統が根ざしているからこそ、革新的なものが生まれることができるのであり、その革新さが価値ある存在になるためには、伝統的な存在が不可欠なのです。

僕は「Parade」さんに、京都のラーメンの新しい息吹を感じたいのかも知れません。

地図 お店HP

【2006年11月22日訪問】

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この記事へのコメント
どもです
 Paradeで2度目の魚来そばを頂きました。
 今回はご飯も頂き、そばめしにして食べました。すると、これがまた不思議なことに、麺で食べたときとご飯で食べたときで風味が変わってくるのです。
 ご主人とお話をすると、夏に向けて冷やし魚来そばを出したいとおっしゃっていました。冷やした麺だとまた違う風味・食感になるのでしょうね。楽しみです。
 また、通常のラーメンは、現在の第6章で大規模な変更は行なわず、細部の完成度を上げてゆくとのことでした。
 半年間の試行錯誤で、ここまでたどり着いたご主人の熱意と努力には頭が下がります。
Posted by Archy at 2006年12月16日 16:54